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アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

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派遣会社と産経新聞社で人を殺しますw

2008年06月29日 15時08分38秒 | 秋葉原・森事件関連
 派遣会社と産経新聞社に車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフで殺します。みんなさようなら・・・というのは、勿論ウソですw。しかし、下記の「労働者派遣制度に関するJSGUの考え方」とかいう文書を読むと、「こいつ等にはもう、それくらい言ってやらないと分からないのでは?」という気にもなります。

>昨今、労働者派遣制度をめぐり、一面的な見方により諸悪の根源であるかのような議論がされています。派遣の実態について誤った認識の下、そのような議論をされていることは遺憾であり、人材派遣業界の将来が危ぶまれると危機感でいっぱいです。
 http://www.jsgu.org/index.html

>このところ格差社会を論じる際に、間接雇用である派遣がその元凶であるという意見がたびたび出てきます。私たちは、マスコミや一部の労働界、政党から出されている、派遣イコール「ワーキング・プア」、派遣イコール「不本意な働き方」という見方には強く違和感を覚えます。
>組合員の話を聞き、さらに厚生労働省の調査結果をみると、こうした見方が一方的であることが浮かび上がってきます。間接雇用であるがために「不安定である」、「かわいそう」、「ひどい働き方だ」などといわれ、信念・プライドをもって派遣労働者として働く仲間は傷ついています。職業選択の自由の下、間接雇用も直接雇用も同等に「労働」であることの評価がされるべきです。
>たしかに、労働者派遣制度にはいくつかの問題があるものの、①雇用契約2ヶ月以下の登録型派遣の禁止、②日雇派遣の禁止については、JSGUは反対します。
 http://www.jsgu.org/pointofview.html

 まず、JSGU(人材サービスゼネラルユニオン)についてですが、連合系・UIゼンセン同盟傘下の、派遣社員の「労働組合」との事です。流石はUIゼンセン、「お国の為に血を流せ」の産業報国会―民社党・同盟系主流の流れを引き、今も9条改憲実現を堂々と掲げる「労組」だけあります。その「資本の下僕」ぶりは大したもの。但しここ数年は、新自由主義の余りの暴走ぶりを前にして、少し労働者寄りになりつつある様ですが。
 HPによると、当該「労組」は正社員だけでなく派遣ワーカーも組織しているそうですが、それも俄かには信じかねますね。そもそも、派遣ワーカーは大多数が未組織労働者で、凡そ組合とは縁のない所で生きています。但し、そう言えば、以前私が働いていた現場にも、確かに請負会社の正社員だけの労組がありました。JSGU加盟ではありませんが、同じ連合系です。名前だけで殆ど活動していない所謂「イベント組合」で、組合費も会社持ちだと聞いていた。JSGUも、多分そんな口でしょう。大方、ガテン系連帯やフリーター全般労組、地域の合同労組などに対抗して、会社が先回りしてこしらえた「第二組合」と捉えても、当たらずとも遠からじ、といった所かと。

 そして、「厚生労働省の調査結果」云々ともありますが、「後期高齢者医療制度で大多数は負担が軽くなる」なんて大嘘を平気でつく役所の言うことなど、誰がまともに信じますか。この手の調査にしても、常用フリーターも平気で正社員に分類していたり、かなり恣意的なものですから。
 仮に「正社員よりも派遣の方を望む」という意見があったとしても、その大半は「正社員も過労死やパワハラがあって、フリーターに負けず劣らず過酷なので、それならもう今のままで辛抱するか」という諦めの心境でしかない。正社員・フリーター問わず、そういう働かされ方を強いられている事こそが問題であるのに、それを一切問わずに、「正社員かフリーターか」なんて聞く方が野暮というもの。

 それでは聞くが、先日の秋葉原通り魔事件に際しても、下記の様な意見が、当の派遣・請負労働者やワーキングプアの間から、何故かくも多く寄せられるのか。

>やってほしいことを、やってほしい場所でやってくれた!という感じ
>よくやったな、よくぞやってくれた!(中略)あれを悪いといえる人は、きっといい家族がいて満ち足りているんだろうな(中略)人生で何度も解雇されるって派遣しかない
>日陰で生きる人間も「やればやれる」という勇気をくれた事件だと思う
>(事件で亡くなった)被害者はかわいそうだけど、閉塞を脱出しなかったら加藤はずっと被害者のままだった(中略)自分も今の職場でのいじめが続き、親がいなければやりかねない
>ともかく、生き抜け。時代の潮目も変化してきている。命落とすな、自民落とせ!
>「搾取」という名の妖怪が日本社会を歩き回っている。カール・マルクスが『資本論』の中で唱えた言葉が、21世紀になって再びよみがえってきた。秋葉原無差別殺傷事件の一つの引き金になった派遣社員制度である。
>経団連や派遣各社にテロ起こせば日本を救えます:2008/06/23(月) 01:27:19
(以上、週刊「SPA!」7月1日号「自称・アキバ通り魔予備軍たちの告白」、2ch「派遣労働の闇」板より)
 http://spa.fusosha.co.jp/weekly/ent_4447.php
 http://money6.2ch.net/test/read.cgi/eco/1135945297/

 事件加害者の加藤容疑者自身が、日研総業(この会社はとかく悪名高く、ネットで検索すれば幾らでも出てくる)の派遣社員として、トヨタ系列の関東自動車工業(このメーカーも前者と同様)東富士工場で、働き始めてから僅か数ヶ月で、いきなり解雇通知書の紙切れ一枚で雇い止めされて、それが事件の引き金になったのではないですか。当人には後で「雇い止めの延期」が申し渡されたそうですが、それもあくまで数日間かの猶予にしか過ぎなかっただけで。下記の資料を見ると、JSGUの主張とは裏腹に、「不安定で、ひどい、不本意な働き方」そのものではありませんか。

・秋葉原事件の背景には「残酷な派遣労働」があった(You Tube)
 http://jp.youtube.com/watch?v=FFCeapLpPnc
・関東自動車へ申し入れに行きました。(ガテン系連帯)
 http://gatenkei2006.blog81.fc2.com/blog-entry-164.html
・ガテン系連帯、秋葉原事件で関東自動車工業へ申し入れ(ユニオン・チューブ)
 http://video.labornetjp.org/Members/akira/videos/mousiire.wmv/view

 しかも、JSGUは、今あちこちで問題になっている「登録型・日雇派遣の禁止すらも反対である」というに至っては、「こいつら、本当に労働組合か?」という根本的な疑念すら抱かざるを得ません。JSGUの言い分とは裏腹に、「労働者派遣制度は諸悪の根源」です。戦前の「蟹工船」や現代の「原発ジプシー」「日雇い人夫出し」そのものです。私も、過去派遣ワーカーとして、今も請負ワーカーとして、それを毎日実感しています。

 過去に私が派遣ワーカーだった時も、嫌な経験をしました。確か、偽装請負で派遣された先が青果市場で、そこで輸入バナナの選別の仕事をしていた時です。私たちに作業指示を下すべき請負会社の人間(社員かバイトかは不明)が、ロクスッポ指示もせず私たち派遣ワーカーを放置しておきながら、仕方なく壁にもたれていたら、そいつは我々に向かって「立っとらんかい!」と怒鳴りやがった。
 その挙句に、二週間で解雇です。それも当日いきなり送迎のバンが来なくなり、派遣会社に電話したら最初は「燻蒸作業があるので今日は臨時休業になった」とウソを付かれ、二日目には「我々としても困っているんです、貴方の方で別に職を探すというのであれば、それも致し方ないですね」と、まるで自分たちが被害者であるかの様な口ぶりで言われた時には、もう開いた口が塞がらなかった。

 そして、今の職場では請負ワーカーとして、日払い派遣ワーカーに作業指示を出しています。私も派遣ワーカーだった時期があるだけに、出来るだけ「おい、そこの派遣の君」ではなく名前で呼ぶようにしていますが、そう毎日入れ替わり立ち替わりで来られると、顔と名前を覚えるだけでも大変です。
 仕事も、単に「ここにある商品を分ける」「このカゴ車をあそこに持っていく」とかだけでなく、どんな作業にもそれぞれに意味や前後工程との関連がある訳ですが、そんな事を現場で、いきなり来られて今日一日だけ仕事して帰る人に、自分も同じ様に仕事に追われる中で、きちんと説明など出来る筈が無く。それでもミスや怪我はさせられないので、構内施設や作業の名称すら知らない人を相手に、「これはこうするんや!」という形で、最低限の説明だけして、何とか仕事を回しています。しかし、こんな扱われ方では、する方もされる方も、堪ったものではないでしょうね。職場が次第にギスギスしてくるのが、手に取る様に分かります。そんな中で、また森みたいな事をされたら、今度こそ私も何するか分かりません。

 そんな働き方(働かされ方)を強いられて、一体どこが「信念・プライドをもって」働けるというのですか。「派遣・請負という働き方を望む人もいる」のも、大多数の人は、過酷な境遇は正社員も似たり寄ったりだったり、低賃金でそれだけでは食べていけないから、仕方なく派遣・請負労働に甘んじているだけの話なのです。確かに、えり好みさえしなければ、正社員の口も、在るには在ります。しかし、それらはいずれも大半が、悪徳商法の詐欺営業か、フリーター以上に使い捨てかの、碌でもない求人ばかりなのです。
 その辺の事情は、米国のワーキングプアが、食い詰めてイラク派兵に「志願」せざるを得ないのとも、非常によく似ています。しかし、そんな状況でも「需要がある」の一語で以って正当化されるのであれば、闇金や麻薬取引ですら、大手を振ってまかり通ってしまいます。「人の足元を見透かして、いい加減な事を言うな」と言いたい。

 勿論、グッドウィルなどの個々の悪徳派遣会社を、「臭いものに蓋、トカゲのしっぽ切り」宜しく、廃業に追い込むだけで、それで事足れりとする国の姿勢は、徹底的に糾弾されなければなりません。住専・銀行・ゼネコンにではなく、グッドウィル廃業で失業した日払いワーカーの救済にこそ、公的資金が投入されるべきです。
 但し、先のJSGUの幹部連中の様な労働貴族については、「自業自得」という他ないですね。今頃になってやっと「グッドウィルに騙された」とか騒いでいる様ですが、何をか況やです。それまで会社と一緒になって、派遣ワーカー賃金ピンハネのお零れに預かってきたくせに、被害者面すんなと言いたい。まあ、それでも同じ労働者である以上は、助けてやらない事もないですが、それも、それまで自分たちが言ってきた事・してきた事について、きちんと自己批判して初めて言える事です。

 また、この問題は、単に「正社員・直雇用か、派遣・請負か」の単純な二者択一でもありません。交通量調査の様な、本当に臨時・自己完結・単一労働の「やっつけ仕事」については、派遣でも一向に構わないのですから。或いは、トヨタの期間工の様に、直接雇用であっても非人間的な労働もある。問題はそんな所にあるのではなく、直接雇用であれ間接雇用であれ、「人間扱いされているか、モノの様に扱われていないか」という事が問われているのです。そうして見た場合、日々の昼食にも事欠いて、カップラーメンや無食で凌がなければならない様な、今の派遣・請負労働については、お世辞にも「人間的」であるとは、到底言えません。

 この秋葉原通り魔事件については、下記のブログでも紹介されている様に、昨今の格差社会が微妙に影を落としています。勿論、その中でも加藤容疑者の様にならずに、頑張っているワーキングプアの人も大勢居ます。彼のやった事は到底許される事ではありません。第二・第三の彼を生まない為にも、「何故、彼にはそれが出来なかったのか」という彼個人の弱さ・甘さや、彼のみならず私自身自身の中にも潜む「弱者の暴力性・差別性」「無差別テロへの衝動」についても、批判的立場からきちんと見ていかなければ、事件の全体像は掴んだことにはなりません。
 その中にあって、最後に紹介した産経新聞の記事だけは、相変わらず事件を容疑者個人の特異性だけの問題に貶めて(つまり光市母子殺害事件と同様の手口で)、ナイフ所持規制の是非といった方向に世論を誘導しようと、躍起となっているのが、もう見え見えで。いくらナイフ所持を規制しても、犯罪の土壌となる社会的閉塞感・不公平感や、現実の経済格差が解消される方向に向かわない限り、犯罪は減りません。そんな報道ばかりしていると、いつか最後には産経新聞も、「この御用新聞が!」という事で、「第二・第三の加藤」の標的にされてしまうでしょう。明治時代の日比谷焼き打ち事件や、大正時代の米騒動の時の様に。

・久々にマスコミに感謝!(秋葉原通り魔事件関連記事)(ワンダバステーション・日記帳)
 http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/55549185.html
・NHKスペシャル「追跡・秋葉原通り魔事件」 - 本田由紀の正論解説(世に倦む日日)
 http://critic5.exblog.jp/8848401/
・秋葉原無差別殺傷 25歳どう見る 「共感できない」(産経新聞)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080612-00000087-san-soci&kz=soci 
 
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西成暴動に加勢した若者をどう見るか

2008年06月19日 18時58分44秒 | 秋葉原・森事件関連
 秋葉原通り魔事件・東北地方の地震・サミット財務大臣会議などに世間の耳目が集まっていたのと、ほぼ同じ時期に、大阪・西成の「あいりん地区」では暴動が発生していました。しかし、こちらの暴動のニュースについては、どのメディアからも殆ど注目される事がなかったので、私もつい最近まで、そこで暴動が起こっていた事は知りませんでした。

 暴動に至る経過は、凡そ次の様なものです。
 6月12日、近くの商店街でお好み焼きを注文したあいりん地区の労働者が、お好み焼き屋の店員からツッケンドンな対応をされ、それに怒って苦情を言うと、今度は警察に通報される。労働者はそのままパトカーで警察に連行され、西成署内で4人の刑事から代わる代わる暴行を受ける。何でも「顔を殴られ、紐で首を絞められ足蹴にされ、気が遠くなるとスプレーをかがされ、(中略)両足持たれて逆さ吊りにされ」た(釜パトブログ)との事。それで怒った労働者たち約300名が、13日夕方から続々と西成署前に集まり、数日間に渡って警官・機動隊と衝突した、というものでした。詳しい状況については、下記関連記事を参照して下さい。

・大阪・西成署前、300人騒動 「警察の暴行に抗議」(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/national/update/0614/OSK200806130096.html
・悪夢再び? 200人が騒動 あいりん地区 空き瓶や自転車投げる(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080613/crm0806132318046-n1.htm
・大阪・西成で3日連続で騒動-警察署への抗議から発展(JANJAN)
 http://www.news.janjan.jp/area/0806/0806159727/1.php
・釜ヶ崎・西成警察の暴行と労働者の抗議に沈黙するメディア(レイバー・ネット)
 http://www.labornetjp.org/news/2008/1213766140260staff01
・近況13>生田武志のLASTDATE
 http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/thesedays13.htm
・釜ヶ崎の暴動(釜パトブログ)
 http://kamapat.seesaa.net/article/100589547.html

 まず、大阪をよくご存じない方の為に、「あいりん地区」について簡単に説明しておきます。同地区は、東京・山谷と並ぶ、西日本で最大の寄せ場です。大阪市西成区内の、JR・南海新今宮駅の南側に広がるドヤ街を指し(ドヤとは簡易宿泊所の事)、「釜ヶ崎」の旧称でも知られてきました。そこは、同区の萩之茶屋1・2丁目を中心とした狭い地域で、約3万人の人々が住んでおり、その多くが野宿生活者や日雇い労働者です。

・釜ヶ崎(あいりん地区)の現況など(釜ヶ崎のまち再生フォーラムの資料より)
 http://www.kamagasaki-forum.com/ja/vision/kamagasaki.html

 あいりん地区では、過去に何度も暴動が起こっています。
 まず、1961年8月に起こった最初の暴動ですが、この時は、交通事故で車にはねられた労働者を、警察が勝手に即死と断定し、路上に放置し続けたとして、それに怒った群集が2千人以上も集まり、警察・機動隊と衝突しました。それ以降、60年代から70年代初頭にかけては、毎年夏になると年中行事の様に暴動が繰り返されていました。当時は高度経済成長の末期で、あいりん地区にも万博景気で多くの労働者が流れ込んできた時代でした。
 それ以降は、暴動はずっと沈静化していましたが、1990年に再び火を噴きます。それが第22次西成暴動で、警察が暴力団から賄賂をもらっていたという新聞報道を機に、日頃から警察の横柄な態度や暴力団によるピンハネに憤りを抱いていた群衆が、5日間に渡り警察と衝突し、近くの阪堺線南霞町駅が放火されたりしました。しかも、あいりん地区の労働者たちだけでなく、近隣の暴走族の少年も加わり、それが更に騒動に輪をかけたというのも、それまでの暴動にはない動きでした。

 しかし、その後は1992年の第23次暴動を最後に、あいりん地区では久しく暴動など起こっていなかったのです。それは、労働者の高齢化と長年の不況の影響で、労働者には、もはや暴動を起こすだけの元気すら残っていないのではないかと、思われていました。
 ところが、そこに今回の第24次暴動が起こりました。確かに、過去のケースと比べれば、割と規模の小さな暴動です。しかし、地区内の労働者だけでなく、周辺地域に住む若者も、その一部が暴動に加わっていたとの報道もあります。但し、ただそれだけなら、先の第22次暴動の時の暴走族の様に、「若者はあくまでも面白半分に便乗しただけ」とも、言えなくはありません。でも、どうやらそうでもない様なのです。「(19歳の)同じ年ぐらいの子とかもすごいいっぱい来てて、マスコミからはすごく悪く言われてるけど、そんなんじゃ全然ない」「これは自分の問題だと思った」などのコメントが、実際の参加者の口からついて出ているのです(以上、近況13>生田武志のLASTDATEより)。

 これは何を意味するのか。最近の「蟹工船」ブームに見られる如く、ワーキングプアの若者が、野宿者問題についても、「単にホームレスの問題としてだけではなく、自分たちの問題として」捉え始めている、一つの萌芽的な兆しではないのか。
 勿論、そういう見方に対しては、当の野宿者問題支援者の間にも様々な意見がある事も事実です。「普段は野宿者狩りやオヤジ狩りに手を染めていた若者の不満が、たまたま今回は警察の方に向かっただけだ」という手厳しい見方をする人も居ます。しかし、実際はどうなのだろうか。ひょっとしたら、森や加藤の様な「弱者の暴発」に終わっていた若者たちの不満が、次第に「自分たちの真の敵」にその照準を向けつつあるのではないか。そうは考えられないでしょうか。

 また、この様な私の物の見方に対しても、「暴動を美化するのか」と訝しがる向きもあるでしょう。正直に言いますと、私も長い間、あいりん地区の労働者に対しては、「暴徒」に近い印象を持っていましたし、その支援者に対しても、「新左翼系の良からぬ扇動者」という印象を持っていました。しかし、ここ数年間のサイト・ブログ活動を経る中で、私のその認識も徐々に変化してきました。

 念のために先に言っていくと、私は、暴力やコンビニの商品略奪については、昔も今も肯定していません。況してや、かつての中核・革マルなどによる内ゲバ・暴力行為に至っては、もう論外です。それは今も変わりません。しかし、それを言うのであれば、西成警察による労働者に対する日常的な暴力に対しても、同様に非難されて然るべきです。しかし、警察の暴力に対しては全然批判がされずに、マスコミもそれに事実上目を瞑っている現状を抜きにして、あいりん地区の労働者のみを批判するのは、余りにも片手落ちです。
 「弱者の暴発、暴走」についても、許せないのは当然です。当の私自身にしてからが、森に対しては、今も言い知れぬ憎しみを抱いています。しかし、それと同時に、「暴発、暴走」を憎み非難するだけでなく、それを単なる「暴発、暴走」や「下見て暮らせ傘の下」的発想から、「ワーキングプア、労働者階級、被抑圧人民同士の連帯」の視点に引き上げていく為には、自分はどうすれば良いかという事も、考えていかなければならないという気持ちも、同時に持っています。それは、「誰かの為に」ではなく、「自分自身の為にも」です。

※記事写真はあいりん地区内の様子。中央に監視カメラが写っている。(6月22日、西成警察周辺にて)
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弱者の暴発ではなく自民党政治の廃絶を

2008年06月14日 00時30分45秒 | 秋葉原・森事件関連
 秋葉原通り魔殺人事件で揺れた6月8日の日曜日は、また沖縄県議選の投票日でもありました。この選挙は、この春に行われた衆院山口2区補選と並んで、後期高齢者医療制度を始めとする、福田内閣・自公与党の悪政に対する審判の場となりました。そして、やはりこの選挙でも、先の山口補選と同様に、与党に厳しい評価が下される事となりました。
 本来ならば、私のブログでは、このニュースの方こそ、真っ先に取り上げなければならない筈でしたが、ついつい秋葉原の事件に目が行ってしまい、こちらのニュースについて取り上げるのが、遅くなってしまいました。

 沖縄県は、今まではどちらかと言えば、選挙で争点になるのは基地問題が中心でした。それも、「基地問題か、しからずば地域振興か」の二者択一の形で争われる事が多く、「前者が争点になれば革新(野党)有利、後者が争点の時は保守(与党)有利」とも言われてきました。しかし、今回は様相が一変しました。全国で問題になっている後期高齢者医療制度の問題が、沖縄でも重要な争点に浮上してきたのです。取り分け沖縄では、全人口に占める高齢者の割合も高く、お年寄りが大事にされる土地柄もあって、与党は防戦一方に回る事を余儀なくされました。それに加えて、それまでの米兵による女子中学生暴行事件や、普天間基地の移設問題も、引き続き重要な争点になりました。

 県議選の結果は、自民党現職の相次ぐ落選となりました。連立与党の公明党がしぶとく現議席を維持したものの、自公与党全体では過半数を割り込む結果となりました。それと対照的だったのが野党各党です。民主党は4議席増の躍進、共産党も元職返り咲きなどで2議席増、社民党も1議席増で同党系無所属を併せれば野党第一党に躍り出るという結果になりました。残念ながら土着革新政党の沖縄社会大衆党は他の野党躍進のあおりを受けて議席減となりましたが、総体としては野党が県議会の過半数を占め、自公与党を更に窮地に追い込む事になりました。

 その流れを受けて、参院で福田内閣問責決議案が可決される事態となりました。この問責決議案そのものは、今や内閣支持率が2割台にまで落ち込んだ福田内閣に事実上の不信任を突きつけるという、至極当然の内容です。但し、民主党がそれまでの自民党との協調路線(宇宙軍拡・少年法改悪容認など)を誤魔化す為に、やにわに出してきたという側面もあったので、その事で自民党に居直る口実を与えてしまい、折角の問責も若干効果が薄められてしまいましたが。

 しかし、たとえそうであったとしても、問責決議案の中身自体は、至極当然の内容です。その提出のタイミング・出し方については色々異論があるとしても。少なくとも、参院の問責決議案に対抗して与党が多数を頼んで衆院で可決した、信任の具体的理由を何ら挙げる事が出来ずに、ただ「一生懸命頑張っているから信任に値する」というだけの、空虚な福田内閣信任決議とは、雲泥の差です。国民の2割しか支持する人がいないのに、何が信任かw。

 後期高齢者医療制度の問題点につては、このブログでも今まで取り上げてきましたが、もうトンでもない内容です。つい先日も、大阪でも保険医協会が同制度の中止・撤回を求めるビラを配っていました(上記写真参照)。そこには後期高齢者医療制度の説明が、以下の様に大阪弁で分かりやすく載っていました。―75歳過ぎたら・・・(1) なるべく医者に行かんように、(2) 慢性疾患は定額医療で、(3) なるべく入院しないように、(4) 入院したら末期ガンでも退院して、(5) 薬は少なく、絶対重ならないように、(6) 死ぬときは病院ではなく「在宅」で(病院以外でという意味)、(7) 生きているうちに死に方を考えといて!(死ぬ前の医療=終末期医療)・・・もう完全な「厄介払い」ですね。

 更に酷いのは、これは決して「後期高齢者」だけに留まる話ではない、という事です。今回は「後期高齢者」が医療費抑制の槍玉に挙げられていますが、その次は生活習慣病患者(つまり大多数の国民)が槍玉に挙げられるのが、目に見えています。【国民の健康の為ではなく、あくまで医療費抑制の為に】、禁煙(健康増進法、タスポ)やらメタボ抑制(特定健診)が盛んに言われているのが、その何よりの証拠です。本当に健康を考えての事ならば、タバコや酒で憂さを晴らさなくても済む様な働き方(ディーセント・ワーク)を、国が率先垂範すべきですが、現状は全く逆なのですから。何でも「自己責任」だけで済むのなら、政治家は不要です。

 自公与党が郵政民営化のペテンで掠め取った虚構の多数にしがみつくのも、いい加減にしろ。一刻も早く衆院を解散して、民意とのネジレを解消しろ。姥捨て山・差別・棄民政策の後期高齢者医療制度なぞ、一刻も早く撤回しろ。これが今の民意です。民主党がそれに沿う限り、国民は民主党を支持します。しかし、若し自民党と馴れ合って公然と裏切る様な事になれば、その時は民主党にも、かつての村山社会党と同じ目に遭わせてやるだけです。

 そういう重要なニュースがあった日なのに、当日はアキバ事件報道で完全に埋もれてしまいました。政府にとっては、「困った時の北朝鮮」ならぬ「―通り魔殺人」という形となって、今回は偶々一時的に命拾いする事となりましたが、そうそういつまでも同じ手が使えるとは限りません。「後期自民党政治制度の残存能力」は、日増しに衰退の度を辿っている事は確かです。今こそ、弱者の暴発ではなく自民党政治の廃絶を。

(参考資料)

・野党逆転26議席 自民4減、民主全員当選(琉球新報)
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-132949-storytopic-3.html
・野党が逆転 26議席/自民惨敗、民・共躍進(沖縄タイムス)
 http://www.okinawatimes.co.jp/day/200806091300_01.html
・沖縄県議選 選挙開票結果>各党議席(NHK沖縄)
 http://www.nhk.or.jp/okinawa2/senkyo/
・首相問責決議 参院が示した重い判断(北海道新聞・社説)
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/98385.html
・大詰め国会/胸に響いてこない「問責」(神戸新聞・社説)
 http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0001114184.shtml
・内閣総理大臣福田康夫君問責決議(参議院HP)
 その下の衆院の信任決議とは違い、問責理由が具体的に述べられています。
 http://www.sangiin.go.jp/japanese/frameset/fset_c04_02.htm
・福田内閣信任決議案(衆議院HP)
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/ketsugian/g16913003.htm?OpenDocument
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万人の万人に対する闘争

2008年06月10日 20時05分27秒 | 秋葉原・森事件関連
 6月8日の日曜日白昼に起こった東京・秋葉原の通り魔連続殺人事件ですが、以前の私なら、一応政治系と目される自分のブログで、こんな刑事事件をわざわざ話題に取り上げる事はありませんでした。しかし、例の森との一件があってからというもの、今回の事件についても、とても他人事だとは思えないのです。いつまた同じ様な目に遭うかもしれないかと思うと、まったくやりきれない気持ちになります。

 今までのニュース報道に因ると、通り魔事件の加害者は25歳の男性派遣社員だとの事です。彼は青森市の出身で、高校は県下有数の公立進学校を卒業しながら、派遣社員として自動車メーカーの現場を今まで渡り歩いてきました。
 何故大学に進学しなかったのか。青森県と言えば、大学は確か国公立と私立がそれぞれ数校あるだけで、有効求人倍率も全国最低ランクでしょう。公務員などに縁故採用のコネでもあればまた別ですが、そうでない限り、進学するにしろ就職するにしろ、マトモな所に就こうとすれば、地元から出るしかない。或いは、この頃に両親が別居しているので、ひょっとしたら、家庭崩壊やそれに伴う経済的な理由で、進学を諦めざるを得なかったのかもしれません。

 そうして彼は、派遣社員として幾つかの現場を渡り歩いた後、静岡県裾野市の自動車メーカーの工場で働く事になりました。「おとなしい、礼儀正しい人」と言うのが、彼の表向きの人物像ですが、知人・同僚の話によると「一旦キレたら手がつけられない」という一面もあったとの事です。実際、事件発生数日前にも、出勤時に自分の作業着が見当たらなかった事で、「自分は会社からは疎んじられている」と勝手に思い込んで、それが通り魔殺人を引き起こす直接のキッカケとなりました。その背景には、当該自動車メーカーで進められていた人員削減も、微妙に影を落としていました。

 また彼は、高校は公立進学校に合格したものの、周囲は秀才揃いで授業にも付いて行けず、今までとは一転して「負け組」の悲哀を味わう事となり、次第に「ブスでグズでノロマで異性にもてない人間」と自分を卑下し、ネットにのめり込む様になっていきました。事件当日も携帯サイトに頻繁に、犯行予告や自分の心境を書き込んでいました。

 彼は、小泉構造改革や新自由主義、自民党政治の犠牲者である事は、もうハッキリしています。青森という出稼ぎ常襲地帯で、受験競争にせきたてられて、つかの間の「勝ち組」気分を味わえたものの、やがて両親の離婚などを契機に、それまでバカにしていた「負け組」に、今度は自分自身が転落していくのを、嫌というほど味あわされる様になる。
 しかし彼は、受験競争という枠組みに飼いならされてきたが故に、その枠組みそのものを廃絶する(つまり社会変革)という思考には最後まで至らず、逆に「差別されているが故に、逆に差別する側に回ろうとする」アンクル・トムの心理に囚われ続けた挙句に、レンタカーで借りた2トントラックを凶器に、歩行者という弱者に襲い掛かっていったのです。何のことは無い、森と全く同じじゃないか。

 作家の雨宮処凛が、自著の「生きさせろ!難民化する若者たち」の中で、「何故ワーキングプアの若者が立ち上がらないか、という声をよく耳にするが、既にニートや引きこもりという形で、立ち上がっている」という趣旨の事を書いていました。私は、これは半分は当たっているが、半分は間違っていると思います。
 こういう形での「決起」は、確かに社会変革に至る一つのキッカケになる可能性があります。実際、ワーキングプアの若者の間では、在りし日のプロレタリア小説「蟹工船」が一大ブームになったり、日払い派遣の実態を告発した共産党の国会質問が話題を呼んだりしていますから。しかし、こういう形での「決起」のままでは、絶対に社会変革や革命になぞには至りません。何故ならば、アンクル・トムの思考に囚われている限り、いつまで経っても「椅子取りゲームの中での椅子の奪い合い」にしかならず、「椅子取りゲームそのものを止めさせて、椅子を増やす」という形にはならないからです。
 その「決起」の行き着く先は、結局は「万人の万人に対する闘争」でしかありません。その怒りの矛先が向けられるのは、支配階級ではなく、自分が今まで卑下していた別の弱者でしかありません。「下見て暮らせ傘の下」の思考が、そこでは極限まで貫徹される事になります。

 それを見た支配者は、更に嵩にかかって、「これぞ戦後民主主義の個人エゴの現れだ、今こそ親・家族・社会・国家への崇敬の念が必要だ」とばかりに、ナイフ所持規制(町村官房長官)や「会社でも社歌と君が代を歌え」(御手洗・経団連会長)という様な事を、今まで以上に言ってくるでしょう。そして、政権与党や大政党に圧倒的に有利な小選挙区制や、企業献金や有料テレビCMは野放しの一方でビラ配布一つにも難癖をつけて来る公選法の規定や、政府与党によるマスコミ操作・「命令放送」・ネット規制などによって、当座はしのげるでしょう。しかし、それでいつまでも持つと思えば、大間違いです。

 今の社会体制に対するワーキングプアの潜在的な怒りが、どれだけ凄まじいものか。政府・自民党・財界には、それが全然分かっていません。ホンの一例を挙げれば、日払い派遣労働者の大半が、昼食抜きか、せいぜいカップヌードルとおにぎりだけのお弁当で、毎日毎日働いている事を、どれだけ知っているか。それも、一昔前までのフリーターに時々見られた「将来の夢実現の為に、今は我慢」というのとは、全く違う。夢も希望も打ち砕かれた挙句に、死ぬまでこういう状況が続くのだが、それがどれほど惨めな事かを、政府・自民党・財界の面々は殆ど理解していないのではないでしょうか。
 これは別に、北朝鮮の話でもなければ、アフリカの最貧国の話でもありません。れっきとした日本の現実です。戦前日本でも欠食児童が少なくありませんでしたが、家族・社会の絆(民間のセーフティネット)が崩壊している分、ある意味では戦前よりも酷いとも言えるのではないでしょうか。カップ麺を買わされる度に、或いはメタボ健診の知らせを聞かされる度に、「お前が店内で立ち入る事が許されるのは、カップ麺とおにぎりのコーナーだけだ、それ以外は立入禁止」と言わんばかりの、自分と社会とを分け隔てている目には見えない分断線の存在を、彼らは理屈抜きに身体で感じ取っているのです。

 そんな状況を放置したままで、何が「君が代」か「美しい国」か。笑わせるな。偉そうに愛国心の説教を垂れるより前に、誰でも普通に働いたらまともに食っていける様にするのが、筋だろう。
 このままでは、日本は、遅かれ早かれ、職場・地域全体が映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」の様になるでしょう。「資本主義は弱肉強食」と、いい気になって社会変革への希望を圧殺していると、最後に来るのは、もう取り返しのつかない「亡国」状況です。それが嫌なら、もう「革命」しか無い。

(参考記事)
・携帯サイトで犯行予告 秋葉原無差別殺傷7人死亡(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/national/update/0608/TKY200806080127.html
・秋葉原通り魔:「みんな殺したい」ネット論争で激怒(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/jiken/akihabara/news/20080610k0000e040072000c.html
・「会社に居場所なくなった」加藤容疑者が供述(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080610-OYT1T00066.htm

(関連エントリー)
・似非弱者による差別暴力を許さない
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/f8083536c36a7e3cb8230124f4fbdb24
・資本主義は弱肉強食 希望は亡国
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/8b5ca85c5c095b93890749648ff5a0a8
・食のアパルトヘイト
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/79b4079365d5c81c0e2b4190341bde60  
コメント (20)
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参考資料:私が会社に提出したパワハラ事件の上申書

2008年05月29日 19時54分32秒 | 秋葉原・森事件関連
※関連エントリー:5月29日付「似非弱者の差別暴力を許さない

      上  申  書
            2008年5月24日
            ××業務請負会社××センター出張所  
            契約社員 ×× ××(プレカリアートの実名)

■本日蒙った職場内パワー・ハラスメント被害についての報告

(1) 発生日時:2008年5月24日(土)
(2) 発生場所:××(某大手スーパー)××センター内の冷室及び休憩室
(3) 事実経過概要
●12:40頃 
 私が冷室内で、△△店×便××(業者名)積載カゴ車のチェック作業をしていたら、森和弘(仮名、派遣会社A社員)からいきなり、「お前、遅いしムカつくんじゃ」という意味の暴言を吐かれて、つっかかって来られ、それに抗うと今度は胸ぐらをつかまれる。その時は野崎さん(仮名、業務請負会社正社員で私の直属上司に当る)に止めに入ってもらい、とりあえずその場は収まる。
●14:30頃
 3便荷出し終了直後に、森に呼び止められ、2人で休憩室に行く。休憩室に入るや否や、いきなり森にまた胸ぐらをつかまれ、押し倒され、首を締め上げられ、「お前、謝らんか!謝らないと殺すぞ!」と暴言を吐かれ、顔面に唾を2回吐きかけられる。「何故謝らないといかんのか」と押し問答を繰り返すも、森はまったく聞く耳を持たず、「お前なんか殺しても平気なんやぞ、もう今日でここは辞めたるさかいに、俺に謝れ!」と言いながら、室内備付のパイプ椅子を顔面に振り下ろそうとする。途中で休憩室内の異常事態を察した三木さん(仮名、派遣会社B社員)が入って止めに入ってもらってからも、押し問答は続く。私は全く納得がいかないまま、こんな事でバイト先で殺されては適わないので、とりあえず謝り、やっと拘束を解いてもらう。
●15:00頃
 野崎さんに以上の経過について説明する。野崎さんからは、「多分森君が××さん(プレカリアート)に言いたかった事は、××積載カゴ車のチェックよりも×便一番手荷出し分カゴ車の引込を優先して欲しかったという事ではないか」という事を、初めて聞く。しかし、仮にそういう言い分があるとしても、どちらが正しい作業のやり方かという事は全く別問題である。また今回はそもそも、それ以前の問題として、そういう考え方の違いを、事前の説明や議論もないまま、暴力で一方的に押し付けられたという事が、事の本質である。その旨を野崎さんに言う。
●当方の物理的被害状況
 殴られはしなかったので打撲傷はなし。但し押し倒され締め上げられた事による擦過傷が左上腕部と首すじ前面に残る。

■ 今回蒙った職場内パワー・ハラスメントの本質(当方の言い分)

(1) あくまで個人的見解にしか過ぎないものを、いきなり暴力的に押付けられた。

 私がそれまで聞いていたマニュアルは、「×便については、基本的には××店は13時までに、その他の店舗については一番手から順に、出荷商品の仕分け・検品・チェック・引込・管理表記入・荷出しを13時半までに終える」という事のみである。
 その他の具体的な作業手順や優先順位は、その場に応じて臨機応変に決めるべきものであり、また作業者個人によってもそれぞれやり方は異なるし、私はそれが普通だと思っていた。その中で、×便××積載カゴ車等のチェックについては、(中略)遅くとも午後12時半過ぎには××のチェックにかかっていないと、到底荷出しには間に合わないし、後になって誤配仕分けが見つかっても対応できなくなるから、そこから逆算して作業にかかっていただけである。
 また、決まっていたのは一番手から順にチェックを進めるという事だけで、その一番手出荷先のどちら側の接車バース分から先行させるかという事も、その時の作業者の判断に任されていた筈だ。ちなみに私は、今までも前室分から荷出しされる事が多かったので、当日は接車バース△△番側(△△店など)からではなく××番(××店)側からチェックを始めたに過ぎなかっただけの事だ。そこで仮に森の言い分にも幾許かの正当性があったにしても、それならそれで何も△△店だけに固執せず、他のチェック済の一番手出荷分の店舗を引込めば、何の問題も無かった筈だ。
 要するに、どれが絶対正解のやり方というのはそもそも無くて、どういうやり方であろうとも13時乃至は13時半に所定の作業を終えれば、それで良いだけの話なのだ。それに対して「俺はこのやり方が正しいと思う」とそれぞれ思うのは、私や森も含め全く個人の自由だが、それを事前の擦り合わせもなく、いきなり「俺の流儀に逆らうな」と暴力的に強要する権利など、誰にもない筈だ。

(2) 森の根底にあるのは差別者・ファシストの論理でしかない。

 上記の「みんな違って、みんな好い」という程度の内容が事の本質であるにも関わらず、その互いの見解の相違を認めず、また仮にその違いが問題であるとしても、そこで自分の方から、暴力でなく互いに民主的に提案を出すなりすれば、それで済む話だ。しかし彼はそうせず、いきなり暴力的に自分の見解を他の作業者に押し付けた。これではまるでファシストの論理である。つまり、フセインが今も大量破壊兵器を隠していると勝手に思い込んで一方的にイラク戦争をおっ始めた米国ブッシュや、北朝鮮で欲しいままに独裁制を敷いている金正日と、全く同じ論理であるという事だ。休憩室での押し問答の際にも、私は首を絞められながらそれを森にそれとなく指摘してやったのだが、森はその意味すら理解できずに、「そうじゃ、俺は金正日じゃ、だから何の気兼ねも無く気に入らないお前を殺すんじゃ」「金正日とか何とか、こいつバカじゃないの」と喚いていただけだった。
 また、森はこうも言っていた。「誰に口を聞いているんじゃ」と。要するに「俺はお前よりずっと仕事が出来るのに、何を対等な口の聞き方しているんじゃ」と言いたいのだ。それはそうだろう。派遣社員でスポットでしかこの××物流センターに勤務していないとは言え、何時から勤めだしたのかは知らないが、のべ勤続年数や経験・技能では私より森の方が秀でているのは、言われるまでも無く当たり前の事だ。しかし、先輩だからといって、仕事でもプライベート(私はそんな気は最早微塵も無いし、それは森とて同じだろうが)でも、何でも無条件につき従わなければならない謂れなどない筈だ。同じ身分のバイトであれば、業務習熟度に関わり無くみんな対等平等である。また業務を離れれば、たとえ社員や上司・取引先であろうと、人格的にはみんな平等である。誰も森の奴隷ではない。こんな事、いちいち言われるまでもない事だと思うが。
 そして、仮に百歩譲って、森の業務上での言い分が全て正しかったとしても、それならそれで後進のメンバーに丁寧に分かりやすく業務を指導するのが、先進者・経験者の役目ではないか。それが何だ。「俺はお前よりずっと仕事が出来るのに、何を対等な口の聞き方しているんじゃ」とは。これではまるで幼稚園児のガキと同じではないか。森は私と同じ一介のワーキングプアにしか過ぎないが、その発想においてはブッシュ・小泉・安倍・金正日などの「勝ち組」差別者・搾取者・反動ファシストと、全く同類である。

■ 当方の職場に対する当面・最低限の要求

 ここで本来ならば、まず真っ先に森和弘当人の謝罪を要求するのが筋であるのは、私ももとより承知の上です。しかし、森は以上述べてきたような自己中心的な人物なので、今更私に謝罪などする筈もないし、私とてそんな偽りの謝罪など聞きたくはありません。今ここで私が御社(私が働いている業務請負会社)に最低限望む事は、下記の2点だけです。

(1) 森に直接雇用責任・指導監督責任・安全配慮義務を負っている派遣会社A社の担当者による私への謝罪。
(2) 金輪際、森を××物流センターに派遣しない(させない)事についての明確な確約。特にこの第2点が保障されない限り、私もこんな目にはもう二度と遭いたくありませんので、身の安全が確認されない限り、当面の就労は見合わせて頂きたく存じます。

                                    以 上

※当該上申書をウェブ上に公開するに際し、下記事項に限り、必要最小限度の編集を加えました。それ以外は全て上申書の原文をそのまま転載しました。
(1) 固有名詞(個人名・会社名等)は全て仮名・伏字等に置き換えました。
(2) 余りにも業務の専門的事項に偏した記述は、煩雑になるのを避ける為に、一部割愛しました。
(3) 原文中の誤字脱字については、その度、訂正を加えました。
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似非弱者の差別暴力を許さない

2008年05月29日 19時53分52秒 | 秋葉原・森事件関連
 ブログ更新が滞り大変申し訳ない。実は私、ついこの間、バイト先で派遣社員から暴行を受ける破目に遭ったのです。所謂パワハラ(パワー・ハラスメント)です。この事については書こうかどうか迷いましたが、やっぱり書くことにします。
 
 詳しい内容は、別掲の参考資料をご覧下さい。ここではまず事の顛末について簡単に説明します。
 私の職場は某大手スーパーの物流センターで、私はそこの仕事をスーパーから委託されている業務請負会社のバイトです。私に暴行したヤツというのは、派遣会社A社から当該センターにスポットで働きに来ていた、森(仮名)という30歳ぐらいのやせぎすの背の高い男です。私が見た所では典型的な一匹狼タイプで、あまり誰とも喋らない(従って私とも今まで殆ど喋った事が無かった)人物です。但し、私が今の職場に異動になるずっと以前から、断続的に此処に派遣されてきていて、仕事も私の会社のベテラン・バイト並みにこなす、そういう人間でした。

 問題の私へのパワー・ハラスメントが発生したのは、この5月24日の昼過ぎです。午後からの当日最終便の出荷作業に追われていた時に、森が運びたかったカゴ車の積載商品のチェックを私がやっていたのを捉えて、いきなり「お前、トロイ(鈍い)しムカつくんじゃよ」と、突っかかってきたのです。しかも、他にいつでも運び出せる、チェック済のカゴ車が何台もあったのにも関わらず。「トロイ」というのも全く事実無根。私がチェックしていた商品は、やっと前工程の作業者が仕分け終わり、それを最終便の荷出しに間に合わせる為に、ギリギリのタイミングで私がチェックを入れていたものです。

 そこで私が「何じゃ、そのモノの言い方は!」みたいな感じで返すと(当然でしょう)、今度はまたいきなり「誰にモノを言うとんじゃ!」と掴み掛かってきたのです。その時は私の会社の社員さん(野崎さん、仮名)が止めに入り、かろうじて喧嘩にはなりませんでした。しかし、森はそれ以降もしつこく私の事を根に持ち、荷出し終了直後に私を呼び止め、無人の休憩室に連れ込みました。森に難癖を付けられる筋合いなぞ、これっぽっちも無かった私としては、いい加減疎ましく思いながらも、「まあ相手の言い分も聞いてやろう」ぐらいの気持ちで、奴の後について行きました。

 それが、休憩室(上記写真参照)に入った途端に、いきなり森に羽交い絞めにされ、押し倒されて上から押さえつけられて、一体何が気に入らなかったのかも最後まで一切明らかにしないまま、「謝れ!謝らんと殺すぞ!」ですよ。顔に唾を吐き掛けられ、室内備付のパイプ椅子を上から振り下ろされながら。別の派遣会社B社の三木さん(仮名)が、室内の異常を察知して駆けつけてくれましたが、その人が止めに入ってくれなければ、私は危うく殺される所でした。

 そこまでされながら、私はこんな所で殺されたのでは堪らないので、全く納得がいかないながらも、押え付けられながらも散々押し問答を繰返した挙句に、仕方なく一言「ゴメン」と言いました。謝らなければならない理由など何もわからないまま。すると相手はやがて私の身体から身を離して、「お前、俺はもうこれでこの職場には来ないけど、帰るまでこの事は誰にも喋るなよ。若し喋ったらその時は本当に殺すからな!」と捨て台詞を残して帰って行きました。(三木さんに既に現場を見られているのに、アホと違うか)

 やがて三木さんの通報で、この職場内パワー・ハラスメントの一件が程なく明るみになります。職場のみんなも概して私に同情的でした。そりゃそうでしょう、私には謝るべき理由なぞ何も無いのですから。その中で不幸中の幸いだったのが、押え付けられただけで殴られはしなかったので、軽い擦過傷だけで済んだ事です。若しこれでパイプ椅子の先端で突き刺されて失明でもしていたら、一体どうなっていたか。ただ、そんな目に遭いながらも、私は思ったより冷静で居られました。それは殴られなかった事も然る事ながら、自分自身に後ろめたいものが何も無かったからに他なりません。

 そして先述の野崎さんからまず事情を聞かれる事になったのですが、そこで野崎さんが言うには、「多分、森君は××さん(私の事です)に斯く斯く云々の事を言いたかったのではないか?」と、仕事の手順に関する事を挙げてきたのです。私はそれに対して、「そんなの理由になりません、若しそれが森の言い分だったとしても、それが正しいかどうかは全く別問題です」「そもそも、それ以前の問題として、相手のやった事はもはや単なる喧嘩ではなく、れっきとした暴行・傷害・脅迫罪で、もはや謝って済む程度の問題ではありません」と答えました。そりゃあそうでしょう、こんな事で殺されたのでは、堪ったものではありませんから。

 また、野崎さんは「森はもう多分ここには来ないでしょう」と言っていましたが、「多分」なんかでは困るのです。常識的に考えれば、その通り翌日からもう来ないでしょうが、万が一という事もあります。若し、翌日もあのキチガイの森が何食わぬ顔で制服を着て、いつも通り仕事についていたら、私はその場で当日の就労を拒否し、その足で警察に被害届けを出すつもりでいました。

 そういう事もあったので、ここは絶対に白黒をはっきりさせておかねばと思い、自ら進んで別掲の上申書をしたため、翌日に職場に提出したのです。いい加減な喧嘩両成敗でお茶を濁されたのでは、もう堪ったものではありませんから。

 私がその上申書の中で、森をわざわざ「ブッシュ・金正日」にたとえてまで、その「天狗・お山の大将・ファシスト」ぶりを強調したのも、その為です。森がスポット派遣、方や私が業務請負会社のレギュラー・バイトという事で、その事でたとえ僅かでも森に同情が行く事も、私にとっては我慢なりませんでした。
 若し彼が本当の弱者であるならば、「誰に向かって物を言うとんねや」とか「ちっこい(小さい)身体のくせしてチョコマカ動きやがって」という夜郎自大で差別的な発言なぞ、出てくる筈がありません。若し私が在日朝鮮人や身体障害者だったら、森は多分その事も論っていたであろう事は、容易に想像がつきます。

 要するに、森も一種のアンクルトムなのでしょう。アンクルトムというのは、例えば右翼団体の構成員に未解放民や在日朝鮮人の方が意外と多いのに典型的に見られる様に、「差別から逃れる為に、自ら進んで差別する側に回る」という、倒錯した人間心理を揶揄した言葉です。今風に言えば、人材派遣会社ザ・アール社長の奥谷禮子なぞが、その典型です。「私は生理休暇も取らずに頑張ったから社長にまでなれたのだ、労基法なぞ必要ない!」というのが、彼の人たちの論理なのです。
 ところが、「何か知らんけどウットウシイ、生け好かん奴」「内心密かにバカにしていた、未熟者の背の低い奴」が予想外の抵抗を示したので、「時給や待遇で差をつけられている日払いワーカーとしての惨めな現実」に引き戻される事になった森はパニックに陥り、「たとえ具体的な理由なぞ無くても、とにかく相手を平伏させて、サッパリした気持ちで此処を去りたい」という衝動に、瞬間的にとりつかれたのではないか。そうとでも考えなけば、今回の事は説明がつきません。

 その上申書の末尾で私は、自分の勤めている業務請負会社に対して、最低限の要求として次の2点を出しました。(1)森が登録していた派遣会社A社担当者による私への謝罪と、(2)今後一切、森の派遣を受け入れない事。(1)については、逝かれた森には今更常識が通じるとは到底思えませんでしたので、それに代ってA社の担当者に謝罪を要求したのです。

 この上申書は、予想以上の効果を発揮しました。事件発生翌日以降の数日間というもの、私は通常業務の合間を縫って、業務請負会社から今回の件に関して事情聴取を数回に渡って受ける事になるのですが、既にこの上申書を準備していたおかげで、説明に苦労せずに済みました。早速翌25日から本社の課長と次長が私から話を聞いていったのを皮切りに、26日の月曜日には要求通り先方の当該派遣会社A社の担当者も来て、上申書の内容に沿った方向での処理がされる事になったのですから。文書無しの口頭だけでは、こんなにスムーズには事が運ばなかったでしょう。

 更に傑作だったのは、私が森を「ブッシュ・金正日」に例えたくだりで、26日にA社担当者を交えた席で、所長が「本当に森はこんな事を喚きながら、××さん(プレカリアート)に襲い掛かって来たのか?」「若しそれが本当なら、森は右翼団体の構成員か、ひょっとしたらシャブを打っていた可能性がある」と発言した事です。この「ブッシュ・金正日」のくだりは、あくまで私の比喩にしか過ぎないのに。
 「右翼団体構成員」の可能性については、まず無いでしょう。そんなに政治的関心のある若者には見えません。ただ、最後の「シャブ」の可能性については、私には何とも言えません。有無を言わせずいきなりの暴行劇でしたし、その割には肝心の「暴行理由」を相手は殆ど明らかにせず、結局は一言「ゴメン」で終わっただけという、後味の悪さだけが残った「変な事件」でしたから。

 私が上申書で要求した2点については、基本的にはそのどちらも通りました。A社担当者が改めて私に謝罪し、森の派遣登録抹消(懲戒解雇に相当)の措置が取られました。それと同時に、受け入れ側の私の会社としても、森にはずっと目を光らせておく事が確認されました。そして、私の方には一切何の落ち度も無い事も。

 ただ、相手は日払いワーカー故に、完璧にはチェックし切れない事も言われました。派遣会社と日払いワーカーの契約はその日限りのものにしか過ぎず、履歴書でワーカーの人となりを把握している訳ではないので、極端な話、連絡がつかなくなったら、もうそれで終わり。そして現実問題として、二重派遣などの違法就労が現場で横行している以上、A社がいくら気をつけていたとしても、他の派遣会社を渡り歩いた挙句に、ピンチヒッターのそのまたピンチヒッターとして、こちら側のチェックをすり抜けて入り込まれる可能性も、全く無いわけではないのです。まあ、その可能性は、現実的には殆ど無いと思いますが。
 また、プライベートでいつ何時鉢合わせになるかも知れません。それで、私の方にも、「森らしき人物を見かけた時には直ぐに会社に連絡をする様に」と依頼がありました。

 そういう不本意な面も残しはしましたが、基本的には一応これで、とりあえずは落ち着く所に落ち着いたのでは、と思います。私の会社の方でも、「担当者による謝罪」と「森の永久追放」だけで私の気が治まるのであれば、下手に訴訟を起こされて大手スーパーとの業務委託契約まで打ち切られる様な破目になるよりは、よっぽどマシだと思ったのでしょう。

 この記事は、当初は「モンスター・ワーカー」というタイトルでアップするつもりでした。学校現場で近年とみに問題になっているクレーマー保護者「モンスター・ペアレント」に引っ掛けて付けたタイトルです。しかし記事を書いているうちに、もっと本質的な部分が見えてきました。それが今のタイトルにある「階級連帯」の問題です。「モンスター・ペアレント」も学校教師も、広義には共に今の格差社会や差別・選別教育の犠牲者だという意味では、別に当初のタイトルでも良かったのですが、何かそれだけでは余りにも表面的過ぎるような気がしたので、今のタイトルに変更したのです。

 共に非正規雇用のワーキングプアという点では、森も私も「搾取される側」の一員です。しかし、私が業務請負会社に直接雇用されている時給900円の常用バイトであるのに対し、森はそこに不定期に派遣されて来ている時給850円の日払いワーカーであるという意味では、森は「搾取される側」で私は「する側」です。その一方で、先輩バイトでありながら、後輩バイトに対して、ただ単に自分の意のままになる手足であるかの看做し、イチャモンとしか思えない理由や、身体・外見上の差別としか思えない理由で、アンクルトムの「お山の大将」として振舞う森は、私にとっては明確な「差別者・ファシスト」であるとも言えます。

 ワーキングプア、労働者階級同士の連帯というのは、基本的には互いに対等平等の立場に立っている事が大前提です。どちらか一方による差別・被差別の関係を残したままでは、連帯なぞ出来ません。連帯は服従に非ず。況してや「差別者・ファシスト」とは、連帯なぞ出来る訳が無い。 
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