彼の上梓した“田中角栄研究”の続きです。
彼の著作の“田中角栄研究”には、彼の取材したものがありません。すべてすでに公開されている報道をもとに再構築したもんなんです。このことに対し「人のフンドシでスモーを取って!」なんて同業者からクレームがあった、何て話がありましたが、今では評論のスタイルとして定着しているんです。
この著作の存在も一因となって、金権体質の田中角栄は逮捕・起訴され失脚しました。裁判は田中角栄が上訴・上告を行ったため結局、田中角栄が死ぬことによってピリオドを迎えました。そのためか、自民党の金権的で土建的談合体質は改まず、現在に至っています。
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立花隆が“知の巨人”と評される大きな要因は、その大きな興味の対象です。
ゲスな田中角栄から壮大な宇宙まで、興味の果てが尽きません。
脳死から臨死体験、共産党や革マル・中核への考察、サル学の現在って傑作もありましたっけ。
そして彼の大きな特徴は、反権力・反体制です。彼にとって権力や体制に与する輩は“旧人類”なんです。今や旧人類と新人類の交代期で、そのわりに旧人類人が幅を利かせている、そんな不幸な時代なんだ、って思いがあったように思います。
彼は明言してます。「権力をかさにきて威張りくさる尊大な人間と、権力の前にひれ伏す卑屈な人間は大嫌いだ。」と。
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膨大な文書を残し、疾風のごとく駆け抜けたボクの尊敬する立花隆氏に哀悼の意を表します。