アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

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スーパーは貧乏人を差別するな!

2024年05月12日 19時54分00秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 
近所のスーパーに買い物に行った際に、店のお客様アンケートに下記の要望を書いて出しました。
 
「私は長年、某スーパーの物流センターで働いて来ました。その私の目から見ても、スーパーの社員や経営者が本当に今の庶民生活をどれだけ理解しているか疑問に思う時があります。
例えば、店の入口の青果売り場に並ぶのは大量の玉ねぎ・ジャガ芋・人参です。
これらの商品は色んな料理に使えるので大量に仕入れたくなる気持ちも分かりますが、品切れする事はほとんどありません。
その一方で、少し奥まった所にあるブナシメジや絹さやはいつ来ても品切れです。
これらの商品も、賃貸マンションの火力の弱いIHコンロでも簡単に調理出来るので結構需要があるのに。もっと、これらの商品も仕入れるようにして下さい!」
 
以上がその要望ですが、これはほんの一例に過ぎません。この他にも、バカ高い値段のカットフルーツばかり仕入れたり、ひな祭りや端午の節句の高級菓子ばかり仕入れたり、スーパーの発注する商品が実際の庶民感覚とズレていると感じられる場面に何度も出くわして来ました。
 
確かに、これらの商品も売れないと言う訳ではありません。でも一番売れるのは、もっと単価が安く、誰でも気軽に買えて、調理の簡単な豆腐や蒲鉾、安い豚肉などの日常必需品や、レトルト食品などです。
 
でも、どのスーパーも、それらの安価で日常ありふれた商品よりも、貧乏人が買えないような高価なフルーツや贈答用品ばかりを大量発注します。
 
何故こんな事になるのか?それは、大量仕入れが可能なファミリー層向けの商品や、高額フルーツの方が利幅が大きいからです。
 
しかし、今の庶民生活を考えると、そんな小金持ちのファミリー層ばかりではありません。シングルマザーや高齢者、寮住まいの派遣労働者などの貧困層や単身世帯も決して少なくありません。
 
それらの貧困層にとっては、贅沢品の高額フルーツや贈答用品よりも、安価で手軽に調理出来る豆腐やレトルト商品の方が、需要は大きいのです。
 
そうであるにもかかわらず、いまだに昔の総中流社会のイメージで、もはや準富裕層に過ぎない小金持ちのファミリー層や勝ち組ビジネスマン層受けする商品ばかりを発注しないで下さい。
 
たとえ利幅は小さくても、需要のある貧困層向けの日常必需品も仕入れるようにして下さい。少なくとも、いつ来ても品切れで買えない事のないようにして下さい。
 
貧乏人にも生きる権利があります。スーパーにはその権利を保障する義務があります。金持ちだけが消費者ではありません。それだけは忘れないようにして下さい。
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今こそ令和の食糧メーデーを!

2023年12月29日 20時13分00秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
以下、X(旧Twitter)のつぶやきより↓
 
 
今夜の晩ご飯はトマ玉炒め、肉野菜炒め、絹さやとブナシメジの味噌汁。最初はスープ餃子に絹さや入れて、トマ玉か麻婆豆腐にするつもりだった。が、今日で日付の切れる半額50円パックの野菜炒めを買ったので、豚コマも買って肉野菜炒めに。明日の分も炒めて冷蔵庫に。他のおかずも半分は明日に回す。
 
 
他にオクラも買った。オクラ、ブナシメジ、絹さやがマイブーム。安価でどんな料理にも合うし、すぐに煮えるのでワンルームの火力の弱いIHコンロでも簡単に調理出来る。翌日分も下ごしらえしておけば、冷凍庫のないワンドア式の小型冷蔵庫でも数日間保存可能。火力の弱いコンロも電子レンジ併用で克服。
 
世間では休みの正月が我々には修羅場とも言える繁忙期。以前いた西成あいりん地区ではこの時期に凍死・餓死者が続出。我々も別の意味で死活問題に直面する。スーパーの売場が迎春商品で占められ、普段買う商品が入手困難に。数の子なんか無くても困らないが、蒲鉾がなくなれば日々のおかずにも困る。
 
勿論、我々も手をこまねいてばかりではない。缶詰やレトルト食品ばかりでは飽きるし健康にも良くない。だから生鮮品でも賞味期間2週間前後の比較的日持ちする商品を早めに確保する。豆腐や蒲鉾など。そうやってスーパーが閉まる年末年始を乗り切って来た。
 
でも日持ちする商品ばかりではない。ピーマンなぞは冷蔵庫に入れても数日しか持たない。正月も休みなしで働くエッセンシャルワーカーも年越し蕎麦ぐらいは食べたい。でも売場には何千円もする迎春蒲鉾しかない。上流階級の生活も我々が働いてこそ。そう思うなら蕎麦に入れる安い蒲鉾も店に置いてくれ。
 
 
スーパーの壁にはSDGsのポスターも貼ってあるが、食うや食わずの生活に追われている人々を無視して、「持続ある開発目標」もクソもあるか。子ども食堂が命綱の貧困家庭、餓死・凍死と隣り合わせの野宿者、過労死と隣り合わせの長時間ドライバーの存在無視して、上流階級の方ばかり見て仕事するな。
 
 
まだあいりん地区にいた頃。そこにはスーパー玉出しかなく、品数が限られるので買い物は天下茶屋のイズミヤで。だが年末はそこも高い迎春蒲鉾のみに。安い蒲鉾売ってくれと言っても店員は言い逃ればかり。私は切れてボッタクリだと言ったら隣にいたオバチャンも私に同調。今こそ令和の食糧メーデーを!

では、来年も宜しくお願いします。
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祝勝セールよりトマト値下げが先だ!

2023年10月28日 21時27分14秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 
このせいだったのか!今週金曜日からいきなり入荷商品の量が急激に増えたのは!
 
阪神優勝に続いてオリックス優勝セール。本拠地の京セラドーム近くの大阪市西区にある九条商店街の喫茶店で、「バッファローズ」のロゴをあしらった「バファ・ラテ」というカフェラテを販売するんだと。その日のNHKのニュースでやっていた。
 
九条商店街にはシネヌーヴォという映画館があり、商業ベースに乗らないような映画がよく上映される。私は、どちらかと言うと、そんな映画の方が好きなので、この商店街にはたびたび立ち寄る事がある。その時に、この喫茶店にも一度入った事がある。喫茶店の名前は忘れたが、レトロな喫茶店だった。新世界や西成あいりん地区には、そんな昭和スタイルの喫茶店がまだ数多く残っている。
 
世間は優勝セールで盛り上がっているが、我々、物流業界で働く人間にとっては地獄以外の何物でもない。はっきり言ってシンドイだけだ。当日も普段の何倍もの玉ねぎ・メークインをさばくのにテンヤワンヤだった。この時期はハロウィーンのセールとも重なるが、ハロウィーンだけではここまでの量にはならない。
 
さすがに「オリックス負けろ!」とまでは言わないが、祝勝セールにあやかれるのは所詮ブルジョア層に限られる事は指摘させてもらう。何故なら、我々、物流の下請け労働者にとっては、オリックスが勝ってもチョコ菓子を買う余裕なんか無いからだ。
 
チョコ菓子なんか買うぐらいなら晩飯のおかずを買う。それに、祝勝セールなんかやられても、大量の商品をさばかなければならなくなるだけ、シンドイだけで、自分の首を絞める事にしかならない。祝勝セールなんて今やブルジョア富裕層の道楽でしかない。
 
それに、幾らそんなセールを組んだ所で、消費がこれだけ冷え込んでしまったら、「笛吹けど踊らず」に終わるだけだ。幾らスーパーが客に商品を買わそうと、恵方巻セールだのハロウィーンセールだのと仕組んで、大量の商品を仕入れた所で、たいして売れず、セールが済んだら今度は在庫処分に忙殺される事になる。
 
先日も店でさばけないからと、大量のチョコ菓子がセンターに返品されて来た。店に置いておく場所がないのだと。だから、一旦センターに返品して、数日後に店のスペースが開いてから、また店に配送するのだと。こんなもの、二度手間以外の何物でもない。ガソリン代の無駄遣い、資源の浪費にしかならない。政府の掲げるSDGS(エスディージーズ:持続可能な開発目標)とも矛盾する。
 
 
しかも、セールの陰に隠れて物価は高騰。セールの商品は安売りするが、その他の生活必需品は値上がりしたままだ。それをそのままにしたまま、祝勝ムードで誤魔化すな!
 
チョコレートなんか食べなくても人間は死なない。でも、主要食料品の卵やトマトを買えなければ、やがてタンパク質やビタミン不足になってしまう。ハロウィーンのチョコレートなぞ品切れにはならない。いつも品切れになるのは安い農産物だ。缶コーヒーも値上がりし、分量は逆に少なくなる一方だ。チョコ菓子なんか発注する金があるなら、卵やトマトの値段を下げろ!トマト1玉を250円や300円なんかで売るな!
 
食い物の恨みを侮るなかれ。フランス王妃のマリー・アントワネットが、「パンが買えない」と訴えた農民に対して、「パンが食えなければケーキを食べれば良いじゃないか」と言い放ち、農民の怒りを買い、それがフランス革命の導火線になった故事は余りにも有名だ。(この故事の信憑性については諸説あるようだが)
 
日本でも、古くは江戸時代の百姓一揆、大正時代の米騒動、終戦直後の食糧メーデーの例でも明らかなように、食い物の恨みは時として歴史を揺るがす大事件に発展した。
 
 
 
この「食」にまつわる逸話については、私も二つほど実感した事がある。一つは、もう20年ぐらい前の話だ。生協を退職してバイト生活を始めた際に、当時は昼からの勤務シフトだったので、スーパーでお昼ご飯を買って、勤務前に会社の休憩室で食べていた時があった。
 
その時に、カップラーメン(醤油・味噌・塩・豚骨味)、お握り(鮭・昆布・タラコ・オカカ・高菜味)、揚げ物(コロッケ・唐揚げ・アジフライ等)を組み合わせれば、安い値段で買う事が出来、色々バリエーションも楽しめる事が分かった。
 
だから最初はラッキーと思ったが、やがて無性に腹が立って来た。何故なら、幾らバラエティー豊かに組み合わせた所で、所詮、カップラーメンとお握り、揚げ物では、ジャンクフードしか食えない事が、理屈ではなく肌感覚で分かったからだ。
 
しかも、似たような商品しか買えないので、スーパーの一角しか立ち入る事が出来ない。それ以外のエリアとの間には、目には見えないバリアが張られて、自分はその中に閉じ込められた気分に、次第に陥っていった。
 
まるで南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)によって狭く汚れたスラムや居留地に囲い込まれた黒人や、今のパレスチナ自治区ガザのアラブ人、西成あいりん地区の日雇い労働者のように。
 
今から考えたら、よくこんな偏った食生活を続けていたものだと呆れるが。当時は最低賃金もまだ時給900円前後で、私の月収も15万円あるか無いかの低賃金だったから、栄養なぞ二の次だったのだろう。
 
もう一つは最近の例だ。私は数年前まで西成のあいりん地区に住んでいた。その頃の年末に、あいりん地区の隣にあるスーパーで、年越しそばに入れる蒲鉾を買おうとした時の事。前日まで売り場に陳列してあった1個98円の紅白蒲鉾が、全て店頭から撤去され、正月用の迎春蒲鉾に置き換えられてしまっていた。
 
誰が1個数千円もするような迎春用の蒲鉾をそばに入れるのか?私が欲しいのはあくまで1個98円の紅白蒲鉾だ。しかし、店員に聞くと、もうそんな蒲鉾はどこにも置いていないと言う。その余りにも紋切り型の対応に腹が立ち、「これではボッタくりではないか!」と思わず言ってしまった。そうしたら、何と隣にいた見知らぬオバちゃんも、私に加勢して「そうだ!その通りだ!ボッタくりじゃないか!」と一緒に声を上げてくれたのだw
 
増税メガネの岸田や、カップラーメンの値段も分からない麻生太郎には、この気持ちは絶対に分からないだろう。だけど、貧困層にも貧困層の意地がある。いつまでも労働者の人権や尊厳を踏みにじって、搾取の上に胡座をかいていられると思ったら大間違いだ。
 
 
既にその予兆はある。さる10月22日に投開票された参院高知・徳島選挙区補欠選挙で、野党系統一候補が自民党候補にダブルスコアで大勝したのが、その良い例だ。今や岸田内閣支持率は3割を切り、危険水域に突入している。奢る平家は久しからず。今こそ声を大にして叫ぼう!祝勝セールより物価値下げと賃上げを!もしやらないなら、その時こそ「米騒動」に「食糧メーデー」だ!
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下請け搾取に胡坐をかく労働貴族に鉄槌を!

2023年09月23日 12時45分41秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな

昨夜(9月22日)放送のNHK「かんさい熱視線」は非常に見ごたえがありました。番組では物流業界の「2024年問題」を取り上げていました。来年の2024年4月からドライバーの残業規制が強化されます。残業時間の年間960時間上限規制が新たに設けられ、拘束時間の上限規制も年間3516時間から3300時間に短縮されます。この「2024年問題」に対応する為に、運送便のドライバーは途中で休憩を取らなければならなくなりました。しかし、大型トラックの駐車出来るパーキングエリアには限りがあります。おまけに渋滞に巻き込まれたりして、拘束時間は逆に長くなってしまいます。

他方で、運送会社は荷主に頭が上がらない上、何重にも下請けを抱えているので、下に行けば行くほど労働時間は増え、給料は逆に安くなります。そんな「踏んだり蹴ったり」の状態なので、幾らドライバーを募集しても人が集まりません。もはや、どこの運送会社も中高年のドライバーばかりになってしまいました。人手不足と長時間労働の悪循環です。そのうちに、幾ら荷物を発注しても届かない日が来るかも知れません。

勿論、運送会社も手をこまねいている訳ではありません。荷主と交渉して運賃を上げてもらったり、荷受け時間を予約できるようにして無駄な待ち時間をなくすように努力しています。しかし、立場の弱い運送会社に出来る事には限りがあります。消費者も、いたずらに商品の鮮度や値段の安さばかりを追い求めるのではなく、ドライバーの労働条件改善の為に何が出来るか考えるべきではないでしょうか・・・大体そのような放送内容でした。

私も、身をつまされる想いで、この番組を観ました。この番組で言っている事は全て本当です。ドライバーだけでなく、荷物を仕分けしてトラックの積み下ろしを手伝う私たち物流業界の会社も、幾ら人を募集しても全然来ません。私たちも荷主には頭が上がらないので、賃金も最低賃金ギリギリの安い給料に抑えられたままです。こんな所に日本人の若者はほとんど来ません。従業員の多くは高齢者と外国人ばかりになってしまいました。

これは一体誰が悪いのでしょうか?私たちが仕事をサボっているからでしょうか?違うでしょう。下請けが何も言えないのを良い事に、労働者や中小企業の立場をどんどん弱めて、「規制緩和」や「グローバリゼーション」の名の下に、無理な価格競争や労働ダンピング(労働力の安売り)を推し進めてきた政府・財界、資本主義万能論に立つ自民・公明与党や維新の会、国民民主党などの「御用野党」の連中でしょうが!

「残業規制で逆にドライバーは拘束時間が長くなった」と番組は言います。確かに現象面だけで見ればその通りです。では残業規制をしなくなったらどうなります?過労死するドライバーが続出し、無理な運転で交通事故も激増しますよ。今まで残業規制がなかった事自体が異常なのです。ようやく始まった残業規制も上限が年間960時間。月に換算すると80時間。過労死ラインぎりぎりじゃないですか!

これはもはや人権問題です。それを「コスト」、つまり「カネ勘定」の問題としか捉えていないから、「労働時間短縮のコストをどこかでひねり出さないといけない」という発想になってしまうのです。確かに「ひねり出す」努力は必要です。しかし「ひねり出せない限り、過労死に甘んじなければならない」という発想自体がそもそも間違っています。「ひねり出せない」なら「出せる」ようにするのが、政府や政治家、労働組合の仕事です。

そう考えれば、やり方は幾らでもあります。独占禁止法や公正取引法を改正して不当なダンピング競争を規制する。労働基準法の骨抜きを止めて残業規制を強める。最低賃金法を改正して最低賃金を大幅に引き上げる。防衛費や海外援助のバラマキにばかり税金を垂れ流すのではなく、中小企業を支援して、労働者にまともな賃金と労働条件を保障できるようにする。そうすれば人なんて幾らでも集まります。わざわざ言葉の通じない外国人を雇う必要もありません。今のままでは外国人も、労働時間ばかり長くて給料は安い日本に愛想を尽かして、よその国に行ってしまいますよ。現に、そうなりつつあるじゃないですか。

人手不足に悩まされているのは、何もトラックのドライバーだけではありません。大阪府富田林市の近郊で路線バスを運行する金剛バスが事業からの撤退を決めたのも、赤字経営だけでなく、バス運転手が確保できなくなったからです。赤字とは言え、まだそこそこ通勤・通学の需要はあるのに。他に並行する鉄道やバス路線もないのに、バスがなくなったら一体どうやって通勤すれば良いのでしょうか?皆が皆、マイカーを所有している訳ではありません。それに、マイカーにばかりに頼っていたら、交通渋滞は更に激しくなるし、排気ガスで更に地球温暖化も酷くなります。

私の勤務先も某スーパーの物流センターです。私はそこの下請け会社で契約社員として働いています。その物流センターにも某スーパーの労働組合があります。社員食堂の横には組合の掲示板もあります。その掲示板に定期大会の議案書が吊るしてありました。その議案書によると、今期のテーマは「現状打破」なのだそうです。

私はこれを見て呆れました。「何て抽象的なテーマなんだろうか!」と。私の職場の状況は今まで書いた通りです。人手不足に長時間労働、低賃金・・・今すぐにでも取り組まなければならない課題が山積しています。それを認識していたら、こんな「抽象的」で「中身スカスカ」の「ポエム」にうつつを抜かしている暇なぞないはずです。もっと具体的な要求課題を掲げるはずです。

おそらく、この組合幹部には現状が見えていないのでしょう。又は見えていても知ろうとしないのでしょう。自分たち大企業正社員の、組合幹部の利益さえ守れればそれで良いと。この労働組合も連合(日本労働組合総連合会)やUAゼンセン(商業労働者の組合で作る連合体)に加盟し、国民民主党を応援しています。先日、国民民主党の元・副代表の矢田雅子が岸田内閣の政務官に抜擢された事が話題になりました。国民民主党の玉木代表が最近とかく政府寄りの発言を繰り返しているのも、こういう事が背景にあるのでしょう。

こんな「御用組合」なら不要です。こんな「労働者の敵」を休ませる為に、こいつらが休んでいる盆や正月も、私たちは休みもなく働かなければならないのです。政府の言う「働き方改革」は、こいつらだけが対象なのでしょうか?違うでしょう。下請けも含めて、全ての労働者に、人間らしい労働条件と、別に残業しなくても食べていける賃金を保障するのが、本当の「働き方改革」ではないのですか!

先月、西武そごうの労働組合がストライキを打ちました。親会社のセブン・アイ・ホールディングスが東京・池袋の西武百貨店を一方的に外資に売却し、それを買い取ったヨドバシカメラに売り場を占拠されるのを嫌って。勿論、赤字だからと言って、勝手に百貨店を外資に叩き売り、労働者を路頭に迷わせるような事があってはなりません。しかし、それに反発してストを打った西武そごうの労働組合も、「量販店のヨドバシと一緒にされては堪らない」という気持ちがあったからではないでしょうか?

その「ヨドバシ」を「下請け」に置き換えたら、もう「下請け差別」そのものじゃないですか。労働者が資本家の横暴と闘う時は、全ての労働者が一致団結して闘わなければ勝てないのに。同じ労働者同士で「量販店だから」「下請けだから」と反目し合って一体どうするのですか?

ところが、私の勤務先の労組掲示板には、西武そごう労働組合のストライキに対する連帯表明すら掲示されていませんでした。議案書以外に掲示されていたのは共済や旅行の割引サービスの案内だけでした。これではただの互助会です。健保組合などと同じ、ただの正社員互助会。同じ労働者なのに、自分たち大企業正社員の利益さえ守ればそれで良いのか?大企業と一緒になって、下請け搾取に胡坐をかくだけの労働組合なら、もはや「百害あって一利なし」です。下請け搾取に胡座をかく労働貴族に鉄槌を!

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保険証廃止、マイナカードへの一本化に反対する署名に是非ご賛同を!

2022年10月22日 05時08分00秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 
現在、全労連(全国労働組合総連合)が標記のネット署名を集めています。私もその趣旨に賛同し、要請署名の全文をこちらに転載します。皆様もこの署名に是非ご賛同をお願いします。てか、そもそもマイナンバーカード自体が胡散臭い代物です(更新の手間ばかりかかり、コロナ給付金申請でも役に立たず、再発行手数料もバカ高い、等々)。単にデジタル化を推進したいだけなら、わざわざマイナカードに一本化しなくても、今の健康保険証にIC機能を付ければ済む話です。
 
【緊急署名】一体誰のため?保険証を廃止して、マイナンバーカードに一本化することに反対する緊急署名 #健康保険証の原則廃止に反対します #マイナンバーカードの義務化に反対します

発信者:全労連(全国労働組合総連合)

署名提出先:河野太郎・デジタル相、加藤勝信・厚労相、寺田稔・総務相

10月13日、河野太郎デジタル大臣が会見し、「健康保険証を24年秋に原則廃止し、マイナンバーカードを事実上義務化」することを発表しました。

 多くの国民がこのようなことを求めている、という話は聞いたことがありません。一体誰のためにこんなことを進めようとしているのでしょうか?

 マイナンバーカードは2016年1月から交付が始まっていますが、普及率はいまだ5割強にとどまっています。

 マイナポイントなどのPRによって一時的に取得者数は増えましたが、制度そのものに対する不安が払拭されたとはいえません。政府はこうした現実に業を煮やして、今回の強引な「事実上の義務化」に踏み切ったのではないかと思われます。

 そしてこの突然に思われる「事実上の義務化」は、カードを持っていない人だけではなく、すでに持っている人にとっても大きな影響があることが予測されています。 

【すでにマイナンバーカードを持っている方へ】

 マイナンバーの目的のひとつに、「金融資産を把握して、医療費負担などに金融資産状況を反映させ、利用者負担を増やす」ことがあります(政府の改革工程表の項目57をご参照下さい

  健康保険証を廃止してマイナンバーカードを義務化した後には、さらに「金融口座のひも付けの義務化」にすすむのではないかと予測されています。

 例えばすでに介護保険では、資産が500万円をこえれば、特養などの自己負担額がアップしていますが、この「個人データのひも付け」により、たとえば「貯金が500万円あったら、後期高齢者の医療窓口負担を重くする」というようなことができるようになります。

 つまり政府は「貯蓄して老後に備えよう」と言っておきながら、貯蓄したらしたで、その分医療・介護にかかる負担を増やそうとしているのです。

 健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化することは、その方向に歩みを進めることになる危険性が非常に高いのです。

 また保険証との一本化によって、カード紛失時のリスクも今まで以上に高まることになります。

【現在マイナンバーカードを持っていない人へ】

 現在マイナンバーカードを持っていない人には、さまざまな事情があります。

「個人情報の保護に不安がある」、「紛失のリスクが恐ろしく高い」、「メリットがないから」、「よくわからない」、「手続きが面倒くさい」、「そもそもマイナンバー制度自体に反対」などなど。

 政府は従来より「多様な幸せの実現ということですからマイナンバーカードを始めデジタルを全く活用しない生活様式を否定しているものではありません」(平井卓也前デジタル大臣 内閣委・総務委連合審査 2021年3月24日)と答弁していましたが、今回の「事実上の義務化」は、その態度を180度変えたことになります。

 大臣が変わったからといって、なんの議論もなくこんなことを勝手に決めてよいのでしょうか?

 また、マイナンバー法第16条の2によれば、「機構は、政令で定めるところにより、住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係る個人番号カードを発行するものとする」とあります。

 そもそも「申請」を事実上義務化することは、法に反するのです。

 すでにメディアやSNSにおいても、このニュースに対する反対の声が広がっています。私たちはこの声を「署名」という形にして、所轄の大臣に届けたいと思います。

「保険証を廃止して、マイナンバーカードに一本化することに反対」の方は

①この署名にサインをお願いします。

②大臣に伝えたいメッセージをコメントに記入してください。

③この署名の情報をシェアして広めてください。

 みなさんの署名が、コメントが、シェアが、「紙の健康保険証を原則廃止し、マイナンバーカードを事実上義務化」することをストップするための力になります。ぜひみなさんの力を貸してください。

 最後に私たちの元に届いている、現場からの声の代表的なものを紹介したいと思います。

《医療現場からの声》

・現在の健康保険証による資格の確認には、なんの問題もおきていません。それなのに、普及している健康保険証を廃止して、無理やり普及していないマイナカードに置き換えるというのは無駄なのでは?

《患者からの声》

・健康保険証が廃止されたら、マイナンバーカードを持っていないと保険診療を受けられなくなるのでは?

・マイナンバーカードを紛失すると、同時に保険証をも紛失することになるので不安だ。

※全労連はマイナンバー制度反対連絡会に参加しているため、全労連のアカウントを通じてこの署名を呼びかけています。

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ティファニーで朝食を。釜ヶ崎と非正規の解放を。

2021年06月14日 20時55分18秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな

前回記事で紹介した例の旅行記ですが、今から思うと甘めの評価でした。旅行記がネットに公表された後、元ホームレス当事者の方の感想など読む中で、自分もいかにあいりん地区の事に無頓着であったか思い知らされました。

例えば、あいりん地区にやって来た旅行者の女性が、ひょんな事から野宿者の方と仲良しになり、一日限りのデートで彼に食事やたばこをおごる話の中でも。女性から自分の特技を聞かれて、「九九」や「ドッジボール」と答える野宿者の反応を見て、私もつい笑ってしまいました。当初はほほえましいエピソードにしか思わなかったその場面も、小学校の授業で習う「九九」や「ドッジボール」しか、彼には良い思い出が無かった事を思うと、笑って済ませられる話ではないのに。

そもそも、最初の居酒屋で見知らぬおっちゃんがこの女性に2千円おごったのも、彼女と楽しい時間が過ごせたからです。そのお礼の意味をこめておっちゃんは2千円払ったのです。多分、その場の勢いもあったのでしょうが。おっちゃんにとっては、あくまでフィフティ・フィフティのつもりで払ったのです。

それに対し、野宿者の方は、濡れタオルを入れるビニール袋を渡しただけなのに、890円の定食に560円のたばこ、130円の缶コーヒーまでおごられたのでは、もう女性に何も言えないじゃないですか。もう頭が上がらない。言いなりになるしかない。

そうやって、女性の言いなりになるしかない野宿者の人に、「缶コーヒーおごってやった代わりに私をほめてくれ」と、この女性は言ったのですよ。今までの人生の中で、ほとんどほめられた経験のなかった人に。見ようによっては、これほど残酷な事はありません。

しかも、よりによって「ティファニーで朝食を」という映画の名前を記事の題名にして(「ティファニーで朝食を。松のやで定食を。」)、ネットに公開してしまいました。この映画は、往年の大女優オードリー・ヘップバーンの名演技でヒットしましたが、その内容は新人女優の成り上がり物語です。おそらく、この女性は、そんな映画のあらすじとは無関係に、松のやの定食に引っ掛けて、この名前を記事の題名にしたのでしょう。しかし、それが更に油に火を注ぐ結果となってしまいました。「あんた、何を女優気取りでおんねん。しかも、野宿者を自分の引き立て役にして」と。

だから、元野宿者の方から、「珍獣扱いするな!」と、猛抗議を受ける羽目になってしまったのです。

でも、この旅行者の女性だけが悪いのでしょうか?一番悪いのは、この女性をここまでミスリードに追い込んだ、「新今宮ワンダーランド」「新世界・西成ワンダーランド!」の観光キャンペーンそのものではないでしょうか?

何故そう思うのか?ここで一つ質問します。皆さんは、どこからどこまでの範囲が「あいりん地区(釜ヶ崎)」だと思いますか?

そう聞かれると、大抵の人は「JR・南海と堺筋に囲まれた南北に細長い地域」と答えるはずです。住所で言えば、大阪市西成区萩之茶屋1・2・3丁目です。そのほとんどが日雇い労働者のドヤ(簡易宿泊所)街です。それに加え、堺筋より東側の太子1・2丁目も、民家の中にドヤが点在しているので、「あいりん地区」に含める人が多いはずです。

どちらにしても、JRより北側の新世界は含まれないはずです。あいりん地区とは違い、新世界にはドヤはありませんから。そもそも新世界は、浪速区の一部であって、西成区ですらありません。そういう、あいりん地区とは本来全く異質な地域であるにも関わらず、「優しい街、下町の人情が残る街」という多分に情緒的な言葉で、あいりん地区と一括りにして、大阪市の観光キャンペーン対象地域に含まれてしまいました。

左:あべのハルカスを動物園前商店街から望む。右:星野リゾートがJR新今宮駅北側に開業予定のOMO7(オモセブン)と、その横に建つ低所得者向けの大隅アパート。

※上図は、大阪商工会議所が阪南大学の研究室と共同制作した「新世界・西成食べ歩きマップ」。「新今宮ワンダーランド」観光キャンペーンの為に作られたものの一つだが、最初の曼陀羅の地図(同キャンペーンPR地図)とは違って、堺筋・阪堺線以西のあいりん地区はほとんど無視されてしまっている事が分かる。この事から、いくら同キャンペーンであいりん地区の歴史や日雇い労働の現状について力説しようとも、観光の重点はあくまで堺筋より東側の新世界・動物園前商店街にある事が、はからずも証明されてしまった。

だから、この旅行者の女性も、「優しい街、下町の人情の残る街」とホンワカ気分で、野宿者の人に接してしまったのです。野宿者の人にとっては、餓死や凍死と背中合わせで、不良少年の襲撃からも身を守らなければならない、およそ「優しさ」とか「人情」とは無縁の、生きるか死ぬかの毎日なのに。

大阪市は、何故そんなミスリードを誘発するような観光キャンペーンを敢えてしたのか?あいりん地区だけでは観光にならないからです。今から15年ほど前までは完全なスラム街で、麻薬の密売買も横行し、暴動もしょっちゅう起こっていた地域に、昔は観光に来る人なぞほとんどいませんでしたからね。今も年配の人は、この地域に近づこうとはしません。

ところが、交通の便が良い、宿泊代も安いという事で、外国から観光客が押し寄せるようになり、今までスラム街だった所が観光地に生まれ変わりました。近くには繁華街の新世界もあります。難波や天王寺のターミナルにも近い。行政や企業からすれば、まさに「ひょうたんから駒」です。だから「人情の街」というキャッチで、新世界もあいりん地区もお上の都合で全てぶっこみにされ、一大観光キャンペーンが張られた為に、旅行者の女性のミスリードを誘発してしまったのです。

確かに、あいりん地区にも「優しさ」や「人情」はあります。しかし、それは単なる「下町情緒」なぞという甘っちょろいものではありません。もっと過酷な、それこそ生きるか死ぬかのギリギリの所から生まれて来た処世訓です。

あいりん地区に「来たらだいたい、なんとかなる」(新今宮ワンダーランドのキャッチコピー)のは、そうしなければ、誰も生きて行けないほど、過酷な環境下にあるからです。早朝の午前4時に起きて5時にはあいりんセンターで職探しをしなければならない。その職種も、キツい、汚い、危険な建設現場の土工やとび職が大半です。そんな所には食い詰めた人しか来ない。雇う方も雇われる方も、従業員や仕事をえり好みなぞしていられない。それが「西成に来さえすれば仕事にありつける」「えり好みさえしなければいくらでも仕事はある」という事の本当の姿です。

そんな中では、お互い助け合わなければ生きていけない。ドヤには敷金も保証金も不要で一日の宿泊費さえ払えばすぐ泊まれるのも、住所不定の食い詰めた客ばかりだからだ。雑貨屋も、早朝から動き出す労働者の動きに合わせて、朝6時には商売を始めなければならない。ほとんどの住民は、風呂もトイレもない、洗濯機も室内にはおけないドヤ住まいだ。それを当て込んで、銭湯やコインランドリーが街中に乱立するようになる。工事現場の飯場を渡り歩き、狭いドヤには自分の荷物も置けない人も多い。それを当て込んでコインロッカー屋も乱立するようになる。単身者のドヤ住まいで、部屋の中にはキッチンも満足になく、自炊が難しい人も多く住む。それを当て込んで、弁当屋も乱立するようになった。

それを何も知らない観光客が見て、「ドヤは敷金も保証金も不要で、その日から泊まれる。店も朝早くから開いている。何て便利な街なんだ」「あちこちに弁当屋や銭湯があるとは、何て下町情緒にあふれた優しい街なんだ」と勝手に感動して、「人情味あふれる下町」神話が出来てしまったのです。

実際には、観光客で潤う表通りの小洒落たホテルと、その恩恵を受けない裏通りの古い福祉アパートやドヤという形で、あいりん地区内にも格差が広がっているのに。

本当にあいりん地区の事を知りたいと思うのであれば、新世界の串カツ屋や、あいりん地区の居酒屋だけ見るのではなく、野宿者支援の炊き出しや夜回りにも参加したら良いのです。あいりん地区では、いくつもの団体が、炊き出しや夜回りに取り組んでおられます。そこまで無理だと言うのであれば、見るだけでも良いです。

野宿者の人に中途半端に飯をおごって、その人に惨めな思いをさせてしまうくらいなら、まだその方がよっぽど為になります。そのどちらも嫌だと言うのであれば、もう西成なんかよりも有馬温泉にでも行ってくれた方が、観光客にとっても良いだろうし、地元の私達も珍獣扱いされなくて良いです。

何も見てくれの良い上辺だけ見せるのが観光キャンペーンではありません。幾ら見てくれの悪い「地域の負の遺産」でも、歴史的価値や社会的価値があるなら、それは立派な観光資源です。現に、原爆ドームや沖縄のチビチリガマも、そうやって観光地に立派に脱皮できたではないですか。あいりん地区の貧困も、その原因と対策を知る事で、派遣切り対策やブラック企業対策に活かせるなら、それは立派な観光資源となります。そこまでやってこそ、初めて「新今宮ワンダーランド」の観光キャンペーンをやる価値があると思います。

左:あいりん地区内にも建ちだしたオートロックのホテル。右:昔ながらの一泊500円のドヤ。

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ティファニーで朝食を。やられたらやり返せ。

2021年06月09日 12時31分00秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな

 

ティファニーで朝食を。松のやで定食を。」という旅行記があります。大阪市のあいりん地区観光キャンペーン「新今宮ワンダーランド」の協賛記事です。最近、本屋の店頭に並ぶようになった「新世界・西成ワンダーランド」という雑誌で、このキャンペーンが盛んに宣伝されています。そのキャンペーンの為にかかれた旅行記がネットで炎上してしまいました。

…新今宮ガード下の立ち飲み屋で見知らぬおっさんと意気投合し、おごってもらった上に、行きずりの銭湯でも、入浴客のおばちゃんからシャンプーまで借りる事が出来た。ここは何て優しい街なんだ。次からは借りた分だけお返ししなければ。
 
そう思っていた矢先に、ジュースが漏れて鞄が濡れてしまった。タオルで鞄を拭いていたら、通りがかりの野宿者が、濡れタオルを入れるビニール袋をくれたが、代わりに「ラーメン代に100円恵んでくれ」と言われた。
 
よし、この野宿者の人にお返しをしよう。そうして、野宿者の人にあいりん地区のツアーガイドをやってもらう代わりに、「松のや」の定食と煙草と缶コーヒーと銭湯代をおごる事にした…という形で、話は進んでいきます。それが「ホームレスを見世物にしている」と叩かれたのです。
 
 
しかし、私には、この町がそんなにフレンドリーだとは、とても思えません。確かに、この街は優しいです。何せ、銭湯が街中に9軒もあり、早朝6時から営業しているのですから。コインランドリーもあちこちにあり、中には洗剤無料(ご自由にお使い下さい)の店もあります。
 
その一方で、日雇い労働者のドヤ(簡易宿泊所)を観光客向けにリニューアルしたホテルに住んでいた時には、廊下に人糞が落ちていたのを目撃したし、共同浴場でヤクザが暴れ回っている場面に遭遇した事もありました。
 
挙句に、隣人との騒音トラブルに巻き込まれ、部屋の壁がベニヤ板造りの安普請である事を知り、遂にホテルを解約し、今の賃貸物件に住むようになりました。
 
あいりん地区では、1961年から2008年までの間に、24回も暴動が起こっています。そのうちの10回ぐらいが、野宿者と近隣の商店主、パチンコ店、簡易宿泊所、病院等とのいざこざが原因です。
 
最後の2008年に起こった暴動も、野宿者が鶴見橋商店街のお好み焼き屋で邪険に扱われたのを怒って、警察に通報されたのが原因です。この旅行記を書いた女性が、銭湯でシャンプーを借りる事が出来て、優しい街だと感動した。その銭湯のある鶴見橋商店街が、暴動の発火点になっているのです。
 
あいりん地区の町中には、「居酒屋で覚醒剤を売るな」という標語が、今もそこかしこに掲げられています。これは脅しでも何でもありません。過去には実際にそういう事が行われ、今もこうして撲滅キャンペーンが張られているのです。旅行記の女性がおっちゃんにビール代をおごってもらい、街の優しさを実感した、居酒屋のまた別の一面がそこにはあります。
 
 
実際のあいりん地区の住民は、よそ者を極端に敬遠します。よそ者と目があっただけで、「何メンチ切ってんねん!」と言われかねない近寄りがたさがあります。その一方で、一旦親しくなれば、今度は打って変わって馴れ馴れしくなります。両極端で中間がないのです。
 
その雰囲気は、競馬場やウインズ(場外馬券売り場)のそれとよく似ています。競馬場やウインズでは席取りや馬券購入の順番を巡るトラブルが日常茶飯事です。その一方で、「馬券が外れた」と思わず呟いたら、隣にいた見ず知らずのおっちゃんから「おっ、兄ちゃんもか」と声をかけられ、意気投合し、帰りに居酒屋で酒を酌み交わす事も珍しくありません。
 
上記のTシャツは、私が数年前に、あいりん地区の夏祭りで買ったものです。表には「黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ」、背中には「釜ヶ崎解放」の文字が踊ります(釜ヶ崎:あいりん地区の旧称・通称)。
 
数年前の夏に、これを着て、上からジャケットを羽織り、会社に出勤しようとしたら、動物園前駅の前で、見知らぬおっさんから声かけられました。
 
「兄ちゃん、そのTシャツ、カッコいいな!一体何て書いてあるねん?何々、黙って野垂れ死ぬな、やられたらやり返せ…おう、その通りや!黙っとったらあかんねんでー!」と、そのおっさんは、私をなかなか離してくれませんでした。
 
私はこれから会社に出勤しなければならないのにw。このままでは電車を乗り過ごしてしまう。この時は、話を振り解くのに一苦労しましたw。
 
「何メンチ切ってんねん!」と「おう、その通りや!」の両極端で、その中間がない。つまり「裏表がない」のです。だから、こちらも余計な事に気を使わずに済みます。「空気を読め」とか「忖度(そんたく)する」とか、そんな「相手の顔色を伺い、言いたい事も言えない」最近の風潮とは無縁の世界がそこにはあります。
 
これこそが、あいりん地区の最大の魅力だと思います。私は、大阪市内の他の下町にも、賃貸物件の下見に訪れたりしましたが、そこでは大なり小なり、ある種の疎外感を感じざるを得ませんでした。
 
どんな疎外感か?まず街に活気がありません。ほとんどの商店街がシャッター街と化してしまっています。平日の休みに訪れたからかも知れませんが、若い人をほとんど見かけませんでした。そして、老人や貧乏人は、肩をすぼめて街の片隅を歩いている…そんな感じが、どうしても否めませんでした。
 
他方で、あいりん地区も、他の下町と同様に、住民の高齢化が進んでいますが、前述の疎外感は露ほども感じません。それは何故なのか?
 
他の下町にはなくて、あいりん地区にだけあるもの。それは暴動の歴史です。前述した様に、あいりん地区では過去に24回も暴動が発生しています。そのきっかけは、野宿者と近隣住民とのトラブルや、失業・低賃金、賃金をピンハネし暴力を振るう土建業者や手配師とのいざこざが原因でした。
 
その中でも、特に1970年代には1年に何度も暴動が起こっています。これは、当時、大学紛争を主導した新左翼系の学生が、あいりん地区に入り込み、ある種の窮民革命論を掲げて、暴動を扇動したからだと言われています。
 
確かに、そういう側面はあります。前述のTシャツに書かれた「黙って野垂れ死ぬな」の文言も、そんな新左翼の活動家が残した言葉だと言われています。
 
 
でも、「火のない所に煙は立ちません」。新左翼の扇動は、1972年の連合赤軍あさま山荘事件に見られるように、惨めな失敗に終わりました。過去のあいりん地区の暴動も、その大半は単なる暴発に終わり、数日後には収まっていきました。しかし、その中で、ヤクザ支配を跳ね返し、後の権利獲得に繋がる闘いに発展した暴動がありました。それが1972年5月の第14次西成暴動です。
 
1972年5月に、あいりんセンターで見つけた求人に応募した労働者が、話が違うと飯場から逃げ帰って来ました。勤務地が市内と求人票にあったので、てっきり大阪市内の求人だと思い、応募したら奈良の西大寺まで連れて行かれたそうです。そこで抗議したら「奈良市内も市内やないか」と脅されて、逃げ帰って来たのだそうです。
 
日雇いの求人なので、交通費なんて出ません。たかだか数千円程度の日当で、遠方まで連れて行かれて現地解散では、大した稼ぎにはなりません。そう思って逃げ帰って来たものの、センターの求人しか仕事はないので、翌日センターでまた新たな求人を探しているうちに、前日の業者とばったり鉢合わせになってしまったのです。
 
その業者は鈴木組というヤクザでした。そして就業先も、賃金ピンハネや暴力がまかり通る悪名高きケタオチ飯場でした。「貴様、昨日はよくもトンズラしてくれたな。ヤキを入れてやる!」と言う事で、危うく拉致されかけましたが、寸での処で仲間に救出されました。
 
怒った鈴木組は、今度は30人がかりでセンターに乗り込んで来ました。しかし、300人の労働者に取り囲まれ、すごすごと引き上げざるを得ませんでした。
 
今までヤクザの言いなりだった労働者が、ヤクザを追い出す事に成功したのです。この事件をきっかけに、釜共闘(暴力手配師追放釜ヶ崎共闘会議)が結成され、各地の現場で、賃上げや労働条件の改善が進められるようになりました。最初は新左翼が主導した闘いでしたが、そのうちに労働者が個人で勝手に釜共闘を名乗るようになり、新左翼もその動きを把握できなくなってしまいました。
 
でも、所詮は労働組合にも加入しない日雇労働者の自然発生的な運動にとどまってしまったので、釜共闘自体も数年のうちに雲散霧消してしまいました。
 
しかし、何も成果がなかった訳ではありません。その闘争がきっかけで、あぶれ手当(注1)や特掃(注2)などの、失業対策事業が進められるようになりました。
 
(注1)あぶれ手当(日雇い労働求職者給付金)…労働者は1日働いたら自分の日雇手帳に収入印紙を業者に貼ってもらう。そうすると、もし翌月仕事に就けなくても、印紙の枚数に応じて規定の失業手当(あぶれ手当)を受け取る事が出来る。
 
(注2)特掃(高齢者特別清掃事業)…55歳以上の日雇労働者は、通常の日雇労働とは別に、あいりんセンターの委託先で、街の清掃や公共施設の補修、警備の仕事に、輪番制で就く事が出来る。
 
 
「新今宮ワンダーランド」のような官製キャンペーンの中だけでは、そんな歴史は分かりません。だから、こんな上澄みだけすくったような、いいとこ取りの、底の浅い旅行記になってしまったのです。
 
敢えてキツい事を言いますが、この旅行者にとっては、野宿者も所詮は「借りを返す対象」でしかなかったのです。もし、旅行者が貸し借りゲームに興じていなければ、野宿者に飯をおごる事もなかったはずです。
 
それでも、この旅行記は、読み物としては大変面白かったです。特に、九九やドッジボール、旅行者の女性が男湯に突進してしまった場面では、私も思わず笑ってしまいました。この旅行者の女性が、ここまで野宿者と交流出来た事については、ある意味凄いと思います。私にはとてもこんな真似は出来ません。
 
折角そこまで交流出来たのであれば、あいりん地区の歴史についても是非学んで欲しかったです。そうすれば、単なる「上澄み」だけでなく、もっと深みのある旅行記が書けたと思います。同じ飯をおごるにしても、わざわざ遠くの「松のや」まで行って、脂っこいチェーン店の定食を食べなくても、もっと近くに美味しい料理を味わる店が、いくらでもあるのですから。
 
例えば、釜ヶ崎の夏祭りで食べたカレーなぞもお勧めです。具が一杯入っていて大変おいしかったです。百円払えば野宿者以外の方も食べる事が出来ます。この女性にも、それを是非味わってほしかったです。
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21世紀になっても悪代官が支配する国

2021年04月14日 07時10分23秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 
私も満63歳になったので、今日のシフト休みに、玉出の年金事務所に、厚生年金の申請に行って来ました。企業年金の申請も既に済ませてあります。予定では、この夏頃から年金の支給が始まります。これでやっと一息継げます。
 
でも、あまり嬉しくありません。その理由の一つは、もうそれだけ年を取ってしまった事への嘆きです。幾ら若いつもりでいても、年は確実に取ります。それは仕方のない事ですが、それを口実に、「年相応」とか言って、「老人は老人らしく大人しくしとけ」と、枠をはめられるのは嫌です。石原慎太郎や麻生太郎、森喜朗みたいな「年相応」のボケ老人、暴走老人になる位なら、たとえ青臭いと言われても、まだ精神年齢は若者のアクティブシニアでいたいです。
 
嬉しくないもう一つの理由は、数ヶ月前に企業年金の相談に訪れた時に試算してもらった年金額よりも、更に見込み受給額が減らされていたからです。減額分は年間千円ほどですが、わずか数ヶ月の間に何故、何千円も減らされなければならないのか?
 
悪名だかいマルチスライドのせいです。年金受給額は、その年の物価や賃金の上昇額によって変わります。物価や賃金が上がれば年金額は引き上げられ、下がれば年金額も引き下げられます。その上、少子高齢化による年金財政悪化を防ぐという名目で、たとえ物価や賃金が上昇しても、年金の上昇額はそれよりも低く抑えられます。この仕組みを「スライド調整」と言います。
 
 
それだけではありません。物価や賃金が下がれば、「スライド調整」は見合わせられますが、翌年、物価や賃金が少しでも上がれば、見合わせた年の分も含めて、まとめて年金額が引き下げられるのです。
 
たとえて言うと「所得が減れば所得税も減税されるが、翌年少しでも所得が増えれば、増えた分だけでなく、昨年減税された分まで増税される」というイメージです。年金額の増加は、何だかんだ口実付けて抑えるくせに、減らすのだけはガッツリ減らしにかかる。まるで街金の融資みたいなやり方です。
 
この「スライド調整」措置に対して、政府は「少子高齢化の下でも年金制度を守る為だ」と正当化していますが、何をか言わんやです。年金財政の悪化は、少子高齢化だけが原因ではありません。それ以前に、予算の使い方が根本的に誤っている事が、最も大きな原因です。
 
消費税の増税分も、その大半は法人税の減税に充て、肝心の福祉にはわずかしか回さないではないですか。アメリカの言いなりに、バカ高いだけで欠陥品だらけの兵器ばかり山ほど買わされ、防衛費ばかり突出。米軍の思いやり予算や海外援助のバラマキ、アベノマスクやGoToにばかり浪費し、コロナ対策費や福祉予算は出し惜しみ。
 
金は、ある所にはあるのです。弱い者にばかり負担をしわ寄せせずに、税金も社会保険料も、もっと富裕層の不労所得から取れ。そう言いたいです。
 
それどころか、自宅に戻り、年金事務所でもらった資料を何気なく読んでいたら、もっと恐ろしい事が書いてありました。スライド調整による、たかだか千円程度の減額では済まない、もっと恐ろしい事が。
 
60歳を過ぎても働いている人は、年金受給額が減らされます。その事は今までも漠然とは知っていましたが、年俸制や高プロの対象になるような高収入の大企業正社員だけの話だと思っていました。
 
しかし、年金事務所でもらった資料によると、基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円を超える人は、全て支給減額の対象になるのです。
 
 
「基本月額」と言うのは、年金試算額の月額です。つまり、満63歳から一部もらえる年金月額で、私の場合は約5万円。
「総報酬月額相当額」と言うのは、標準報酬月額(諸手当も含めた毎月の平均給与)の事で、私の場合は20万円。
 
厚生年金だけで考えれば、基本月額5万円+総報酬月額相当額20万円=25万円で、全額支給上限額の28万円以下にギリギリ収まります。
 
但し、これには企業年金の分は含まれていません。そちらはまだいくらもらえるか、資料をまだ精査していないので分かりません。その分も加えたら、28万円は上回るかも知れませんが、それでも多くても30万円を超える事はないでしょう。
 
今の給与と比べれば確かに多いですが、それでもようやく中堅社員の基本給水準です。そんな月収でも、平均前記の28万円は超えますから、年金額の一部が支給停止となります。
 
仮に月収30万円として、これに厚労省の年金減額基準をあてはめると、「基本月額28万円以下」でなおかつ「総報酬相当額47万円以下」のランクになりますから、支給停止額は、(30万円ー28万円)×1/2×12=12万円(年額)、1万円(月額)となります。
 
他方で、私がもらえる年金は、63歳から65歳までは1階部分(老齢厚生年金)だけなので、年金事務所の試算では、63万円余(年額)、5万円余(月額)となります。そこから更に1万円引かれて4万円余となります。
 
65歳を過ぎて2階部分(老齢基礎年金)ももらえるようになっても、支給額は140万円余(年額)、12万円余(月額)と、生活保護水準の低額です。そこから更に1万円も減額されると、年金額はわずか11万円余になってしまいます。こんな年金では、いつまでたっても働き続けなければ食って行けません。
 
何で私みたいなワーキングプアまで減額されなければならないのか?これでは年金もらう意味がありません。しかし、だからと言って、働くのを止めても、たった12万円そこらの年金だけでは、とても食べて行けません。
 
残る選択肢は、1日6時間、週4日ぐらいの短時間勤務にしてもらって、年金を満額もらえるようにするしかありません。それでも月収14万円ぐらいに抑えなければ、基本月額+総報酬月額相当額で合計28万円の全額支給条件をクリアする事は出来ません。
 
今の月収20万円でもカツカツなのに、月収11~12万円や14万円で一体どうやって生活しろと言うのか?パソコンもスマホも手放して、あいりん地区の一泊500円の荒屋(あばらや)みたいなドヤに住み、毎日インスタントラーメンだけで生活しろと言うのか?そうでもしなければ、とてもこの年金額では生活出来ません。しかし、そんな生活が、果たして憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」であると言えるのか?
 
そう言うと、必ず出て来るのが、「いつまでサラリーマンや非正規のバイトやってるんだ?そんなに安月給だとぼやくなら、自営すれば良いじゃないか」という反論です。でも、自営なんて、起業者の9割が失敗する世界です。成功するのは、ほんの一握りの人間だけです。そんなギャンブルみたいなものに、人生を託す訳にはいきません。それが先進国のあるべき姿だと言うなら、そんな地獄のような「先進国」なぞ、こちらから願い下げです。
 
正社員をリストラし過ぎて皆、食うや食わずとなり、子どもを育てるどころではなくなり、少子高齢化から抜け出せなくなった。それを低賃金の外国人で人手不足の穴埋めをする。国内の景気も、いつまで経っても上向かないから、インバウンド(外国人観光客)やカジノ、オリンピックなどの外需や一時しのぎにすがろうとする。病院や保健所を減らしすぎてコロナに対応できなくなっても、外国製のワクチンを治験も不十分なまま導入して、やり過ごそうしている。そのワクチンも、なかなか普及しない。そして、病院や保健所を更に削減しようとしている。GoToやリニア新幹線、原発新増設、米軍の思いやり予算や兵器爆買いには手を付けずに。
 
そんな国の一体どこが先進国なのでしょうか?民主国家なのでしょうか?大多数の国民が困窮し、コロナで苦しめられても、一部の金持ちだけが儲かればそれで良いのでしょうか?「中国やミャンマーに法律と人権を守るように説教する」とか、カッコ付けて御託並べる前に、「まず自分とこの国民の人権を先に守れ」と言いたいです。
 
ほら、時代劇のシーンによくあるでしょう。悪代官と悪徳商人が賄賂を手にして、二人で「越後屋、そちもワルじゃのお」「いえいえ、お代官様こそ」とつぶやきながら、賄賂を手にして「ガハハ」と笑い合う場面が。森友・加計問題や「桜を見る会」なんて、まさにそれじゃないですか。こんな江戸時代さながらの光景が、21世紀になっても続いているのですよ。
 
これの一体どこが先進国なのでしょうか?こんな国に、果たしてオリンピックなぞ開催する資格があるのでしょうか?そんな事やっている暇があるなら、「コロナ対策もっとしっかりやれ」と言いたいです。
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消費税倒産のリアル

2019年10月08日 06時07分00秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 
 
私が、生協勤務時代から、西成に越して来てからも、隔週日曜毎に通っていた高石の鍼灸院で、悲しい知らせを聞きました。地元のスーパーで、いつも私が治療後に2階の直営喫茶店でカツカレーを食べていたスーパー「イケチュー」が、何とこの9月30日に倒産していました。

鍼灸師さんの話では、前日の29日まで普通に営業していたそうです。それが、翌30日にパートさんが出勤したら、店の陳列も前日のまま、ドアだけ施錠され、ガラス戸に破産公告が貼られていたそうです。

経営者とは連絡が取れず。これでは給料も出ないと、パートさんも途方に暮れているとの事でした。

帰りに様子を見て来ましたが、本当に、前日まで営業していたままの形で、店頭にはキャンペーンやパート募集のポスターも貼られたまま、倒産の生々しい姿を晒していました。
 
  

イケチューは、堺市の本店の他に、高石市や和泉市に数店舗を構えるだけのローカルスーパーですが、新鮮な品揃えで有名でした。特に魚介類の品揃えが良かったと聞いています。
 
私の実家近くにも、徒歩圏内に店がありましたが、歩いて行くには少し距離があったので、買物は近所のスーパーで済ませ、あまりイケチューまで足を延ばす事はありませんでした。その代わり、店舗の2階にある直営の喫茶店は、メニューの値段が安く、カツカレーも600円以下で食べる事が出来たので、実家を離れた今も、鍼灸院の治療後によく通っていました。
 
そのイケチューも最近は、個人消費の低迷に加え、大スーパーとの競合激化で、経営不振に陥っていたそうです。大阪地裁に民事再生の申立もしていたらしい。

そこに10月からの消費税増税で、レジの買い換えも出来ず、破産に至ったのです。消費増税さえなければ、経営再建できたかも知れないのに。

まさか、消費税増税のブログ記事を書いた矢先に、増税倒産の現場に遭遇するとは思ってもみませんでした。「アベノミクスでデフレ脱却」と言っていたのは、何処の何奴か?「増税しても好景気だから大丈夫」じゃなかったのか?
 
この倒産は天災なんかではありません。消費税増税という安倍政権の失策による人災です。少なくともイケチューのパートには何の責任もありません。なのに何故、安倍がのうのうと、庶民の苦境を他所に、一人改憲ゴッコにふける中で、イケチューのパートが路頭に迷わなければならないのか?カジノやオリンピック、欠陥戦闘機F35や米国産遺伝子組換え余剰大豆の購入、「桜を見る会」なんかに血税垂れ流す位なら、パートの給料を安倍が払え!
 
  
 
 
(株)シヨツピングセンター池忠(TDB企業コード:570020853、資本金3000万円、大阪府堺市堺区向陵西町1-8-21、代表池本克也氏、従業員100名)は、9月29日に事業を停止し、同月30日大阪地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は上甲悌二弁護士(大阪市中央区北浜3-6-13日土地淀屋橋ビル、弁護士法人淀屋橋・山上合同、電話06-6202-4776)ほか1名。

 当社は、1966年(昭和41年)創業、73年(昭和48年)12月に法人改組。堺市や高石市を中心とする南大阪地区で、食料品・日用品主体のスーパーマーケット6店舗を運営するほか、リカーショップ、喫茶店、ベーカリーショップ、フラワーショップ13店舗も併営し、ピークとなる2001年8月期には年売上高約126億6600万円を計上していた。

 しかし、不況長期化に伴う個人消費の低迷やコンビニ・大型スーパーの進出による競争激化で利益率が低下。2003年8月期の年売上高は約105億2500万円にまで落ち込み、2期連続で欠損を計上していた。このため、不採算店舗の閉鎖や人件費圧縮、原価見直しなど諸経費削減で経営の立て直しを図っていたが、その後も業況は回復せず、2004年2月に負債約40億円を抱えて民事再生法の適用を申請していた。

 同年9月に再生計画認可決定が確定し、不採算店舗の閉鎖などリストラを進め、2007年9月に再生手続きを終結。その後も地元密着のスーパーマーケットとして運営を続け、リサイクルショップなど異業種に参入するなど2018年8月期には年売上高約50億円を計上していた。しかし、同業他社との競争激化や、人件費の高騰などにより収益面は低調に推移。ここへ来て10月から始まる消費税増税に伴う設備投資も行うことができず、先行きの見通しが立たないことから今回の措置となった。

 負債は推定10億円。
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軽減税率のウソを暴く

2019年10月02日 14時53分44秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 
 
 
 
斎藤貴男・著「ちゃんとわかる消費税」(河出書房新社・刊)を、西成の図書館で借りて昨日のうちに一気に読んだ。

この本は、消費税が5%から8%に値上げされた2014年に刊行された。それから更に5年経ち、2019年10月からは消費税が10%に値上げされた。既に同じ本の最新版が河出文庫から出ている。軽減税率やポイント還元の事を知るには、最新版の方が良いだろう。文庫版なので電車の中でも手軽に読める。

しかし、最新版は大人向けに書かれているので、仕事で疲れた頭で読むには、少々荷が重いかも知れない。分かりやすさという点では、図書館から借りて読んだ、こちらの旧版の方が良いだろう。旧版には「14歳の世渡り術」の副題が付けられ、難しい漢字には振り仮名が振られ、中学生でも一応分かる文章で書かれている(それでも結構、高度な内容だが(^^;)。

軽減税率やポイント還元についても、消費税について分かりやすく書かれた旧版で、その基本点を抑える事が出来たからこそ、その出鱈目をはっきりと認識出来たのだ。

消費税の問題点として、まず挙げられるのが「逆進性」だ。消費税は、タバコ税や自動車税とは違い、どんな生活必需品にも課税されるので、低所得層ほど負担が大きく、高額所得層の負担は小さい。それが「逆進性」だ。そういう意味では、消費税は「究極の不公平税制」だと言える。

その逆進性を緩和する対策として打ち出されたのが、「軽減税率」であり、「ポイント還元制度」だ。同じハンバーガーを店内で食べれば消費税は10%になるが、持ち帰りにすれば8%になる。酒を買うと消費税10%取られるが、味醂では8%で済む。持ち帰りより外食の方が贅沢(ぜいたく)であり、料理酒の味醂は生活必需品だが、嗜好品の酒は贅沢品だからという理屈だ。現金決済にせずにポイントで買い物すれば、更にお得になる。

でも、そもそも消費税とは、たまたま最後に税金を払うのが消費者だから、そう呼ばれるようになったに過ぎない。その前の、仕入れや製造の各段階でも、それぞれの業務に携わる業者の方々が、消費税を税務署に払っている。勿論、二重に課税されるのを防ぐ為に、既に先の段階で支払われた消費税分は控除される仕組みにはなっているが。(上記「消費税の負担と納付の流れ」図参照)
 
だから、本当は「消費税」ではなく「取引税」「付加価値税」と呼ぶべきものだ。「付加価値」とは、仕入れ卸や製造、輸送などの業務や取引・サービス全体の総称だ。持ち帰りのハンバーガーを包む紙を製造する業者にも、味醂の瓶を製造する業者にも、それぞれ8%なり10%なりの消費税が課されている。その中で、小売店で消費者が購入する最終段階だけ、軽減税率にしたりポイント還元しても、ほとんど意味がない。
 
そもそも、軽減税率やポイント還元も、それが出来るだけの余裕のある業者や消費者にしか、その恩恵に浴する事は出来ない。いずれにしても、西成・あいりん地区の弁当屋や、その弁当で糊口をしのぐ日雇い労働者には無縁の世界だ。誰が400円の幕の内弁当をクレジットやポイントで買うか?訳ありで西成に流れ着き、住民票や銀行口座も持っていない飯場暮らしの労働者も少なくないのに、そんな住民に、どうやってポイント還元出来ると言うのか?そもそも、持ち帰り弁当の消費税は8%に据え置きの筈じゃないか。それが何故、50円もの値上げになるのか?

同じ事は弁当屋にも言える。400円の幕の内弁当も買えず、100円のご飯と80円の味噌汁だけで夕食を済ます人も多いのに、そんな人に更に消費税を上乗せして売る事なぞ出来るか?そんな事をしたら、誰も弁当を買ってくれなくなる。

しかし、弁当屋には、食材やトレイなどの具材を提供する業者から、消費税分が上乗せされた請求書が容赦なく送られて来る。その為、薄利多売で頑張って来た弁当屋も、遂に値上げに踏み切らざるを得なくなる。客離れを最小限に食い止めるには、売れ筋の弁当価格は据え置いたまま、低価格帯の弁当を値上げするしか無い。
 
しかも、どの業者も原価に消費税分を上乗せできるとは限らない。下請けは元請けに頭が上がらず、中小企業も大企業には頭が上がらない。中小の納品業者が消費税分を上乗せして商品を大手スーパーに納めようとしても、大手スーパーから「もっと値下げしてよ」と言われれば、納品業者は消費税分を自腹を切って負担しなければならない。そうしないと取引停止されてしまうからだ。

だから、売れ筋の唐揚げ弁当は500円に据え置いたまま、400円の幕弁当を450円に、一気に50円も値上げせざるを得ないのだ。8%から10%に2%の消費税値上げだけなら、こんな50円もの値上げにはならない。

かくして、消費税値上げは、軽減税率やポイント還元とも無縁の日雇い労働者や、日雇い労働者から「早くしろ」とせき立てられる薄給激務の弁当屋パート従業員に、最もしわ寄せが行く事になる。
 

あいりん地区以外の下町でも事情は同じだ。あいりん地区の隣の天下茶屋にあるイズミヤで買い物して、隣の整骨院で治療してもらい、向かいの和菓子屋で100円のアイスクリンを買うのが、私の公休日の朝の日課だ。しかし、その100円のアイスクリンも、この10月から110円に値上げされた。

和菓子屋のおっちゃん曰く、「他の和菓子は全て価格据え置きで頑張ってるが、このアイスクリンだけは、流石に100円ではやって行けないので、110円に値上げせざるを得ない」と。

私もそれに応え、「おっちゃんは何も悪ないよ。マスコミは軽減税率とか言って、持ち帰りは消費税8%に据え置きだとか言っているが、このカップのコーンや、それを包んでいる紙にも、消費税10%かかっている。おっちゃんはその10%を全て自腹切って税務署に払いながら、私に売るアイスクリンを110円に抑えてくれてんねや。

悪いのは、それをあたかも恩恵みたいに言うマスコミだ。テレビも新聞も、自分達が軽減税率の対象になっているから、安倍政権に逆らえないのだ。今のマスコミは戦時中の大本営や、今の北朝鮮と同じだ!」と、おっちゃんに励ましの言葉をかけてあげた。
 
おっちゃんも、「ほんまにその通りや!モリカケにしても、そうやんか!上の奴らばっかり、ええ目して!安倍は二言目には北朝鮮がどうたらこうたら言うけど、お前らの方がよっぽど北朝鮮みたいやないか!」と、大いに話が盛り上がったv。
 


それに引き換え、輸出産業の大企業はどうか?米国には消費税なぞ無いから、トヨタ自動車の米国への輸出には、「輸出戻し税(消費税還付金)」の形で、消費税分が丸々還元される仕組みになっている。その一方で、トヨタ自動車は、部品メーカーに対しては、取引停止をチラつかせながら、コストダウンの名目で、下請け単価を叩きまくっている。消費税も下請けにしわ寄せしながら、輸出にかかる消費税はチャラにしてもらっているのだ。

大企業に課せられる法人税も、名目は40%だが、実際は前記の「輸出戻し税」や研究開発減税などの形で、実際はごく僅かの税率しか負担していない。所得税も、以前は所得に応じて19段階、10〜75%の累進課税だったのが、今や6段階、5%〜最高でも40%と、高額所得者ほど税負担が軽くなっている。だから、法人税や所得税については、滞納はほとんど無い。国税庁HPの統計でも、2017年(平成29年)度滞納額6154億円のうちの約6割、実に3632億円が消費税によるものだった。

今年10月からの消費税10%への値上げ前も、「消費税が払えないから」と廃業する業者が相次いだ。真っ当に商売して来た業者ほど、顧客や下請け、従業員に増税コストをしわ寄せするのは忍びないと、廃業する道を選んだのだ。

残った業者が生き残るには、西成の弁当屋のように、より下の日雇い労働者やパート従業員に、犠牲を強いざるを得なくなる。元々貧しかったそれらの人々に、更に消費税値上げの重圧がのし掛かる事になる。(# ゚Д゚)

物価値上げと賃下げ、増税の行き着く先は、もはやデフレスパイラルしかない。不況と貧困の連鎖が果てしなく続く事になる。消費税は、まさに「悪魔の税」だ。
 
 

消費税値上げが10月からと言うのも、何だか皮肉にしか聞こえない。10月と言えばハロウィン。子供達が「Trick or Treat」(トリック・オア・トリート:お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ)と言って練り歩く季節だ。まるで徴税官が「Tax or Threat」(タックス・オア・スリート:税金払わなければ差押えするぞと脅迫)している様に聞こえる。その一方で、大企業や高額所得者は、税金大負けの大盤振る舞い。

逆じゃないか。そんなに財源が無いなら、大企業や高額所得者の遊休資産や、景気が冷え込んで使い道がなく眠っている内部留保、カジノ投機やオリンピックの無駄遣い、贅沢品にこそ、消費税20%でも30%でも課税すべきではないか。逆に、それを買わなくては生きていけない様な、なけなしの生活必需品については、軽減税率やポイント還元などのマヤカシではなく、すっきりと消費税をタダにすべきではないか。

かつては直接税や累進課税が税制の中心だった。「まず払える者から税金を払う」という「応能負担」が税制の基本だった。それがいつの頃からか、直接税から間接税に、所得税や法人税から消費税に、税制がシフトし、「サービスを受ける者が税金を払う」「応益負担」を唱える者が跋扈(ばっこ)するようになってしまった。

贅沢品への課税なら、「応益負担」でも良いだろう。でも、最低限の必需品や公共サービスについては、「応益負担」ではなく「応能負担」に戻すべきだ。障がい者の僅かな収入から作業所利用料をピンハネしたりするような阿漕な真似なぞ論外だ。誰しも好き好んで障がい者になった人間なぞいない。現にマレーシアのマハティール政権は、消費税を廃止して、景気浮揚に成功している。日本も早くそうすべきだ。
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