風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

「空気人形」はゴーダ版のピノキオだ(1)

2009-12-21 15:12:37 | アート・文化
Air_doll_cinema 業田良家という漫画家は、かって『詩人ケン』という作品が面白いと思ったが、それ以外はさほど関心を持っていなかった。そもそも絵それ自体があまり上手いと言える作家じゃないし、ボクがマンガを読まなくなった頃にデビューし、活動しているからボクとはすれ違った作家だと言えるだろう。
 しかし、その間に『自虐の詩』などが、堤幸彦監督の手によって映画化(2007年)されているから、映像、映画にかかわるひとにはなにがしかの刺激を与え続ける作家だったのだろう。
 98年から「ビッグコミックオリジナル」誌を主な掲載紙にして始まったのが、『ゴーダ哲学堂』のシリーズだった。このシリーズの全エピソードがまとまっているものが竹書房の文庫で読むことが出来る(GY-08)。

 『ゴーダ哲学堂』のテーマは従来マンガではそぐわないものとして避けられてきた人生哲学のようなテーマが掲げられている。「ひとは何故生きるのか?」「人生には意味があるのだろうか?」と言った永遠のテーマのようなものを正面から掲げ、それにゴーダ流の回答を出そうという無謀に近い試みなのだ。しかし、業田良家という作家には『詩人ケン』もそうだったが、人生哲学におけるスポ根もののようなスタンスがあり、そこがこの作家の持ち味になっているのだ。
(つづく)

(写真)映画『空気人形』より。


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