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サイケおやじの生活と音楽

ストーンズの「ゲット・ヤー」別バージョン

2009-04-10 12:04:50 | Rolling Stones

Get Yer Alternate Ya-Ya's Out 1969 / The Rolling Stones (Idol Mind)

今もギンギンに転がりつづけるストーンズは、何時の時代も好きですが、殊更1969年は特別だと思います。

それはバンドの要であったブライアン・ジョーンズを失って、もはやこれまで……、と思われたどん底から這い上がった執念! そして新作レコーディングの素晴らしい成果と久々に現場復帰が叶った強烈なライブステージ!

そうした当時の諸々が映画では「ギミー・シェルター」、レコードではライブ盤「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト」で克明に楽しめるわけですが、特に後者では驚異的な売り上げで海賊盤の存在意義を強くしたブートの名盤が出回り、まさに今に繋がるストーンズの全てが、ここから再スタートしています。

さて、本日ご紹介のアルバムも、そうした歴史を如実に物語る1枚で、先週ゲットしたばかりの新作ブートです。

元ネタは前述した公式ライブアルバム「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト」のデモミックスを収録したアセテート盤ですが、これは既にストーンズのブートでは大御所の Vinyl Gang Pro. から「Fuck yer Ya Ya's Out!」として発売され、名盤認定されていたものです。

しかしそれには欠点があり、流出したアセテート盤の前半に大きな傷があった所為でしょうか、チリチリブチッという周期的なノイズが約1秒おきに入っていたのです。

それが今回のブツでは、奇跡的に別なアセテート盤が発見されたことにより、ちょっとした別物として素直に楽しめるようになりました。

もちろんアセテート盤そのものにあるチリチリという針音ノイズは避けようもありませんが、それを無理に消し去ることの無いリマスターと相当に高くなった音圧ゆえに、なかなか迫力のある音作りになっていますので、公式盤と比べて随所に違う部分がたっふぷと楽しめます。

 01 Opening
 02 Jumpin' Jack Flash
 03 Carol
 04 Stray Cat Blues
 05 Love In Vain
 06 Midnight Rambler
 07 Sympathy For The Devil
 08 Live With Me
 09 Little Queenie
 10 Honky Tonk Women
 11 Street Fighting Man

まず初っ端の「Jumpin' Jack Flash」では間奏で公式盤にはなかった、キース・リチャーズによるギターソロがダビングされています。しかも歓声はステレオなのに演奏はモノラルに近いミックスなんですねぇ~♪ ベースの音も太くて、これが意想外とも思える熱気です。

また続く「Carol」も同様に演奏だけがモノラルに近いミックスですが、ここではミックスダウンの様々な試みというか、フェーダーを上げ下げして音量を調節している感じが楽しめますよ。

さらに「Stray Cat Blues」「Love In Vain」「Sympathy For The Devil」の3曲はステレオミックスながら、チャンネルが左右逆!

「Midnight Rambler」は演奏前のハーモニカとMC部分がノーカットですし、「Little Queenie」ではダビングされている3本目のギターがはっきりと聞こえ、逆にピアノがひっこんでいます。おまけにキース・リチャーズが自分で楽しんでいるコーラスが良い感じ♪♪~♪ これは続く「Honky Tonk Women」でも、コーラスで歌いまくりのキース・リチャーズというお楽しみに繋がります。

その他にもミック・ジャガーのMCやボーカルが、随所で違いまくって書ききれないほどですし、当然ながら歓声のミックスも大きく異なっていますので、このあたりは何れ、拙サイト「サイケおやじ館」の「転石音盤史」で解明していく所存です。

ちなみにボーナストラックは、逆ミックスになっていた前述3曲を公式盤と同じにする逆々ミックスで収録していますよ。これもまた、嬉しいですね。

 12 Stray Cat Blues
 13 Love In Vain 
 14 Sympathy For The Devil

う~ん、それにしても1969年のストーンズは、やはり格別! なんというかヘヴィなグルーヴがドロドロにファンキーなんですねぇ~♪ それは多分、キース・リチャーズもミック・テイラーもエレキはギブソンのギターを使っているからじゃないでしょうか? ライブの現場で、これほど重量感のある、迫力の音が作りだされたのは最高! それをしっかりと録音したグリン・ジョンズの手腕にも拍手喝采ですし、そういう音の作り方の一端が、このブートでは楽しめると思います。

ということで、なかなか素敵なブツなんですが、残念ながらCDRです。まあ、それゆえに罪悪感が無いということも苦笑なんですが、そのあたりをご承知の上でしたら、海賊盤入門には最適かもしれません。

最後になりましたが、これで火がついたサイケおやじは久々に「転石音盤史」も更新致しました。お題は映画「ギミー・シェルター」です。よろしくお願い致します。

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