前回、タカリ行為を行う者どもを“ホイト的人格者”と記しました。村上春樹が作品の中で犬的人格者とか羊的人格者って使っているのをマネしたんです。犬的人格者とは、上位の者の言う事は従順に聞くけど、下位の者に対してはキャンキャンと叱りつけるそんな輩(やから)を指します。羊的人格者は、人の言う事を全て「ご無理ごもっとも」と従う輩を指します。両者とも、情けない者、としています。
ホイト的人格者はボクの造語で、タカリを行う醜い性質を持った者のことを指します。ホイトとは東北北部から北海道にかけての方言なんだけど、今ではほとんど死語と化しています。もともとはコジキとかルンペンとかの意で用いられたんでしょうが、実際にはニュアンスが違います。
コジキとかルンペンとかは、物貰(ものもら)いとされるように、おとなしく施(ほどこ)しを受ける者たちなのです。ホイトは違います。強欲なんです。
ホイトは困窮してなくてもものを欲しがります。そのあたりを50年も60年も前はコジキとかルンペンと使い分けていたんです。
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今のこの世の中でも、食に窮している人はいます。そんな人たちだって、大半は清く正しく生きているんです。そんな人たちに比べホイト的人格者は何と醜い生き方をしているのでしょう。
ホイト的人格者、随分と情けなく思います。