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アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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西成高校の反貧困教育(後編)

2013年03月31日 22時14分42秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
反貧困学習 格差の連鎖を断つために
クリエーター情報なし
解放出版社


 前編で西成高校生の就職活動奮戦記について書きました。その西成高校におけるバックボーンとなっているのが、「格差に負けず生きていく力を育む」反貧困教育です。そこで使われている上記のテキストを図書館で借りてきました。西成高校の先生方の手によるテキスト(ワークシート)に、先生方の解説や生徒・識者の感想を付け加えたものです。
 版元が解放出版社なので、人によっては単なる同和教育・解放教育の延長で捉えられる方もおられるかも知れませんが、実際は全然違います。かつては西成高校でもその様な教育が行われてきました。しかし、それでは単に「差別を無くそう」とのお題目に終わってしまい、その他のワーキングプアや母子家庭の貧困問題が置き去りになってしまう事に、西成の教師自身が気付き始め、今の形になったのです。

 テキストの内容も非常に実践的です。例えば画像の「労働基準法」の解説にしても、法律の名前や条文の内容、「8時間労働」などの概略を単に知識として詰め込むのではなく、解雇された時にはどうしたら良いかを、実際にバイトを解雇された生徒の体験談も元にして、生徒に考えさせる構成になっています。
 「仕事で怪我しても何もしてくれない」「レジで金額が合わなければ弁償させられた」「もう帰る時間は過ぎているのに実際はなかなか帰れずサービス残業を強いられる」、こんな日常よくあり疑問に思う事でも、例えば労災なら、どこの病院(労災指定病院)に行き窓口でどう言えば良いか(労災にして下さい)、近くに労災病院がない場合はどうすれば良いか(後で労働基準監督署に医者の診断書を持っていき労災申請する)まで具体的に学習する事になっています。給料からの天引きも、日常起こり得る過失を口実に差し引く事は労働基準法で禁じられています。サービス残業についても、手待ち・待機時間(制服に着替えたり仕事の準備をする時間)も労働時間として給与支払いの対象になり、それを30分や1時間単位で切り捨てる事は違法となります。現実にはそんな職場も少なくない中で、まずはそれを違法と認識できなければ、対処のしようがありません。違法と認識できるだけでなく対処法も知らなければ何もなりません。
 いずれもテキストには平易な言葉で書かれていますが、どれもこれも笑い事では済まされない事ばかりです。現に、昔いた職場でミスが多いからと退職前一週間ただ働きさせられたバイトが私の知人でいましたし、当の私自身も、実際は30分弱の遅刻なのに1時間丸々減額された事が昔ありましたから(当時はそれが違法だとは気付かなかった)。

 しかも、このテキストの真骨頂はそれだけに止まりません。このテキストの構成は、バングラデシュのストリートチルドレンの話から、ネットカフェ難民や日雇い派遣の話に入っていきます。「何故、より身近な日雇い派遣の話ではなく、外国のストリートチルドレンの話から入るのか?」、これにはちゃんと訳があって、実はストリートチルドレンになるきっかけとなった児童虐待は、そのまま西成の生徒の現実でもあるのです。「そこから抜け出す為に、どれ位の費用や能力、人との関わりが必要なのか」「それが日雇い労働で賄えるかどうか」を、生徒自身に考えさせてこそ、初めて「生きていく力」が身につくのです。
 次に、田村裕著「ホームレス中学生」を題材に、田村君がホームレスになったきっかけ(父の入院・リストラ・サラ金からの借入)や、そこから抜け出すきっかけ(近所の人の通報や児童相談所の尽力、生活保護)を探らせる事で、貧困ビジネス(サラ金・ゼロゼロ物件)やセーフティネットの話に繋げていくのです。ゼロゼロ物件の単元でも、単に簡易宿泊所だけを悪者にしてそれで終わりではなく(産経などはあろう事かそれすら生活保護叩きの口実にしている)、国が安価な公営住宅の建設を怠り続け、住宅を人権ではなく企業の金儲けの手段にしてきた所に、根本的な原因がある事もきちんと教えているのです。

 そして、そこから抜け出すセーフティネットとして、労働組合法や労働基準法、最低賃金法についても学んだ後で、西成差別(西成はガラが悪い、ホームレスが多い)についても、何故そうなったのか(寄せ場が低賃金労働のプールや沈め石として利用されてきた)を学び、その解決法についても「不公平な椅子取りゲーム」のたとえを引いて、「奴隷が奴隷主に取って代わるだけでは、新たな奴隷を生み出すだけで、奴隷制度そのものは無くならない」(正に今の日本・米国社会がそうだろう)、「今までの奴隷制度が撤廃されても、人権意識が人々の間に育っていなければ、新たな奴隷制度に取って代わられるだけだ」(同じく今の中国・北朝鮮がそうだろう)という事を、詰め込みの知識ではなく個人一人一人の生き方として学んでいくのです。読めば読むほど物凄いテキストです。
 自民党や「維新の会」の政治家たちも、今まで散々、労働規制緩和や原発・TPP推進や普天間問題などで弱者を切り捨て、ネオナチ「在特会」の暴力も都合良く利用してきた事を全て棚に上げ、虐めや体罰を口実に道徳教育復活や憲法改悪を目論むような、卑怯な真似をする暇がある位なら、政治家なんて辞めて、みんな西成高校で一から学び直すべきでしょう。そして生徒と一緒に企業面接を受けて見れば良い。こいつらこそ真っ先に「教育再生」しなければならないのだから。権力者としては優秀でも人間としてはダメダメな輩ばかりなので、恐らく誰一人内定を得られないでしょうけど。(続編に続く)
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西成高校の反貧困教育(前編)

2013年03月31日 17時39分20秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
446 & SHINGO★西成 / 「生きる」っていうこと 【MV】


 またブログ更新の間が空いてしまいました。3月25日の夜にたまたま見たNHK総合番組の感動をどう伝えてよいか悩んでいるうちに、もう一週間近くも経ってしまったのです。いつまでも悩んでいても仕方ないので、思いつくまま書いていこうと思います。
 「泣き笑い 俺たちと先生の就職活動~西成高校・生きる力を育てる1年~」というのがその番組の名前です。舞台は大阪の府立西成高校。そこの3年2組の若い担任教師と落ちこぼれクラスメイトが就職内定に漕ぎ着けるまでの一年間を密着取材したドキュメンタリー番組です。

 西成高校は「あいりん地区」からも程遠くない所にあり、未解放や在日朝鮮人、母子家庭や生活保護世帯の生徒が数多く通う、いわゆる「ど底辺」の公立高校です。バイトで学費を稼ぐ生徒や授業料減免措置を受けながら通う生徒も多く、経済的困窮や学業不振などによる中退者も少なくありません。また、卒業生を受け入れてきた地元企業の方でも、長引く不況の影響で採用枠を絞らざるを得なくなっており、もはや高校を卒業しても簡単には就職できない世の中となってしまいました。
 その中で、西成高校では「格差に挑み、生徒の希望と誇りを育む」(同校HP)教育方針を掲げ、履歴書の書き方や求人票の見方、就職面接の受け方を徹底的に指導してきました。

 番組ではとりわけ二人の生徒の成長する姿を取り上げていました。一人はK君。彼はクラスの人気者ですが、母子家庭で、母親がかまってやれない後ろめたさから甘やかされて育ったせいか、遅刻や保健室登校からなかなか抜け出せません。一度は心を入れ替えて自分から頭を丸刈りにしてみせたものの、その後も遅刻は相変わらずで担任から「何の為に頭を丸めたんや!」と怒られ、大事な面接の日にもボロボロの学生ズボンで登校し、進路指導の教師から「全然心構えがなってないやないか!」とどやされる日々が続きます。その為、幾ら面接を受けても内定が貰えず、最期の土壇場で心を入れ替えてようやく内定に漕ぎ着けます。
 もう一人はUさん。彼氏の子を身ごもってしまったものの、高校生ながら自分で子供を生み育てる事を決意し、今は彼氏の家で家事・育児もこなし、子供を保育園に送り迎えしながら通学しています。大人びた性格故に、今までたびたび虐めも受けてきました。彼女は育児の事もあり一旦は就職を諦めかけます。しかし、教師から24時間保育の施設を紹介して貰う事で、介護の仕事に見事就く事が出来ました。

 この番組を見てまず感じたのが、西成高校の先生は生徒の表面的なマナーの悪さにいちいち目くじらを立てていない事です。高校HPに「スカートの下にジャージ着用禁止」の規定があっても、番組ではそういう格好の女子生徒が、椅子に立て肘をつきながら、それでも先生の意見に真剣に耳を傾けている姿が印象的でした。この光景と言い、先のUさんの例と言い、安倍政権の道徳教科復活にエールを送るような保守派には到底受け入れられない姿です。しかし、西成の現実の前には、空虚な道徳論・精神論なぞ何の役にも立たない。
 西成高校の先生方は、そんな事にはいちいち目くじらを立てず、しかし言うべき所では生徒を思いっきり叱り付けています。また、連日繰り返される企業面接の練習も、見ようによっては調教とも取れなくはない。でも、それが調教ではなく人間教育として立派に機能しているのも、教師が生徒の個々の生活の崩れだけに目を奪われる事なく、その裏にある生活の貧困にも思いやりながら、決して生徒を甘やかせず、一人の人間として見る中で、場合によっては必要な援助も与えてきたからではないでしょうか。

 西成高校は、反貧困学習でも有名な所です。遅刻などに対しては厳しく対処し、企業面接の練習を繰り返す一方で、例えば労働基準法の内容についても、通り一遍の知識ではなく、解雇されたらどうすれば良いかを、実際にバイトを解雇された生徒の事例を教材に取り入れる中で、「生徒に生きていく力をつけさせる」教育を実践してきました。昨今、ともすれば「内定を得る為にどう面接の空気を読むか」「如何に即戦力として企業側に気に入られる人材となるか」という視点ばかりが注目されがちですが、ここではただ杓子定規に「ルールを守れ」と言うだけでなく、「間違ったルールは是正し、より良いものに変えていく」事もきちんと教えています。
 その上で、遅刻防止・時間厳守などの社会人として必要なルールもきちんと教えている。だから、地域社会や地元企業からも支持され、弱肉強食の橋下市政下でも、少なくとも今の所は区長も蔑ろには出来ない存在となっている。この西成高校の先生の様な経営者や政治家が一人でも多くなれば、日本は確実に良くなる。これこそが本当の教育再生・政治再生ではないか。私も出来るならそんな職場で働きたい。それを一番感じました。(後編に続く)
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権利や法律を活かすも殺すも心がけ次第

2013年03月24日 22時32分19秒 | 職場人権レポートVol.2
   

 先日、労働基準監督署に相談に行って、下記の点について確認してきました。その報告を簡単にしておきます。

 (1)2月に腰痛で会社を1日休んだ為に交通費が出なくなった。会社の規定では月20日以上出勤しないと交通費が支給されない事になっているが、そもそも2月は通常28日しかなく、そこから週休を差し引くと皆勤でもギリギリ20日しかない。たった1日休んだだけで交通費も出なくなるのは余りにも理不尽。仮に出勤日数の規定を設けるにしても、どの月に休んでも公平になるように、日数ではなく出勤率を基準とすべきだ。

 (2)交通費支給の基準も不明瞭だ。規定だと月1万円まで出る事になっているが、実際は通勤定期代が月1万円以上になるのに、職場からの直線距離で足切りされているのか、8千円しか支給されていない労働者もいる。

 (3)腰痛で休んだ翌出勤日に、前日の休みを有休で申請しようとしたら、後で申請する場合は医者の領収書が必要と言われた。しかし、有給休暇とは本来、日数が残っている限り、事前・事後の別や使用目的に関わらず自由に使えるものだ。多忙等の理由で他の日に振り替えてくれと事前に時季変更を要請される事はあっても、既に休んだ分を有休に充てる事に何ら制約はない筈だ。

 以上3点のうち、私に関する事が(1)(3)で、(2)は私の同僚に関する事柄です。その他に、帰りがけのロッカールームで誰かが言っていた「冷蔵庫作業には特別手当が支給される」件についても確かめておこうと思ったので、交代制勤務で平日の休みに、定期健診受診で出社のついでに、途中駅の近くにある管轄の労働基準監督署に相談に行って来ました。

 しかし大した収穫はありませんでした。以下は労基署窓口での回答概略です。
 (1)については、一定の条件を満たした労働者にはパート・バイトも含め有休使用の権利があり、それを皆勤手当や交通費支給等をエサに制限するような事は禁止されている(労基法39条、同136条→末尾添付の参考資料参照)。
 但し、実際の運用についてはケース・バイ・ケースで判断が分かれると。例えば、皆勤手当等が有休手当よりも月数万円以上も多い場合は、事実上、前者をエサに有休使用を制限しており違法となるが、その差が僅か数千円程度の場合は必ずしも違法とまでは言えないと。
 後の(2)(3)については、ルール不在ならいざ知らず、一定のルールに則り交通費支給や有休申請の受理がされている以上は会社の裁量権の範囲内だと。冷蔵庫作業手当についても、そんなものはないと(未成年者への冷凍庫作業禁止の規定はあるが)。
 そして、唯一労基法に抵触する可能性のある(1)についても、所詮はグレーゾーンで犯罪行為とまでは言えない内容に対して、労基署として出来る事は強制力の伴わない行政指導ぐらいです。それでも良いのなら、今から会社に改善要望の電話を入れますがどうしますかと。そんな電話一本入れて貰った所で、何の効果も期待出来ないので断って来ました。

 思うに、この「グレーゾーン」というのが会社の巧妙な所で、これが賃金不払い等の完全なブラック(違法行為)なら、幾ら大人しいうちのバイトでも黙っていないし、幾ら人を募集してもそんな会社には誰も来ないから、流石に会社もそんな事はしない。訴えられない範囲で、巧妙に法の網の目をくぐり抜けようとする。
 でも、じゃあその現場には何も矛盾はないかというと、事故もミスも日常茶飯事で、腰痛を抱えている人間も大勢いる。法律がそれをカバーしきれていないだけで、矛盾がない訳では全然ない。それを「グレー」だからと放っておくと、今まで「ブラック」だった行為もいつしか「グレー」にされてしまいます。
 「グレー」を「ホワイト」に変えるのも「ブラック」にしてしまうのも、要は現場の労働者しだいではないでしょうか。例えば、グッドウィル等の派遣会社による賃金ピンハネが是正されたのも、社会保険も未加入で軍手すら支給されないのに、何故「安全装備費」等の名目で減額されるのかと、バイトが立ち上がったからです。

 今回の労基署訪問も、やはり「お役所頼み」だけでは限界がありました。労働基準法自体も元からあった法律ではなく、労働者の長年の闘いによって勝ち取られてきたものであり、労基署もそれに則って仕事をしなければならない以上は、それを無視する訳にはいきません。要は「権利や法律を活かすも殺すもみんなの心がけ次第」という事です。
 自分で言うのも何ですが、この度の契約更新面談で、会社側からバイトに業務改善の意見を求めてきたのも、勿論「アリバイ作り」でお茶を濁そうとの会社の思惑もあるでしょうが、私が今までやってきた組合活動などの影響もあるのではないかと、秘かに自負しています。誰も何も言わなければ、「アリバイ作り」すらしなかったでしょう。それを「アリバイ作り」だけに終わらせるか、それとも本当の改善に結び付けていけるかは、ここで働く私も含めた労働者の心がけ次第ではないでしょうか。


(参考資料)

大阪労働局編「労働基準関係法令のあらまし」22ページ「23 年次有給休暇(第39条)」より抜粋(Web版はこちら

■年次有給休暇は、雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全所定労働日の8割以上出勤した労働者に対して最低10日を与えなければなりません。いわゆるパートタイム労働者についても、原則として同様に扱うことが必要です。

①一般の労働者 (週所定労働日数が5日以上または週所定労働時間が30時間以上の労働者)
 継続勤務期間 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上
 付与日数    10   11     12     14     16      18      20

②所定労働日数が少ない労働者 (週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者)
 (略)

◆年次有給休暇の取得時季
 年次有給休暇の取得時季については、労働者に時季指定権があります。なお、指定時季が事業の正常な運営を妨げるような場合は、会社に休暇時季の変更権が認められています。

◆年次有給休暇の請求権
 年次有給休暇の請求権は、労働基準法第115条の規定により、2年間で時効によって消滅します。年次有給休暇の請求権は基準日に発生するものであるので、基準から起算して2年間で時効により消滅することになります。

◆年次有給休暇を取得したことによる不利益な取扱いの禁止(第136条)
 年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額や精皆勤手当及び賞与の算定などに際して、欠勤として取り扱うなどの不利益な取扱いはしないようにしなければなりません。(以下略)   
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小野市生活保護等問題参考資料5:反対要望書ひな型

2013年03月22日 23時17分51秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
 兵庫県小野市「福祉制度給付適正化条例」反対要望書のひな型を、生活保護対策全国会議が作って下さいました。私が送った感情丸出しの抗議FAXよりも遥かに理路整然とした説得力のある内容です。以下、そのひな型を使っての反対意見表明の訴えを、当該HPから転載します。

(転載開始)
「小野市福祉給付制度適正化条例」について、反対の声をあげてましょう!(意見書ひな形あり)

小野市福祉給付制度適正化条例に対しては、先日、当会からも小野市に対して、反対する内容の意見書を提出いたしましたが、予断を許しません。この条例に反対の方は、かんたんな反対意見書ひな形を作成しましたので、どうぞ、一緒に反対の声を小野市に届けてください。

条例案
http://www.ono-sigikai.jp/?id=283
当会の意見書
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-108.html

反対意見提出の方法
宛先:小野市議会事務局
  (1) 郵送 〒675-1380 兵庫県小野市王子町806-1 
  (2) FAX 0794-63-4108
  (3) メールフォーム http://www.ono-sigikai.jp/inquiry.php から。

ご協力の程、どうぞよろしくお願いします。


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印刷用(PDFファイル)はこちらからダウンロード

要 望 書

小野市長様
小野市議会議員の皆様

 第384回市議会定例会議案第17号議案「小野市福祉給付制度適正化条例」について、上程を撤回あるいは廃案にしてください。

1.この条例による規制の対象(2条1項)は「福祉制度に基づく金銭給付を受給している者又は受給しようとする者」となっており、市民全員が条例による規制の対象になってしまいます。

2.生活保護費や福祉給付の使途については、本来、利用者に自己決定権があるのにこれを制限するもので(3条1項)、憲法13条で保障された個人の尊厳、生命、自由及び幸福追求の権利を侵害するものです。

3.市民による情報提供の対象が受給者の生活全体を示しているため(5条3項)、受給者は常に監視の視線を感じながら生活しなければならなくなります。

4.誰が「受給者」が判明しないため、市民が市民を疑心暗鬼のまま監視するという不健全な社会になります。

5.生活保護や福祉給付を利用することについての偏見を強め、必要な社会保障を利用できなくなります。

6.生活の安定に支障を来すほどのギャンブルや浪費は、それ自体が依存症の可能性も高く、条例で制限・通報して指導するだけでは解決しません。


     年  月  日


(住所)                     


(氏名)


(転載終了)                     
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小野市生活保護等問題参考資料4:ワンパターンな糞コメントへの反論

2013年03月21日 19時52分39秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
監視社会云々ってアホみたいなことこじつけてるけどさ
生活保護費は我々の税金で成り立っていて、
我々市民は税金が正しく使われているか無駄にされていないか
をチェックする権利があるんだよ!忘れちゃいかんよ権利だよ義務じゃないよ
そもそも条例で監視する義務って書くのがおかしいんだな税金の使い道をチェックする権利を行使すべきって文言にするなんだな。だいたい
パチンコに使うなんて不正であるし無駄であるし、個人に
税金で小遣いあげてるようなもんでしょうに?
こんなの利益供与でしょ普通?
マスコミの連中も役人が利益供与や横領やらやったら
正義面して怒るだろうにさ
(タイトル:unknown、 投稿日時:2013-03-19 00:30:48、投稿者名:k)

 上記の糞コメントが寄せられました。当該コメント自体は既に削除しましたが、糞コメントの格好の見本でもあるので、ここに敢えて晒した上で反論を加えておきます。

(1)この際何度でも書きますが、この小野市「福祉受給者のギャンブル・遊興禁止」条例は、単に「生活保護」「ギャンブル浪費」だけに止まるものではありません。児童扶養手当法等の公的金銭給付の受給者も全てを対象に、「ギャンブル・遊興禁止」の名目で「ごくつぶしには最低限の食い扶持さえ与えておけば良い」と言わんばかりに家畜扱いし、受給者の人権・尊厳を完全に踏みにじるものです。その事は当該記事でも既に明らかにしているのに、またぞろ「生活保護」の「ギャンブル浪費」だけに問題を矮小化しようとするのは、印象操作以外の何物でもありません。

(2)そして生活保護自体も、不正受給と呼ばれるものは、全国的に見ても全体の僅か0.4%にしか過ぎず、逆に現受給者の数倍に上る一千万人近くの生活保護水準の貧困者が放置されている漏給(受給漏れ)こそ問題なのに、その事には一切触れず、福祉削減を狙う政府・財界・マスコミの思惑に乗せられて「不正受給」叩きに加担するこの糞コメントは、体罰問題でも露わになった弱い者虐め以外の何物でもありません。

(3)この小野市においても、5万人弱の全市民に占める生活保護の割合は僅か130世帯で、受給費が市財政を圧迫している訳ではない。不正受給が疑われるケースも過去に1件あったきり。小野市には、神鉄粟生線廃止問題など、他に取り組むべき課題が山積しています。それらの緊急課題を放置して生活保護叩きのみ入れあげるのは、弱い者虐めで自らの無策をごまかそうとするものです。

(4)以上の前提に立った上で、仮に「生活保護受給者のギャンブル消費」を問題にする場合でも、受給者が自暴自棄になってギャンブル依存症に追いやられてしまう土壌をなくさない限り、この問題は解決しません。それは受給者を追いやる事ではなく、包摂し励ます中で自立を促す事でしか実現できません。然るに、「不正、無駄、個人に税金で小遣いあげてるようなもん、利益供与」と受給者を一方的に論い貶めるだけのこの糞コメントに、そのような観点なぞ微塵もない事は明らかです。この糞コメントは、単に自分の欲求不満を、より弱い立場の受給者にぶちまけているだけです。

(5)しかも、公的福祉の削減は決してそれだけでは済まずに、最低賃金や課税最低限度額の引下げにも繋がる事なのに、「あれはギャンブル狂いで怠け者の生活保護受給者だけの問題であって、自分とは全然関係ない」と思い込み、「税金が正しく使われているかチェックする権利がある」と能天気にほざきながら、「自分で自分の首を絞めている」「その事で他人の首をも絞めている」事にも気付かない様は、もう傍迷惑という他ありません。
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中国の友人達に、ひどい現実を知って欲しい(碁苦労さんの日記より:編集済)

2013年03月19日 06時58分50秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 先日、広島県江田島市の水産会社で働いていた中国人実習生が、日本語がうまく喋れず職場で孤立しがちだった上に、仕事でたびたび社長から叱責を受けた事も重なり、自暴自棄になって会社で無差別殺傷事件を起こしてしまうという痛ましい事件がありました。勿論これはそんな事をした実習生が一番悪いのですが、昨今こういう事件がある度に「だから中国人・外国人はダメなのだ、早く日本から出ていけ」という短絡的な議論が起こります。これは過去の秋葉原の事件など日本人による類似の事件にも言える事ですが、それでも容疑者が日本人の場合はまだしも派遣切りなどの社会的背景についても取り上げられたりします。しかし外国人の場合はそんな事は殆どありません。そういう意味では、事件の社会的背景について書かれたマイミクの碁苦労さんの日記は、私にとっても非常に参考になるものでした。転載依頼を快諾して戴きましたので、後学の為に以下転載させて貰います。

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我希望中国的朋友知道这一残酷的现实。来日本工作的中国实习生陈双喜因涉嫌杀害日本人而被捕。 尽管杀人是残酷的,不容原谅的,但很多中国实习生被迫在低工资,长时间劳动的情况下劳动,俗称为奴隶劳动。 我想陈双喜是处于超负荷的状况下,才无法保持理性。在选拔这样的中国实习生再派往日本的过程中,不仅有日本人,也有中国人的参与。日本方面是应受到谴责,但参与欺骗行为的中国人同样也应受到谴责,希望实习生将不再受到欺骗。

中国語関連のコミュニティーで懇意になった中国人の方に翻訳して頂きました。持つべきものは友です。
(日本語訳)
中国の友人達に、ひどい現実を知って欲しい。「中国人実習生」として日本に働きに来ていた陳双喜さんが日本人を殺した容疑で逮捕されました。殺人は残酷で許されませんが、多くの「中国人実習生」が奴隷労働とも言える、低賃金、長時間労働の厳しい状況で働かされています。陳双喜さんは我慢の限界を超える状況に置かれ、理性を保てなかったのだと思います。このような「中国人実習生」を選抜し、日本の会社に送り込むという過程には、日本人だけではなく、中国人の協力者がいると思います。日本人側の糾弾もしますが、実習生として騙されないようにして欲しいし、騙す中国人を糾弾して欲しいです。
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※碁苦労さんの日記のうち、上記(↑)がより適切な訳文に書き直された箇所です。ブログに転載した分についても、上記の訳文と標記のタイトルに差し替えます。(4月12日夜に編集)

検索するといろいろと出てきた。これは奴隷制度だ。
◆中国人実習生を最低賃金未満の給与で働かせていたとして甲府労働基準監督署は8日、山梨県昭和町のクリーニング会社 「テクノクリーン」と内田正文社長(60)を最低賃金法と労働基準法違反容疑で甲府地検に書類送検した。
毎日新聞08年8月27日付

◆低賃金労働の温床だとの批判が強い外国人研修生・技能実習生制度で、08年中に「不正行為」を 認定された受け入れ機関が452にのぼり、過去最多となったことが法務省入国管理局のまとめで分かった。 土日や夜間に作業させたり、最低賃金以下で働かせたりしている悪質な実態が続いている。過去最多だった前年の449機関をさらに上回った。 事業協同組合などを通じて研修生らを受け入れる中小企業が416機関と9割以上を占めた。その内訳の 上位を業種別にみると、繊維・被服関係が148、機械・金属関係が81、食品製造関係が62などとなった。クリーニング業者が10カ月にわたり、研修生に月80〜160時間の残業や休日出勤をさせていたり、 縫製業者が実習生に時間外労働をさせながら、時間外の賃金を時給200円しか払っていなかったりしたケースがあった。受け入れ機関は全体で4万近くにのぼるが、不正行為を認定されると3年間、研修生らの受け入れが禁じられる。  法務省は、研修生らを保護するため、今国会に提出している出入国管理法改正案に伴い、不正があれば 受け入れ停止期間を5年に延長する方向で検討している。 asahi.com 2009年4月10日19時29分

◆賃金搾取と中国人元実習生が提訴 受け入れ団体相手取り
 技能実習生として群馬県の金属加工会社で働いていた中国人男性(26)が7日、受け入れ団体「日中経済産業協同組合」(東京)に賃金を中間搾取されたとして、組合と組合理事長で故小渕恵三元首相のおいの小渕成康氏に対し、約210万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。訴状によると、男性は2004−07年の研修や実習の期間中、月5万−11万5000円の賃金を受け取るはずが、実際には2万−3万円程度しか支払われなかったという。小渕理事長は小渕優子少子化担当相のいとこ。ほかの中国人実習生らの賃金を着服したとして昨年、労働基準法違反罪で懲役1年、執行猶予3年の判決を受け、確定している。原告側の弁護士は「被害者はほかにも50人以上、被害総額は3000万円に上る」としている。小渕理事長の代理人は「解決に向け、話し合いを続けていた。小渕理事長は訴状を見ていないのでコメントできないと話している」と説明した。2009/05/07【共同通信】

◆外国人研修生 死亡例急増 過労死の可能性で調査要求
 外国人研修制度で働いている研修生や実習生が死亡するケースが急増し、08年度は過去最高の34人(07年度比13人増)に上ったことが、財団法人・国際研修協力機構(JITCO)の調査で分かった。特に長時間労働が原因とされる脳・心疾患は16人で07年度の6人と比べ2.5倍以上になった。外国人研修生問題弁護士連絡会は22日、「過労死の疑いもある」として厚生労働省に長時間労働の実態や労災の受給状況などの調査を求めた。
 外国人研修制度を推進するJITCOが受け入れ企業からの報告をまとめた。死亡者数は04年度に初めて20人を超えていた。08年度の死亡者34人のうち、急性心筋梗塞(こうそく)やくも膜下出血など脳・心疾患が16人を占めた。作業中の労災が5人、自殺が1人。92年からの調査で死者は総計213人、このうち脳・心疾患は67人に上る。外国人研修生問題弁護士連絡会に寄せられる相談では、月100〜200時間の残業をしているケースが多いという。月100時間の残業は、過労死の危険性が指摘されるラインで、指宿昭一弁護士は「経済の悪化を背景に研修・実習生に過重労働のしわ寄せがきている。脳・心疾患の多くが、過労死の疑いがあるのに労災申請もできずにいるケースではないか」と分析する。
 弁護士らと厚労省を訪れた中国の実習生、丁建輝さん(35)は溶接の研修で訪日したが、都内のスクラップ工場で働き、月に100時間以上の残業をしている。丁さんは「背中や心臓に痛みを感じ命の危機を感じる時もある」と話した。厚労省は連絡会に「パンフレットなどで労災防止キャンぺーンをしている」と答えるにとどまったという。JITCOは「死亡者急増は極めて残念な事態で、結果を踏まえセミナーなど労災防止対策を強化したい」と話している。【東海林智】2009年6月23日毎日新聞
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小野市生活保護等問題参考資料3:地元マイミクさんからの訴え(適宜追記)

2013年03月17日 22時36分00秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
小野市長・市福祉部長の支離滅裂の答弁ばかり目立つ、市福祉給付制度(生活保護・児童扶養手当等)条例案・一般質問録画動画:http://www.ono-sigikai.jp/?id=111 平成25年3月11日の所の見るをクリック、質問者、山本議員、藤原議員 #生活保護 #貧困(03月12日)

(拡散歓迎)小野市福祉給付(生活保護・児童扶養手当等)適正化条例、市長「反対するなら実施後に裁判に訴えよ」と市福祉部長の答弁、強圧、論点のすり替え、支離滅裂な答弁ばかり目立つ。3月11日、小野市議会本会議傍聴メモ:http://we-love-hyogo.typepad.jp/files/20130311-%E5%B0%8F%E9%87%8E%E5%B8%82%E8%AD%B0%E4%BC%9A%E6%9C%AC%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E5%82%8D%E8%81%B4%E3%83%A1%E3%83%A2.pdf #生活保護 #貧困 (03月15日)

今、小野市(生活保護)が特ダネで特集組まれて放送中、#生活保護 #貧困(03月15日)

(拡散歓迎)特に小野市民で市福祉給付(生活保護・児童扶養手当)制度適正化条例案に反対・意見のある人は、黙っていても、承認しているのと同じです。少しの行動で世の中変わります。小野市社会福祉課 TEL 0794-63-1011 FAX 0794-63-1990 #生活保護(03月15日)

小野市、生活保護・児童不当手当等受給者パチンコ禁止!発見した市民はすぐ通報せよ。市民の反応は冷ややかだ。「近所の人だったら見分けがつくが、他の人だったらぜんぜん分からない。規制するといってもできないんじゃあねえ」 http://www.j-cast.com/tv/2013/03/15169708.html #生活保護 #貧困(03月15日)

(拡散・参加歓迎)緊急市民学習会「監視・通報?小野市福祉給付(生活保護等)制度適正化条例」3月16日(土)14時~コミュニティーセンターおの201号室(小野市民会館内)西部智子(弁護士)木下秀雄(大阪市立大学教授)主催:年金者組合小野加東支部、はりま中央民主商工会 #生活保護(03月15日)

このままで可決されてしまう。生活保護費や児童扶養手当等過度のパチンコ禁止 小野市の市民を受給者を監視をさせる条例案可決へ 、議員の過半数が賛成する意向で、可決の見通しとなった。各議員への取材で15日、分かった。http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013031501002100.html #生活保護 #貧困(03月15日)

生活保護を叩けば票になると考えた無能議員の浅はかな考えが自治体に飛び火したのが、小野市の市福祉給付制度(生活保護・児童扶養手当等)適正化条例を賛成する市議会議員は、手法が完全に間違い。それよりケースワーカー増やしてギャンブル依存から救いだすのが先。#生活保護 #貧困(03月15日)

小野市生活保護・児童扶養手当適正化条例案 市会審査会には15議員が出席(1人欠席)。5議員が賛同を表明し、反対は1人だった。同市によると、14日午後6時現在で、1058件もの意見が寄せられているという。 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201303/0005817654.shtml #生活保護 #貧困(03月16日)

【転送・拡散・反対意見歓迎】まだ、反対意見少ないです。小野市福祉給付制度適正化条例への反対意見をお願いします。 http://civilesociety.jugem.jp/?eid=20260 送り先:小野市議会事務局 〒675-1380 兵庫県小野市王子町806-1 FAX 0794-63-4108 #生活保護(03月16日)

日本は、生活保護を受給する事を恥とする空気が強い。周囲にも支えが少ない。受給しても、ケースワーカーから就労に対する圧力も強い。人と会っても、「生活保護を受けている」事による孤独感は紛らわせれることも少ない。どこにも逃げ場がないから、結果、ギャンブルと酒に走る傾向が強い。#生活保護(03月16日)

神戸新聞社説、小野市の(生活保護・児童扶養手当)条例案、 「監視」より支援を手厚く、 雇用拡大や職業技能向上策を検討するためとしている。それなら受給漏れをなくし、困窮者への支えを手厚くすることに絞った条例にしてはどうか。http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201303/0005820598.shtml #生活保護(03月17日)

小野市の市福祉給付(生活保護・児童扶養手当等)適正化条例を可決した場合、想定される通報としては、生活保護よりも児童扶養手当関連が多くなる可能性がある。母子(父子)世帯の存在は生活保護受給者よりも見えやすい。シングルマザー(ファザー)への偏見がより強化される危険がある。#生活保護(03月17日)

私が兵庫県小野市の市長宛に送った福祉制度適正化条例反対の抗議FAX(03月17日、プレカリアート)

※これに対して当該マイミクさんから早速お礼のメッセージを戴きました。そこで述べられていた情勢報告によると、14日までに電話・メール等で市に寄せられた意見1058件のうち、条例賛成705件、反対336件、その他17件。賛成側(主にネトウヨ)が動員かけているようなので、反対の人も出来れば電話でも内容を少し変えて抗議してほしいとの事でした。

ギャンブル依存症の人に対しては、これは病気なんですから、市民らの監視や受給の抑制ではなく、専門家による治療や自助団体への加入などをすすめるべき(raymiyatakeさんのブログ)。その肝心の治療や自立支援の予算をケチり、監視・隔離にすり替えようとする小野市の発想は、かつてのハンセン病患者への差別と同じ。(03月18日、プレカリアート)

(拡散・反対意見歓迎)こちらにも反対・意見を、特に小野市民の方、市福祉給付(生活保護・児童扶養手当)制度適正化条例案に反対・意見のある人は、黙っていても、賛成しているのと同じです。小野市社会福祉課 TEL 0794-63-1011 できれば、電話でお願いします。#生活保護(03月18日)


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小野市生活保護等問題参考資料2:県弁護士会会長の反対声明

2013年03月17日 20時48分33秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
生活保護受給者の子供の貧困


※以下は兵庫県小野市の生活保護等削減問題(児童扶養手当の削減も含まれる)に対する兵庫県弁護士会会長の反対声明全文です。尚、上の動画は当該声明とは直接関係はありませんが、こちらも生活保護受給者の現実を知る資料として添付します。

1 貴市は,今般「小野市福祉給付適正化条例」(以下「本条例案」という)を3月市議会に上程した。しかしながら,本条例案は生活保護受給者その他経済的困窮者の人権侵害を招きかねないものであり当会はこれに強く反対する。

2 本条例案は,生活保護法,児童扶養手当法その他福祉制度に基づく公的な金銭給付の受給者(受給しようとする者を含む)が「給付された金銭を,パチンコ,競輪,競馬その他の遊技,遊興,賭博等に費消してしまい,生活の維持,安定向上に努める義務に違反する行為を防止すること」を目的としている(1条)。そして「受給者の責務」として「受給者は…給付された金銭をパチンコ,競輪,競馬その他の遊技,遊興,賭博等に費消し,その後の生活の維持,安定向上ができなくなるような事態を招いてはならないのであって,常にその能力に応じて勤労に励み,支出の節約を図るとともに,給付された金銭が受給者又は監護児童の生活の一部若しくは全部を保障し,福祉の増進を図る目的で給付されていることを深く自覚して,日常生活の維持,安全向上に努めなければならない」などと定めている(3条1項)。
また,本条例案では,市民及び地域の構成員に,市及び関係機関に対する協力義務を負わせ(5条1項),受給者が給付された金銭をパチンコ,競輪,競馬その他の遊技,遊興,賭博等に費消してしまい,その後の生活の維持,安定向上を図ることに支障が生じる状況を常習的に引き起こしていると認めるときは,速やかに市にその情報を提供する責務を負わせている(5条3項)。

3 しかしながら,生活保護等の福祉制度は,憲法25条の「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」との規定により,基本的人権として保障される「生存権」に基づくものである。福祉制度によって給付される金銭は,貧者への恩恵ではなく,すべての人が自立して人間らしい生活を営むための社会的再配分であり,その使途は受給者がみずから自律的に決定するべきものである。この点,最高裁判所も,生活保護受給者は,支給された金銭の範囲内で,家計の合理的な運営をゆだねられていると判断している(最高裁判所平成16年3月16日判決 ・民集第58巻3号647頁)。
また,生活保護法27条第1項は,「保護の実施機関は,被保護者に対して,生活の維持,向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。」と規定しながらも,同条第2項では,「前項の指導又は指示は,被保護者の自由を尊重し,必要の最少限度に止めなければならない。」と規定し,同条第3項において「第一項の規定は,被保護者の意に反して,指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。」と規定している。
どのような使途にいくらの金銭を支出するかといった家計の運営の問題は,個人の自律的判断にゆだねるべきものであり,家計について他からの監視・干渉を受けない自由は,憲法13条の「すべて国民は,個人として尊重される。生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利については,公共の福祉に反しない限り,立法その他の国政の上で,最大の尊重を必要とする。」との規定により,基本的人権として保障される「幸福追求権」及びその一環としてのプライヴァシー権によって,保護されている。上記の生活保護法27条の規定は,このような憲法上の保障を前提に,受給者の家計に対する監視・干渉について,保護の実施機関たる地方公共団体に対し,謙抑的な姿勢を求めているものである。
そうすると,受給者に給付された金員の使途について,いちいち監視・干渉することは,家計運営を受給者自身の自律的判断にゆだねていると解される憲法25条及び13条並びに生活保護法等の法律の趣旨に反している。本条例案には問題があると言わざるを得ない。

4 また,本条例案のように,市民等に受給者の行動についての監視する責任を負わせることは,受給者に対する差別や偏見を助長し,受給者の市民生活を萎縮させるものである。
そもそも,受給者である情報自体が高度のプライヴァシー情報(センシティブ情報)であり,市民等が,監視対象者となる受給者を認知しているかのような前提自体が極めて不合理である。また,同条例案の「受給者」には,これから生活保護等を受給しようとする者も含まれており,自己の生活が市民の監視にさらされることから,要保護者らの生活保護等の申請を躊躇させかねないし,市民の監視義務により,社会的・経済的弱者全体や生活保護等の福祉制度そのものに対する差別・偏見を助長させる懸念が極めて強い。
そもそも,ケースワークの非専門家である市民等には,受給者による金銭の費消が,「受給者の生活の維持,安定向上を図ることに支障が生じる状況を常習的に引き起こしている」という高度な専門的知見を要する判断を行うことは困難であり,結果として,市民等に,受給者のプライヴァシーに立ち入る過大な義務を課し,市民の監視の名の下,市民等が受給者及びその家族のプライヴァシーをいたずらに暴き出す風潮が作出されかねず,極めて危険である。現に生活保護等を受給している受給者の指導・指示は福祉の専門機関である福祉事務所等の権限と責任のもとで行われるべきものであり,これを市民等の監視に委ねることは行政の責任放棄でもある。

5 その他,本条例案には,生活保護法等法律が定める以上の権利制限を定める「上乗せ条例」として違憲の疑いもあること,「受給者が給付された金銭を,パチンコ,競輪,競馬その他の遊技,遊興,賭博等に費消してしまい,その後の生活の維持,安定向上を図ることができなくなるような事態」や「支障が生じる状況を常習的に引き起こしていると認める」に至る生活状況であるかを判断することは極めて困難であり,「指導又は指示」に関し,恣意的判断がなされるおそれがあること(4条2項),パチンコ,遊技,遊興,公営ギャンブルである競輪,競馬と犯罪行為である賭博の関係が整理されていないこと,受給者に関する情報を提供した市民等に対しても守秘義務が課されること(9条2項),受給者の家計管理の問題をパチンコ等のギャンブルに関する問題に矮小化させていること,犯罪ですら通報義務を負わない市民に対し,何ら犯罪を構成しない受給者の生活状況に関する通報義務を課していること,貴市における生活保護受給者世帯は約120世帯程度と少数であり,かかる条例制定の必要性に乏しいことなど疑問点が多々ある。

6 以上の通り,本条例案は,受給者の人権を侵害し,市民等を監視態勢に巻き込み,生活保護等に対する差別偏見を助長するなど看過しがたい内容となっている。そこで当会は本条例案に強く反対するとともに,貴市においては条例案を撤回され,貴市議会におかれては慎重な審議の上でこれを廃案とすることを求める次第である。

2013年(平成25年)3月8日
兵庫県弁護士会 会長 林 晃 史

http://www.hyogoben.or.jp/topics/iken/pdf/130308seimei.pdf
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一体どういう風の吹き回しか?

2013年03月13日 22時47分52秒 | 職場人権レポートVol.2
 前にも書きましたが、私は業務請負会社の契約社員(フルタイムのバイト)として、大阪にある某スーパーの物流センターで働いています。契約社員はどこでもそうですが、私の会社でも数か月毎に雇用契約の更新があります。たとえ仕事内容や賃金・勤務時間等が変わらなくても、更新のたびに新しい雇用契約書を会社と交わす訳ですが、今回からその方法が少し変わりました。今まではただ単に契約書を新しいものと差し替えるだけだったのが、今回から更新のたびに所長と面談し、確認書にサインする事になりました。

 雇用契約の更新期間が今までの2ヶ月毎から6ヶ月毎に延長され、グループ会社の再編で4月から社名も変わり、夏からは商品の仕分け作業も新しい物流システムに変わるという事で、特に今回からそのようなやり方がとられるようになりました。とはいえ、新システムに変わるのは夏頃からで、実際それに伴う施設の改装工事も進んでいますが、それまでは仕事内容も賃金・労働時間も変わりません。変わるのは4月からの社名変更ぐらいです。なのに、何故わざわざこんな面倒な事をするのか、皆目わかりません。

 私はてっきり、以前の職場であったような、新センターや新システムの稼働を契機とした時給切下げや契約時間カットがここでも強行されるものと警戒していましたから、どうやらそういう事もなさそうなので、ホッと胸をなでおろしていました。
 そうこうしているうちに、一昨日早くも私に面談の順番が回ってきました。所長との面談自体は5分ほどで済み、過去の私の組合活動に対する嫌がらせ的な発言も特になく、新しい契約書をもらい最後に確認書にサインする事になりました。

 
 上記がその確認書ですが、その内容を見てびっくり。確認事項として、(1)雇用契約の更新が2ヶ月毎から6ヶ月毎に変わる、(2)労働契約は新会社に継承される(つまり4月からは新社名の下で働く事になる)、まあここまではそれまでも聞いていた内容なので特段驚く事もないのですが、その次の(3)業務等に対し意見があれば書いて下さい、というのにはびっくり。今まであれだけ「業務改善するかしないかは会社が決める」「文句があるならいつでも辞めろ」みたいな対応をとってきた会社が、わざわざ向こうから「意見求む」と、手の平を返す様な事を言ってきたのですから。一体どういう風の吹き回しか?

 しかし、幾ら今頃になって「意見があれば書いて下さい」なんて言われても、全然有難いとは思いません。そんな物書いた所で、どうせ夏には新しいやり方に変わるのだろうが。所長も「意見を採用するかしないかは会社次第」と、相変わらず同じ様な事を言っていたし。今頃になって急にそんな事を言いだしたのも、せいぜい単なる思いつきか人気取り、業務改善のアリバイ作りか。逆に「批判分子のあぶり出し」と穿った見方すら出来る訳で。

 
 だから意見を出そうかどうか迷いました。職場の同僚も「今更こんな事書いても同じだし、こんな職場にいつまでもいるつもりもないし」と言っていたし。でも結局、何も出さずに「改善の必要なし」として片付けられるのも癪に障るので、以前所長に出した業務改善要望書の内容を手直ししたものを、改訂版として確認書に別紙添付の形で出す事にしました(上記画像)。

 要望項目の大半は最初の要望書と同じです。仕事内容に関して新たに追加したのは(図中の※印の項目)、制帽の改善と、「合わせ」から先に流せという事ぐらいです。制帽の改善は、私の昨年の労災事故の教訓から、内側がウレタン素材で補強された防護機能付の帽子に代えよという事です。「合わせ」というのは、フジッコの煮豆の小箱のように数ケース毎にテープで結束された物で、それを無結束の「バラ」箱より先に仕分けレーンに流してくれれば、より綺麗で頑丈に効率良くカゴに積んで行けるのに、という事です。

 私が本当に改善を勝ち取りたいのは、それよりも寧ろ文書の最後に取りあげた下記の労務関係項目の方です。

(引用開始)
(11) 交通費の支給規定日数を見直してほしい。規定では月20日以上出勤しないと支給されないが、日数が28~31日と各月で異なるのに一律20日で足切りは逆に不公平。2月なぞたった1日休んでもアウト。無理に出勤して余計病気をこじらせる事にもなりかねない。せめて有休付与の法定制限(出勤率8割=2月なら16日以上)に合わせてほしい。

(12) 交通費支給額の基準を明確にしてほしい。規定では月額1万円上限となっているが、実際には通勤定期代が1万円以上するにも関わらず8千円しか支給されていない労働者もいる。

(13) 有休の事後申請に制限をつけないでほしい。所定要件(勤続日数・契約時間・出勤率)を満たした労働者の有休取得には、時季変更以外の制限は認められない筈(労基法39条)。現状では病休でも医者の領収書がなければ事後申請が認められないが、仮に自己管理を強調するにしてもそれは個別に指導すべき事であって、それを以て一律に有休取得を制限するのはおかしい。
(引用終了)

 (11)と(13)の項目は、私が先日腰痛で1日休んだ時に、2月は28日までしかないので、週休を差し引くと月20日以上出勤の支給規定に満たず、交通費が貰えなくなった上に、「病気欠勤を後で有休に振り替えるには医者の領収書が必要だ」と言われた事が契機です。「別になりたくてなった腰痛でもないのに、何故たった1日休んだ位でそこまでされなければならないのか」と、納得がいかないので要望として出す事にしました。(12)は、これは別の契約社員の例で、地下鉄を乗り継いで来ているので、通勤交通費は優に月1万円以上かかっているのに、会社からの直線距離で機械的に計算されて交通費が値切られた事から、これもついでに改善を要望する事にしました。

 この(11)~(13)項目の内容なら、たとえ新しい仕事のやり方に変わっても共通の要望として出せるし、労基法違反の指摘もしているので会社も無碍に門前払いは出来ない筈です。昨日、所長は定休日だったので副所長に要望書の改訂版を預けて来ました。そして翌日の今日が今度は私の定休日だったので、明日出勤時に所長からひょっとしたら何か言われるかも知れません。どうせ何か言われても、法律に違反しているのは寧ろ会社の方なのだから、こちらは一切譲歩する気はありませんが。
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内部・八王子線再生へのささやかな提案

2013年03月06日 23時33分15秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 3月3日開催の「乗って残そう。内部・八王子線!撮影会」に参加してきました。当日は朝9時に近鉄四日市駅に集合との事で、早朝6時半大阪難波発のアーバンライナーに乗って、どうにか集合時間に間に合う事が出来ました。
 この内部線の内部ですが、「ないぶ」ではなく「うつべ」と読みます。また、八王子線は現在「西日野」までしか運行しておらず、そこから先の伊勢八王子までの区間は大分以前に廃止されてしまいました。今は線名に名残を残すのみとなっています。以上念の為。

   
 9時から撮影会の呼びかけと諸注意が、駅前のバス乗り場で既に始まっていました。私はてっきり駅構内か改札の前でやるものと思っていたので、途中からの参加になってしまいました。市長の挨拶が終わり、主催者の存続議員連盟・市民団体(ナローゲージ応援団)から写真応募要領の説明と、「くれぐれも電車運行に支障を来したり無賃乗車をしたりしないように」との注意がありました。写真は11日午後5時までにA4版で一人1点を市議会内の存続議員連盟事務局宛に送れば、最優秀作品を16日午後1時から市総合会館1階ロビーで展示してくれるとの事。後はもう終日自由行動です。

   
  
 同じ近鉄四日市駅でも、内部・八王子線の乗り場は、名古屋線・湯の山線とは離れた場所にあり、改札も別になっています。内部線・八王子線のどちらも、この四日市からほぼ30分おきに出て、途中の日永からそれぞれ西日野行と内部行に分かれます。電車の色も、昔は茶一色の地味なデザインだった様ですが、今世紀に入ってから今のカラフルな物に変わりました。但し、運賃は結構割高で、終点まで行ってもたかだが2~5キロ位しか乗らないのに220円もします。  

    
 この路線の特徴は、何と言っても線路の幅が狭い事です。先の案内記事にも書きましたが、特殊狭軌(ナローゲージ)と言って僅か762ミリしかありません。近鉄・阪急(標準軌=1435ミリ)やJR・名鉄・南海(狭軌=1067ミリ)と比べても、その幅の狭さが分かります。これは全て昔の軽便鉄道の名残です。この線路の幅の狭さ・特殊性故に、スピードアップや車両の冷房化・更新が図れず、鉄道用地の手狭さ故に改軌や複線化も出来ず、モータリゼーションや少子化による乗客減に歯止めがかからなくなり、今や廃止の瀬戸際に立たされているのです。
 近鉄はもう鉄道再生の道を諦め、BRT(バス高速輸送システム)という専用バスレーンに転換しようとしています。それに対して地元の四日市市は、「幾ら専用レーンと言えども所詮バス、交差点では止まらなければならないし、バスではラッシュに対応できない」と反対しています。業を煮やした近鉄は、ならば今年8月を目途にBRTに代わる対案を出せと、四日市市に迫ってきているのです。 

    
 しかし、果たして実際の所はどうなのか。私は寧ろ近鉄の努力不足の方を感じました。その第一が運賃収受のいい加減さ。改札は、始発駅の近鉄四日市が自動改札、片方の終着駅・内部が係員改札の他は全て無人駅で、車内や駅の運賃箱に乗客が勝手に切符を入れるようになっているだけ。自動券売機は無人駅も含め全駅に設置されていますが、肝心の改札がノーチェックでは、無人駅から無人駅までタダ乗りされても誰も分からない。
 駅の無人化は他のローカル線も同じですが、他社ではたとえワンマンカーでも、乗客が車両の後ろから乗って前から降りる際に運転手が改札するという様に、何らかの形で無賃乗車防止策が講じられています。少なくとも、ここまでいい加減な事はない。近鉄からすれば「どうせ廃止するのに今更人や物に金をかけても」という感じなのでしょうが、こんないい加減な対応では、ますます乗客が愛想を尽かして鉄道を利用しなくなるでしょう。

  
 それに安易に乗客減と言いますが、元々四日市という大都市の近郊を走り、沿線には4校もの高校があり、ラッシュ時には逆に今の鉄道でも学年別乗車で対応しなくては積み残しが出る位なのです。特に八王子線の廃止なぞ、西日野駅のすぐ目の前にある県立四日市南高校の生徒にとっては正に死活問題です。
 地元の人に聞いても、ラッシュ時は超満員で、問題は日中閑散時間帯での乗客増を如何に図るかだという話です。その為の対策として、例えば9~16時に限り全区間片道百円均一料金にする等のサービスが考えられますが、これも改札がじゃじゃ漏れでは手の打ちようがありません。
 また、他社には大抵ある一日フリー乗車券や提携サービス(関西ではICOCAやPiTaPa、堺・住吉まん福チケット等が有名)も一切ありません。お蔭で、今日の撮影会でも、他社なら数百円の一日フリー乗車券で自由に回れるのに、ここでは途中下車する度に170円、220円と飛んでいくので1700円以上もかかってしまいました。これなぞも改札がまともに機能していないから導入出来ないのではないでしょうか。
 それに、ラッシュ時も閑散時も何故同じ3両編成で電車を走らせているのか。人減らしで車両の増結・切り離しが出来なくなったらしいですが、それで逆にコストがかかるような事をしているのですから本末転倒です。

  
 その他にも、内部・八王子線乗換駅の日永にすら、ホームに時刻表の掲示がない。幾ら相互連絡のダイヤになっていても、時刻表ぐらい掲示すべきでしょう。また、日永駅の八王子線(右に急カーブしている単線)ホームは電車とホームの隙間がかなり空いていますが、転落防止策が何も取られていません。これも何らかの対策が早急に取られるべきです。幾らホーム改良が間に合わなくても、せめて注意書き位はすべきでしょう。

  
 内部の車庫も狭隘で老朽化が進んでいる感じを受けます。留置線2本に検修線(左の車庫とその先にある洗浄機)1本の計3本しかスペースがありません。それに車庫と言っても簡単な検査しか出来ず、本格的な検査はわざわざ部品を名古屋本線の塩浜車庫まで運んで検査しているようです。他の線区とは車両や施設の構造も異なる特殊狭軌なのに、これで果たして大丈夫なのでしょうか。 

 以上、素人がざっと見てきただけでも、これだけ近鉄の努力不足が目につきます。廃止やBRT化を言う前に、果たしてやるべき事をやってきたのか甚だ疑問です。徒に人件費・物件費を削った為に、逆にきめ細かな対応が出来なくなり、余計にコストがかかってしまっている印象を受けました。(1)ナローゲージのまま放置→施設の老朽化→輸送力・サービス低下、安全性にも懸念、(2)改札無人化の強行→無賃乗車もノーチェック、(3)距離の割に高い運賃→乗客減や無賃乗車の原因に、(4)安易なコストダウン→きめ細かな施策が打てず逆にコスト増を惹起(車両増減や各種サービス導入の障害に)、という悪循環に陥っている様な気がします。近鉄にこの悪循環を断ち切る気がない限り、たとえBRT化しても今度はそれが今のナローの様になるだけだと思います。

     
  
 しかし、これは裏返せば、「今まで殆ど手つかずだった分だけ逆に改良の余地も多い」という事です。近鉄の覚醒を待たずとも、出来る事から地元主導でやれば良いと思います。例えば観光宣伝。ナローゲージの内部・八王子線自体が一つの産業遺産ですし、沿線には旧東海道の道標・松並木・一里塚や神社・屋敷林などの文化遺産もあちこちにあります。それを繋げてハイキングコースにするとか、近くの南部丘陵公園で花見を開催するなどの企画が考えられます。
 その他に、地元の名産品を並べた物産展や展示即売会等も考えられます。大阪の水間鉄道がやっている「駅なかマルシェ」の様な取り組みです。沿線には、地元の洋食屋さん手作りの駅前ナロー弁当や銘菓「なが餅」、伊勢茶、日永うちわ、万古焼などの名産があります。駅前ナロー弁当は私も食べましたが、あれをスープ(または味噌汁)付500円位の価格で、内部線追分駅前の店頭で他の名産と一緒に売れば、内部線の利用にも繋がるでしょう。
 また無人駅の管理も、駅周辺の美化ぐらいなら、別に近鉄主導でなくても地元の町内会・老人会でも充分やれる。そうして、駅の花壇や待合室・トイレまで手を広げる事が出来れば、近鉄も乗って来ざるを得ないし、鉄道利用者の増加にも繋がる。

 その一方で、近鉄にも地元との定期協議の場を持たせ、そこで無賃乗車防止策や各種サービス導入等について話し合う。そうして、「協力する代わりに要望も出す」態度で地元が臨めば、近鉄も変わらざるを得ないのではないでしょうか。
 そこでまずさしあたって協議すべきなのが、アテンダントや駅務委託の採用ではないでしょうか。福井県のえちぜん鉄道の様に、アテンダントを車内に配置し、集改札だけでなく案内・観光ガイドも担って貰うのです。駅務委託も、駅の美化や集改札業務ぐらいなら、地元の高齢者でも担えます。そうして、運賃収受の適正化を図ると共に、雇用拡大や駅の活性化・利便性向上を図ります。
 それらの事項を協議する中で、近鉄が鉄道見直しに転換すればしめたもの。それでも近鉄が廃止に固執するなら、もはや地元自治体(三重県)主導で上下分離方式による第三セクター化を図るしかないでしょう。鉄道施設を県が近鉄から譲り受けた上で、経営のみ三セク会社に移譲するのです。そうすれば、自動改札機の全駅設置による無賃乗車の一掃や、フリー乗車券・提携サービスの導入も図れるようになり、鉄道利用が上向けばやがてダイヤ増発や、将来的にはナローから狭軌への転換や近鉄四日市・日永間の複線化も実現出来るのではないでしょうか。
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