OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

コテコテ名曲集

2007-11-23 16:47:47 | Weblog

昨日の停電は雪で倒れた樹木が送電線を切ってしまったらしいです。そしてバンド練習が中止になったので、実家に戻りました。

しかし何となく疎んじられているような……。トホホ……。

ということで、本日は――

Slammin' & Jammin' / Charles Earland (Savnt)

誰が言ったか、所謂「コテコテ」系のメンツが大集合! おまけに演目が、全くのソレばかりですから、ジャケットも気合が入ったアルバムです。ちなみに発売は1998年頃でしたので、もちろんCDしか無いと思うのですが、これなんかアナログ盤でも欲しい雰囲気が横溢しています。

録音は1997年5月5日という子供の日! メンバーはチャールズ・アーランド(org)、カルロス・ガーネット(ts)、メルヴィン・スパークス(g)、Eric Sealls(el-b)、バーナード・パーディ(ds)、Gary Fritz(per) ですから、名前だけでヒクヒクしてしまいます――

01 Honky Tonk
 ビル・ドゲットが1956年8月にチャートの2位まで送り込んだ、元祖オルガンインストヒット曲のカバー♪ ここでの演奏は、メルヴィン・スパークスのギターを要にオリジナルのイナタイ雰囲気を大切にしながら、キメるところは現代感覚という楽しさが満喫出来ます。
 カルロス・ガーネットは1970年代前半ではバリバリの一線で活躍したモード系のテナーサックス奏者でしたが、何時しか消息不明となり、ここではテキサステナーのスタイルで見事に復活したというところでしょうか……。

02 Sugar
 ご存知、スタンリー・タレンタイン(ts) がオリジナルという哀愁のファンキー曲が、ここではちょっと早いテンポの4ビートで演奏されます。意外に軽やかなバーナード・パーディのドラミングが印象的!
 そしてアドリブパートでは、これも軽い雰囲気のメルヴィン・スパークスのギターが快調ですし、チャールズ・アーランドのオルガンは独特の浮遊感が嬉しいモード節♪ ここではエレキベースが抜けていますから、力感のある左手&足のベースウォーキングも楽しめます。

03 Mercy Mercy
 おお、次はキャノンボール・アダレイの大ヒット曲ですよっ♪ ここまでやると、もはやある種のハコバン状態ではあるんですが、憎めません。
 肝心の演奏はオリジナルのキモだったネバリ&もっさり感を排除し、エレキベースがビンビンのアクセントを付けたゴリゴリの雰囲気になっていますから、好き嫌いが別れるかもしれません。
 メルヴィン・スパークスがリードするテーマメロディから、ヒィヒィと泣いていくチャールズ・アーランドのオルガンアドリブ、さらにフックが効いたテーマメロディのリピート♪ 腰が浮きます。
 アドリブパートにおける脂っこさも良い感じのギターに絡んでくるオルガンと打楽器の執拗さも、個人的にはツボです。

04 When Johnny Comes Marching Home / ジョニーが凱旋する時
 あぁぁぁぁ~、今度はジミー・スミスの十八番に果敢な挑戦!
 イントロから炸裂するバーナード・パーディのセカンドライン系のマーチングドラムからチャールズ・アーランドの浮遊していくオルガンが、最高の気持ち良さです。
 そしてアドリブパートに入っては、痛快な4ビートでメルヴィン・スパークスが大熱演! ブッ飛ばしすぎてギスギスしている部分もあるんですが、止まらないスピード感は流石だと思います。
 するとチャールズ・アーランドも直線的なツッコミという得意技で対抗し、演奏はガンガン盛り上がっていくのでした。
 バーナード・パーディの凄さにも驚愕させられます。

05 Organyk Groove
 コンガがチャカポコと冴えわたる楽しい4ビート曲で、作者のカルロス・ガーネットがメインとなった演奏です。しかし実際に良いのはチャールス・アーランドのオルガンアドリブやリズム隊の快適なグルーヴでしょう。
 とは言え、ジョン・コルトレーン風の音符過多のスタイルを取り戻して熱演するカルロス・ガーネットには、胸を熱くする私なのでした。

06 Let The Music Play
 おぉ、これぞ待ってました! 16ビートの大ファンキー大会です♪
 メルヴィン・スパークスのリズムギターも気持ち良く、バンドアンサンブルのキメとかイナタイ雰囲気のサックスあたりは、ちょっとフィリンピンバンドみたいでもありますが、演奏が進むにつれて熱していくバンドのグルーヴは最高です。
 バーナード・パーディのヘヴィで軽いドラミングも素晴らしく、亜空間を彷徨うチャールズ・アーランドのオルガンやノリまくったメルヴィン・スパークスのギターソロ、さらには我が道を行くカルロス・ガーネットの開き直った熱演! 全くのファンキー天国が現出します。

07 Blues For Seaila
 一転して4ビートジャズの世界に逆戻りというか、痛快なグルーヴが持続した名演です。このスピード感は、たまりませんねっ!
 チャールズ・アーランドも正統派のフレーズを積み重ねていきますし、メルヴィン・スパークスはアドリブソロだけでなく、バッキングのコード弾きも快感です。

08 Mr. Magic
 オーラスはグローヴァー・ワシントンが十八番にしている往年のクロスオーバーヒット曲を、このメンツが演奏してくれるんですから、悶絶する他はありません。
 グッと重いビートが素晴らしく、カルロス・ガーネットが思わせぶりの強いテーマ吹奏♪ ちょっと微熱の気分ですが、後を引き継ぐメルヴィン・スパークスが、またまた快演! 正直、ちょっと飽き易いフレーズばかりなのですが、結果オーライでしょう。
 するとカロルス・ガーネットが魂の熱演というか、本領発揮の激烈吹奏です。この人は1970年代前半にはフュージョンにも色気を出していたわけですが、当時はイマイチ煮え切らなかったものに、ここで再挑戦した潔さに乾杯!
 またチャールズ・アーランドもシンプルで執拗な独自のオルガンスタイルを披露しています。

ということで、実は「コテコテ」よりも意外にジャズっぽい演奏が多いという肩透かしがあります。しかしそれが鮮やかなので♪♪~♪

特にメルヴィン・スパークスのギターは流れ過ぎるほどに流麗で、ちょっと飽きがくる感じなんですが……。またカロルス・ガーネットの久々の一線復帰も嬉しいところです。

個人的にはバーナード・パーディの活躍がイマイチ物足りないのが残念とはいえ、演目の良さもあって、ちょいと手放せない魅力に浸っています。

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