西都市保護司会では2年に一回、お金を出し合い研修に行ってます。
一昨年は9月だったので議会と重なったので欠席でしたが、今回は1月だったので参加できることになりました。
研修先は大体刑務所、少年院等が多いのですが、費用等を考えて、九州内の近場でおこなっていました。
4年ほど前に行った、佐賀の女性刑務所視察は、係の方から色々と説明を受け、その中でも三代にわたって佐賀刑務所に入所した受刑者の話しなど、色々と考えさせられたものです。
今回は少し足を伸ばし(車中移動が大変でした)山口の美祢市にある「美祢社会復帰促進センター」に行ってきました。
以前(2013年1月17日と18日のブログ保護司研修を参照)も書きましたが、犯罪は再犯者が起こす割合が多いのです。
初犯者が5年以内に犯罪を犯す割合は25%であるのに、再犯者がまた犯罪を犯す割合はなんと50%です。
つまり犯罪を減らすには、再犯しないようにすることと、初犯者をきっちりと更正させる事が如何に大切かわかります。
このセンターはそのためにつくられましたし、また日本最初の官民共同形のセンターーでもあります。
少しこのセンターの概要を書かせて頂きます
*場所は無煙を誇る良質な石炭が採れる炭坑でしたが、社会構造の変化により地域振興整備公団が造成し、市が実施して整備した「美祢テクノパーク」という工業団地でした。
*ただバブル崩壊などにより1997年開始以降一社の企業も進出しませんでした。これ、市議会議員として、首がスースーする状況ですね(恐ろしい~)
*国の方も行政財政改革を進める中、公務員の減少を図りつつある状況でした。しかし刑事犯が増えて収容能力を超えていくところが続出しました(佐賀の女性刑務所もそうでした)受刑者が72168人に対し収容能力は63489人です、つまり2人部屋を3人にしたりして対応しています
*そこで官民共同形の施設をつくることにしたのです。
*全国から50以上の自治体が手を上げましたが、美祢市も工業団地の利活用できるこの施設の誘致に手を上げました。
*そして(いくらか地元の反発もあったようですが)誘致に成功しました
*刑務所の運営がPFI手法(民間の資金で運用する、Pはプライベート、Fはファイナンスの略)による刑務所の設置が可能となったことを受け、この施設をPFI事業により整備することが決定されました。
*2005年に事業者選定の競争入札が行われ、セコム、清水建設、小学館プロダクションを中心とした「美祢セコムグループ」が落札し(建設業で言うJVみたいなもの)。セコム・新日本製鐵などが中心となり、SPC(特定目的会社)である「社会復帰サポート美祢株式会社」を設立し、整備・運営にあたっている。受付、見張り、巡回、教育、清掃、給食の業務を民間が担当するというフランス型に近い混合運営施設方式をとります。
*入所者はA級、WA級といった、いずれも初犯の者で、かつ就業経験や出所後の身元引き受けなども問題がない「スーパーA」といわれる受刑者を収監しています。
*詳しく言うと
- 準初犯を除く初犯者である。
- 他人の生命または身体、精神に回復困難な損害を与える犯罪(殺人、強盗殺人、強盗、強姦等)を犯した者ではない。
- 執行刑期がおおむね懲役1年-5年程度である。
- 概ね26歳以上60歳未満である。
- 心身に著しい障害がない。
- 集団生活に適応できる。
- 引受人がいるなど帰住環境が良好である。
- 同一の職または職場で3年以上勤務した経験がある。
というものです
*通常の刑務所とは異なり、コンクリートの外壁ではなく3重のフェンスが周囲を取り囲んでいる。建物は男性用3棟(3階建て)・女性用5棟(3階建て)となっています。女性用は増築しました
*居室は95%が個室となっている。窓には鉄格子を取り付ける代わりに、強化ガラス製の窓ガラスが使用されているなど、開放的な造りとなっていました。個室には、テレビ、ベッド、机、鍵付きの棚が完備されている他、作業時間等を除き、就寝1時間前までは部屋から多目的スペース(読書ができる図書室もあります)までの同じ階に限り自由に出入りすることができます。
*トイレはむき出しでしたが
*ICタグにより、入所者の位置は常に把握されています、つまり施設内に限り、単独で行動できます
*職員は前記の民間と国の職員がいて、業務はしっかりと区別されています
*ここでは受刑者はセンター生とよばれます
*また玄関脇の食堂は市民が自由に利用できますし、武道館の2階は保育園として活用しています(一般の市民が利用する保育園です)
説明を受けて私はいくつか質問をしました。
・この方式による国のメリットは?・・国家公務員削減、一括的な資金が無くても施設が作れる(民間のファイナンス方式)
・自治体のメリットは?・・受刑者の人数も住民とカウントされるので交付金の対象となる、職員が住むので、活性化する(学校等など)、固定資産税
・民間企業のメリットは?・・新たな収益方法をはかれる、外国への進出を図るためのノウハウつくり、広報になる
などでした、良い研修ができました。
研修後に施設前で・・施設内はカメラは勿論のことすべての所持品を持ち込めませんし、原則写真禁止です。これは職員の方に許可頂きました
夜はまた少し足を伸ばして、宮島で泊まりです
2次会の様子です
朝、宮島に行きました
有名な鳥居です、さて西都の皆さん(県民も)右側の太い柱は、なんと西都産です。40年ほど前(これは聞いた話です)瀬口近くの住吉神社(旧の場所)が切り出されたものです。
柱周りは10mを超えています。西都市民として日本三大名所に西都の木が使われているなんて嬉しいですね。
ちなみにこの鳥居は、地面に固定されていません、鳥居の上部木の中をくりぬき、砂利が入れてあります(重さ7t・・だったと思います)。その重さで押しつけているそうです。どんな強い台風でも大丈夫です。すごい知恵ですね。
夜は、9時間のバス移動で西都に戻ってきて、西都青年会議所の新年会に参加してきました。
そして今からまた、新年会です。それでは行ってきます・・(行く前に研修の報告できて良かった)