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■ 箱根湯本温泉 「ひがな湯治 天山」 〔 Pick Up温泉 〕



<箱根湯本温泉「ひがな湯治 天山」> (箱根町湯本茶屋208、9:00~23:00、1,200円、0460-86-4126)
オフィシャルHP

ここはこれまでに10回ほども入っていますが、日によってお湯の変動が激しく、いまいちつかみどころがなかったのでレポを控えていました。
最近、どうやら全貌がみえてきた感じがする(^^)のでレポします。

※ ”館内撮影厳禁”なので、館内の写真はありません。


【写真 上(左)】 旧東海道沿いのサイン
【写真 下(右)】 混雑をものがたる看板

数ある箱根の日帰り温泉のなかでも超メジャー級の施設。
湯本といっても旧街道を須雲川ぞいに遡った奥湯本地区にあります。


【写真 上(左)】 敷地内の手打ち蕎麦処「艸楽庵」
【写真 下(右)】 同じ敷地内にある「一休」

Pはとなりにある日帰り温泉「一休」と共用でいつも混んでいて、週末など時間によってはP待ちのこともあるよう。
敷地左手の奥まったところ、階段下の券売機でチケットを購入し、階段をのぼると和風のエントランスがみえてきます。


【写真 上(左)】 右が巡回バスの停留所、左がチケット売場
【写真 下(右)】 券売機

さすがに人気の施設だけあって、館内は和モダン&ロハステイストあふれるつくり。
しっかりとしたコンセプトのうえで展開されているので、この手の施設にありがちな、とってつけたような違和感がみじんも感じられないのはさすが。


【写真 上(左)】 ちょっとしたサインが効いてます
【写真 下(右)】 夕暮れのエントランス

食事処は滋養料理「山法師」と温泉しゃぶしゃぶ「楽天」、カフェ「うかれ雲」の3ケ所。「楽天」の湯くぐり(しゃぶしゃぶ)はなかなか美味。(一時は銘柄豚「高座豚」をつかっていた。)
休憩所「ざしきぼっこ」や読書室「雨宿り」などアメニティ施設も充実、とくに須雲川に面した「ざしきぼっこ」や読書室は施設のつくりも含めすばらしいロケーションですが、週末昼間はほとんど空かないのでは?


【写真 上(左)】 渋い意匠の窓
【写真 下(右)】 すぐよこを流れる須雲川

浴場は番台?前休憩所の右手が男湯、左に女湯。それぞれ構成はちがいますが、交替制ではないようです。
脱衣所はまあまあ広いものの、混雑時はものすごい人の数となるのであまり広さを感じません。

浴場はセミオープンのゾーンと露天ゾーンからなり、内湯はありません。
入って右手のセミオープンゾーンに洗い場。その前にゲキ熱浴槽(A)とその奥にぬる湯槽(B)。
露天ゾーンは左手奥から高温槽(C)とその横にメイン露天(D)。脱衣所側に洗い場と蒸しサウナ。中央に水風呂があり、その奥の斜面に上段露天(E)と下段露天(F)。

周囲の自然を生かした緑ゆたかな露天で、自然木をつかった湯屋がかかって和めます(空いてれば・・・ ^^; )
カラン計15、シャワー5(少なすぎ)、ドライヤーあり。
自然環境保護の観点からシャンプーはおいていません。

お湯は浴槽によってかなりちがうので、浴槽ごとにレポします。

A.ゲキ熱浴槽 / 石造12人以上 / ゲキ熱
木の湯口からゲキ熱湯を投入+間欠側面注入でオーバーフローあり。ゲキ熱で空いてる。
ほぼ無色透明のお湯は、熱さもあるが硬めの湯ざわりで長湯不可。
弱芒硝味+微塩味に天山特有のパルプ?臭。湯ざわり特徴なし。
高温槽やメイン露天に比べ薄い感じもするが気のせいかも・・・。

B.ぬる湯槽 / 石造炭敷4-5人 / ぬるめ
底面注入でザンザコのオーバーフローは、かけ流しかそれに近いのでは?
きれいに澄み切った絶妙のぬる湯にはうす茶の湯の花が浮遊。味不明、かすかに甘い石膏臭?。きしきし強くとろみもあって硫酸塩泉系のイメージ。
いつも夜なので未確認だが、お湯の感じからしてかなり強い青白発光があると思う。
デリケートでやさしく包まれるようなお湯は、温まり感もよわいのでついつい長湯に。天山でいちばん好きな浴槽。

C.高温槽 / 岩枠石敷15人以上、屋根付 / かなり熱い
石臼風湯口からゲキ熱湯大量投入+底面大量注入+側面注入+飲泉(いまは飲めない?)からの流し込みで排湯不明。湯口付近は相当に熱く混雑時もあまり人がいない。
わりに空いているのでDよりは常にお湯の状態がいい。
やや懸濁したお湯は弱芒硝味+微塩味。湯口はほぼ無臭。湯面はパルプ?臭。
かすかなとろみと弱いヌルすべがあるが、本質は硬めでパワーのあるお湯で、一気に温まるが意外と冷めがはやい。

D.メイン露天 / 岩枠石敷20人以上、一部屋根付 / 適温
赤茶色に変色した岩の湯口から大量投入でオーバーフローあり。
入りやすい湯温なので常に混んでいてお湯はなまり気味。
源泉じたいはCとほぼ同じだと思うが、強めのにごりがあってとなりの「一休」(循環?)のお湯に近い。(ほとんど入らないので確信もてず)

E.上段露天 / 岩枠石敷6-7人 / ほぼ適温(ぬるめのときもある)
金属パイプから湯温が変動するお湯を大量投入し下段露天への流し出し。別に岩の上から等間隔でポタポタ投入(消毒剤?、以前は打たせ湯のことも・・・)。
タイミングによりお湯の変動がはげしいが、たいていは無色透明で弱い礒の香(or弱パルプ?臭)。とろみとヌルすべのある湯本らしいやさしいお湯は、入りごこちよくしっかりと温まる。ときおりおもむろに鮮度感がUPし、アワつきが楽しめることがある。

F.下段露天 / 岩枠石敷4-5人 / ややぬるめ(適温のときもある)
金属パイプからの投入+上段露天からの流し込みでかなりの量をオーバーフロー。
金属パイプのお湯は、たいていEの湯口より金気がかって濃度感があり、浴槽のお湯もヌルすべ強めなので源泉の混合比がちがうのでは?。ただし基本的なお湯のイメージはEと大差ない。たいていEよりなまりが強くうすにごっている。

■.水風呂
ジャグジー付でけっこう冷たい。わずかに鼻につくクレゾールっぽい臭いがあるが、大量オーバーフローで鮮度感あり、入りごこちのいい良質な水風呂。
ただし、しつけの悪いガキども、もといお子様たちがときどき飛び込んでくるのが難 ^^;;)

とまあ、日によってもちがいますがだいたいこんな感じです。

湯温は、A>C>D=E>F>B
ヌルすべは、F>E>C=D>A>B くらいか・・・。

お湯のイメージは、大きくA.C.D(硬めパワー系)とE.F(やわらか系)とB(うすめ天国系)にわかれるかと思います。
すくなくとも、この3系統の源泉混合比はかなりちがうかと。
A.C.D(硬めパワー系)は湯本のお湯というよりはむしろ強羅系の迫り来るお湯で、92.101.102.115号のうち、すくなくともひとつはかなり強烈な源泉があるのでは?

とくにいいのがBで、これはひょっとすると温泉じゃないかもしれないのですが、からだに負担のかからない軽~いぬる湯は絶妙の入りごこちで、湯岐下部に近いものさえ感じ、箱根でもかなり上位の源泉では・・・?。(湯本74号の単独使用が考えられるが、74号のスペックと浴感が合わないような気がする。)

はっきりいって、A.C.DやE.Fならば、これより鮮度よく泉質的にも上(?)のお湯は湯本に限ってもいくらもありますが、このBは群を抜いています。

浴槽ごとに湯温と温まりに強弱があり、湯ざわりも硬いのからやわらかいのまであるので、浴槽のまわり方でかなり快適度が左右されます。
個人的には、B→E→水風呂→(C)→Bというコースが好み。(BのあといきなりCに入るとかなり辛い。)

超人気施設でいつも盛況ですが、いくたびに「シャンプーがない」「シャワーがすくない」「洗い場が寒い」などの声を耳にします。
露天の踏み石が斜めになっていたりしてバリアフリー対応も十分とはいえず、移動に気をつかいます。
このようにお湯も浴場のつくりも客を選ぶけっこうクセのある施設なので、湯慣れていない人は湯本のふつうの日帰り施設にいったほうが満足度は高いかも・・・。

それでも、施設をとりまく雰囲気は抜群なので、この手の雰囲気が好きなひとは何度もリピートしてしまうでしょう。
週末昼間はとにかく混むので、平日か週末夜遅くがおすすめです。

館内各所に分析書が掲示され、HPにも記載があります。
抜粋引用してみると
「八千坪の敷地内五ヶ所の源泉から日量三七万・湧出(中略)溜め置きせずに、源泉から直に浴槽へ注がれる天山ならではの源泉浴」
なお、源泉は高温ですが加水せずに、チタン鋼管の熱交換器をつかって冷却しているとのこと。

館内には飲泉所があり、ここではpH=9.3のアルカリ性単純温泉(74号源泉)を単独使用しています。

〔 源泉名:天山温泉(台帳番号:湯本第74.92.101.102.115号混合) 〕
Na-塩化物泉 67.3℃、pH=8.3、258L/min、成分総計=不明(TIM=1255mg/kg)、Na^+=327mg/kg (68.23mval%)、Mg^2+=39.6 (15.67)、Ca^2+=29.8 (7.16)、Cl^-=652 (88.29)、SO_4^2-=54.4 (5.42)、HCO_3^-=73.1 (5.76)、陽イオン計=469 (20.8mval)、陰イオン計=786 (20.8mval) <H11.3.18試験>

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:なし 循環装置使用:あり 消毒処理:あり

【 飲用泉 】
〔 源泉名:天山飲用泉(湯本第74号) 〕
アルカリ性単純温泉 55.9℃、pH=9.3、湧出量不明、成分総計=不明(TIM=258.2mg/kg)、Na^+=87.5mg/kg、Cl^-=71.5、SO_4^2-=15.6、HCO_3^-=65.8、CO_3^2-=10.0、陽イオン計=89.2、陰イオン計=169 <H15.5.8分析>

〔 2006年以降10回程度入湯 〕
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