シャンソン歌手

シャンソンの好きな方 ようこそ !

シャンソン 8

2006年01月03日 22時23分44秒 | Weblog
JE COMMENCE A CHANTER ! ジュ コモンス ア シォンテ ! うたいぞめ !

日本のお稽古始の習慣は何時なのでしょうか?
ヨーロッパでは 1月1日のたった一日だけしか休日ではないので 銀行もレストランも日常に戻るので お正月休みにのんびりした記憶がありません。
今年は 12月29日から1月4日まで 銀座のお店が休みで しかも 初ライブは12日なので 緊迫感がなく 年末はすっかり歌を忘れて雑用に追われていましたけれど
昨日1月2日 歌い初め(うたいぞめ)・・・・・・

クラシックの声楽家だつた頃 今から14年も前の私は 三日以上練習をしないことはなかったのです。本当に 風邪をひいても歌っていました。
クラシックの声楽家は マイクを使わないので 体や首 頭 頬 などの共鳴腔に響かせて その声の美しさや強さ大きさ 色を作るので 一日練習しないと 直ぐに自分に返ってくる辛さがあります。よく腹式とか お腹から声を出すとか曖昧な表現を耳にしますけれど 声を出すには 体中の筋肉と横隔膜を駆使し 理想の響きを
つまり バイオリンで言えばストラディバリウス ピアノでいえばシュタンウエイのような 良い音色の出る体を作り上げながら 楽譜に忠実に かつ時代や作曲家のスタイルを再現する僕となるべく 練習を重ねるというわけです。
一曲の歌曲を何千回練習しても 満足いく音色 響き 表現ができません。そして
歌いすぎると 声帯が充血し音声障害を起こして回復までに長くかかり おしゃべりもできず 黙って暮らさなければならなくなるので 本番の前は 小刻みに時間配分をし 一度に30分位を 六回に分けて練習するのです。
今思い出しても過酷な毎日でした。ステロイドの服用 吸入 マスク は必需品でした。睡眠薬の服用は 高校生の時 当時芸大受験のプレッシャーで眠れないときに
芸大の恩師に勧められてから 本番前にはいつも飲んでいました。
シャンソンと絶対的に違うのは マイクを使って詩を語り表現するのと違い ホールで倍音が共鳴する声の良さを求められる点です。美声がなくては歌手にあらず。

シャンソン歌手になって 初めて声楽家の時代の肉体の苦しみから解放されました。シャンソンでは 時として美声は邪魔になるし 大声や均一性のある音色は詩のドラマ表現の面白みに欠けます。ただ 小さい声から 大きい声の音量の幅や 何色もの声色を作れれば これは表現の助けになります。息の長さなど声楽家時代に得た技術は役に立っていますけれど 新たな苦しみが始まりました。
それは 詩の解釈のセンス フランス的であるか?日本人向けであるか?
オリジナリティー 個性は? フランス語と日本語訳詩の違和感は?

結局 どんなジャンルでも ただ楽しいだけという喜びは 神様は下さらず 努力と苦悩の暁に 歌う幸せを下さるのです。
歌いぞめ・・・・・・今年 公の場に出したい曲を練り直し始めました。