もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

3 068 轡田隆史「1000冊読む!読書術」(三笠書房;2009/12) 感想3

2014年02月17日 01時24分15秒 | 一日一冊読書開始
2月16日(日):

245ページ  所要時間 1:05     図書館

著者73歳(1936生まれ)。元朝日新聞社記者。
副題「本がどんどん読める、頭のいい方法」

ページの字数が少ないので、1ページ15秒のペースで読んだ。だいたい意味は分かった。

読書術の本ではない。読書礼讃の本である。1000冊というのに、あまり大事な意味は無い。たくさん読んだらいろいろいいことがあるよ。それに本を読むと言うのも形式張って考えることはないんだ。いろんなことが読書になっているんだよ! 「読んだふりをしてもいい」「新聞の書評欄を読むのだって立派な読書だ」「三笠書房の背表紙の本の題名を読むのだって読書になる」 「村上春樹の『1Q84』は、ジョージ・オーウェルの『一九八四年』のもじりである」「本を読んで、まねることですごく表現力がつく」「本を読まないのは重い罪だし、もったいない」etc.

内容的には、ほとんど無いに等しいが、読書することを讃えて励ましてくれる内容に悪い気はしない。70歳を超えて、読書にこれだけの情熱を持てるというのは、佐藤一斎『言志四録』の一節「少にして学べ ば、壮にして為すあり。 壮にして学べば、老いて衰えず。 老いて学べば、死して朽ちず。」を思い起こさせてくれる。

目次: コピペ
1章 「多読」は絶対、あなたを変える!―本を1000冊読むと、何が起こるのか?(「1000冊読破」への最初の一歩/人はすべて、本から学んできた! ほか)
2章 本を読めば読むほど、頭は良くなる―読書習慣がある人、ない人の「埋められない差」(本はどんどん読み手に問いかけてくる!/1000冊読むと、人生に何が起こる? ほか)
3章 「できる人」は、なぜ読書家なのか?―人間的魅力とその遊び心とは?(日常は常にどこかで“本”とつながっている/頭の中にいっぱい「引き出し」を作ろう ほか)
4章 「読む力」は何を与えてくれるのか?―要約力、表現力、発想力を育てる方法(「書くこと」は、自分自身と対話すること/「短いことば」のほうが気持ちは伝わる ほか)
5章 「1000冊読破」からの贈り物―もし、本がなかったら世の中はどうなる?(読書こそ「考える力」の源である/「焚書」の歴史が証明!「読書の力」 ほか)


※面白い詩が紹介されていた。
恋人よ。/たうとうぼくは/あなたのうんこになりました。
そして狭い糞壺のなかで/ほかのうんこうといつしよに/蠅がうみつけた幼虫どもに/くすぐられている
あなたにのこりなく消化され、/あなたの滓になつて/あなたからおし出されたことに/つゆほどの怨みもありません。
うきながら、しづみながら/あなたをみあげてよびかけても/恋人よ。あなたは、もはや/うんことなつた僕に気づくよしなく/ぎい、ばたんとでていつてしまつた。  /(金子光晴1895~1975)
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