アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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二重国籍なんかより裏金疑惑の方がよっぽど問題だ

2024年05月30日 20時08分31秒 | 未完の政権交代
法務省ホームページ記載の重国籍(二重国籍)離脱手続き。離脱手続きはあくまで「努力義務」とされ、違反しても罰則が課されない事に注意。

またしばらくブログ更新が滞ってしまいました。滞った理由は、仕事やプライベートで何かと忙しかった事もありますが、やはり最大の理由は、今の野党が余りにも不甲斐ないので、政治の話題を取り上げる気になれなかったからです。
 
私のブログは、近年でこそ旅行記や競馬などの趣味の話題、身辺雑記などの記事も少なくありませんが、元々はイラク戦争反対を掲げて立ち上げたのがきっかけです。今でも政治的な話題が記事の中心です。その私のブログにとって、昨今の自民党の不人気ぶりは、まさにブログで取り上げるべき内容です。
 
でも、幾ら安倍や維新のメッキが剥げて、自民党の人気が凋落し、同じく人気絶頂だった維新も、同党幹事長が自らゲロしたように、「第二自民党」としての正体が明らかになり、万博・カジノの浪費で人気にかげりが見られるようになっても。政権交代の軸になるべき野党が今のままでは、頑張ってそれをアシストする気には、どうもなれないのです。
 
野党第一党の立憲民主党は、肝心の執行部が自民党と同じような体質で、「第二自民」の維新に擦り寄り。確かな野党を自認していた共産党も、松竹除名問題を機に独善的な体質が全然変わっていない事が分かり。唯一期待していた「れいわ新選組」も、唯我独尊という意味では共産党と似たり寄ったりで。社民党は余りにも弱過ぎて、もはや応援する気にもなれず。
 
それでも、選挙を棄権してしまったら、自公与党や維新の思う壺なので、投票だけは必ず行き、共産党か「れいわ新選組」のどちらかには必ず入れるようにはしています。政治資金の問題でも、自民党はいまだに反省せず、言い逃れに汲々とするばかり。何とかお灸を据えたいと思うのですが、岸田政権は解散封じに走り、意思表示の機会がなかなかやって来ません。
 
その中で、ようやく巡って来た7月7日投開票の東京都知事選挙。一自治体の選挙ではありますが、同時に、首都の首長を選ぶ一大決戦の場でもあります。都政の問題だけでなく、政治資金や今までの自民党政治に審判を下す絶好の機会です。
 
東京都政も、今までは石原慎太郎や小池百合子などの自民・保守系の知事が専横をほしいままにしていましたが、今回ようやく蓮舫氏が出馬表明。反自民・反小池の立場で、野党統一候補に名乗りを上げてくれました。
 
蓮舫氏は、かつては民主党政権の行政改革推進大臣として、その後は民進党や立憲民主党の参院議員として活躍して来ました。特に東京では知名度抜群。共産党や「れいわ新選組」と比べたら、反自民色は若干落ちるものの、それでも自公与党や維新、都民ファーストの金権政治家と比べたら、はるかにマシな政治家です。実際、イメージも小池なんかよりは、はるかに清新そうだし。
 
ただ唯一の懸念が二重国籍問題です。蓮舫氏は、この問題の為に、一時期は民進党(今の立憲民主党などの前身政党)の代表辞任にまで追い込まれました。この二重国籍問題ですが、私にとっては、ほとんど馴染みのなかった問題です。果たして、どこまで理解出来るか不安です。でも、知らないでは済まされないので、これを機に自分なりに色々調べてみました。その上で、現時点での私の意見を述べます。
 
蓮舫氏は台湾人の父と日本人の母の間に生まれ、ハーフとして生きて来ました。その美貌を生かして、キャンペーンガールとして活躍していたのを政治家に見そめられ、やがて政界の道に。当時の国籍法の規定では、父の国籍しか選べなかった為に、台湾人の謝蓮舫として生きていくしかなかった。ところが、1984年の国籍法改正で、母方の国籍も選べるようになったので、翌年に日本国籍を取得。
 
本当は、この時に台湾の国籍を離脱しなければならなかったのですが、当時まだ10代の若者だった彼女には、そんな複雑な離脱の手続きなぞ想像もつかず。政治家になった後で、二重国籍である事が明らかになり、2016年に、台湾当局から国籍離脱証明をもらい、改めて日本国籍を選ぶ事を宣言する事で、ようやく二重国籍状態から抜け出す事が出来ました。
 
自公与党や小池百合子は、それを経歴詐称と攻撃しているのです。でも私に言わせれば、自民党の裏金議員のように、故意に違法行為に手を染めた訳ではありません。
 
台湾が彼女の国籍離脱証明を発行しても、当の日本政府が、当時はもう台湾とは国交が途切れていたので、そんな未承認国の証明書なぞ受け取れないと、区役所が受け取りを拒否してしまったのです。
 
日本は昔は台湾(中華民国)と国交を結び、大陸の中華人民共和国とは国交がありませんでした。しかし、1972年の日中国交回復で、中華人民共和国を「中国を代表する唯一の国家」である事を認めるようになりました。それにより、台湾は逆に日本と国交断絶に陥りました。
 
経済的には、日本は中国だけでなく台湾とも関係を維持して来ましたが。こと国家レベルの話になると、あちら立たずばこちら立たずで、台湾の証明書を受け取る事が出来なかったのです。もし、そんな物を受け取ってしまったら、今度は中華人民共和国から猛反発を喰らう事になりますから。
 
そこで、台湾籍の離脱証明とは別に、日本国籍を選ぶ宣言もさせる事で、ようやく二重国籍状態を解消出来るようになったのです。
 
幾ら政治家とは言え、元はと言えば日本の戦後政治、冷戦時代の日本政府による中国(中華人民共和国)敵視政策にも責任の一端があるのに、それを棚に上げて、個人の些細な過去の過失、それも解決済みの過失を、ことさら針小棒大に取り上げるのは如何なものか?
 
もし仮に台湾の国籍離脱手続きが完了せず、今も蓮舫氏の二重国籍状態が解消していなかったとしても、それが一体何だと言うのでしょうか?台湾も日本の友好国ですよ。普段はあれだけ「台湾は親日だ、反日の韓国とは違う」と褒めそやしながら、相手が野党の政治家となると、途端に「反日のスパイ」呼ばわりするのは如何なものか?
 
在日ベトナム人の扱いについても同じ事が言えます。日本はベトナム戦争で、横田、横須賀、岩国、佐世保、嘉手納の米軍基地から、戦闘爆撃機を発進して、ベトナムを空爆しながら。その反省もなしに、ベトナムが中国と対立した途端に、今度はベトナムの肩を持ち。その裏で、ベトナム人を安い給料でこき使い。
 
こんな事では、「日本人は、外国人の足元を見て、使い捨てする事しか考えていない」と思われても仕方がありません。そんな事ばかりしていると、韓国・北朝鮮からも、台湾・中国からも、ベトナムやネパールからも、愛想を尽かされ、最後には、どの国からも相手にされなくなってしまいます。
 
そもそも欧米先進国では重国籍に対する罰則がありません。それらの国々では、植民地支配の影響で、元々移民が多く、米国のオバマ元大統領や、英国のスナク現首相のように、旧植民地にルーツを持つ政治家も多いからです。
 
重国籍を罰する規定があるのは、アジアやアフリカなどの第三世界諸国に多いです。これは多分、独立運動由来のナショナリズムの影響が大きいと思います。但し、同じ第三世界でも、南米諸国は欧米と同じ移民大国なので、重国籍者を罰する規定はありません。
 
日本の国籍法14条では、重国籍者は22歳までに、どの国籍を選択するか決めなければならないと定めています。しかし、この法律に対する罰則はありません。公職選挙法も「政治家は日本の国籍を有しないといけない」とあるだけで、別に日本国籍と他国籍を併せ持つ重国籍者を罰する規定はありません。経歴詐称で虚偽事項公表罪で罰せられる可能性はありますが、この罪も3年で時効となります。

なぜ国籍法14条違反でも罰せられないか?最近は国際結婚でハーフも別に珍しい存在ではなくなった。国籍の扱いも国によって異なる。重国籍が合法な国も少なくない。その中で、日本だけこの条項を厳格に適用しても、入管行政が麻痺してしまうわ、相手国とトラブルになるわで、ろくな事にならないから、敢えてグレーゾーンの扱いにしているのです。
 
更に日本の場合には特別永住者の扱いも考慮しなければなりません。特別永住者とは、日本の旧植民地だった朝鮮・台湾から日本に渡って来て住み着いた人達の事です。これらの人達は、日本の都合で勝手に日本人にされ、実際は二級国民として差別されて来ました。そして、第二次大戦で日本が連合国に敗れ、講和条約を受け入れた事で、今度は一夜にして日本国籍を剥奪されました。
 
それ以降、在日朝鮮・韓国・台湾人は、どこの国民でもない無国籍の状態に置かれ、無権利状態の中に放置されました。そして1991年になり、ようやく特定永住者として、ある程度は人並みの扱いを受けられるようになりました。国籍を問題にするなら、この旧植民地の人達に対する非人道的処遇についても問題にしなければ片手落ちです。
 
日本人の色眼鏡で、反日か親日かの恣意的基準で一方的に決めつけ、外国人を生身の人間として見ようとしない。そんな低俗な議論に組みする気はありません。国籍法違反の政治家よりも、政治資金規正法に違反して、政策活動費や政治資金パーティー、企業・団体献金を容認し、裏金をしこたま溜め込む政治家の方が、よっぽど悪質で「反国家的、反国民的」ではないでしょうか?私は蓮舫氏を支持します。
 
(参考資料)
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もうそんなヤセ我慢は止めよう

2024年04月15日 21時43分39秒 | 未完の政権交代

この間の私の以下の連投ツイートをこちらにそのまま転載します。(添付の画像や写真は一部差し替えました)

週刊文春4月18日号「自公83議席減!」。今、衆院解散したらこうなると。岸田が9月総裁選で不出馬に追い込まれる位なら、自民逆風の中でも大博打に打って出るかもしれないと。その結果、自民73減、公明10減、立憲52増、維新21増で自公与党過半数割れ、立憲・維新を中心とした非自民・非共産連立政権誕生

裏金自民にお灸を据えるだけならそれでも良いが、その結果が単なる非自民・非共産連立政権なら、かつての細川政権と同じ。政権内の主導権争いの末に、社会党が自民党に取り込まれ、自社さ連立の村山政権が誕生。安保・自衛隊容認に転換した社会党が骨抜きにされ、自民延命に手を貸しただけで終わった
 
立憲は数こそ多いが烏合の衆だ。維新の方が旗幟鮮明で勢いもある。だが維新の掲げる旗は身を切る改革、福祉切り捨て、軍拡容認で「第二自民」そのもの。それは今の大阪を見れば一目瞭然。維新首長の下で公務員リストラ(官製ワーキングプア蔓延)、公立高校・病院の統廃合、挙句にコロナ無策で死者激増
 
 
そんな維新主導の非自民・非共産連立政権なら、今の自公与党とそう変わらないどころか、更に酷い悪政が横行する事になる。そうさせない為にも立憲が如何に踏ん張れるか、立憲を左(福祉重視、平和志向)から支える他の野党(共産・れいわ・社民)がどれだけ伸びるかにかかっている
 
だが現状は左の野党も立憲以上にガタガタだ。共産は松竹除名で今でも民主集中制という過去の遺物にしがみついている事が顕になった。れいわも実態は山本太郎1人に権限が集中する個人独裁の党に過ぎない。私が望むのはあくまで本当の民主主義、どんな個人も尊敬され自由・平等・平和に生きられる社会だ
 
それでも自公与党の暴走と第二自民(維新)の台頭を阻止するには、立憲やそれを左から支える他の野党の議席を少しでも伸ばすしかない。4月28日投票の衆院3補選はその絶好機。どの選挙区も与党敗色が濃厚だ。東京でも島根でも長崎でも、ぜひ自民党にお灸を据えて欲しい。それが裏金事件の解明にも繋がる
 
立憲だけだと経済安保法案も通過。半導体などの製造業も安保の名で秘密保護の対象に。今まで隠れてコソコソ調査していた公安が今後は堂々と反戦運動に牙を向く。やがて矛先は反戦から政府批判全てに。裏金疑惑も闇から闇。そうさせない為にも、たとえ多少不満があっても立憲を左から支える野党が必要
 
それでも皆、自民や維新に投票するのは何故か?私が思うに、一つはマスコミが自民や維新ばかりをもてはやすから。競馬でもそうでしょう。スピードの速さでレースが決まると新聞が書けば、皆逃げ馬ばかり買うでしょうが。その中で本命党は安定株のジミンを買い、穴党は配当の高いイシンを買うw
 
 
皐月賞でも前走のGIレース勝ったレガレイラやGⅢで逃げて圧勝したメイショウタバルが人気していた。だがその圧勝劇もコース最内が荒れてなかったからで、荒れ馬場の皐月賞では最下位に沈んだ。でもそこまで読める人間ばかりではないので、新聞が逃げて勝つと書けば皆メイショウの馬券ばかり買う羽目に
 
もう一つの理由は「大勢に巻かれろ」。周りが阪神ファンばかりの中で巨人ファンを名乗るのは勇気がいる。だから新聞が安倍一強と書けば皆、自民に投票。関西では吉村知事が人気だと書けば皆、維新に投票。ところが裏金問題で自民人気にかげりが出てきた途端に急に反自民に。だったら最初から批判しろよ

安倍一強とか自民一強とか言っても、所詮その程度のモンなんよ。ところが皆「大勢に巻かれろ」に染まってしまってるものだから、「政府・与党を批判するなんて畏れ多い」とたじろいでしまう。野党も野党で、幾ら自分達が不甲斐なくても全部「強い与党」のせいに出来るので、万年野党に安住してしまう
 
 
それで困るのは一体誰か?我々、一般庶民じゃないか。政府や大企業が如何にも賃上げに前向きなポーズを取ればもうそれで満足して簡単に与党になびいてしまう。実際は雀の涙ほどの賃上げで、派遣や下請け、外国人の低賃金搾取と引き換えである事に薄々気付いていても、自分達さえ良ければそれで良いと
 
本当は物価高や社会保障費の値上げで生活が苦しいのに、国の財政が赤字だからとか、中国の脅威から国を守るにはもっと防衛費を増やさなければならないと言われたら、もう黙り込んでしまう。そんなに財政が赤字なら、今にも中国が攻めて来るなら、もう万博どころではない筈なのに。それは誰も言わない
 
 
もうそんなヤセ我慢は止めよう。台湾では地震後2時間で避難所が開設され、プライバシーも保たれたテントが家族単位で設置されたのに、能登半島では数ヶ月経っても水道も繋がらない。それなのに旅行支援で一部業界だけにお溢れが。そんな政治を許しておいて良いのか?それを変える第一歩が今度の選挙だ
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高石市議選での共産党凋落の原因を問う

2023年05月10日 22時15分33秒 | 未完の政権交代

 

共産党が議席を前半の都道府県議・政令市議選で2割も、後半の市町村議選でも1割減らした今回の統一地方選挙。私がかつて住んでいた大阪府高石市の市議選でも、共産党は大きく得票を減らしました(参考記事)。その得票減は決して一過性のものではなく、構造的な要因によるものである事が、この20年来の得票推移で明らかになりました。(以下、市議選施行年、定数/立候補者数、投票率、共産党候補の票数、順位をリストアップ)
https://go2senkyo.com/local/jichitai/2406

1999年 17/22 69.32%
鈴木七重 1,922 2位当選
小谷 喬 1,465 9位当選
阪口孝雄 1,306 14位当選
出川康二 1,010 17位当選

今から24年前の1999年の市議選の時は、私も高石在住、いずみ生協在職中の共産党員で、鈴木さんのビラを近所でポスティングしたりしていました。選挙でも鈴木さんに投票しました。ちなみに、この時にトップ当選したのが、当時はまだ一介の市議に過ぎなかった阪口伸六氏でした。

2003年 17/18 73.48% 按分票は切り捨て
阪口孝雄 2,413 4位当選
出川康二 1,941 7位当選
福島恵子 1,755 9位当選

その次の2003年市議選の時は、私は既に生協を退職し求職活動中で、地域の共産党居住支部で活動中でした。選挙では共産党の誰かに入れたと思いますが、誰に入れたのかもうはっきり覚えていませんw。この時に同時に施行された高石市長選挙で、阪口伸六氏が初当選しました。この初当選については居住支部でも盛んに話題で持ち切りだったのを覚えています。

2007年 17/19 61.58%
西内 正 1,610 8位当選
出川康二 1,409 14位当選

2007年市議選あたりから共産党の凋落が始まりました。投票率と共に共産党の得票もガタッと減っています(6109→3019票に半減)。この時に市議にトップ当選したのが、当時無所属で出馬していた畑中政昭氏でした。橋下徹が大阪府知事に初当選したのが2008年ですから、この時はまだ「維新の会」(以下、維新と略す)は登場していません。一体、高石の政界に何が起こったのか?

この前後に私は共産党を離党しました。離党理由は、意見の違いやパワハラなんかではなく、今の会社に契約社員として採用され、勤務シフトの関係で党の支部会議に参加できなくなり、党費未納が続くようになったからです。但し、共産党の活動にも以前ほど魅力を感じなくなっていたのは事実です。でも、地域には共産党の知り合いもまだ大勢いたので、ボランティアでビラのポスティング等は続けていました。

その後も共産党は高石市議選で得票を減らし続けています。私も2017年8月に親父と喧嘩して実感を飛び出してからは、高石の知人との繋がりもなくなり、地元の情報も入らなくなりました。

2011年 17/21 60.00%
出川康二 1,494 8位当選
明石宏隆 1,161 14位当選

2015年 16/21 52.47%
出川康二 1,196 10位当選
明石宏隆 1,108 12位当選

2019年 16/19 52.31%
明石宏隆 1,045 13位当選
松田亜季 1,001 16位当選

2023年 15/22 56.53%
松田亜季  903 13位当選
明石宏隆  798 14位当選

最盛期には4人の議員団を抱え、党の得票も5~6千票あったのに、直近の市議選では2人合わせても1701票しか得票出来ず、本当に首の皮一枚繋がったような状態で、ようやく最下位当選。もう目も当てられない惨状です。

ここで改めて気が付いたのですが、共産党のベテラン議員の後を継いだ新人議員がいずれも一期で辞めています。鈴木七重氏、福島恵子氏、西内正氏しかり。これらの議員の活動実績についても、私の頭の中には余り記憶に残っていません。まだ党と何らかの繋がりがあった当時の私ですら、そんな状態なのですから、一般の有権者にとっては尚更です。

他方で、維新躍進の中でも、選挙のたびに得票を伸ばし、上位当選し続けている議員もいます。木戸あきら山敷めぐみの両市議です。この両氏は2人で「市民の声」という会派を作って議員活動されています。そして、周辺他市の市民派議員とも交流され、コンビナート防災や水道事業の府市統合問題に取り組んでおられます。過去にはそれぞれ阪口市長の対抗馬として市長選に出馬された事もあります。この時の市長選では、どちらも阪口市長に負けはしましたが、多い時は1万票以上の得票を得ています。「市民の声」の会派自体も、どちらかと言うと維新の進める公務員のリストラや民営化推進政策には批判的で、時には共産党と共闘したりもしています。

過去に市長選に出馬しただけあって、私もこの2人の議員については、名前を聞いたことはあります。2人とも公式ウェブサイトを運営されており、フェイスブックだけでなくブログやツイッター、ユーチューブ、議員通信などでも積極的に情報発信されています。だから、今もどの政党にも属していないにも関わらず、維新が躍進した今回の地方選挙においても、市議選では得票を伸ばし続け、上位当選し続けているのです。

2015年 16/21 52.47%
木戸あきら 1,503  5位当選
山敷めぐみ 1,429  7位当選

2019年 16/19 52.31%
木戸あきら 1,702  3位当選
山敷めぐみ 1,512  6位当選

2023年 15/22 56.53%
木戸あきら 1,691  5位当選
山敷めぐみ 1,632  6位当選

翻って前記の共産党市議はどうか?発信媒体はフェイスブックだけで、他の媒体については全然使いこなせていません。フェイスブックだけでは情報伝達力は限られます。それに、いくらネット全盛のご時世と言えども、ネットを使わない人も決して少なくありません。そういう人には、紙媒体の議員通信や街頭宣伝で、自らの政見や活動報告を伝えなければなりません。

少なくとも、木戸・山敷の両市議については、日頃どういう活動されているのか、公式ウェブサイトを見れば分かります。ところが、明石・松田の両市議は、どちらも共産党議員であり、「しんぶん赤旗」などの媒体や民商(民主商工会)などの人脈を使えば、諸派の議員よりもっと多くの情報を伝達できるはずなのに、一向にそれらを使いこなしているようには見受けられません。

明石さんは54歳の男性で、議員になる前はガソリンスタンドでアルバイトをしていたと聞きました。松田さんは39歳の女性で、幼稚園PTAの会長もされていたと聞いています。特に明石さんなぞは非正規雇用の経験もあるのですから、非正規労働者の気持ちも分かるはずです。「維新の会」の市議には非正規雇用の経験者なんてほとんどいません。女性の市議も皆無です。そういう意味では、少なくとも維新の議員よりは非正規労働者や女性の気持ちが分かるはずです。なのに、何故、木戸・山敷の両市議のように、コンスタントに得票を伸ばし続ける事が出来ないのか?

維新躍進の影響を受けているのは木戸・山敷の両市議も同じです。でも、この両市議は、その影響下においても、得票をコンスタントに伸ばし続け、今も上位当選を果たしています。共産党も2008年前後まではそれなりに得票していた訳ですから、「ソ連・中国の悪いイメージから来る共産党アレルギー」だけでは凋落の説明が付きません。かつて共産党の幹部だった松竹伸幸さん・鈴木元さんが先日相次いで党を除名された影響も勿論ないとは言えませんが、それがいきなり小都市の一市議選にまで直接響くとも思えません。

共産党の票が維新に流れているのは事実ですが、それはあくまで結果論です。では、何故、共産党の票が維新に流れるようになってしまったのか?言い換えれば、有権者は自民党政治からの転換を、何故、共産党ではなく維新に託すようになってしまったのか?かつての「革新政党」の伝統や実績の上にあぐらをかき、こまめな日常活動を怠って来たからではないでしょうか?フェイスブックでしか情報発信しない。議員通信も出さない。だから知名度もない。新人議員の育成もうまくいかず、ひどい場合は1期だけで使い捨て。これでは得票が大きく目減りするのも当然です。

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石原、オマエモナー( ´∀`)

2010年08月26日 23時13分57秒 | 未完の政権交代
    

・民主はもっと混乱=小沢氏の党代表選出馬で-石原都知事(時事通信)
>東京都の石原慎太郎知事は26日、民主党の小沢一郎前幹事長が党代表選に出馬する意向を表明したことについて「民主党はもっと混乱する。金権陣営と無為無策陣営の対立だ。これで政界の再編成が進むだろう」との見方を示した。都庁内で記者団の質問に答えた。
 石原知事は「小沢氏の(政治とカネなど)いろんな問題に納得している国民はいるのか。その人間をかついで総理大臣にしたときに日本のプレステージ(権威)はどうなるのか」と強く批判した。
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010082600474

 小沢一郎の民主党代表選出馬で、俄然、政界がきな臭くなってきました。どうせ今後当分の間は、民主党代表選がニュース報道の中心になるでしょうから、最初に自分の立場表明だけしておきます。

 何が「金権陣営と無為無策陣営の対立」かよ。石原、お前も小沢や菅と同類じゃないか。
 贅沢三昧・物見遊山の海外出張、四男・延啓(のぶひろ)の外郭団体(トーキョーワンダーサイト)縁故採用、見栄と浪費の東京五輪誘致、ダイオキシン汚染地への築地市場移転強行・・・そんなお前の金権腐敗・無為無策ぶりが、先の都知事選挙でも一大争点になったのを、もう忘れたのか。

 それをマスコミは、何かにつけて石原をもてはやし、こいつを甘やかすから、こんな、世界では相手にされないようなネオコン・ネオナチのバカウヨ爺が付け上がるのです。民主党(第二自民党)の菅・小沢も、元祖自民党で現・たちあがれ日本(第三自民党)支持の石原も、ともに、自民党政治の残滓を引きずる旧体制の遺物でしかない。こんな政治家は一刻も早く政界から放逐し、日本の政治を更に前に進めなければならない。

(追記)
 上記の石原の罪状のうちの「ダイオキシン汚染地への築地市場移転強行」については、「ぼうごなつこ」さんの漫画イラストによる説明が、非常に分かりやすい。お勧めです。
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ワイドショー人気の極左w新内閣

2010年06月08日 06時32分31秒 | 未完の政権交代
 今日は少し早めに目が覚めたので、出勤までの合間を利用して、菅・新内閣についても少し軽めの記事を。
 鳩山から菅に首相が代わった途端に、2割を切っていた内閣支持率が6割余りにまで回復したとの事。私の勤め先でも、休憩時間にテレビのワイドショーで「菅直人物語」をやっていて、それを見た事務パートのオバハン連中が、「菅さんの奥さんって素敵!」「菅さんカッコイイ!」と言っていました。

 私、「こいつらアホか」と思いましたね。前の首相が退陣したので、副首相が首相に昇格しただけの事でしょう。もともと、菅も前首相の鳩山も同じ民主党内閣で、基本政策も殆ど同じ。しかも閣僚も大半が留任。
 巷で言われている「小沢・前幹事長との距離」にしても、同じ党内、同じ考え方の人たちの間での、「誰それとはウマが合う、合わない」という程度の違いでしかない。しかし、それ位しか「売り」になりそうな特徴がないので、マスコミもそこしか言わないのです。その程度の違いでしかないのに、何を大騒ぎしているのでしょうかね。
 そんなんで内閣支持率の回復が図れるのなら、何度でも辞任で事足りる。今頃、鳩山・小沢・輿石の三人は、さぞや高笑いしている事でしょう。

 おまけに、石原慎太郎に至っては、そんな菅内閣すら「極左」呼ばわりとは。あの小沢筆頭に、党幹部の大半が自民党出身者で占められ、普天間にしても、その他の問題にしても、実際は自民党政治と大同小異で、すっかり「政権交代」の化けの皮が剥げた民主党政権に対して、まだこんな事言っているのですかね。こんな批判しか出来ないんですかね。
 社会党出身者が比較的多いから「極左」ですか。その元社会党の人たちは、社会党的なものは全部捨てて、民主党に雪崩れ込んで来たのですがね。
 それでも元出身者だからと言うのであれば、元共産党員も多くいる、「新しい歴史教科書をつくる会」とか「北朝鮮に拉致された日本人を救う会」は、一体どうなるんでしょうかね。あれも「極左」団体なんですかねw。極右の石原から見たら、自民党ですら「左翼」に見えて仕方がないんでしょうね。

(追記)
 以下、帰宅後に夕刊から転載。新閣僚の名前ぐらいは押さえておこうと思ったので。
 ところで、菅直人が首相就任会見で述べた、「国民の不幸を最小限度に抑える、戦争と貧困を無くすのが政治だ」という発言に対して。「また心にもない事を」と、私の様に斜に構える人もいれば、逆にそれをまともに受け止めて、「社会主義だ」と反発する人もいる様で。それが「社会主義」なら結構な事じゃないですか。反対に資本主義は、「国民の不幸を最大にする、戦争と貧困を広める」のですから。
 そうやって、社会保障も労組も生協も農協も、全て「社会主義的」「全体主義的」と決め付けるくせに、そういう人に限って「何でも国や会社に言いなり」の「全体主義者」だったりするのだから、矛盾も甚だしいという他ない。

 総理:菅 直人
 総務:原口一博(再任)、地域主権推進担当兼任
 法務:千葉景子(再任)
 外務:岡田克也(再任)
 財務:野田佳彦
 文科:川端達夫(再任) 
 厚労:長妻 昭(再任)、年金改革担当兼任
 農水:山田正彦
 経産:直嶋正行(再任)
 国交:前原誠司(再任)
 環境:小沢鋭仁(さきひと)(再任)
 防衛:北沢俊美(再任)
 官房:仙谷由人
 国家公安:中井 洽(ひろし)(再任)、拉致問題・防災担当兼任
 郵政金融:亀井静香(再任)
 国家戦略:荒井 聡、食品安全担当兼任
 公務員改革:玄葉光一郎、男女共同参画・「新しい公共」担当兼任
 行政刷新:蓮舫
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小沢一郎を真に乗り越える為に必要なもの

2010年02月07日 16時18分08秒 | 未完の政権交代
 

 昨年来から続いてきた小沢献金問題は、政治資金団体「陸山会」への4億円寄付がゼネコンからの賄賂によるものかどうかという、一番肝心な事は何一つ解明されないまま、元秘書3名の逮捕・保釈、小沢不起訴という曖昧決着で、とりあえず幕切れとなりました。
 本来ならば、「財界による政治支配」という根幹にこそメスが入れられなければならないのに、追及する方もされる方も、一部の例外を除いて、その根本問題には決して触れようとはせずに、お互いに相手を貶める為の政争の具としてのみ、この問題を利用してきました。だから、盛り上がっているのは、政争に加わっている当事者と、それに加担しているマスコミのみで、それに嫌々付き合わされてきた国民としては、「やっと終わったか」というのが正直な感想です。

 田中角栄や竹下登の愛弟子として、自民党の要職を歴任した後、新進党・自由党と渡り歩いてきた小沢が、清廉潔白な訳がないし、国民もそんな事は薄々分かっていた筈。それでも敢えて麻生自民党から小沢(鳩山)民主党への政権交代を国民が選択したのは、自民党政治の清算を小沢の豪腕に期待したからに他なりません。「同じワルならまだ反自民の方がマシ」という消去法での選択だったのです。
 自民党は、そこが全然分かっていないし、分かる事も出来ない。自民党が自民党である事を止めたら、もはや解党するしかないのは、自民党自身が一番良く分かっているから。だから「財界による政治支配」には一切手をつけず、企業・団体献金廃止にも頬かむりしたまま、ひたすら小沢への個人攻撃ばかりに血道をあげているのです。しかし、これまでの積年に渡る自民党政治の出鱈目さを思い知らされてきた国民には、もうそんな事は通用しない。

 他方で小沢(鳩山)民主党も、何故先の総選挙で国民が政権交代を選んだのかが、もう少しは自覚していると思っていたが、やはり何も分かっていなかったようです。だから、後期高齢者医療制度の見直しや普天間問題にしても、総選挙で示された民意に沿って、今までの自民党政治を改めさえすればそれで済む問題なのに、徒に迷走を繰り返すばかりで、要らぬ混乱を招いてしまっている。
 そうして、自民党政治をそのまま踏襲し続けたばかりに、沖縄・名護市長選での反基地派の勝利という、本来ならチャンスである筈のものまでピンチにしてしまうような体たらくなのですから、もうお話になりません。
 国民は、決してそんな小沢や民主党に満足している訳ではありません。今の小選挙区制の下では、これまでの自民党の悪政を止めるためには、まだ海のものとも山のものとも分からないが、自民党を下野させる最短距離の位置にいる民主党を、とりあえずは支持するしかなかった。だから、みんな民主党に投票したのです。それが本当に分かっていたら、小沢もこれまでのような横柄な態度は決して取れなかった筈です。

 それでも自民党を復活させる訳にはいきません。だから自民党・右翼や産経新聞の小沢民主党バッシングには組しない。しかし、当の小沢民主党も、過去の自民・民主大連立騒動を見れば分かるように、根本においては自民党と同床異夢なので、とても日刊ゲンダイの様に積極的に擁護する気にはなれない。
 では、自民・民主の両党以外であれば何でも良いのかとなると、勿論そうではありません。新自由主義で自民党以上に自民党的な「みんなの党」や、極右反動・排外主義のネオナチでしかない平沼・田母神・在特・新風なんてのは、もはや論外です。右派や新自由主義派に対する批判については、今まで散々書いてきましたので、ここではこれ以上書きませんが。
 だから私は左翼を、とりあえずは共産党を応援し、今も選挙のビラ撒きを手伝ったりしているのです。しかし、では何故、左翼が民主党にとって代わる事が出来ないのか。それをここでは考えてみました。

 確かに共産党は、自民・民主両党よりはよっぽどマシです。それは「政治とカネ」の問題一つとっても明らかです。でも実際には両党よりもはるかに小さい。勿論、それには小選挙区制の影響もあるでしょう。しかし、決してそれだけに解消は出来ないと思うのです。何故なら、私自身が、今はこの党についても、以前ほどには無条件で入れあげるような気持ちにはなれないから。
 何故そう思うようになったのかについては、確かに「いずみ生協」での体験が微妙に影を落としている部分はあると思います。また「ベルリンの壁」崩壊や北朝鮮問題も多少はあるでしょう。しかし、決してそれだけではありません。旧ソ連・中国・北朝鮮の実態なんて、別に今さら産経・正論やSAPIOなんて読まなくても、既に数十年も前から薄々は分かっていた事ですから。
 かつて20数万人の組織勢力を誇った民青(日本民主青年同盟:共産党系の青年組織)が今や2万数千規模にまで落ち込んでいるのも、決して「ベルリンの壁」崩壊や北朝鮮問題などだけが原因ではないと思います。より根本的には、これだけ個人が「自由」に(但し、あくまで括弧付きにですが)情報にアクセス出来る社会で、わざわざ何らかの組織に帰属して、それに縛り付けられている事の意義やメリットが、もはやどこにも見出せなくなったからです。現に、私が離党した最大の理由も、根本的にはそこにありましたから。だから、これは単に共産党や新左翼だけに限らず、実は自民党などにも共通する問題なのです。実際、自民党の党員数なども、過去と比べたら激減していますから。

 これは確かに重要な進歩なのかも知れません。今までは帰属組織の言いなりであった個人も、自分で情報を集め始めて、自律的に物を考えるようになったという事ですから。しかし、一概に手放しで喜べる事ばかりとも限らないのではないでしょうか。
 まず、一見自由に見える情報でも、実は財界・マスコミ資本によって巧妙に操作されているという問題があります。そして、それに対する個人はというと、組織への帰属・忠誠心からの解放と引き換えに、「何も信じられない」不信の荒野に、放り出されてしまったというのが、今の状況ではないでしょうか。この中で、単に左翼イデオロギーだけでなく、人類が長年にわたって獲得してきた自由・人権・民主主義や「科学的な物の見方」といった価値までもが、以前ほどには信用されなくなってきたのではないかと。だから、この問題は実は、単に「マルクス主義の凋落」だけで済まされるような、そんな単純な問題ではないのです。
 60年代にはあれだけ公民権運動やベトナム反戦運動が盛り上がった米国で、今や地動説も信じない人々がネオコンに靡いてしまうようになってしまったのが、その何よりの証拠です。それは日本でも同じで、かつては社会党や共産党を支持した人たちまでもが、スピリチュアルや田母神や小沢の虜になってしまったのも、それが原因ではないかと。

 その様な「不信の荒野」の中で、「一刻も早く自民党政治を変えたい」という、それ自身は当然の要求から、小沢の豪腕に期待する人についても、同じ事が言えるのではないでしょうか。民主主義の面倒な過程をすっ飛ばして、手軽に成果だけを手に入れる為に、誰かの豪腕に他力本願ですがろうとしている、という点で。確かに、その気持ちはよく分かります。私自身がそうでしたから。
 しかし、それでは、ヒットラーや橋下徹・石原慎太郎・森田健作・サルコジ・ベルルスコーニらの豪腕に期待した人と、結局は同じではないかと。消極的とはいえ小沢に一縷の望みを託した私も含めて、その他力本願の「横着民主主義」意識から脱却出来てこそ、初めて国民は小沢・橋下や民主党をも乗り越えて、真の自律や自民党政治の転換を実現できるようになるのではないでしょうか。
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政権買収

2009年11月27日 23時51分31秒 | 未完の政権交代
官房機密費 政権引き継ぎ時金庫カラ 塩川議員が質問(09.11.20)


 鳩山献金問題が、ここに来て、マスコミによってしきりに取り上げられています。曰く、個人献金の上限枠を超える額が献金されていたとか、実母からの莫大な献金が政治資金収支報告書に計上されていない、とか。
 これだけなら、前・自民党政権時代と変わらぬ「よくある話」でしかない。民主党なんて、何だかんだ言っても、その本質は「第二自民」である事は確かなのですから。「それでも少しでも自民党の悪政を止めてくれるなら」という事で、先の総選挙では多くの人が民主党に一票を投じたのです。だから、それを攻撃する自民党に対しても、「目くそ鼻くそ(どころか寧ろこちらが金権腐敗本家)の自民党に、民主党を批判する資格があるのか?」と言うのが、大方の人の気持ちでしょう。

 私としては、こんな「よくある話」よりも、寧ろ官房機密費の行方のほうが、遥かに気になります。「国益のため」との名分さえつけば、使途自由で領収書も不要の、「掴み金」同然の機密費が、麻生・自民党政権の退陣間際に2億5千万も引き出されたと言うのに、後任の鳩山・民主党政権も、それに対して「前政権の事だから」と済ませるのみで、異を一切唱えないという。鳩山献金問題で、あれだけ自民党に攻撃されながら、この問題では何も反論しようとしない、この不思議。
 かつての社会党がそうだったように、野党時代の主張を軒並み後退しだして。これを「出来レース」と呼ばずして、一体何と呼ぶ。これでは「政権交代」ならぬ只の「政権買収」ではないか。事と次第によっては、自民も民主も只では済まないし、当然済まされる話でもない。

・鳩山首相元秘書を在宅起訴へ 偽装献金2億円超 東京地検(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091124/crm0911241044006-n1.htm
・実母から首相に十数億円 実母の参考人聴取も検討(同上)
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091126/crm0911260146004-n1.htm
・金庫カラにし自民下野 機密費、突出の2.5億円支出(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/politics/update/1120/TKY200911200338.html
・使途不明の官房機密費/自公政権-総選挙2日後に2億5000万円/鳩山政権-すでに1億2000万円(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-11-20/2009112001_01_1.html
・内閣官房機密費について(追記あり)(村野瀬玲奈の秘書課広報室)
 http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1523.html
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民主党新人議員の可能性と限界

2009年11月19日 00時16分28秒 | 未完の政権交代
 

 以下は、私の行きつけの鍼灸医さん(以下、医と略す)との、ごく最近のある日における診察中の対話からの抜粋です。話を分かりやすくする為に、細部の会話については若干編集を施していますが、基本的な会話の流れについては、実際のものとほぼ同じです。

医:××(私の本名)さん、その後お変わりありませんか?

私:お蔭様で、首もすっかり良くなりました。ところで、前にも先生に言っていた、民主党に対する私の素朴な疑問について。解く手がかりとなるような記事をたまたま見つけましてね。読んでみると、結構なるほどと思う部分があって。

医:ほう、それはどんな記事ですか。

私:岩波書店から出ている「世界」という雑誌の最新号に載っていた、渡辺治という一橋大学の教授が書いた論文です(下記注参照)。

私:ほら、あの時私が言っていた二つの疑問があったでしょう。
 「国民生活が第一」「コンクリートから人の政治へ」と、自公政権が進めた弱肉強食の政治をさんざん批判して政権の座に着いた民主党が、何故またよりによって、「事業仕分け」では小泉政権時代のブレーンや規制緩和論者を重用しているのか。また、選挙前は盛んに廃止や見直しを主張していた後期高齢者医療制度や沖縄米軍基地の問題も、政権をとった途端に、自民党と同じような言い訳をやりだしたのか。「コンクリートから人へ」というのも、所詮は「口から出まかせ」だったのか。これが一つ。
 そしてもう一つは、たとえ仮に「口から出まかせ」だったとしても、元は「自民党以上に自民党的」なタカ派の新自由主義者だった小沢が、政権奪回の為とは言え、何故それまでよりも「左寄り」の公約を敢えて掲げたのか。ひょっとして小沢は、少なくとも選挙前には、本当に新自由主義(市場原理主義)から社会民主主義(福祉国家を肯定)に立場を変えていたのか。この二つの疑問について、論文で分析しているのですよ。

医:で、どんな事が書いてありました?

私:まず、この論文では、今度の総選挙で民主党を押し上げた有権者には、正反対の二つの流れがあるという事を、ここ数年間の宮崎県と東京都における自民党と民主党の比例得票率の推移を例に挙げて説明しています。
 小泉構造改革による地方切捨ての結果、かつて保守の金城湯池であった宮崎でも自民党の支持基盤が崩壊し、今や民主党が第一党となっています。あの小泉郵政解散の年(’05年)ですら、宮崎では得票率が下がっています。それに引き換え東京では、郵政選挙で自民党が得票率を一旦4割台にまで押し上げた後、また民主党に挽回されています(上記グラフ参照)。
 つまり、東京の民主党支持者の少なくない部分は、「格差社会批判」に共鳴した宮崎などの地方とは逆に、小泉構造改革の支持者だったのではないか、という事です。同じ民主党でも、小泉構造改革支持の新自由主義的な考え方の人と、それに批判的な社会民主主義的な考え方の人の、正反対の流れがあり、今回はその両方から民主党が支持されたので、あれだけの議席が取れたのだ、という事です。

医:ふむ、今回民主党をここまで押し上げたのは、必ずしも「格差社会批判票」だけではない、「批判票」とともに「格差社会肯定票」も少なからず在る、という事ですね。

私:そうです。民主党支持層には、格差社会を批判する人たちもいれば、逆に格差社会の恩恵を蒙る、六本木ヒルズや田園調布に住む「勝ち組」みたいな人たちもいる、という事です。単純に「格差社会批判が民主党を押し上げた」という訳でもないのです。
 前者を純粋な「嫌・自民」票とするならば、後者は寧ろ「自公政権が進めた構造改革にすら飽き足らない=超・自民」票ともいうべき人たちですです。つまり、自民党による構造改革が頓挫したので、再び民主党に戻った人たち。その中には、民主党すら離党して「みんなの党」に行った浅尾慶一郎みたいな人もいる。

医:ははあ、それで、「生活が一番」とか「コンクリートよりも人を大事に」とか言って、「派遣村」村長を国家戦略室の参与に引き立てたり、貧困率を公表したりして、それなりに貧困・格差問題にも本腰を入れて取り組むかのような姿勢を見せる一方で、「事業仕分け」では、大企業優遇税制や米軍への思いやり予算には一切手をつけず、福祉や医療ばかりを槍玉に上げる、自公政権時代の「経済財政諮問会議」と同じような議論が横行しているのか。
 民主党が「派遣切り」を批判しても、それが新自由主義・資本主義やそれを進めた政財界への批判には直接向かわず、最後には単なる「官僚叩き」に話がすり変わってしまうのも、その為だったのか。

私:それを踏まえた上で、民主党内には三つの潮流があると、その論文には書かれています。
 その第一は、鳩山・菅ら旧さきがけ系の現執行部を中心とする<頭>の部分です。元「社民・リベラル」として「格差社会批判」も口にするが、基本はあくまで新自由主義。だから、「友愛」を唱えながら「保育所の民営化」を進めたりする。
 第二が、小沢・岡田ら旧新進・自由党系を中心とする<胴体>の部分です。元「社民・リベラル」の第一グループとは違い、自民・保守系から新自由主義に移行した人たちです。こちらも基本はあくまで新自由主義ですが、その一方で、昔の自民党的な体質も色濃く残しています。
 第三は、民主党の中堅・新人議員から成る<手足>の部分です。実は、彼の人たちが、民主党を社会民主主義の方向に引っ張っている原動力なのです。薬害肝炎訴訟原告の福田衣里子など、市民運動を背景に当選してきた人たちも、その中には少なくありません。最も今の民意を反映しているのもこの潮流で、渡辺教授もこの人たちに民主党改革の期待を寄せているのですが、如何せん、これらの人たちには、確固たる思想的バックボーンがありません。
 これらの人たちは、確かに露骨な右傾化や新自由主義には批判的ですが、但しその批判も、あくまで心情的な域に止まります。だから、憲法9条改正反対と言いながら、国連のお墨付きさえあれば海外派兵も容認してしまう。そんな人たちなので、下手すると一生<手足>として、鳩山や小沢にあごでこき使われるだけの存在に終わる可能性も、無きにしも非ずなのです。

医:なるほど。福田衣里子も確かに頑張ってはいるのだろうけれど、悪く言えば「薬害肝炎訴訟だけが売り」「それを取ったら只のオバチャン」でしかないわね。
 小沢が、彼らを行政刷新会議のメンバーから外し、ひたすら「党の研修」と「選挙区活動」に縛り付けているのも、単に、一期限りで終わった大半の小泉チルドレンの轍を踏まさないというだけではなく、ひたすら<駒>として働け、という事かも知れませんね。
 小沢が<王将>だとしたら、民主党の顔として自分にはないソフトイメージを演出できる鳩山や、それを支える菅・岡田は、縦横無尽に使える<飛車・角>といった所か。外側から脇を固める社民党・福島や国民新党・亀井や、閣外に「建設的お目付け役」として布陣する共産党は、差し詰め<金・銀>、辻元は一本調子の<香車>だとすると、今はまだ小沢チルドレンにしか過ぎない民主党新人議員なぞ、只の<府>といった所か・・・。<府>がせめて<金・銀>ぐらいまで成長してくれたら、また違う展開も期待できるのだが・・・。

(注)渡辺治「新自由主義転換期の日本と東京―変革の対抗的構造を探る―」(岩波書店「世界」2009年12月号所収)
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ブレフォーたちの呆れた憲法・人権感覚

2009年10月27日 22時41分41秒 | 未完の政権交代
【自民党ネットCM】ブレる男たち


 鳩山・民主党政権が早速ぶれ始めています。米軍基地の見直しと後期高齢者医療制度廃止を巡り、総選挙で掲げた公約を反故にしようとしています。
 前者については「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」、後者についても「後期高齢者医療制度は廃止し、(中略)国民皆保険を守る。廃止に伴う国民健康保険の負担増は国が支援する」と、それぞれ連立政権合意で謳っていました。
 それが、前者はゲーツ米国防長官にちょっと脅されただけで早速引っ込め、後者も、自民党・財界から脅されたのか、元々本気で取り組む気なぞサラサラ無かったのか、どちらか分かりませんが、とにかく廃止を先送りしようとしています。

・米軍普天間基地/外相「県外移設ない」/方針転換の発言(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-10-24/2009102401_01_1.html 
・後期医療の廃止/厚労相、先送り明言/保険証は奪わず(同上)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-10-24/2009102401_02_1.html

 後期高齢者医療制度については、拙ブログの過去記事「棄民医療制度の冷酷」をご参照下さい。また、沖縄の米軍基地問題については、下記の記事をご参照下さい。いずれも、とんでもない代物であり、廃止や撤去でしか根本的な解決はあり得ない事が、お分かりいただけると思います。

・辺野古での新基地建設計画は、なぜいけないのか?(あつこばのブログ)
 http://atsukoba.seesaa.net/article/39912507.html
・沖縄米軍基地問題について、民主党に言うべきこと(村野瀬玲奈の秘書課広報室)
 http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1485.html
 http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1486.html

 上記2つの問題、とりわけ現在喫緊の課題となりつつある在日米軍の再編・基地問題については、他のブログでも取り上げられているので、ここではこれ以上は触れません。
 ただ、これだけは言っておきます。実際には革新的代案があるにも関わらず、従来の自民党政治の発想から未だ抜け出せない民主党の足元を見透かした上で、「代案を示せ、示せない以上は廃止も撤去も一切罷りならぬ」と居丈高に言い放つような議論が、自民党・財界・米国筋から出ていますが、何をか況やです。
 たとえ代案があろうと無かろうと、ダメなものはダメなのです。「他に金を借りる当てが無い」からといって暴利の借金を支払い続ける。「禁断症状に耐えられない」からといって薬物依存を続ける。誰でもその愚かさが分かるのに、何故基地問題や医療制度の問題となると、諦めばかりが先に立つのか。それこそが、奴隷根性・植民地根性に絡めとられている事の、何よりの証ではないか。

 但し、そうは言っても、この沖縄や岩国の基地問題でも、後期高齢者医療制度の問題にしても、この程度の鳩山政権・民主党の「ぶれ」については、まだこちらでも想定内でした。元々は保守二大政党の片割れとして財界の肝入りで作られ、「自民党の落ちこぼれ」と「旧社会党の落ちこぼれ」が寄せ集まって出来た民主党。その民主党が中心となって出来た鳩山政権。そんな政党であり政権ですから、ぶれまくるのはある意味当然。こんな事は元より自明の上で、「それでも自民党政権が倒せるなら」という事で、票の一部を回したに過ぎないのですから。
 しかし、「ぶれ」も次の「天皇のお言葉」問題まで来ると、相当重症なのではないでしょうか。何故なら、基地問題にしても医療制度の問題にしても、どちらも政策次元の「ぶれ」であり、そういう意味では、まだ救いようがあるのでは、と思うのです。政策の「ぶれ」だけに止まるのであれば、国民の力で是正も可能でしょう。
 それに引き換え、「天皇のお言葉」問題で図らずも露呈したような、思想次元の「ぶれ」、国内外から憲法観や人権感覚をも問われかねないような「ぶれ」となると、そこから正していかないといけないのかと思うと、いささか気が滅入ります。何故か不思議と、マスコミもあまりこの問題は取り上げていないようなので(産経の様な一部偏執狂メディアを除いて)、ここではこちらを主に取り上げる事にします。

・天皇陛下のお言葉:岡田外相の見直し発言 西岡氏が批判(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091024k0000m010070000c.html

 岡田外相が、国会での「天皇のお言葉」に見直しを求めたのが、同じ与党・民主党の西岡武夫氏に言わせると「越権行為」なのだそうです。「天皇の政治的中立を損なう」との事ですが、何をか況やです。
 「天皇の政治的中立」とか「君臨すれども統治せず」と言うのは、あくまでも「天皇が政治に口出ししてはいけない」という事の筈です。だから日本国憲法第7条で、天皇の国事行為の範囲が厳格に定められているのです。政治に口出ししてはいけないのは、あくまで天皇であって、国民ではありません。主権者たる国民は、天皇制の存廃も含めて、自由に議論できる筈です。だから、憲法第1条にも「(天皇の)地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」とあるのでしょうが。
 それを、何が「私どもが政治的にあれこれ言うことは、あってはならない」(西岡)かよ。バカじゃないか。トンデモな難癖つけた西岡も西岡なら、そんな難癖如きにいちいち動揺する民主党も民主党だ。21世紀にもなって「天皇機関説」事件の再現とは。天皇は日本の金正日かい。

 このニュースですが、米軍基地や後期高齢者医療制度の問題では大いに論陣を張っていた先の「しんぶん赤旗」ですら、あまり大きくは扱っていませんでした。そして、他の「ブルジョア・マスコミ」に至っては推して知るべしで、偏執狂の産経など以外は、申し訳程度に触れただけで、取り上げ方も、どちらかというと西岡のほうに同情的な感じなのは否めませんでした。
 しかし私としては、在日米軍再編問題や医療制度の問題よりも、寧ろこちらのニュースのほうで、民主党の「軸不在」ぶりに呆れさせられました。そんな体たらくだから、元祖「ダメ」フォー・(不祥事で閣僚)「辞め」フォー・(政権)「投げ」フォー・(挙句に選挙でボロ)「負け」フォーの自民党ごときにまで舐められるのだろうが!
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続・八ッ場ダム問題考―毒食らわば皿までも

2009年09月28日 23時00分32秒 | 未完の政権交代
 

 先日アップした八ッ場ダム関連記事の続きです。
 「薮蛇」とはこんな事を言うのでしょうか。鳩山新政権の苦難の船出を印象付けるかのような報道ぶりから始まった、この八ッ場ダム建設見直し問題ですが、ネガティブ報道の当初意図とは逆に、このダム建設の恥部が続々と明るみに出てきました。建設推進派による「やらせ」インタビューから、自民党政権時代から続く国交省職員の関連公益法人・ゼネコンへの天下り、巨額補償金の闇から鉱毒汚染の隠蔽まで、もう底なしの様相を示し始めています。

 まずは9月28日付「日刊ゲンダイ」の下記記事(写真左上)から。
………………………………………………………………………………
 群馬県は総理大臣を4人も出した保守王国だし、長野原町には古くから地元のドンもいる。テレビに出て、ダム中止に怒りをあらわにする住民は、「群馬を牛耳ってきた自民党の関係筋ばかり」(事情通)だという。そうでない地元民は、「おかしいと思っても口には出せない。あからさまにダム建設の中止を訴えれば、あとで何をされるか分らない」と語る。しっぺ返しを恐れているから、反対の声が聞こえてこないわけだ。ダム中止反対は、いわば「つくられた民意」(前出の事情通)というから変な話だ。
 もうひとつ、彼らを”推進派”に押しやっているのが「補償金」だ。これまでほとんど報じられていないが、この問題が地元民を縛っている。
「補償金問題は表に出ず、ブラックボックスになっているのが現実です。」
 こう指摘するのは、「八ッ場ダム・足で歩いた現地ルポ」の著者で、ジャーナリストの鈴木郁子氏だ。
(中略)
「立ち退きのための補償金については個々の家の資産によってマチマチで、どこも言いたがりませんし、情報公開を取っても非開示なのです」(前出の鈴木郁子氏)
 本紙の取材では最高の家で10億円近いとささやかれていた。
 移転を決意した人にとって、こうした補償制度が見直されたり、元に戻ることが怖い。それで「ダム建設を計画通りに進めてほしい」の合唱になるわけだ。すでにダム建設予定地周辺には、道路建設費も含めて3217億円の税金が投じられている。ダム本体建設にはさらに1400億円が予定され、そういった工事をアテにしている地元民も多い。地元観光協会や旅館関係者はダム完成後の新しい観光地に期待している。ここで中止は死活問題というのもうなずける。
 しかし、民主党は生活再建を支援するための特別措置法を準備し、何も過去の補償金を召し上げるつもりもない。国が買い上げた田畑をもう一度借りて農業を続ける方法だってある。
 世間は水没住民に同情する人ばかりではない。騒動拡大以来、長野原町の役場には全国から「ダム建設中止は当然だ」「地元だけの損得で反対するな」という抗議の電話が殺到している。(後略)
………………………………………………………………………………

 正にアメとムチ。なるほど、そうやって反対運動を切り崩し、住民の口を封じてきたのか。しかも、話はそれだけに止まらない。そこまでして建設推進に固執する八ッ場ダムが、これがまた普通のダムには非じ、相当イワクつきの”物件”なのだ。

 以下、「八ッ場あしたの会」HPの記述から抜粋。
………………………………………………………………………………
品木ダムでは、中和によって生じた大量の中和生成物と土砂からなる沈殿物を浚渫、脱水し、流域内の周辺山林を借り受けた処分場で埋め立て作業を行っています。上流の火山性の脆い地質が原因で、品木ダムに流入する土砂は当初の予測より遥かに多く、堆砂率はすでに8割を超えていますが、次第に処分場の用地確保が難しい状況となっています(浚渫物はヒ素を含むため、流域外での処分が困難)。中和、浚渫、沈殿物の処分などの総費用は、人件費も含めて年間10億円となっています。
(品木ダムの堆砂データ:略)
中和事業によって、吾妻川の水質は弱酸性となりました(八ッ場ダム予定地で、pH4.77~5.99)。しかし八ッ場ダムが完成した場合、品木ダムが満杯になれば、中和生成物は八ッ場ダムに流入し、八ッ場ダムは中和生成物の沈殿池を兼ねることになります。藻類の異常増殖と相まって、ダム湖は異様な色を呈し、地域にとってマイナスイメージとなることは確実です。
また、中和生成物の流入は、堆砂率の進行要因となり、ダムの寿命を一層短くすることにもつながります。
………………………………………………………………………………

 前回記事でも少し触れましたが、火山地帯を流れる吾妻川は、元々は魚も棲めない強酸性の「死の川」でした。八ッ場ダムの建設に先立って、まず川の水質を中和しなければなりませんでした。その為に、八ッ場ダムのさらに上流に作られたのが品木ダムでした。
 このダムは、水質中和の為に上流の支流で投入された石灰ミルクと川の水を、互いに混ぜ合わせてPH値を平常に保つ為に作られました。
 そうまでして、やっとどうにか川の水質をダムの使用に耐え得るレベルにまで改善する事が出来たのですが、その品木ダムも、数十年後には土砂や中和生成物のヘドロが堆積して、使いものにならなくなります。そうなれば今度は八ッ場ダムが、品木ダムに代わりに中和用ダムとして、上流の火山・温泉・鉱山からの硫黄や砒素を含んだ毒水を溜め込む事になるのです。
 もはやここまで来ると、「毒(巨額補償金)食らわば皿(毒水)までも」という他ありません。正しく喜悲劇以外の何物でもない。この一事を以ってしても、日本は明治時代の足尾銅山鉱毒事件の昔から、何も変わっていないのではないかと、思わざるを得ません。水俣病やイタイイタイ病の悲劇を、また繰り返すつもりなのでしょうか。
(下記画像は上から順に、現場周辺図、石灰投入、品木ダム湖などの映像)
 
 
 

 最後に、八ッ場ダム問題に関する所謂「改革派」知事のスタンスも見ておきましょう。同じ「日刊ゲンダイ」の同日付第一面の記事に、彼らの発言が載っています。それらの発言からも、自称「改革派」のこれら知事が、実際はこれまでの保守系知事ともさして変わらない事がよく分かります(下記参照)。こんなエセ「改革派」「地方分権」偽装の「隠れ自民」には、くれぐれも騙されないようにしなければいけません。こいつらも「毒食らわば皿までも」一味の立派なお仲間です。

○上田清司(埼玉県知事)
「民主党の公約そのものがルールを無視したもの。」「カネを返せばいいというものじゃない」
○森田健作(千葉県知事)
「私も視察に行ったが、あの状況で止めるのは大変。地元の人達の国への信頼もなくなり、協力への躊躇が出るのではないか。」
○石原慎太郎(東京都知事)
「基本的に建設反対に反対。7割もできているプロジェクトをやめる意味は、理解できない。」
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