もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

120304 やっぱりおかしいですよ!橋下大阪市長

2012年03月04日 20時45分03秒 | 日記
3月4日(日):

3月2日の169冊目 堤未果「社会の真実の見つけかた」(岩波ジュニア新書;2011)を読んで、

「アメリカでは2002年春、ブッシュによって市場原理中心の教育政策である「落ちこぼれゼロ法」が施行。全国一斉学力テストの実施、学力ノルマ基準を満たせず「落第」とされた場合、責任と非難は現場の教師一人ひとりに集中し、減給・解雇が行なわれる。公立学校も、国からの予算カット、廃校、民営化(チャータースクール)に追い込まれる。これによって、現在公立学校の先生たちの多くが、国から要求される子どもたちの学力ノルマ達成とワーキングプア化して余裕を失った保護者からの大量の難くせに追い詰められて<低廉な給与>と<疲弊の極み>でバーンアウト(燃え尽き)が急速に進行している。この政策は、2014年までに全米の公立高校の九割近くが「落第」になる見通しで、教育現場を荒廃させたというだけで完全に失敗に終わっている。この教育現場に市場原理を導入というのは、橋下大阪市長の言説とほぼ同じである。彼の教育政策はパフォーマンスではあるが、その破綻は実施する前から既知の事実なのだ。「公的予算削減と競争市場主義が生む教育格差が、民主主義を弱体化させれば、結局は国にとっても膨大なコストになる」ということだ。/略。なぜ、彼は長い時間と育むゆとりの必要な教育の現場に土足で踏み入り、市場原理で現場の取り組みを簡単に切って捨てて見せる<見世物>にしてしまったのか。」

と論じたが、本日3月4日の朝日新聞朝刊3ページで「落ちこぼれゼロ 夢の果て」「大阪に先行10年 NY150校淘汰」という【記者の署名入り特集記事(阿久沢悦子 記者)】が載っていた。

「大阪市の橋下市長が、矢継ぎ早の教育改革を打ち出している。教育をサービスととらえて保護者や子どもに学校を選択させ、選ばれなかった学校を統廃合して学力低下に悩む現場を立て直す構想だ。米国でも似た施策が進む。ブッシュ前政権が10年前につくった「落ちこぼれゼロ」法。教育から格差をなくすという理想を掲げて学校に競争と淘汰を導入したが、成果が上がらず見直しを求める声が強まっている。どこでつまずいたのか。」と提議して、「テストで選別」、「弱者置き去り」、「オバマ政権転換」の小見出しで記事は続く。最後は「批判の高まりを受け、オバマ大統領は1月24日の一般教書演説で「テストのための教育をやめよう」「もう教員を責めるのはやめよう」と宣言した。教員確保や、学区ごとの福祉・教育支援に予算を付け始めている。」とまとめている。また、「米国と大阪の教育改革の類似点」が表にして、学力テスト、教員評価、学校統廃合、留年、教育委員会、バウチャーと項目ごとに示されている。これを見ると、両者は、ほぼ同じ政策と言える。

橋下大阪市長は、「全く新しくない!」のだ。アメリカが、10年をかけて大きな犠牲を払って失敗を証明し、まさにやめようとしている<誤った教育政策>を、橋下市長は強引に押し付けようとしているのだ。

俺は、別に橋下さん自身に対して好き嫌いはない。ただ、彼の「善玉か、悪玉か」、「敵か、味方か」を単純に決めつけて、悪玉を敵として徹底的に血祭りに上げて見せる<勧善懲悪の田舎芝居>はもう十分過ぎるほど見飽きたのだ。そんな安っぽいメッキのまがいものによって、これ以上、日本の社会が育んできた深層の良質なコア部分が深く傷つけられて取り返しのつかないことになるのだけは我慢がならないのだ

もう臭い田舎芝居に騙される時代は、ブッシュと小泉・竹中だけで勘弁して下さいよ、「大阪維新の会?」ってもう名前だけで十分に臭いし、猿芝居っぽいじゃないですか!と言うのが本音なのだ。「王様は、裸だよ」って、そろそろどこかの子どもが叫んでもいいんじゃないか。こんな連中に、またもや日本は振りまわされていいのか?。そんな余裕はもうないはずなんだが…。

※昨日読んだ、170冊目 湯浅誠さんの「どんとこい、貧困! よりみちパン!セ」(イースト・プレス;2011)で教えられた人間の尊厳や市民社会に対する丁寧なまなざしや感覚で「大阪維新の会」という存在を眺めると、正直こっけい過ぎて仕方がないのだが…。しかも、「ぼくちゃん、お腹が痛いので総理大臣やめまちゅ」の安倍晋三まで、はしゃぎはじめてるのだ…。もう、うんざりである。我々は、もっと世の中を丁寧に見直す落ち着きを取り戻すべき時期に来ているはずだ。

乱文、失礼しました。
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