西都モノクローム

西都大好きな市議会議員が、徒然なるままに街のこと、写真のこと、空手のこと語ります。

覚悟の人たち

2013-05-22 21:31:25 | 日記
昨日の通夜、そして本日の葬儀参列させていただきました。

癌という病にかかりながらも、体の調子がよければ空手の演武をし、また空手の審判をされました。

空手が大好きで、空手の仲間が大好きな方でした。

魏 國和先生がお亡くなられました。
ひょうひょうとした方で、柔和な方でした。
お兄さんから聞いたのですが、家庭でも私が思っていたとおりの方だったみたいです。
自分のことより、家族のことに気をかけ、妹さんがおられた関西で大地震があったら(阪神淡路大震災)直ぐに自動車に自転車を積み、行けるところまで自動車で行き、その後は自転車で被災地に入り、妹さんの安否を訪ねるような方だったらしいです。
兄弟の方からとても頼りにされていた方でした。

病が進み、自分の命もいよいよ終わりだと知った魏先生は、死が訪れる数日前からお世話になった方に、一人一人、お礼の電話をされたそうです。
感謝の言葉と共に・・・、凄い覚悟だと思います

そんな魏先生を見送ってきました。魏先生安らかにお休みください。
でも魏先生のことだから、天国できっと空手をやっているのでしょうね。

さて宮崎から帰り道、「覚悟」ということを考えながら運転していたら、一人の芸術家と映画のことを思い出しました。

私の家で家宝のビールグラスがあります。
妻は私がどれほど大事にしているか知っているので、間違って割ってしまうといけないので、絶対洗わないほどです。


新芸術集団フラクタスメンバーだった日岡兼三さんの作品です





日岡さんは自分が病に冒されていることを知っていました、そんなときフラクタス展をすることになりました。

私は日岡さんの作品を写真に撮り、それをフラクタスのポスターにしました


写真撮影が終わり、日岡さんが私に「橋口さんにもらって欲しいものがあるからちょっと待って」と言います。
そして、いただいたのがこのビールグラスです。

見た目の無骨さと持ったときの繊細さのギャップが素晴らしく、いっぺんでお気に入りとなりました。

暫くして、日岡さんが亡くなったという連絡がありました。
亡くなった状況を聞いてみると、

もうこれまでと思った日岡さんは、寝床を離れ、きちんと正座して合掌しました。
そしてそのままお亡くなりになられたそうです。

「覚悟の人だ」と私は思いました。

映画の話しは「汚れた天使」という映画です。筋はこのようなものです(ウィクペディア参照しました)
幼い頃からの親友である少年ロッキー・サリバンとジェリー・コノリーは貨車強盗をはたらこうとするが未遂のまま追跡に遭う。逃走もむなしくロッキーは警察に捕まり、ジェリーだけがその場から逃げおおせた。少年鑑別院送りとなったロッキーは悪名高いギャングへと成長し、一方でジェリーは聖職者の道を歩んでいく。

15年後、ロッキーは釈放されて地元へ戻る。そこでは神父となったジェリーが少年たちの善導にあたっていたが、ロッキーと知りあった不良少年たちがたちまちロッキーに憧れを抱く。またロッキーは悪徳弁護士フレイザー、闇の実業家で地元の有力者キーファーと関わりを持っていた。ジェリーは闇社会の不正を告発するまえに、ロッキーに警告をするが受け流されてしまう。そして公の注意を引くやり方で一切を告発し始めるジェリーに対し、キーファーらが抹殺を企む。その計画を知ったロッキーは親友を守るためにキーファーらを殺害し、警察を相手どって派手な銃撃戦を繰り広げた結果、ロッキーは逮捕されて死刑を宣告される。

死刑執行の直前、ロッキーの独房にジェリーがやってきて、死を恐れて泣きわめき、臆病者のふりをして欲しい、と願いを乞う。それを知れば少年たちがギャングのロッキーを偶像視しなくなると考えてのことだった。しかし、ロッキーはおのれのプライドからそれを拒み、何ものに屈しない強い姿のまま死ぬと言う。いよいよ電気椅子の前に連行されたロッキーは最期の一瞬で豹変する。死を拒絶する大悪党を見た立会人たちは、ロッキーをみじめな臆病者と罵る。その最期を聞いた少年たちはロッキーに失望し、彼に祈りを捧げるよう神父ジェリーに連れていかれる。

親友の言葉に共鳴し、未来の子ども達のために自分の死を捧げました。
最期の姿をわざと汚した天使でした。これも「覚悟の人」だと映画を見た当時思いました。

人は生を受けた限り、死が訪れるのはどうしようもない宿命です。
どのような覚悟を持って生きるか、死を迎えるか考えさせられた一日でした。

コメント (3)
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