アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

令和革命の帰趨を決するのは一体誰か?

2019年07月06日 18時53分43秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を

 

「今度の参院選でも与党圧勝だ」と野党支持者は意気消沈しているが、バカ言っちゃあいけない。自民56、公明14で合計70議席の現有議席を1議席でも割り込めば与党の負けだ。逆に1議席でも増やせば与党の勝ちだ。

競馬の世界でもそうだろう。たとえ1円でも増やせれば儲けた事になる。逆に外れたり当たってもトリガミに終われば損失となる。単純な話だ。

今のままでは、自民は議席を減らす事はあっても増やす事はまず無い。「自民と公明の与党合計で53議席取れれば良い」と安倍は言う。参議院は衆議院とは違い半数ずつ改選するので、非改選議席と合わせればそれでも過半数は確保できるからだ。

しかし、それでは今回も前回と同じ14議席取るであろう公明の分を差し引けば、たった39議席しか取れなくても勝った事になってしまう。56から17も減らして39議席しか取れなくても勝利宣言とは、一体どういう了見か?

安倍は、実際には敗北が確定しているのに、非改選議席の貯金があるお陰で、今回はまだボロ負けしても過半数を確保できるから、低めの目標設定で予防線を張っているに過ぎないのだ。

その為に、自民党はマスコミに圧力をかけて、与党圧勝予測を必死に垂れ流しているのだ。そうして有権者が諦めて投票しない様に仕向けているのだ。棄権票が増えれば増えるほど、組織票だけで当選できる与党候補が有利になるから。

しかも、その結果、せっかく確保していた改憲発議に必要な全体の2/3の議席を、与党はむざむざと放棄する羽目になってしまうのだ。今度の選挙で与党が今まで通り全体の2/3の議席数を確保するには、何と86議席も取らなければならない事になる。自民党選対委員長の甘利でさえ、精々頑張っても61議席が限界だと言っているのに。

これでは太平洋戦争の頃の日本とちっとも変わらない。当時の日本も、実際は負け戦だったのに、大本営発表で撤退を転進、壊滅を玉砕と言い換え、政府は国民を騙し続けた。その結果、死なずに済んだ命を無謀な作戦で大量に死なせてしまった。

今度の選挙は自民の負け戦が確定で、改憲も更に遠のく。既に一人区では全選挙区で野党統一候補の擁立が成し遂げられたと言うのに、野党支持者は何を意気消沈しているのか?油断してはいけないが怯んでも相手の思う壺だ。意気消沈している暇がある位なら一枚でも多くビラを撒け。一人でも多く支持を広げろ。

今まで私は共産党を支持してきた。今度も大阪選挙区では共産党の辰巳コータローに一票を入れるつもりだ。残念ながら、今回は維新が2議席確保する勢いで、立憲民主党や国民民主党も候補を擁立してしまった為に、野党共倒れの公算が大きい。大阪以外の人間には、「和製ナチス」とも言える維新の底力は、なかなか理解できないのだろう。

問題は比例区だ。ここも今までは共産党に投票して来たが、今回は「れいわ」に投票しようかどうか迷っている。「れいわ」は自由党の元共同代表だった山本太郎が立ち上げた新政党「れいわ新選組」の略称だ。

それでなくても、安倍政権と自公与党、隠れ与党の維新を打倒するには、立憲民主党や共産党を始めとした野党が共闘して足並みを揃えなければならないのに、何故、山本太郎は、自由党共同代表としての責任も放棄して、こんな海のものとも山のものとも分からない泡沫政党を立ち上げたのか?

しかも、「れいわ」なぞという、時代遅れの元号や非民主的な天皇制を連想させるような名前を新党名にするとは。おまけに、山本は「安倍から入閣を勧められたら政権入りする」とまで言ったのだ。「政策では妥協しない。馴れ合わずに野合も暴露する」とは言ったが。

しかし、自民党、安倍政権がそんな条件なぞ飲む訳がないだろう。安倍が今までどんなひどい事をやって来たか。安保法制、秘密保護法、モリカケ、高プロ、公文書やデータの改ざん、年金詐欺…挙げればキリがない。国会議員の山本がそれを知らない訳がない。それでも敢えて政権入りの可能性に言及する意味が分からない。単なる冗談では済まされない。

「れいわ」が集めた2億円以上にもなる個人献金の額についても、私は疑問に思っていた。4月に立ち上げたばかりの新政党に、たった2ヶ月半でそんなに寄付が集まる訳がない。ひょっとしたら、裏で官邸から官房機密費が、選挙資金として流れているのではないか。野党分断の「トロイの木馬」を支援する為に…そこまで考えていた。

でも、ネットで情報収集を進めていくうちに、必ずしもそうとは言えないようだと、今は思い始めている。今まで山本太郎を毛嫌いしていた非正規雇用の人が、ネットで山本の演説を聞いて、「一人も自殺者の出ない世の中を作ろう」と言う呼びかけに感動して、わずか5万円の貯金から1万円カンパに差し出すといった事が、そこかしこで起こっている。それが多額の個人献金に結びついたのだそうだ。

そこで「れいわ」のHPを初めて観た。そうしたら、正に私が一番言いたかった事が公約にはっきりと明記されていた。特に公営住宅の拡充と時給1500円の最賃実現については、私が常日頃思っていた事だけに、「よくぞ言ってくれた!」という思いで一杯だ。

候補者擁立の仕方も独特だ。山本太郎は今のままでも東京選挙区から出馬すれば確実に当選できるのに、敢えてそれをせずに、自分は比例第3位の候補に甘んじて、2名の障害者の方を特定枠として優先的に当選させるやり方を取った。自分が当選するには、その2名を当選させた上で、自分の得票も加算しなければならない。参院比例区の当選には一人百万票は必要だ。山本太郎が当選するには3百万票は集めなければならない。これは誕生間もない新政党にとっては、とてつもなく高いハードルだ。

何故そこまでしてまで背水の陣を敷かなければならないのか?山本太郎に言わせれば、東京選挙区から当選するだけでは、政界に地殻変動を起こす事は出来ない。本気で安倍政権を倒そうと思うなら、野党内部で票の奪い合いをしていても何もならない。今まで選挙に行かなかった無党派層の票を掘り起こし、自民党に投票して来た人の票をもぎ取らなければならない。

自民党を支持しているのは金持ちばかりではない。自民党や安倍政権から搾取されている貧乏人も、野党に政権を任せて失敗する位なら、たとえ搾取されても食えなくなるよりはマシだろうと、自民党に投票しているのだ。

そんな人に、幾ら格差是正の一般的な公約を掲げても、所詮は「与党も野党も、どっちもどっち」としか受け取られない。それでは与党の思う壺だ。それを打破する為に、敢えて茨の道を選んだのだと、山本太郎は言っていた。

だから候補者も多士済々だ。自分に代わって東京選挙区から出る人には、沖縄出身の創価学会幹部を選んだ。東京の人にも、沖縄の基地負担の意味を知って欲しいから。そして、公明党の山口代表が出馬する選挙区で、いつまで自民党に膝を屈して節を曲げ続けるのか問い詰め、創価学会員の決起を促す為に。

後の9名は、先に述べた特定枠の2名も含めて、全員比例区から出馬する。こうすれば、一人区で野党票を食い合う怖れもない。候補者も多士済々だ。女装の経済学者がLGBTへの差別解消を訴えれば、北朝鮮拉致家族会の元事務局長で元東電社員の蓮池透が、安倍政権の拉致パフォーマンスと原発政策のデタラメを突く。明らかに無党派層や自民支持の保守層をターゲットにしている事が分かる。

実際、元ホームレスの女性候補が、冬の日に赤ん坊を産んでしまい、路上で途方にくれた演説をネットで聞いたときには、私も流石にウルっと来た。

立憲民主党や共産党の議員が山本太郎と同じ事を主張しても、説得力に限界があるのは、所詮彼らは国会議員であって、非正規雇用やLGBT、障害者、ホームレス等の当事者ではないからだ。しかし、山本太郎は違った。当事者を前面に出して、自分はあくまで黒子に徹している。これは並大抵の覚悟で出来る事ではない。

これは山本太郎だけのアイデアではないだろう。ひょっとしたら小沢一郎も裏で一枚かんでいるのではないか。現に、先の衆院大阪12区の補欠選挙でも、共産党現職議員の宮本たけしを、負け覚悟で無所属で出馬させたのも、小沢の作戦だった事が既に明らかになっている。小沢が嫌がる志位委員長を説き伏せ、負け覚悟で地殻変動を起こそうとしたのだ。

その結果、宮本は準備不足もあり、共産党の基礎票をも割り込む惨敗を喫する事になったが、この補選を機に野党共闘はますます加速する事になる。正に「肉を切らせ骨を断つ」小沢らしいやり方だ。

「れいわ」は比例区に9名の候補を擁立しているが、彼らはあくまで「客寄せパンダ」に過ぎない。こんな事を言うと「当事者に何て事を言うのか」と、お叱りを受けるかも知れないが、選挙戦を冷徹に分析すれば、今の「れいわ」の現状では、そうせざるを得ない。あくまで主戦場は東京選挙区だ。だから街頭宣伝も東京の秋葉原で集中してやるのだろう。

山本太郎が、立憲でも民主でもなく元号の令和を新政党の名称とし、それを漢字ではなく平仮名で表記したのも、保守層や中間層にアピールする為では?新元号の令和をアピールする事で保守層にも新時代の到来を予感させ、漢字ではなく平仮名にして新元号と距離を置く事で、元号の古臭さに抵抗を感じる私みたいな人にも親近感を持ってもらおうとしているのではないだろうか?

そして、当事者を前面に出し自分は黒子に徹しているのも、今度の選挙の主役は自民党や立憲民主党や共産党、「れいわ」ですらなく、あなたがた当事者なのですよ。あなたがた自身が変わらなければ何もならないのですよ。「れいわ」の当事者出身の比例候補も、あくまでもその変化を促す触媒にしか過ぎないのですよ…。

そう言わんとしているのではないだろうか?そこまで来れば、もうそれは一種の革命と見なしても良いだろう。「アラブの春」ならぬ「令和の夏」、「ジャスミン革命」ならぬ「令和革命」の幕が、今まさに切って落とされようとしているのだ。

香港で起こった事がこの日本でも起ころうとしているのだ。逃亡犯条例に対する香港市民の闘いと連帯して、「日本の習近平」=安倍晋三の企む改憲・モリカケ・年金詐欺に対する国民の闘いが、いよいよ本番を迎えようとしているのだ。そして、今まで天皇崇拝の古臭いイメージでしか捉えられなかった元号に、市民革命の新たな生命が宿ろうとしている。その歴史的瞬間に今皆んなは立ち会っているのだ。

この選挙期間中は、私も「れいわ」のブログ取材に専念しようと思う。ひょっとしたら東京まで取材に行くかも知れない。そうして、山本太郎の覚悟がいかほどのものか見極めた上で、比例区の投票先を決めようと思う。


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