もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

190819 再掲:120929① 安倍政権というパンドラの箱を開いた責任は誰にあるのか? ※忘れないことが我々の闘いだ!

2019年08月20日 01時28分10秒 | 一年前
8月19日(月): 

120929① 安倍政権というパンドラの箱を開いた責任は誰にあるのか?
2012年09月29日 14時59分20秒 | 国家の信頼メルトダウン。民主党を打倒せよ

2012年9月29日(土):

 この2ヶ月間ほど、どんどん壊れていく日中・日韓の関係を観ていて、野田内閣の出来の悪い優等生の仮面を被って、真の泥を被る勇気の無い拙劣な外交に絶望的な気分になっている。野田内閣の政治に通底する姿勢は「私たちは、当り前のやるべきことを政治家としてやっているのだから絶対に引かない。どうしてみんなこんな当り前のことをやらずに避けて来たんだろう。ぼくは避けないでやっていくよ。みんなきっと本音では褒めてくれてるにちがいないさ」という意識だ。野田が本当に広い知見と奥深い洞察力と実力をもった政治家なら、それでも良かったかもしれない。しかし、彼はそうじゃない。端的に言えば、自民党右派にいても不思議でない松下政経塾出身の知恵の浅い、視野の狭い保守的我意の持ち主に過ぎなかった。三角大福中を始めとして、野中広務氏、河野洋平、村山、橋本、小渕、そしてサメの脳みその森、強かな小泉ですら、用心に用心を重ねて進めてきた東アジアの外交、国内政治に対して、野田が自覚すべきだったのは、彼よりも数段上の過去の老練でてだれの政治家たちが慎重に慎重に取り組んできた問題を扱うことに対する畏怖の念だっただろう。

 その後の安倍、麻生らの愚か者たちが総理をやるのを観ていて、野田は「それなら俺でもできる」と勘違いをしたのかもしれない。出発点から彼の狭小な保守的我意に基づく常識?を押し通すことで「俺は今までの誤魔化しの政治に対して「王様は裸だ!」と言っているのだ。本当は簡単なことなんだ。公式通りに、言うべきことは言う。やるべきことはやる。それで何の問題があるの? みんなきっと喝采を贈ってくれるさ」と勘違いし続けた。結局今日、彼自身が戦後稀に見る愚かな「裸の王様」になってしまい、雪隠詰めになった今も自分の誤りを認め、泥を被る勇気が無いまま、肩肘を張って、東アジアのナショナリズムを煽り、日本という国が戦後営々と積み重ねてきた民主主義の伝統に、右翼を呼び込み衆愚政治を生み出し、東アジアの国際関係でパンドラの箱を開けて日本を危機に陥れている。

 そもそも政治の基本中の基本は、虚心坦懐に相手の話をよくよく聴くことだ。自分の主義主張はあって当然だが、あくまでも相手の立場に立って、想像力を精一杯に働かせ、表からだけでなく、裏からも何本ものパイプを作って、二枚腰、三枚腰、いやもっともっと先を見据えて読みながら、慎重に前に進めていくのが常道だろう。その点から見ると、野田内閣の政治は、全くもって素人であって児戯に等しい。まず、民主党が政権をとれた原点は、自民党とは明らかに違う政治を行うことを約束したからだ。それは、マニフェストであり、国民の声を丁寧に聴く姿勢そのものだったはずだ。

 野田は、その国民との約束を反故にしてでも、コンセンサスの無い自らの狭小な保守的我意に基づき政策実現に突き進むことを「決められる政治」、「本当の政治をすることだ」と完全に勘違いしてしまった。国内では、マニフェストの最大のセールスポイントを次々と撤回し、国民との距離を生み出し、それを埋めるために官僚・財界との関係を深め、事実上の<官僚・財界言いなり内閣>となって、マニフェストと真逆の消費税増税を行なった。

 3.11の未曾有の震災と原発事故は、日本国民が全身全霊で乗り越えねばならない国難であると同時に、日本という国を大きなビジョンで生まれ変わらせる千載一遇のチャンスでもあった。最大の不幸は、菅内閣のあとを引き継いだ首相が、コソ泥のようなこの男だったことだ。原発問題と、今後の日本の将来を日本人自身が決めるべき最も大切なこの時期に、野田内閣は、保守的我意と功名心で塗り固められた厚顔で国民の声を全く無視して「消費税増税」を推し進め、民主党の内紛を引き起こし、下らない政局ごっこにうつつを抜かし始めた。そして、東北被災者たちの苦しみから、国民の目が逸らされ、被災者と原発問題に対する関心が薄められていった。将来のエネルギー問題に対するグランドビジョンを指し示して国民を導くこともできないまま、目先の支持率低下に汲汲とし、大飯原発を再稼働させる姿を通して、この男の目が、財界と官僚とアメリカにしか向けられていない自民党右派と全く同じであり、野田民主党は、出来の悪い<亜流の自民党>であることが国民に広く知らしめられた。全国で盛り上がる脱原発の声に耳を傾けることもせず、周囲の側近政治屋(前原・仙石)と経済官僚や恐い財界の親分たちの声しか信じられなくなったこの男に、われわれ国民は失望し、日本人としての誇りを深く深く傷つけられた

 ふと、もしも3.11のとき、日本の首相がF.D.ローズヴェルトだったら、どうだろうと夢想する。ニューディールのような根本的で雄々しく国民を奮い立たせるような地に足のついた力強く聡明な政治が行われていたら、今頃日本人は一生懸命に働き、前進し、誇りに満ちていただろう。失敗によって誇りを失うのではない。失敗から学べないことが誇りを奪うのだ。ドジョウのように厚かましく保守的我意を推し進め、国民の声に耳を傾けない訓練を自らに課したこの男は、やがて外交で同じ事をしでかしてしまう。

 東京都民最大の過ちは、自らが自立できない存在であることを埋め合わせるため、家父長的指導者を求めるあまりに石原慎太郎を都知事に選んだことだろう。石原は、文弱の徒に過ぎないのに、妙に威張り散らし、ナショナリズムを刺激し、自らの指導力の強さを見せるパフォーマンスだけは長けている。しかし、その実態が、三文芝居に過ぎないことは、彼自身の身内に対する甘さ、都政の失敗に対する強弁、何よりも国政に対する言いっ放しの無責任と「戦争を辞さない」内容の強弁で明白だ。

 その石原が、性懲りも無く持ちだした東京都による尖閣諸島買い取り問題で、野田内閣は過去の老練な政治家たちの積み上げてきた外交努力に学ばず、安易に政府による尖閣諸島買い取りが事態を穏便に済ませる最良の方法だと単純に決定してしまった。それ自体は、悪くは無い。ただその後、中国はあらゆるルートを通して裏から「尖閣国有化」の不都合さを日本側に伝えて来ている。この時、この男は、小沢グループの離党問題を抱え、脱原発を求める国民の声を「大きな音だね」と振り切って強引に「拙速な原発継続」路線を推し進めていた。当時のこの男の国民に対する原発継続必要性に関する恫喝のような説明のウソの白々しさは、今も怒りと共に鮮明に覚えている。そして、自民・公明との三党合意による消費税増税をめぐる民主党内外の政局にばかり情熱を注ぎ、中国からの声やシグナルを無視し続けた。外交を、つまみ食いの片手間程度にしか考えていない軽率さに驚かざるを得ない。自らの保守的我意を形にする小さな功名心を実現することに集中するあまりに恐ろしく視野狭窄状態になって気が付かないでいた。まさに、大局を過ったのだ。

 やがて、野田内閣の足元を見透かすように、退任後の保身を考えるイ・ミョンバク韓国大統領の竹島(独島)上陸・天皇謝罪要求問題が発生した。竹島問題の根の深さを慎重に考える余裕も無く、この男は、「竹島は日本の領土である」ことを国際社会に訴える、と言いだす。そんなことは誰でもわかるし、誰でもできる。野田が考えるべきことは、どうして過去の首相たちは、その誰にでもわかることを敢えてしてこなかったのか?ということを深く再検討し、慎重に取り組むべきだった。そして、何よりも、歴代韓国大統領の退任後の末路が、悲惨であり、イ・ミョンバク大統領の退任後も危険水域にあり、彼が韓国国民に向けて何らかの派手なパフォーマンスに出るであろうこと、そして最も効果的なのは竹島問題であることにどうして気が付かなかったのか?ということだ。分からなかったとは言わせない。超優秀?なはずの外務官僚たちが野田政権を背後から支えていたはずだ。要するに、その問題の重大さに対する想像力が野田内閣にあったかどうかの問題なのだ。

 そして、中国からは、国連で胡錦濤主席から直接対面で「尖閣国有化をしないように」という事態の深刻さを知らせる最後通告があった。その二日後に、尖閣諸島の国有化を強行して、中国との関係を国交正常化以来40年間で最悪と言わしめる事態にまで陥れた。「国有化の方が問題が穏便に済むと思ってました」とは、迂闊にもほどがある。結果的に、この男は石原慎太郎との対決で弱腰と呼ばれる泥を被ることを避けるあまりに、日中国交40年の努力を破壊してしまったことの重みを自分で認めることができないのだ。

 昨夜の国連での日本代表と中国代表とのむき出しの罵り合いは、見ていて心が冷え切ってしまった。絶対に観たくない風景だった。江沢民による反日教育を受けた小皇帝の若者たちによる反日デモは本当にひどかった。日本人のナショナリズムにも火がつき、日本の右翼までが勢いづいたのが、これまたひどい。韓国との対立も、きっかけはイ・ミョンバクの軽率な振る舞いであったとは言え、日本国内での弱腰という泥を被ることを恐れて、売り言葉に、買い言葉で、「日本としては冷静に対処する」という意味の無い言葉を繰り返しながら、実際には見通しの立たないその場しのぎの国際司法裁判所提訴を持ち出して、あたふたしている。その挙句に、韓国・中国に「過去の歴史問題」というカードまで切らせてしまったのは、どう考えても、こちらの負けだ。俺は、今回の韓国・中国の歴史問題カードの使い方を正当だなどと決して思ってはいない。しかし、それを両国に使わせてしまうようなところまで低次元の子供じみた争いを続けていることに大きな不満と不安を覚えるのだ。

 この男の政治を見ていると、通奏低音のように「僕は、政治家としてやるべき当り前のことをやっているんだから、ほめられこそすれ、絶対に批判なんてできないはずだ。公式通りに押し通していけばいいんだよね」という模範解答を書いてるから褒めてよ!と言いながら、実際には目先の毀誉褒貶に右往左往している心理がずっとつきまとう。表面的な模範解答ならば、誰でもできる。それこそ官僚に任せておけばよい。政治家は不要だ。一筋縄ではいかない問題を、国内政治でも、外交でも、とにかくよく相手の言い分に耳を傾けつつ、自らの信念も捨てずに針の穴にラクダを通すような困難さを抱えながら、一歩ずつ進めていくのが政治家だ。この男の、視野はあまりにも狭く、近視眼的で言い訳が多過ぎる。目先のことにしか反応できず、しかも自己の冗舌さに酔っているのが、見てとれてなんとも稚拙である。

 結果として、自民党では、谷垣総裁という最も知性的なベテランが退けられて、どう見ても見劣りのする石原伸晃という口の軽い安っぽい男がとって代わり、しかも総裁選で惨敗して、開けてビックリの<首相施政方針演説2日後にお腹痛いので辞めまちゅ君>が、総裁に選ばれた。しかも、幹事長は石破茂防衛オタク君である。どう考えても、次期自民党政権は、強烈なナショナリズム政権として、戦後民主主義を否定し、現憲法を毀損する方向に邁進し、選挙の洗礼を受けたとして「原発政策継続」、「沖縄普天間基地移設強行」へ舵を切るだろう。開けてビックリである。そして、韓国、中国も野田内閣の稚拙な外交を攻撃していたはずが、日本人に対して徒にナショナリズムを刺激することになり、ウルトラ右翼政権樹立に期せずして協力することになってしまったのは、皮肉としか言いようがない。

 日本では、少なくとも、中国や韓国が現実に今行っているような<歴史教育の政治利用>は行なわれてこなかった。これだけは、断言できる。不十分だと言われれば、それまでだが、むしろ人権教育、国際教育その他で、日本の行なった侵略戦争・植民地支配への反省は、確実に進められてきていた、と思う。しかし、今回の自民党谷垣総裁失脚、安倍・石破ウルトラ右翼体制の成立で、これから5年、もっとかもしれない。もう取り返しはつかないかもしれない。日本は右傾化していくだろう。

 その責任は、誰がとるべきなのだろう…。俺は、やはり国民の声にも、近隣諸国の声にも、誠実に耳を貸さなかった<野田コソ泥・アマチュア内閣>石原慎太郎・伸晃親子の罪深さに帰さずにはいられない。野田ほど、雄弁の虚しさを思い知らせてくれた政治家はいない。麻生のような言葉を知らない馬鹿も困りものだが、虚しい雄弁さも見苦しすぎる。二人に共通しているのは、引き際の見苦しさで国民をうんざりさせていることだけだ。そして石原慎太郎・伸晃親子も日本の歴史を大きく歪めたと言わざるを得ない、と思う。

 次の総選挙では、やはり民主党には責任をとってもらうべきだ、と思う。マニフェストなんて言葉は、もはやどうでもよい。民主党は、国民との約束をはっきりと破って、無視したのだ。日本国民は、とりあえず次の総選挙では、民主党に投票してはいけない。かといって、「原発継続」の右翼自民党に圧倒的多数を取らせては危険すぎる。橋下維新は「脱原発」を標榜している限りでは、選択肢として有り得るだろうが、俺には橋下維新を信用することができない。日本共産党は、生理的に受け付けない、この政党もある意味、根本的ウソつき政党だから。誇りをもって投票することのできるリベラル勢力、3年前の鳩山民主党のマニフェストには、俺は大人気も無く熱狂した。候補者事務所までマニフェストのパンフレットをもらいに行った。もう二度としない。政権を取れなくても良いから、3年前の鳩山民主党と同じレベルの内容で「ウソをつかない」政治勢力が結集して欲しい。少なくとも、もう「民主党」という名前の政党には、決して投票しないので、名前だけは別の名前にして下さい。特に、現民主党内の原口グループの政治家たちには、詐欺師政党を早く飛び出して、内閣不信任案を可決させて欲しいと思う。

 俺は、支持政党は、福島党首の社民党だが、小選挙区では非共産のリベラル政党に投票するつもりなのだ。


※もう少し、文章を整えるつもりですが、とりあえず掲載します。すみません。
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