もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

3 097 石井光太「世界の美しさをひとつでも多く見つけたい」(ポプラ新書;2013) 感想5

2014年05月01日 01時44分18秒 | 一日一冊読書開始
4月30日(水):

284ページ  所要時間 3:10

著者36歳(1977生まれ)。

今日は読めないと思ったが、返却日が迫ってるので無理に読むことにした。読み始めは、今回はいまいち感想3かな、と感じていた。読み進むうちに感想4と変わった。読み終わり直前に「少し甘いけど、感想5を付けたい気分だ」ということで、感想5になった。

確かに俺はこの著者に甘い、と思う。理由は明白だ。ルポルタージュ作家としての心根が良い。読みやすい文章、対象に対する共感力、優しさ、汲み取ろうとする意思の強さ、に俺の感性が納得し、満足させられるからだ。要するに、著者の作家としてのスタンスの確かさを信じられるということだ。

本書は、作家デビュー10年目を迎える著者の半生記とでもいえる内容で、前半は子どもの時から、家族のこと、作家を志した経緯、大学生活、パキスタン・アフガニスタン旅行から始まる世界放浪、旅行費捻出のための検査会社と風俗業を結ぶ歩合制の営業活動、そしてタイ・ベトナム・ラオス・カンボジア・ミャンマー取材旅行、『物乞う仏陀』出版。

後半は、その後今日までの作家活動と諸作品にまつわる話が展開されている。後半は、良い言葉が多かった。書きとめたくなる言葉の数々に付箋をしながら、徐々にだが、確実に本書と著者に対する評価が高まっていった。

取材対象の<小さな神様>と<小さな物語>を大切にしたい。きちんと伝えたい。という著者の感性には共感しないわけにはいかない。

目次:第1章 私が作家になったわけ/第2章 生命力を探す旅/第3章 小さな神様の発見/第4章 神様から物語へ/第5章 現場に引き寄せられて/第6章 感動の波紋


寝ます。明日も朝から仕事です…
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