歴史教室５姫路城内郭内復元鳥瞰図を読み解く

2021-05-18 14:27:28 | 歴史探索

　５月１８日（火）　　　　天気：曇りのち小雨　　　　室温：２７．１℃

　きょうは　公民館の歴史教室に出席しました。　今月は　元城郭研究室長の中川
秀昭先生の　「昔の姫路城ー姫路城内郭復元鳥瞰図を読み解く」です。　今も緊急
事態中ですが、公民館活動は　コーラスやカラオケなどを除き　対策を実施して開
催OKだそうです。　中川先生は　今月は休みと思われていたようで、急遽準備されたそうです。
※２０１９年２月の歴史教室での　「むかしの姫路城」は　＜こちら＞　。

　
　姫路城内郭復元鳥瞰図は、姫路城を守る会が　中根忠之氏所蔵の元禄年間（１７０
０年頃）に描かれた「播州姫路城図」（大絵図）を広島大学大学院教諭の三浦正幸
氏監修のもと、復元されたものです。

　・・・・・「むかしの姫路城ー姫路城内郭復元鳥瞰図を読み解く」・・・・・・

１．御殿等
　１．御殿とは
　　・城主居住の場、家臣との対面儀式の場、藩政のための庁舎
　　・御殿の建て方：署員造り、本瓦葺（柿葺、檜皮葺）
　　　　　　　　　　鴈行配置（南向き）　　　※君主は南面する
　　　　　　　　　　（右手前から左手奥へ折れ線状に・・鴈が連なっていく様子）

　・御殿の構成：表（表向き）・・表御殿、役所、台所・・城主の公邸
　　　　　　　　奥（奥向き）・・奥御殿、長局・・・・・城主の私邸
　　・表御殿：玄関（古称は「遠侍」（式台））、広間、書院
　　・城主の遊興：湯殿（湯盥たらいで湯あみ）、風呂屋（サウナ式蒸気風呂）
　　　　　　　　　茶室（数寄屋）（茶の湯）、能舞台（能楽）、蹴鞠場（けまり）
　　　◆座敷飾：床（床の間）、棚、付書院、帳台構（本勝手、逆勝手）
　　　◆天　井：格天井、折上格天井、二重折上格天井　（普通は、竿縁天井、猿頬天井）
　　　◆金碧障壁画：張付壁（狩野派の絵が多い）

　２．その他の作事
　　・蔵（米蔵、焔硝蔵、金蔵など）、馬屋、番所、腰掛（待避所）

２．姫路城の御殿
　１．池田時代の御殿：備前丸（※羽柴時代は太閤丸といった）
　２．本多時代：本多忠政が元和４年（１６１８）西の丸を造営、御殿群築造
　　◆西の丸造営：石垣の嵩上げ、西の丸御殿築造
　　　・西の丸御殿：姫路藩主本多忠政の嫡男・忠刻の居館
　　　　　　　　　　忠刻の官職・中務大輔　（唐名：中書）から「中書丸」と呼ぶ
　　◆御殿群築造：本城（居城）、向屋敷、武蔵野御殿、東屋敷、樹木屋敷（西屋敷）
　　　・本城（居城）：三の丸高台（現千姫ぼたん園）
　　　　　　　　　表：玄関、大広間（鶴の間）、小書院、新書院、台所など
　　　　　　　　　億：御居間、御休憩の間（藩主の遊興のための施設：能舞台、風呂屋、蹴鞠場など）
　　　・向屋敷：城主（藩主）の憩いやくつろぎのための別邸、迎賓館的機能も）
　　　　　　　　池泉回遊式ていえん、唐笠（傘）の間、茶室（数寄屋）、風呂屋など（現三の丸広場、動物園）
　　　・武蔵野御殿：千姫の別邸として建てられた御殿（現三の丸西南）
　　　・東屋敷：酒井時代、藩主は東屋敷で寝起きし、政務のために本城（居城）に通った（現東御屋敷跡公園）
　　　・樹木屋敷（西屋敷）：向屋敷と同様、城主の遊興場所（現西御屋敷跡庭園・好古園）
　　　　　　※西の丸御殿、武蔵野御殿の御殿としての使用は、第１次本多時代限り
　３．典拠絵図：「播州姫路城図」（大絵図）中根忠之氏蔵　元禄１２年（１６９９）～宝永元年（１７０４）

３．御殿等事例
　　・御殿
　　　　現存事例：二条城二の丸御殿、川越城本丸御殿、掛川城二の丸御殿、高知城本丸御殿
　　　　復元事例：彦根城表御殿、佐賀城本丸御殿、熊本城本丸御殿、名古屋城本丸御殿