シャンソン歌手

シャンソンの好きな方 ようこそ !

シャンソン歌手リリ・レイの東京シャンソンアカデミー

2010年04月26日 01時00分28秒 | Weblog
ピアノの音

毎日 少なくても8時間 多い時は 12時間 弾き続けているお店のピアノ。
有難い 存在の白いピアノは ヤマハのグランドピアノですが
この 三週間 調律したかったのです。
私は 弾きながら 音が気持ち悪くて 苦しんでいました。
でも 調律の方に いらしていただく時間がありません。
今日は 日曜日なのに 午前中に 無理に頼み 調律していただきました。
あー 良かった!!!!
そして
お昼から 井上裕規さん 企画の シャンソンコンサートで
27名のお客様がみえました。
あーあ なんて 美しい音 ピアノの倍音のパーフェクトな事。
見事な 調律の後の 私の白いピアノの音は
天国の響きになりました。
井上さんの 美しいタッチの音で シャンソン歌手達 は皆 生き生きしてきます。
今日の出演は 高田まさえさん 宗像けいこさん 私リリ・レイ。

そのコンサートの後
ドビュッシーの 「月の光」ピアノ曲を 習いに 生徒さんがみえて
また びっくり。
白いピアノの音は 練習中で まだ不完全なのに 月の光を放ちます。
調律は 大切ですし 調律の技術も重要です。

かつて 私が住んでいたベルギー ブリュッセルでは 四年に一度
世界三大コンクールの一つ エリザベート国際コンクールがあります。
その時 本選に残った 八人の人達は 三つのブランド
から フルコンサートグランドピアノが選べます。
シュタンウエイ か ベーゼンドルファー かヤマハ です。
日本から調律師 達が 飛行機でわざわざ 調律に来ました。
本選コンクール で 大きなホールが ピアノ一台の音 10本の指から
唸るように あるいは 糸のように 響きます。
完璧な調律の後 それぞれの個性あるピアノを 自分の体の一部として
弾きこなす コンクールの全てを 聞いた私は
ヤマハの 凄さを知りました。世界に通用する日本の技術のピアノ。
とはいえ
ベーゼンドルファーで ラフマニノフの三番を弾いた
ロシア人若い男性が 一位の 年に コンクールを聞いた
私は 世界の音楽レベルの高さに唖然としました。
体の大きさ 骨格 肩幅の広さ
掴むように 和音を簡単に 叩く 音の 重厚さに 腰を抜かしてしまいました。
こうして 世界の壁の高さを 二十代後半に知りはじめ・・・・
声楽も然り
彼らの 西洋音楽に適した 肉体に ただただ敬服し
激しいコンプレックスを感じました。その コンプレックスは
だんだん 私を 練習魔に追い立てていきました。
現在の私にも その時の 私の恐怖感 の残骸が 住み着いていることは
否めません。
上には 上があり 私は まだまだ未熟だ・・・と感じるとき
私は 奮起するタイプで
パリに行き 素晴らしいエンターテイメントを見るたび
「わぁー 私のレベルは低すぎる」と まず ガッカリして
それから 暫くして 立ち直り 奮起します。芸術の神様は 本当に
手が届かない 彼方で ずっと昔から 下手な私に手招きして
今も まだ「まーだだよ こっちの 水は甘いよ」みたいに
ずっと 待っていてくれているみたいです。
あっという間に 三歳でピアノを弾き始めてから 半世紀が過ぎ
声楽を習い始め 40年以上経ち
フランス語で歌い始めて 30年経ち
シャンソンをマイクを持って 毎夜 店で歌い出してから17年がたちました。
それなのに
まだ 子供のときのように 下手な気がしてなりません。
ひとつの 道を長く歩くほど ますます 道は遠くなるのかもしれません。
とにかく 歩くのみ。
今日は ピアノの音が 美しくて まだ 耳に響きの明るさが残っています。
ピアノさん 美しい耳の世界を ありがとう。