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啄木の歌

2013年05月04日 | 雑感

 3日の出来事、道内発の小さな記事から…、~韓国併合に啄木の怒り~というタイトル。「地図の上 朝鮮国にくろぐろと 墨をぬりつゝ 秋風を聴く」。 石川啄木が1910年(明治43)年の韓国併合について詠んだ短歌の歌碑が、北海道松前町の専念寺境内に建立(こんりゅう)され、3日に除幕式があった。

啄木を長年研究してきた七飯町の元小学校教諭、浅利政俊さん(82)が歌碑を建てた。戦時中、松前町では旧国鉄松前線敷設工事で大勢の朝鮮人、中国人労働者が働いていた。過酷な仕事で死亡者も出たが、実態は今も不明。専念寺の過去帳には10人の朝鮮人の名があり、浅利さんらが中心となって85年、境内(けいだい)に工事殉職者の慰霊碑を建てた。

以来、毎年、憲法記念日に慰霊法要が行われてきた。浅利さんは除幕式で、「韓国併合で日本が沸き立つ中、啄木は怒りを込めて詠んだ。この歌を通して、もっと韓国、朝鮮、アジアの人々と仲良くしていきましょう」と話した。(おわり)

 石川啄木がこんな社会派短歌を詠んでいるとは知らなかったので、一つ勉強になった。日本に連れてこられたアジアの人々の悲惨な実態を、偏見なく受け止めた日本人がいたということ。大きく報道されなくても、地方にはこうした時流に流されない気骨ある人がいるのだ、と勇気付けられる記事。

インターネットでは「田中龍作ジャーナル」が、よくこのような人々を取り上げている。少数ながらより大きな力に向かって抗議する人々、光が当たらない弱い立場の人々のことを。

アメリカの独立系「デモクラシーナウ」の日本語版を読むと、アメリカ政府の公式見解からは到底浮かび上がってこないような市民、様々な場所で戦っている人々が登場する。まさに草の根にふさわしい民主主義、抵抗することによって勝ち取っていく、市民とはそういう存在なのだと、歴史の違いを感じている。

 



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