アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

現代版「バターン死の行進」

2010年08月19日 22時44分39秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
・猛暑 元ホームレス犠牲に 保護受けず自立も扇風機なく(毎日新聞)
 東京都内で先月、ようやく仕事を見つけた元ホームレスの男性(48)が、冷房のない部屋で熱中症とみられる症状で亡くなった。今月15日にも、電気代が払えないため、エアコンを使わずに暮らしていたさいたま市の無職男性(76)が熱中症で死亡したばかり。専門家は「生活保護受給者には、十分ではないにせよケースワーカーなどフォローの態勢があるが、何とか自立している低所得者層は猛暑対策の盲点になっている」と指摘している。(中略)
 駆け付けた救急隊員が体温を測ると、死後数時間が経過しているにもかかわらず、40度を超えていた。宮本さんは警察から「もうろうとした状態で誰かに助けを求めようとしたのか、携帯電話には亡くなった26日の未明に番号にならない数字を発信した履歴が残っていた」と聞いた。「なぜ、自立への道をまじめに歩んでいた彼が犠牲になったのか」。今でも悔しさがこみ上げるという。
 低所得者層が猛暑の犠牲になる背景には、生活保護の受給基準である「最低生活費」未満で暮らす世帯が少なくないことがある。07年の国民生活基礎調査を基に、厚生労働省が推計したところ、生活保護を受けている世帯は108万世帯だが、それ未満の収入で生活している世帯は597万世帯に上った。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100819-00000012-maip-soci

・クーラー使えず熱中症で死亡…10年間電気代払えず(スポーツ報知)
 記録的猛暑が続く中、さいたま市北区で電気代が支払えないため、クーラーが使用できなかった76歳の無職男性が、熱中症で亡くなった。16日、取材に応じた同居する無職の長男(48)によると、約10年前から電気とガスがストップ。自身も健康問題で仕事に就くことができず、父親の年金だけを頼りに2人で暮らしていたという。(中略)
 男性は2か月に1度、約15万7000円の年金を受給していたが、電気代を支払えず、約10年前から電気を使用していなかった。発見時も、長男がすぐに救急車を呼ぼうとしたが、固定電話も携帯電話もないため、公衆電話まで走って119番。死亡時、男性の財布には1000円札が2枚入っていたという。
 16日午後、自宅前で取材に応じた長男によると、隣の部屋にいた男性から15日午前に「暑い、暑い。氷を買ってきてくれ」と頼まれたため、近所で水割り用の氷と解熱剤とお茶を買い、男性の頭や首に氷をあてて熱を冷ましたという。「『冷たくて気持ちいいよ』と言っていたんですけど…」(後略)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100816-00000293-sph-soci

 「カネの切れ目が命の切れ目」とよく言いますが、それでも今までは、ホームレスや映画「SiCKO」の世界でしかないと思っていました。しかし、よく考えれば、「水際作戦」で生活保護を打ち切られて「おにぎり食べたい」といって死んでいった北九州市の男性も、同じ様な境遇にありました。
 その中には、上記新聞記事で取り上げられたよりも、もっと高齢の、戦時中を生き抜いてきた方もおられたかも知れません。若しそうならば、その方にとっては、戦時中にバターン半島やガダルカナル島の戦場で味わった炎熱地獄を、21世紀になってまた味わう事になったのではないか。
 これは、ワーキングプアの私にとっても、決して他人事ではあり得ません。何でこんな目に遭わなければならないのか。これは、もはや「熱中症格差、猛暑格差」とも言うべきものである。憲法14条や25条は画餅でしかないのか。前号記事で取り上げたネトウヨの跳梁跋扈を見てもそうだが、ひょっとして、この国は戦時中から一歩も進歩していないのではないか。
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1 コメント

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低所得者用公営住宅への入居者 (イレギュラーず)
2010-08-21 22:13:22
軽く見過ごされていますが、最近入居してくる65歳以上の「一人暮らしの高齢者」の方々は、固定電話の連絡先をではなく、携帯番号を連絡先として入居してくることが私の住んでいるところでは多い。

これでは、安否を確認できないことも発生する。

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