■蘇る金狼のテーマ / 前野曜子 (キャニオン)
本当にバカヤローな仕事が続き、ブチ切れて辞めてやろうと思っても、やっぱり度胸の無いサイケおやじにはそれが出来ません。
実際、自分の扱いを冷静に眺めても、完全に腰がぬけている情けなさですよ……。
しかし、心の奥底には汚いお偉方への反抗心が消えていませんから、せめて気分は大藪春彦&松田優作の「蘇る金狼」で!?!
そう思うのが今日の本音であって、掲載したシングル盤を朝から鳴らしてしまった事についても、皆様のご理解を願うばかりでございます。
ちなみに説明不要かとは思いますが、大藪春彦の原作は昭和39(1964)年に発刊された人気作であり、松田優作主演の映画版は昭和54(1979)年に制作公開されての大ヒット作になりましたから、以降も様々なバリエーションによる映像化が続いています。
しかし松田優作主演版は、普段冴えないサラリーマンが実は裏の本性を剥き出しにしての野望達成を狙うという、原作の本筋をなかなか上手く纏めていましたし、何よりも松田優作のハードボイルドでクールなオトボケも見事な演技と佇まいが、一般にイメージされている期待を裏切りませんでした。
全裸でやられる風吹ジュンも良かったですねぇ~~♪
う~ん、これもまた、男のひとつの憧れであり、決して実現不可能な世界を虚構であるにせよ、銀幕の世界と映画館の闇の中という特殊空間で堪能出来たことは大いにありがたい話だったのです。
さて、そこで現在の自分の状況や心情を鑑みれば、その主人公のように強い目的意識で体を鍛えていたわけもなく、野望と実践的欲望を満たす手段としての女犯も出来ず、はたまた諦観的な破滅への道も辿れませんから、せめて主題歌によってムードに浸るのが関の山でしょうか。
実際、前野曜子がジワっと歌ってくれるそれは、ギスギスした心へ滲みわたるんですよねぇ~~♪
いゃ~、高音域での刹那のハスギーボイスによる歌い回しが全く絶妙♪♪~♪
もちろん楽曲そのもののメロディ&歌詞もロマンに満ちているんですけどねぇ、それを歌えるのも前野曜子の真骨頂でしょうが、彼女については何れ、じっくりと書きますので、今日はここまでと致します。
で、「蘇る金狼」の気分なんですが、当然ながらサイケおやじには松田優作演じるところの主人公のようなハードボイルドな生き方は出来るはずもありませんから、主題歌を聴いたせめてもの結論として、「蘇る勤労意欲」ってところですか……。
失礼致しました。