アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
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首が回らなくなった

2009年10月30日 15時02分42秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
  
 
 「首が回らなくなった」といっても、別に借金の話ではありません。本当に首が回らなくなりました。
 私は、疲労性腰痛の持病を抱えている事もあって、元から首・肩・腰がよく凝るほうでしたが、ここ数日は、特に首から肩にかけての張りが酷かったのです。多分、職場異動で通勤時間がさらに早まり、環境が変わった事も影響していたのでしょう。
 しかし、それは別に今に始まった話ではなく、日常生活に支障をきたすほどでもなかったので、普段は特に凝りが酷い時だけ、近所の整骨医で電気マッサージをしてもらう程度で済ませていました。

 ところが昨夜から今朝にかけて、ついに首が回らなくなりました。首を回したり上げ下げしたり出来なくなったのです。別に寝違えた心当たりもなかったので、多分、今までの慢性頸椎症が、つもりつもって出てきたのでしょう。
 今日は有休をもらい、さっそく近所の整形外科に行ってきました。その時に撮った写真が上記のものです。
 上記左上の画像が、その時の首のレントゲン写真です。7つある頸椎(けいつい:首の骨)の隙間には、実際には椎間板(ついかんばん)というクッションの役割を果たす器官があるのですが、そこが徐々に衰えてきているのだそうです。まだまだ若いつもりでいましたが、やはり身体は正直です。
 画像の下のほう(水色の矢印部分)に比べて、上のほう(赤い矢印部分)の隙間が塞がっているのが分かるでしょう。これが、椎間板が衰えてきた証拠なのだそうです。上記のレントゲン写真・図解でいうと、第二(C2)・第三(C3)頸椎の間で、その現象が起こっているのです。
 そのあおりで、頸椎同士が根元が擦れ合って、炎症を起こしているのだそうです。それで首が回せなくなったのだとか。病名も聞きましたが、「××性××症」と、何やら長ったらしい名前だったので、覚えていません。要するに、変形性頸椎症の一種でしょう。

 医者曰く、とにかく首を動かさず安静にして、患部に湿布を張って処方薬を飲んで、ひたすら炎症が鎮まるのを待つしかない、との事でした。
 だから、それからずっと、ちょうど少し下向き加減に、前を向いたままの姿勢でいます。本当は横になって少しでも寝たいのですが、寝ると今度は首に負担がかかって、寝返りを打つと痛いので、今夜はどうして寝ようか思案中です。あれからずっと、他にやる事がないので、パソコンの前に座ってブログを書いています。
 「明日は何とか出勤してくれ」と言われていますが、それまで炎症が治まってくれれば良いのですが・・・。

 最後に、ひとつラッキーだった事を書いておきます。ちょうどこの時期は、職場異動に伴い、健康保険証も切り替え手続き中で、手元にはまだ新しい保険証が来ていませんでした。
 本来ならば医療費を実費請求される可能性もあった所を(過払い分は後日保険証交付後に改めて還付請求しなければならない)、たまたま切り替え直前に旧保険証のコピーを取っておいたので、それで代用する事が出来ました。もっとも、後日に新保険証を医者の所に持っていかなければなりませんが。それでも、一旦実費請求されよりかは、遥かにマシです。但し、今回はたまたまお医者さんの裁量で切り抜ける事が出来ただけで、いつでも写しが使える訳ではありませんので。以上、念のため。

【11月1日追記】

 整形外科医で処方された消炎鎮痛剤の効き目もあってか、ようやく昨夜辺りから徐々に首が回るようになり、やっとまともに睡眠が取れるようになりました。
 そして今日、二週間ぶりに、行きつけの鍼灸医さんで、鍼灸治療とリハビリを合わせてやってもらい、大分楽になりました。
 昨日の出勤時点では、まだ頭上にあるレイアウト表示の看板が見辛くて、商品を所定位置に持っていくのにも一苦労でしたが、その苦しみからもやっと解放されます。

 私が疲労性(慢性)の頸腕・腰痛症を患うようになったのも、元はといえば生協時代からの、朝早くから低温での作業や、パワハラも横行していたスターリン職場での精神的緊張によるものであり、そういう意味では労災とも言えるものでしょう。ところが、当時は専従職員論による洗脳もあって、パワハラ被害の自覚すらありませんでした。労災の証拠もそろえる事が出来ないまま、退職してしまった事については、今思っても痛恨の限りです。
 そして退職以降も、結局「餅は餅屋」という事で、同じような仕事で飯を食っています。身体を動かす仕事ゆえに、肥満などの生活習慣病や精神的ストレスの影響は比較的受けずに済んでいますが(これぞ「冷凍庫・冷蔵庫ダイエット」の効能)、その反面、低温環境の宿命たる頸腕・腰痛症とは、今後も一生付き合っていかざるを得ないでしょう。
 ただ、この病気のもう一方の元凶たる、パソコンでのインターネット・ブログ更新については、こちらは完全な自己責任ですので、今後は睡眠時間の確保を最優先で、時々ストレッチ体操も入れながら、メリハリをつけて、やっていこうと思っています。
コメント (5)
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転載:辺野古への基地建設を許さない11.8沖縄県民大会・東京呼応デモの案内

2009年10月29日 06時23分13秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな
 以下、[CML 001835] 11・8デモの呼びかけ<辺野古への基地建設を許さない実行委員会>-広報1、より転載。
 http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-October/001808.html

【緊急】(転送・転載歓迎)
========================
◆11・8沖縄県民大会とともに私たちも声をあげよう!◆
                辺野古への基地建設を許さない実行委員会
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
“鳩山とオバマにモノ申す!
 普天間基地を即時閉鎖し、辺野古新基地を断念せよ!”
========================

【要項】
≪デモ行進≫
日時:11月8日(日)午後2時集合
場所:水谷橋公園(東京都中央区銀座1-12-6)
有楽町線「銀座一丁目」駅、銀座線「京橋」駅、都営浅草線「宝町」駅3分
http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=35.40.15.963&lon=139.46.23.062&skey=%25b6%25e4%25ba%25c21-12-6&pref=&kind=
デモ:午後2時30分出発

≪アメリカ大使館への抗議・申し入れ≫
日時:11月8日(日)午後4時集合 午後4時30分申し入れ
場所:アメリカ大使館正門前(東京都港区赤坂1-10-5)
銀座線・南北線「溜池山王」駅5分、丸の内線・千代田線「国会議事堂前」駅、
日比谷線「神谷町」駅10分
http://japan.usembassy.gov/e/info/tinfo-map.html
★各自で抗議・申し入れ書を用意して、ともに提出しましょう。

≪各地・各場所で、一人一人が鳩山やオバマにモノ申そう!≫
◎鳩山由紀夫 内閣総理大臣あて
・メール(首相官邸「ご意見募集」)
http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
・郵送:〒100-0014東京都千代田区永田町2-3-1 首相官邸
◎バラク・フセイン・オバマ・ジュニア アメリカ大統領あて
・郵送:〒107-8420東京都港区赤坂1-10-5 在日米国大使館
★11・8県民大会に合わせて各地でそれぞれが取り組む行動がありましたら、
お知らせください。
送り先<henoko.jitu.2004アットgmail.com>(アットを@に入れ替えてください)

★チラシを印刷できます。
http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/09NNB/11.8urgentappeal.pdf

【呼びかけ】
 11月8日(日)午後2時、沖縄の宜野湾市海浜公園の屋外劇場とその周辺で
「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」が3万人の参加を目指
して開催されます。
11月12日~13日のオバマ米大統領の来日に合わせ、鳩山政権とオバマ米大
統領に沖縄の声を強くアピールするためです。
 民主党は「沖縄ビジョン」で党の政策として「辺野古新基地建設反対、普天間
基地の県外・国外への移設」を明記しながら、8月30日の衆院選に向けた「マ
ニフェスト」には記載しませんでしたが、鳩山代表や岡田幹事長はそのように明
確に主張しつづけました。 ところが、鳩山政権が成立してからは、その主張を
そのまま実現するかどうかがはっきりしません。一方、アメリカ政府は「見直し
はしない」と鳩山政権に強く圧力をかけ続けています。さらに今になって「(新
基地の)50メートルの沖合い移動は可能」と言い出し、沖合い移動の要求がま
ったく無視されていた名護市長や沖縄県知事を懐柔することで、鳩山政権に激し
く揺さぶりをかけています。
 このような事態を見過ごすわけにはいきません。沖縄だけでなく、私たちも各
地でそれぞれが声をあげるべきではないでしょうか。緊急ですが、11・8県民
大会に呼応し、ぜひ、声をあげましょう!
 なお、県民大会の代表団は、オバマ来日までに政府要請などの東京行動を取り
組む予定です。

*************************
主催:辺野古への基地建設を許さない実行委員会
http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html
電話090-3910-4140(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
FAX03-3234-4118(市民のひろば)
*************************
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ブレフォーたちの呆れた憲法・人権感覚

2009年10月27日 22時41分41秒 | 未完の政権交代
【自民党ネットCM】ブレる男たち


 鳩山・民主党政権が早速ぶれ始めています。米軍基地の見直しと後期高齢者医療制度廃止を巡り、総選挙で掲げた公約を反故にしようとしています。
 前者については「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」、後者についても「後期高齢者医療制度は廃止し、(中略)国民皆保険を守る。廃止に伴う国民健康保険の負担増は国が支援する」と、それぞれ連立政権合意で謳っていました。
 それが、前者はゲーツ米国防長官にちょっと脅されただけで早速引っ込め、後者も、自民党・財界から脅されたのか、元々本気で取り組む気なぞサラサラ無かったのか、どちらか分かりませんが、とにかく廃止を先送りしようとしています。

・米軍普天間基地/外相「県外移設ない」/方針転換の発言(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-10-24/2009102401_01_1.html 
・後期医療の廃止/厚労相、先送り明言/保険証は奪わず(同上)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-10-24/2009102401_02_1.html

 後期高齢者医療制度については、拙ブログの過去記事「棄民医療制度の冷酷」をご参照下さい。また、沖縄の米軍基地問題については、下記の記事をご参照下さい。いずれも、とんでもない代物であり、廃止や撤去でしか根本的な解決はあり得ない事が、お分かりいただけると思います。

・辺野古での新基地建設計画は、なぜいけないのか?(あつこばのブログ)
 http://atsukoba.seesaa.net/article/39912507.html
・沖縄米軍基地問題について、民主党に言うべきこと(村野瀬玲奈の秘書課広報室)
 http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1485.html
 http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1486.html

 上記2つの問題、とりわけ現在喫緊の課題となりつつある在日米軍の再編・基地問題については、他のブログでも取り上げられているので、ここではこれ以上は触れません。
 ただ、これだけは言っておきます。実際には革新的代案があるにも関わらず、従来の自民党政治の発想から未だ抜け出せない民主党の足元を見透かした上で、「代案を示せ、示せない以上は廃止も撤去も一切罷りならぬ」と居丈高に言い放つような議論が、自民党・財界・米国筋から出ていますが、何をか況やです。
 たとえ代案があろうと無かろうと、ダメなものはダメなのです。「他に金を借りる当てが無い」からといって暴利の借金を支払い続ける。「禁断症状に耐えられない」からといって薬物依存を続ける。誰でもその愚かさが分かるのに、何故基地問題や医療制度の問題となると、諦めばかりが先に立つのか。それこそが、奴隷根性・植民地根性に絡めとられている事の、何よりの証ではないか。

 但し、そうは言っても、この沖縄や岩国の基地問題でも、後期高齢者医療制度の問題にしても、この程度の鳩山政権・民主党の「ぶれ」については、まだこちらでも想定内でした。元々は保守二大政党の片割れとして財界の肝入りで作られ、「自民党の落ちこぼれ」と「旧社会党の落ちこぼれ」が寄せ集まって出来た民主党。その民主党が中心となって出来た鳩山政権。そんな政党であり政権ですから、ぶれまくるのはある意味当然。こんな事は元より自明の上で、「それでも自民党政権が倒せるなら」という事で、票の一部を回したに過ぎないのですから。
 しかし、「ぶれ」も次の「天皇のお言葉」問題まで来ると、相当重症なのではないでしょうか。何故なら、基地問題にしても医療制度の問題にしても、どちらも政策次元の「ぶれ」であり、そういう意味では、まだ救いようがあるのでは、と思うのです。政策の「ぶれ」だけに止まるのであれば、国民の力で是正も可能でしょう。
 それに引き換え、「天皇のお言葉」問題で図らずも露呈したような、思想次元の「ぶれ」、国内外から憲法観や人権感覚をも問われかねないような「ぶれ」となると、そこから正していかないといけないのかと思うと、いささか気が滅入ります。何故か不思議と、マスコミもあまりこの問題は取り上げていないようなので(産経の様な一部偏執狂メディアを除いて)、ここではこちらを主に取り上げる事にします。

・天皇陛下のお言葉:岡田外相の見直し発言 西岡氏が批判(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091024k0000m010070000c.html

 岡田外相が、国会での「天皇のお言葉」に見直しを求めたのが、同じ与党・民主党の西岡武夫氏に言わせると「越権行為」なのだそうです。「天皇の政治的中立を損なう」との事ですが、何をか況やです。
 「天皇の政治的中立」とか「君臨すれども統治せず」と言うのは、あくまでも「天皇が政治に口出ししてはいけない」という事の筈です。だから日本国憲法第7条で、天皇の国事行為の範囲が厳格に定められているのです。政治に口出ししてはいけないのは、あくまで天皇であって、国民ではありません。主権者たる国民は、天皇制の存廃も含めて、自由に議論できる筈です。だから、憲法第1条にも「(天皇の)地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」とあるのでしょうが。
 それを、何が「私どもが政治的にあれこれ言うことは、あってはならない」(西岡)かよ。バカじゃないか。トンデモな難癖つけた西岡も西岡なら、そんな難癖如きにいちいち動揺する民主党も民主党だ。21世紀にもなって「天皇機関説」事件の再現とは。天皇は日本の金正日かい。

 このニュースですが、米軍基地や後期高齢者医療制度の問題では大いに論陣を張っていた先の「しんぶん赤旗」ですら、あまり大きくは扱っていませんでした。そして、他の「ブルジョア・マスコミ」に至っては推して知るべしで、偏執狂の産経など以外は、申し訳程度に触れただけで、取り上げ方も、どちらかというと西岡のほうに同情的な感じなのは否めませんでした。
 しかし私としては、在日米軍再編問題や医療制度の問題よりも、寧ろこちらのニュースのほうで、民主党の「軸不在」ぶりに呆れさせられました。そんな体たらくだから、元祖「ダメ」フォー・(不祥事で閣僚)「辞め」フォー・(政権)「投げ」フォー・(挙句に選挙でボロ)「負け」フォーの自民党ごときにまで舐められるのだろうが!
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北朝鮮・拉致問題”支援者”は何故政権交代に及び腰なのか?

2009年10月23日 17時02分34秒 | 北朝鮮・中国人権問題
 

●<国家戦略室>政策参与に「反貧困ネット」の湯浅氏起用内定(毎日新聞)
 政府は14日、国家戦略室の政策参与に「反貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠氏(40)を起用する人事を内定した。湯浅氏は、年末年始に東京・日比谷公園で失職した非正規雇用労働者に支援を行った「年越し派遣村」の村長を務めたことで知られる。
 政策参与は非常勤の国家公務員で、人事の発令は11月1日。湯浅氏は失業者対策や貧困問題などの分野で菅直人国家戦略担当相に政策提言するほか、近く設置される政府の緊急雇用対策本部でも助言を行う。
 湯浅氏は14日の会見で「現場の状況を改善するために今まで活動してきた。路上に放り出されて命をなくす人たちへの対策を求め、作っていきたい」と話した。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091014-00000073-mai-pol

●守る会の質問状に各党が回答(朝鮮民主主義研究センター)
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会が北朝鮮政策に関して各政党に質問状を送った。核、拉致、脱北者、帰国者という四つの問題についてそれぞれ数個ずつ質問するものだ。回答したのは国民新党、自由民主党、民主党、日本共産党、および期限を過ぎてから社会民主党。国民新党は「現時点で党の見解をまとめ回答を出すことは困難」という回答であり、実質的に回答したのは四党だ。
マニフェストのレベルでは自民党と民主党の北朝鮮政策はほとんど違いがなかった。しかしこの質問状への回答では両者の違いが明確に出た。
脱北者の保護に関し、自民党は日本国籍者と元在日コリアンであれば日本に受け入れる、と回答したのに対し、民主党はそれ以外の脱北者についても受け入れると回答している。(民主党の回答では日本国籍者の受け入れにマルが付いていなかったようだが、単純なミスであろう。) 民主党は脱北者を難民とする判断を示して中国政府による強制送還を批判し、日本が受け入れた脱北者への定着支援についても肯定的に回答している。概ね満足できる回答と言っていい。一方、自民党は帰国事業に関する質問には一切答えない無責任ぶりを示した。落第だ。
選挙では民主党の大勝が予測されている。しかし民主党がこの回答で示した北朝鮮政策を実行するかどうかは分からない。マニフェストに何も書かれていなかったということは、現時点で重要な問題と見なされていないということだ。今後、脱北者の保護が大きな問題とならなければ、この北朝鮮政策は紙の上のものにとどまるだろう。市民団体、マスメディアの努力が必要だ。
 http://www.asiavoice.net/nkorea/2009/08/post_304.html

 大分間が空きましたが、久しぶりに北朝鮮問題について。本当はもっと早くに書き上げるつもりだったのですが、とうとう今になってしまいました。
 派遣村と脱北者保護という、それだけでは互いに何の関連性も無い上記2つの記事を、わざわざ私が全文転載してここに紹介したのは、ちょっとした訳があります。それは、この2つの記事からも、鳩山新政権の性格がにじみ出ているように感じるからです。

 今の鳩山政権の与党・民主党は、元々は「自民党の補完・代替物」として、財界肝入りで小選挙区制とセットで誕生した体制内野党だったのが、それでも自民党への対抗上、どうしても一定の「野党色」は打ち出さざるを得ないという、深刻な矛盾を抱えた政党です。だから、「非自民」若しくは「反自民」という以外には、明確な旗印(政治的な軸)を打ち出す事が出来ません。それは、この党は左右雑多な勢力の寄せ集め政党なので、余り旗印にばかり拘ると空中分解しかねないからです。
 民主党が盛んに宣伝する「脱官僚政治」にしても、これだけでは何の旗印にもなりません。昨今、官僚だけがさも諸悪の根源のように言われていますが、官僚なんて、所詮は小悪止まりの木端役人にしか過ぎません。その小悪を手なずけ動かしている巨悪こそが問題なのであって(三権分立なんて単なる建前)、そこ(立法・政治権力)が変わらなければ木端役人(行政・司法)も変わりようがありません。しかし、それを問題にしだすと空中分解しかねないから、貧困層にも規制緩和を求める財界にも良い顔が出来る「脱官僚政治」でお茶を濁しているのです。

 そんな鳩山・民主党政権ですが、これは国民サイドからすれば、自分たちの運動如何によっては、いくらでも政治を変える事が出来るという事ではないでしょうか。そして「軸がない」という事も、これは裏返せば「旧来のイデオロギーには捉われない」という事ではないでしょうか。つまり、旧来の自民党支配ほどには財界や米国の縛りは効かない代わりに、旧来の左翼イデオロギーにも拘束されず、国民の運動がストレートに政治に反映される、そういう側面があるという事です。
 だから、派遣村の村長を国家戦略室の参与に据える一方で、脱北者支援についても前政権よりも更に踏み込んだ動きも見られるのではないでしょうか。
 勿論、軸が定まらない民主党政権の事ですから、片時も目が離せません。派遣村村長起用にしても、それでお任せでは、単なる「お飾り・ガス抜き」に終わるだけでしょう。脱北者支援にしても、このままではアンケートの回答だけに終わる可能性が大です。どちらも、「市民団体、マスメディアの努力」によって、その後の動きが決まるでしょう。

 こう言うと必ず出てくるであろう反論が、「北朝鮮と友好的で拉致を否定した社民党が連立政権に加わっている」「民主党も外国人参政権や人権擁護法案に賛成する売国政党だ」というものでしょう。そういう意見は、総選挙前にもネットで多数見られましたが、うんざりしますね。いつまでそういう過去の経歴にばかり拘っているのかと思いますね。
 確かに、社民党や共産党が北朝鮮の人権問題に及び腰なのは事実だし、民主党にも似たような議員は少なくありませんが、いつまでもそればかりを論い、相も変わらず「労働組合が日本を侵略w」云々のネガキャン・ネトウヨ言説ばかり振り回しているようでは、これらの党の支持者だけでなく、それ以外の国民も逆に引いてしまうと思います。そういう人は、櫛渕万里さん(民主党衆院議員・前ピースボート事務局長)の夫が中国民主活動家の李松さん(民主中国陣線代表)である事や、脱北者支援NGO「守る会」(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会)幹部に何人もの共産党員がいる事を、どれだけ知っているのでしょうか。

 ところが、北朝鮮・拉致問題支援者の多くは、「愛国」や「国防」を口にしながら、現実の主権・人権侵害たる米軍基地問題や、米国言いなりの農産物輸入自由化、規制緩和による「派遣切り」には一切頬かむり、という逆ダブスタぶり。しかも実際にやっている事はと言えば、在日外国人虐めや、ジェンダーフリー批判に名を借りた弱者叩き、自民党・財界・右翼メディア・新自由主義者と一緒になっての「派遣村」バッシング、日の丸をゲバ棒代わりにしての暴力沙汰、といった事ばかりで。そんな人たちが幾ら民主党や左翼を批判した所で、傍からすれば「結局お前らもやっている事は同じじゃないか」。

 確かに、北朝鮮や日米安保・自衛隊などの問題については、社民・民主両党間の隔たりは大きいし、民主党内部にも様々な意見があるのは否めません。そして私も左派として、これらの問題や外国人参政権問題については、「救う会」などの北朝鮮・拉致問題関係者とは大きく見解を異にします。しかし、前述の「守る会」アンケートにもみられるように、少なくとも脱北者保護・支援については寧ろ自民党よりも積極的な回答が寄せられていたりもするのですから、何故そこをもっと前に推し進めるよう、働きかけないのでしょうか。
 「守る会」理論誌「光射せ!」創刊号に、「左翼”リベラル”は何故北朝鮮の人権侵害に及び腰なのか?」という一文が掲載されていますが、そのような既存のイデオロギーに拘っているのは、別に左翼”リベラル”だけではないでしょう。寧ろ今は、北朝鮮・拉致問題支援者のほうこそが、左翼”リベラル”以上に、冷戦・反共・排外主義のイデオロギーに拘っているのではないでしょうか。

(参考記事)

・国家基本問題研究所の意見広告―真の「争点」は何でしょうか?(島田洋一ブログ)
 http://island.iza.ne.jp/blog/entry/1179876/
・何が「生活が第一」か、インド洋、シーレーン、拉致(眞悟の時事通信)
 http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?page=372
・必死に反日エンジンをふかす民主党ら②再度、日本人と「拉致」の間に「生活」を割り込ませる民主党(雅子皇太子妃・皇太子御一家の現状は"第二の女系天皇問題"【FC2支局】)
 http://bluefoxhispeed.blog91.fc2.com/blog-entry-95.html
・検証:右翼市民運動 組織拡大の背景とその行動、習性、思想 私たちはどう向き合えばいいのだろうか(日刊べリタ)
 http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200905111500151
・外国人参政権反対を叫ぶ似非右翼暴力集団が、一人の容認派を集団で暴行(You Tube)
 http://www.youtube.com/watch?v=Cs9Z3zdt3qs 
コメント (9)
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今日から新異動先に出勤

2009年10月20日 21時20分34秒 | 職場人権レポートVol.1
  

9月15日記事「異動するたびに待遇悪くなる」で書いた新異動先に。今日がその初日です。始業時刻が朝7時と早い上に通勤用マイクロバスは最寄り駅までしか来ないので、そこまでは始発の次の電車で出勤です。生協時代も朝は早かったけれど、こんなに早く起きなければならないのはこれが初めて。
ちなみに記事冒頭の画像は朝のテレビニュースで八ツ場ダム建設中止に関東6都県の知事がナンクセをつけている所で、その画面左上の時報は5時3分!早朝の電車内は意外にもちょっとしたラッシュアワー。今後は遅くとも前夜10時半には床に就いておかなければならないので、ブログ更新の時間確保にも苦労するだろうな。気が向いたら本日帰宅後に続報を追加するかも。
記事作成に気をとられてたら新今宮で電車を乗り間違えた!新大阪経由の表示が出ていたので乗ったら京都行きの関空快速だった。さて今日これからの運命や如何に!?(以上、出勤の電車内から携帯で投稿)

 超早朝出勤初日は何とか乗り切りました。まず遅刻はどうにか免れました。間違えて乗った電車が京都行きと思いきや、実は近くのJR難波止まりだったので、折り返しで新今宮まで引き返し、最寄り駅からの通勤用マイクロバスは既に出た後だったので、タクシーに乗る破目になりましたが。
 さすが本格稼動初日だけの事はあります。奥行き200メートル以上もある新センターの建屋内で、何十人もの社員・バイト・パートと一緒に、ドンドコドンドコひっきりなしに入ってくる商品を捌いていました。昼休みに入れたのは午後2時過ぎで、早朝からそれまで飯も食わずにノンストップ。終わったのは夕方5時過ぎで、その時点でもまだ細かい作業は残っていました。明日以降の出勤シフトが組めていないので、今度いつ休めるかも未定です。
 とりあえずこの記事だけ仕上げたら、もう今日は風呂入って寝る事にします。早朝に携帯からアップした記事冒頭の画像も、帰ってから一部手直ししました。

   
   

 農・水・畜産や日配・惣菜などの各部門で、入ってきた山のような商品を、出荷リストや送付先店名ラベルを見ながら店舗別に振り分け、カゴやカートなどの搬送器材に積んで、荷揃え・検品・チェックして、決められた待機エリアに持っていく、というのが基本作業。謂わば単純作業だが、言うは易し行なうは難し。
 建屋内が広い上に商品も店舗数も多いので、作業中の移動距離も半端じゃない。商品を各店に振り分けたり、シールを各店分に貼っていくだけでも相当時間がかかる。しかも、各作業には、配送便の出発時刻に合わせて、それぞれ目標終了時間(タイムリミット)が設けられており、あまり遅れると”檄が飛ぶ”。(以上、帰宅後に追記)
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転載:北朝鮮帰国者の体験を聞く市民交流集会(10/25大阪)の案内 

2009年10月19日 11時31分29秒 | 北朝鮮・中国人権問題
 たまたま目にした北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(守る会)HPに、以下の記事がありました。旧サイトでも以前に何度か取り上げた石丸次郎氏(アジアプレス)が司会をされるという事なので、ブログでも改めて紹介しておきます。

----------------------------------------------------------------------
北朝鮮帰国者の体験を聞く市民交流集会
~北朝鮮で何があったのか、語ります~

■日時 10月25日(日) 18.30-20.30
■場所 エル大阪 http://www.l-osaka.or.jp/pages/access.html
■参加協力費500円 定員60名

会場カンパとしてください。

■主旨
今年12月14日、在日朝鮮人の北朝鮮帰国事業開始50年を迎えます。
当時の在日人口の7人に1人、9万3000人が社会主義の祖国に帰り
ました。しかし、その後、北朝鮮帰国者の多くが困窮ににあえぎ、音信
不通、行方不明になる人が続出しました。
今、その元在日帰国者が密かに脱北して日本に戻っています。
その数約200人。北朝鮮でいったい何があったのか、脱北帰国者から
体験を聞き、日本での定着・自立の問題点について共に考えませんか。

■証言 ※会場内での撮影、録音に制限があります。
パク・ジュン(男、60年代に15歳で山陰地方から帰国)
パク・ミオク(女、北朝鮮生まれの帰国2世)
リ・ハナ(女、北朝鮮生まれの帰国2世、大阪在住)
キム・ソジャ(女 60年代に12歳で中国地方から帰国、大阪在住) 他

あわせて北朝鮮内部記者チャン・ジョンギルが撮ったミニ写真開催。

■司会 石丸次郎(アジアプレス)
■主催 北朝鮮帰国者との交流集会実行委員会
■後援 財)庭野平和財団
■問い合わせ 06-6224-3226 アジアプレス大阪 担当:玉本
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 あと、大阪での北朝鮮関連のニュースとしては、「帰国事業訴訟」の取り組みもあります。「帰国事業訴訟」とは、脱北者の高政美(日本名・千葉優美子)さんが、帰国事業推進の責任をとれと朝鮮総連を訴えている裁判の事で、こちらの判決言い渡しも、11日30日午後1時15分に大阪地裁1009号室であります。こちらも併せて紹介しておきます(上記と同じ「守る会」HPにも掲載されています)。

※尚、同HPは、ウェブ・システムの都合上、そのままの形ではコピー等が出来ません。記事を引用なさる場合は、右上の「シンプル・印刷用」ボタンをクリックしていただければ、コピー等も可能になる、との事です。
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天王寺直通化は阪堺電車再生の決め手にならず

2009年10月14日 16時59分18秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
  

 私は以前、「大阪のチンチン電車を残そう!」という記事で、阪堺電車の事を取り上げました。しかし、その後は何かと忙しくて、その話題はもうそれっきりとなっていました。
 ところが、先日11日の日曜日に、阪堺電車が天王寺直通運行を開始しているとのチラシが、新聞折込で入っていました(上左画像参照)。そこで俄然、以前の記事を思い出し、その後どうなったかを検証すべく、阪堺電車にまたぞろ乗車してきました。

 その前に、当該チラシの内容について少し説明しておきます。
 阪堺電車(阪堺電気軌道)というのは、大阪市電廃止後も唯一残された路面電車です。堺市浜寺と大阪市内恵美須町を結ぶ本線に当たる阪堺線(約14キロ)と、住吉で阪堺線から分かれて天王寺に至る支線の上町線(約6キロ)の、2路線を運行しています(上右画像参照)。以前はそれ以外に大浜支線と平野線もあったのですが、前者は第二次大戦の戦災で、後者も80年代の地下鉄延伸によって、それぞれ廃止されてしまいました。
 路面電車といっても、実際には併用軌道(路面電車)と専用軌道(鉄道)の区間はそれぞれ半分ずつ位で、それが幸いして今まで廃止を免れてきました。しかし、さしもの阪堺電車も、近年はモータリゼーションや不況の影響で、輸送量は往時の半分近くまでに落ち込んでいます。

 その起死回生策として浮上したのが、従来は浜寺駅前から恵美須町に運行していた阪堺線電車を、上町線経由で天王寺直通に切り替える、運転系統の大幅変更策です。これによって、阪堺線沿線からターミナル終着駅である天王寺駅前への乗換の手間を省く事で、乗客を呼び戻そうという目論見です。その一方で、恵美須町行きについては、今までとは逆に我孫子道で乗り換えの区間運行となります。
 その天王寺直通運転開始から既に数ヶ月経ち、その効果が如何ほどか、野次馬根性丸出しで見てきたのが下記の画像です。それぞれ順を追って説明していきます(14日の撮り直し分以外は全て11日に撮影したものです)。
 
   
(1)浜寺駅前から天王寺直通電車に乗車。発車間際に駆け込んできて、「連れがもう直ぐ来るから待って欲しい」とダダをこねるオッサンも居たりして、出だしからローカル・ムードを満喫。
(2)明治後期に建てられ、日本の駅百選にも選ばれた南海本線浜寺公園駅。
(3)シャッター街どころか更地状態の浜寺駅前商店街。

   
(4)お昼前でも閑散とした堺市内中心部の山之口商店街。(10月14日撮影)
(5)アーケードこそ残るものの、駅前から商店が消え一般駐車場になってしまった我孫子道商店街。(同上)
(6)安全地帯が非バイアフリーの上町線阿倍野電停。(同上)

   
(7)阿倍野側から今池方向に平野線跡を望む。道路向かいの空地が線路跡。手前の鉄製電柱も元は旧平野線の架線柱。(同上)
(8)阪堺線今船電停・浜寺方面行きホームにて。この「お知らせ」にもある様に、大半の電車が我孫子道止まりとなった。
(9)我孫子道車庫を望む。我孫子道は阪堺電軌の主要乗換指定駅で、本社・運輸区もここにあるが、かつて輸送需要をまかなった商店街は今やシャッターと街す。車庫も隣の巨大マンションに今にも飲み込まれそうだ。

 それで肝心の乗客数ですが、これも以前の当該記事に書いたのと同様に、上町線の方が、乗客の数も層も格段に阪堺線を凌駕していました。日曜日の午前中に浜寺駅前から天王寺直通電車に乗ったのですが、乗換駅の我孫子道までは、電車の座席が半分ぐらい埋まる程度の乗車率しかありませんでした。その乗客の内訳も、10数名中、中高生ぐらいの若者数名と一組の親子連れを除き、後は全て中高年の所謂「交通弱者」が占めていました。
 それが我孫子道を境に俄然乗客が増えだし、上町線に入ると座席はほぼ埋まり、立ち客も増えて来ます。客層も、今までの交通弱者に代わって、帝塚山近辺のセレブ・マダムが多数乗り込んで来ます。そして終点の天王寺付近では、もうラッシュアワーに近い状況を呈していました。
 天王寺直通運転に期待を寄せる阪堺電軌ですが、その効果は、やはり上町線沿線を中心とする大阪市内区間に限られるのでは、と言わざるを得ません。

 ちょうど手元にあった「鉄道ピクトリアル」誌2008年8月臨時増刊号の、阪堺電車関連記事に近年の輸送実績が掲載されていました(同誌80ページ)。それによると、「少子化、モータリゼーションの発達、競合する都市鉄道の延伸・相互乗り入れなどの影響」によって、「2007(平成19)年度の輸送人員は776万人で、1997(平成9)年度1167万人に比べて約34%の減少となっている」との事です。当該記事は阪堺電軌の総務部長さんの手によるものなので、「競合する都市鉄道」とやんわりと書いていますが、これは主に南海電鉄を指しています。親会社の南海にも、子会社(阪堺電軌)衰退の責任の一端がある事が分かります。
 以上は最近10年間に限っての輸送実績の推移ですが、阪堺電車の乗客減については、それに加えて下記の要因もあるのではないかと思います。

(1)人の流れが完全に変わってしまった。

 阪堺電車が敷かれた目的は主に次の4つですが、時代が下るにつれて、次第にその意義が失われていきました。
 1)住吉大社への参拝客輸送(上町線)→参拝客自身の減少と南海・JRへの流出。
 2)大浜・浜寺への海水浴客輸送(阪堺線・旧大浜支線)→海水浴場の閉鎖・埋立、臨海コンビナートへの変貌。
 3)平野付近の住宅開発(旧平野線)→人口増に対応しきれなくなり、地下鉄谷町線に取って代わられる。
 4)新世界への行楽客輸送(全線)→新世界自体の衰退。
 その為、かつては大量の行楽・参拝・通勤・通学輸送を担っていた阪堺電車の各線も、今や上町線沿線の通勤・通学輸送だけを主に担うようになってしまいました。そして、大浜支線や平野線は既に廃止され、残る阪堺線も風前の灯と化してしまったのです。つまり、時代の変遷と共に人の流れが変わってしまったという事です。
 現在、上町線の利用需要が比較的堅調に推移しているのは、沿線の帝塚山近辺から天王寺のターミナルに出るには、当該路線を使うしか無いからです。それに加え、沿線には多くの高校・短大が立地しているのもあります。
 翻って阪堺線はと言うと、たとえ阪堺電車が天王寺への直通運転に踏み切っても、天王寺に出るには、新今宮での乗換の手間を含めても、南海やJRを経由したほうが遥かに便利なので、今さら阪堺電車に乗り換えるような客は殆ど出なかったのです。

(浜寺・天王寺間での運賃・時間比較)
・使用経路:阪堺は浜寺駅前―天王寺駅前、南海+JRは浜寺公園―新今宮―天王寺。
・所要時間:阪堺直通45分、南海+JR20分
 但し後者については、堺(普通から急行に乗換)・新今宮(JRに乗換)での乗換時間は計算外。
・普通運賃:阪堺直通290円、南海+JR440円
・一ヶ月通勤定期運賃:阪堺直通10880円、南海+JR16170円
 金額的には、阪堺のほうが乗換が無い分かなり安くなりますが、駅数が多いこともあり時間は倍以上かかります。ただでさえ忙(せわ)しない通勤時間に、たかだか15キロほどの移動で45分間もかかっていたのでは・・・。たとえ月に数千円高くなっても、普通は後者のほうを利用するでしょう。

(2)沿線の産業空洞化

 前項でも述べたように、既に阪堺線乗客の主流は、全線通し利用客から、通学や近場の買物に出掛ける区間利用客に移っていました。しかし、たとえそうであっても、地道に「地域の足」として機能していたら、事態はもう少しマシなものになっていたでしょう。ところが国(旧自民党政府)は、新自由主義の構造改革政策を推進し、下町を切り捨てる事で、肝心の「地域」自体を衰退させてしまいました。その為、地域の商店街や公設市場はどんどん廃れ、それに併せて下町を通る阪堺電車の利用需要も、ますます減少に歯止めがかからなくなっていきました。

(3)阪堺電車自身の抱える問題点

 阪堺電車のような問題を抱えている私鉄や路面電車は、日本で他に幾らでもあります。しかし、それらの経営体が、全て阪堺電車のような状況に陥っている訳ではありません。和歌山電鉄の「たま電車」や、えちぜん鉄道(福井県)の女性アテンダント活用、広島電鉄・富山ライトレールのLRT化の試み、長崎電軌の全区均一低料金制度、熊本電鉄のパーク・アンド・ライドの試みなど、地域住民(乗客)と鉄道会社が一体となって、公共交通を残そうと頑張っている所も一杯あるのです。そういう所では、住民の間にマイ・レール意識が浸透し、鉄道会社のほうでもサービスの維持向上に余念がありません。
 翻って阪堺電車はどうかと言うと、行政主導の堺LRT構想によりかかるばかりで、自ら再生に向けて頑張ろうとする意気込みが、あまり伝わって来ないのです。それが、私が過去記事「―チンチン電車を残そう!」でも触れた、駅のトイレの表示が無い(我孫子道)、電車時刻表の場所が分かりにくい(堺市内大道筋各電停)、安全地帯がスロープになっていないので車椅子では上れない(阿倍野)、低床式車両導入の遅れなどの問題点に、如実に現れています。
 本来ならば、従来の車社会に代わるエコモデルとして、もっと評価されて然るべき堺LRT構想が、何故「市長の一時の人気取り」だけに終わり、当の沿線住民から支持さなかったのか。その裏には、以上挙げた問題も多分に絡んでいるのではないでしょうか。

 以上、阪堺電車衰退の原因として、(1)人の流れの変化、(2)産業空洞化の進展、(3)阪堺電車自身の問題、の3点を挙げましたが、勿論これらの原因は、並列の関係でもなければ、単独で存在している訳でもありません。90年代以降の利用客の落ち込みが激しい事から見ても、特に(2)の不況や構造改革政策による地域経済の冷え込み・地元商店街の衰退が、それまで近場の利用客によって支えられてきた阪堺電車にとって、決定的なダメージとなった事はほぼ間違いないでしょう。これは、基本的には政治の責任に帰すべきものであって、一民間企業だけでどうこう出来る問題ではありません。
 しかし、それと同時に、(3)の社内風土の問題も、(1)(2)とは別に指摘せざるを得ません。これら全てが複合的に絡み合って、今に至る阪堺電車の経営危機が醸成されてきたのではないでしょうか。それを、天王寺直通運転だけで緩和できるとは、到底思われません。ではどうすれば良いか。いずれにしても、この問題の根は、想像以上に深いと、言わざるを得ません。
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台風でもおいそれとは休めない

2009年10月07日 23時18分09秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
  

 中心気圧945ヘクトパスカル・最大風速40mの、非常に強い台風18号が、いよいよ明日の未明に紀伊半島付近に上陸するとの事・・・。ゲッ、このまま行けばモロ近畿地方を直撃じゃん。
    

 台風が来るからといって、直ぐ臨時休校や臨時休業の措置を取れる学校や企業が、正直言って羨ましいです。私の職場の様に、食品を扱っている流通業は、台風が来るからといって、そう簡単には休めません。ジャスト・イン・タイム、24時間稼動で切れ目無しにヒトとモノが動いているし、生鮮食料品を扱っているので賞味期限や廃棄ロスの問題もあります。だから、たとえ台風で客足が鈍ろうとも、雨が降ろうが槍が降ろうが、店は必ず開けなければならないし、商品は必ず納品しなければならないのです。その台風来襲のピークとなるのが、ちょうど明日の出勤時間なのです。

 そう考えると、「蟹工船」の昔とも、ちっとも変わっていない。あの漫画の中で、鬼監督の浅川が、時化で尻込みする漁夫たちを、無理やり脅しつけて出漁をごり押ししようとする場面がありますが、何の事は無い、今もそれとさして変わらないのではないか・・・。
     

 今日の仕事帰りも、職場を出る時はそうでもなかったが、家に着く頃にはもう既に路面があたり一面水浸しとなっていました。あとはもう台風が、私の住んでいる大阪よりも、少しでも東側を通ってくれる事を祈るのみです。台風が居住地の東側を通れば「雨台風」となり、少なくとも暴風は多少はしのげます。逆に居住地の西側を通ると、反時計回りの台風の渦に進行方向に向かう風も加わり、風雨がさらにきつくなります。

 1961年の第二室戸台風の時がそうでした。今回の台風との比較では、それよりも少し前の伊勢湾台風がよく引き合いに出されますが、当時は私がまだ生まれるか生まれないかの頃で、全く記憶に残っていません。それよりもまだ第二室戸台風の時のほうが、自宅の窓ガラスが目の前で割れた記憶が、微かに残っています。あの時は、突風が吹いたと思った途端に、目の前でいきなりガラスが割れたのですから。幸いケガは無かったものの、割れたガラス窓から、家の隣にあった電柱の高く聳え立った姿が、はっきり見えていたのを思い出します。若しあの電柱も一緒に倒れてきていたら、私は今頃この世にいなかったかも。
 その第二室戸台風が、大阪湾を北上して阪神間に再上陸という、ちょうど大阪の西側をかすめるコースを辿っていました。

 まあ、自宅が浸水とか町内丸ごと避難とかいう事態にまでなれば、「飯の種」よりも「命あってのモノダネ」で、たとえ後で誰から何と言われようとも、何が何でも強引に休みますが、そうでない限り、多分出勤しなければならないでしょう。それは、自分が逆の立場に立たされたら、直ぐに分かります。「アイツはうまい事休めたのに、何故オレは出てこなければならないのか?」という気持ちに、誰しもなるでしょう。必ずしも口には出さないだけで。

 ところで、その避難勧告という仕組みも、よく考えれば合点のいかない事が少なくありません。たとえば指定避難場所についても、何故、大抵判で押したように、近所の公民館や学校になるのでしょう?私の町でも、近くの公民館や小学校がそれぞれ一次・二次の避難場所に指定されていますが、一階平屋建ての公民館では、水が来ても逃げようがありません。その場合は二次指定場所の小学校(四階建て鉄筋公舎で、これも直ぐ近くにある)に避難するようになっていますが、それで浸水から免れられたとしても、強風・暴風は一体どうやって防ぐのでしょうか。そんな所に避難する位なら、まだしも二階建で雨戸もある自宅のほうが、まだ何ぼか安全です。
 食料・生活物資の配給の便を考えれれば、公共施設に避難させるのもあながち分からなくもないのですが、果たして本当の所はどうなのでしょうか。まさか、戦時中の学童疎開と同じ発想ではないでしょうね。戦争遂行の足手まといとなる子どもを隔離すると同時に、将来に向けての兵力温存を図ったという、その発想と。

 今までつらつらと思いつくままに書いてきましたが、たかが台風と言う勿れ。今の私にとっては、これが最大の関心事なのです。但し、「避難するなら風雨の強まらない今晩中に」としたり顔でアナウンサーが繰り返す、どの局も変わり映えのしないテレビのニュース番組なぞは、余り見る気になれません。テレビでは「避難しろ」、会社からは「出勤しろ」と言いながら、いざ何か問題が起こった時だけ掌を返すように「避難勧告はしていた」「無理に出勤しろと言った覚えは無い」でお茶を濁そうとする姿勢が、どちら側からもヒシヒシと感じられるので。
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転載:反ネオナチ10.10関西緊急抗議行動への参加・賛同呼びかけ

2009年10月05日 23時18分25秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 

 あの悪名高いネオナチ在特会が、今度は大阪でまた外国人虐めをやるという事で、それに対する抗議行動の呼びかけを下記に転載しておきます。この呼びかけは、既に幾つかの友好ブログ・掲示板・マイミクさんの日記でも紹介されています。私は、当日はあいにく仕事で参加出来ませんが、賛同の意思だけでも表明しておく事にします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
在特会(在日特権を許さない市民の会)主催の「10.10外国人参政権断固反対!全国リレーデモ・関西集会」への緊急抗議行動参加・賛同呼び掛け

 民族排外主義がはびこっています。既に皆様も目や耳にしたことがあるかもしれません。「在日特権を許さない市民の会(在特会)」を名乗る右翼が、ここのところ活発にデモや集会への襲撃を繰り返しています。今年春の埼玉県蕨市での在日フィリピン人女子中学生の学校や自宅への襲撃デモをはじめ、慰安婦問題を扱う集会や地方議会の決議への妨害.襲撃、在日本朝鮮人総連合会や在日本大韓民国民団などの民族団体や、政党への押しかけ、全国各地での外国人地方参政権への反対デモなどです。こうした彼らの行動は日本人を特別扱いしてそれ以外のアジアの諸民族を日本社会から差別する、まさに民族排外主義であり、襲撃を扇動して在日外国人を排除しようとするなど、許すことはできません。不況下においてファシズムや外国人差別が肥大化した歴史を思い起こすとき、このような動きを見過ごすことは出来ません。

 今年6月13日その在特会などが、京都市で排外主義をあおるデモをしかけました。私たちは彼らの行動が、京都にとどまるものではないと考え、「外国人排斥を許さない6・13緊急行動」としてデモと抗議の街頭情宣を行い、彼らの排外主義扇動と対峙しました。彼らの動員をはるかに上回る人々が集まり、彼らの行動に抗議の意志を示しました。

 蕨市での外国人排斥デモ以降、在特会はネットで街頭行動を呼びかけ、その行動の映像をYoutubeやニコニコ動画といった動画配信サイトに流し、動員数を増やしてきました。今年8月1日~3日、在特会は東京三鷹市の『中学生のための慰安婦展』で300人、8月15日の反天皇制運動連絡会主催のデモでは500人が集結し襲撃を掛けて、参加者に負傷者が出ました。一方、関西では、在特会等は在日朝鮮の人々に対し、ウトロでの「自衛隊の皆さん、銃撃してください」、鶴橋では「鉄槌を下せ」といった、襲撃を示唆するような暴言を浴びせました。その後、民主党を中心とする連立政権が成立する中で、彼らは危機意識を強め、活動を活発化しています。9月27日に行われた彼らの東京デモでは、「外国人排斥反対」というプラカードを掲げた男性1名に対して集団リンチを行うという事態に至っています。

 そのなかで、10月10日、大阪で外国人参政権反対を口実とした排外主義扇動デモを行なおうとしています。彼らも前回の抗議行動をうけて更に動員を構えてきます。私たちは、暴力をも含めファッショ的に急進化する彼らに対して、ファシズムに反対する労働組合、市民団体、宗教者、諸個人の連帯で対決して行きたいと考えています。「外国人排斥を許さない10・10関西緊急抗議行動」にぜひお集まり下さい。民衆の包囲こそが、彼らの跳梁を許さない最大の鍵だと考えています。

 限られた時間の中ではありますが、皆様の参加と賛同を呼びかけます。

賛同締め切り  10月9日(金)12時
主催      外国人排斥を許さない10.10関西緊急抗議行動実行委員会
連絡先     action1010committee@yahoo.co.jp
呼びかけ人・団体
内山 悠(失業と野宿を考える実行委員会)・岡田 一(高齢者特別就労組合準備会)・志賀 英記(アジア共同行動日本連絡会議全国事務局長)・中沢浩二(とめよう戦争への道!百万人署名運動関西連絡会)・労働者共闘
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【以下、余談】

 しかしまあ、このネオナチ絡みの話題を、拙ブログでも6月に取り上げてからというもの、アクセスカウンタが伸びた事。アクセス伸長そのものは、ブロガーとして嬉しい事には違いないが、どういう観点から注目を浴びているかによって、評価はガラッと変わる。

 以下、拙ブログの月平均アクセス・データから。
 月   閲覧数    訪問者数    閲覧数1千突破日
 5月  775.94 PV  225.65 IP   5/28
 6月  947.67 PV  297.77 IP   6/10.15.24-29
 7月 1021.60 PV  325.48 IP   7/3.5.7-10.12.13.15.20.22-26.
 8月  922.39 PV  338.19 IP   8/12.16.17.21.23.26-28.31
 9月  786.5  PV  296.03 IP   9/11.23.27

 また、小泉構造改革や安倍「美しい国」に代表される様な、これまでの自民党の右翼・新自由主義的「改革」路線のメッキがはがれるにつれて、その「威光」を嵩に来てネットで傍若無人に振舞っていたさしものネットウヨクも、金城湯池の2chからも次第に居場所がなくなりつつあるそうで。「在特会」が最近とみに「凶暴化」しているのも、その辺の焦りがあるのかも。
 但し、この「ネットウヨ・バッシング」については、「かつてイラク人質や拉致被害者家族会に加えられたバッシングと同種の”異端狩り”」との辛口の指摘もあるので、手放しには喜べませんが。
 しかしそれでも、過去にネットウヨクの「ラ帝勝共・在特豚」や「バカイホウシャ」に付きまとわれた身としては、「お前らが今まで散々してきた事を、今度はされる側に回っただけで、いわば自業自得だザマーミロ」ぐらいは、言わせて貰っても当然かと。

【追記】

 10月10日当日の行動予定が決まりました。
 以下、当該実行委員会のブログより引用。「予定は変更される場合があります。変更した場合はブログでお知らせします。」との事です。

◆日時 10月10日(土)
 12:00 集会開始(愛染公園)→13:00 デモ出発→14:00過ぎ デモ解散(なんば周辺)→15:00 なんば周辺にてビラ配り
◆場所 愛染公園
http://ekoen.jp/osaka/c%C2%E7%BA%E5%BB%D4%CF%B2%C2%AE%B6%E8/d6872/
地下鉄堺筋線恵美須町駅下車 日本橋4丁目交差点を東へ 阪神高速高架をくぐってすぐ右折
一つ目信号左手

 
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