樹木葬地へ行こうと言いだしたのはボクである。所沢の『MOJO』で都合三度目のロングインタビューをうけた時、あからさまにボク自身の生い立ちを喋った。だれにも喋ったことのないことまで喋った。でも、そうだからといって市井に埋もれた有名人でもないボクの半生など喋ったからと言って、だれが振り向いてくれるだろうか?
十代の頃、フーテンだった。ビート詩に目覚めた。新宿のビルのすき間のドブで野良猫のように寒さに震えてハイミナールをボリボリと喰らった……なんてことがひとの心をどう揺さぶるのだろう?
ボクには分からない。そして若干二十歳のそれこそボクが、遊びまわり、ドブを這いずり回っていた年齢の若者がボクに興味を覚え、撮影クルーとなってボクの行動や、活動を追っている。
今回、樹木葬地に行こうと言い出したのはボクの方だ。「ドキュメンタリー映画」としては、ボク自身が母とともに眠ろうと決意している場所、その新しい埋葬の提案をボク自身の遺言としてもメッセージしたかった。野山に帰る、里山を育てる、森のいしずえとこの身を捧げる(実は遺灰だが……植物には根から吸収しやすい養分となる)。ボクは樹木として生まれ変わるなら、金木犀になりたいな。
これって、映画の締め方としては決まりすぎてるでしょう?
さあ、ボクは監督じゃありませんから、若者三人の映画製作クルー(日本映画学校在籍中)がこのフィルムをどのようなかたちでまとめるのかには関与できません。どうなるのかは、ボクも期待してます。完成したら見にいきます(笑)!
樹木葬地での撮影が無事終わると、ちょうど日没寸前で、夕陽の残照がボクの真後ろにあったまるで冬とは思えない入道雲のような雲を赤く照らして実に神秘的な光りの中で、天空を彩(いろど)った。
それに、それに……ボクは一瞬、そこに母の横顔を見たのだった。夕陽に照らされた雲は、実に一瞬だったがダイダラボッチのように顔を持ち上げ、母の「死に顔」そっくりな横顔を貌(かたち)作ったのだった。
(写真:3)母はボクの真後ろから見守っていてくれたのか? 母の横顔のような雲が夕陽に照らされて沸き立っていた。
十代の頃、フーテンだった。ビート詩に目覚めた。新宿のビルのすき間のドブで野良猫のように寒さに震えてハイミナールをボリボリと喰らった……なんてことがひとの心をどう揺さぶるのだろう?
ボクには分からない。そして若干二十歳のそれこそボクが、遊びまわり、ドブを這いずり回っていた年齢の若者がボクに興味を覚え、撮影クルーとなってボクの行動や、活動を追っている。
今回、樹木葬地に行こうと言い出したのはボクの方だ。「ドキュメンタリー映画」としては、ボク自身が母とともに眠ろうと決意している場所、その新しい埋葬の提案をボク自身の遺言としてもメッセージしたかった。野山に帰る、里山を育てる、森のいしずえとこの身を捧げる(実は遺灰だが……植物には根から吸収しやすい養分となる)。ボクは樹木として生まれ変わるなら、金木犀になりたいな。
これって、映画の締め方としては決まりすぎてるでしょう?
さあ、ボクは監督じゃありませんから、若者三人の映画製作クルー(日本映画学校在籍中)がこのフィルムをどのようなかたちでまとめるのかには関与できません。どうなるのかは、ボクも期待してます。完成したら見にいきます(笑)!
樹木葬地での撮影が無事終わると、ちょうど日没寸前で、夕陽の残照がボクの真後ろにあったまるで冬とは思えない入道雲のような雲を赤く照らして実に神秘的な光りの中で、天空を彩(いろど)った。
それに、それに……ボクは一瞬、そこに母の横顔を見たのだった。夕陽に照らされた雲は、実に一瞬だったがダイダラボッチのように顔を持ち上げ、母の「死に顔」そっくりな横顔を貌(かたち)作ったのだった。
(写真:3)母はボクの真後ろから見守っていてくれたのか? 母の横顔のような雲が夕陽に照らされて沸き立っていた。
白樺は素敵な木ですが、植生として自然なところはむずかしいかもしれませんね。
里山の雑木ではありませんからね。でも、白樺はそれ自体が白骨とも言え、墓標に似て樹木葬の象徴になりそう……。
自分が木々に吸い込まれていく様を想像しただけで、ちょっと恍惚とした気分になりました。
わたしは白樺がいいな。生まれて初めて覚えた木だから。
ドキュメンタリー、見てみたいです。