足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

グーグルの株価

2008-02-29 17:18:08 | 株式

グーグルの株価が大幅に値下がりしている。昨年の高値$747から最近の安値$470まで37%も下落した。

今回の下落のきっかけは1月に発表になった第4四半期の業績がアナリスト予想の上限に届かなかったことである。

それに先週は調査会社comScore調べの1月の成功報酬型の広告のクリック数が1年前と横ばいであったというデータが、株価に打撃を与えた。

数字は2007年の第4四半期に比べても12%減少した。

グーグルだけでなくヤフーも第4四半期比で3%減った。このようなデータをみて市場はネット広告に景気の影響が出てきたとみた。

このような市場の反応にたして別の見方をして「ネット広告が減少し始めたとみるのは早計」とする見方がある。

同じcomScoreのデータによると1月のグーグルのサイトへのクリック数は1年前に比べて53%増加しており、昨年12月の49%増(前年比)よりも増えている。この数字をみるとネット離れが起こっているというのは間違いで、成功報酬型の広告が一時的に停滞しているとみるべきという見方がある。

グーグルの創業者の1人であるサーゲィ・ブリンは「景気の減速はテレビ、新聞、雑誌、ラジオからネット広告に移行する流れを一段と強めている。コストを削減し効果を上げる手段をネット広告は提供している」と、むしろチャンスととらえている。

ウォール街のアナリストの多くは目標値を引き下げたが、依然として「グーグルは買い」と推奨している。ネット革命は一段と進行するとみているからである。

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2つの敵に直面・・・どう戦うか?

2008-02-28 15:54:54 | 株式

バーナンキ連銀議長の議会での証言が終わった。

次の焦点は318日のFOMCにある。市場は0.5%の利下げを織り込んだが、今週に入ってから0.75%利下げの期待観も出てきた。

今週にはいってから発表される景気指標が一段と景気の冷え込みを証明している。

ビジネス・ウィーク誌はウェブ・サイトで“バーナンキ将軍は2つの敵に直面している”と、政策のジレンマを論じている。

金融市場の危機と景気鈍化、いまひとつはインフレである。

同議長はプリストン大学教授の時には大恐慌の研究で有名になったほどで、現在のような危機に対して、どう戦うかを充分に心得ているとしている。1929年の株式市場の暴落のあと、政策当局は利上げ政策をとった。

当時の恐慌も、ITバブル(ラジオの発明)とフロリダでの不動産バブルの後に続いた。当時は、米国ドルは金とリンクしており、ドルからの資金の逃避を防ぐために高金利政策を選択した。それが大恐慌に発展した原因であるというのが、かねてのバーナンキ議長の持論である。

現在も資金はドルから金に流入する動きが強まっている。状況は全く同じである。

2つの戦いにどう対処するか?当然、金融市場の安定と景気の回復というのが優先順位である。

1月以降の日米欧の株価はそれを織り込んでいる。あとはスピードの問題である。

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ウォール街のセンチメント

2008-02-27 18:35:02 | 株式

ウォール街では、当面、底入れしたか、あるいは底入れ近しという見方も出てきている。

年初来、株式投信から資金が600億ドル(64000億円)流出した。一方、MMFには700億ドル(75000億円)の資金が流入した。個人投資家が相場の先行きに不安感を抱いて資金運用を安全な分野に移した。

一方、昨日はIBM150億ドル(16000億円)の自社株買いを発表した。かつてはアメリカのシンボル的な存在であった企業である。個人投資家の間ではいまなおフアンは多い。

また経営陣の自社株売りが急減している。1年前に比べて90%減のペースである。1年前といえばNYダウ平均は12200ドルで昨日のダウ平均12684ドルより低かった。株価の水準は現在の方が上であるのに、インサイダー売りが急減している。サブプライム問題で先行き不安感があるのに、経営者は「株価が安い」とみているのは、業績の先行きに自信をもっているのか?

いまひとつVIX指数が昨日は21ポイントと20割れすれすれまで下落してきている。相場の先行きの変動率に賭ける指数取引であるが、プロの投資家の先行きのセンチメントは好転している。

ヘッジファンドを運用するフェリックス・ズーロッフ(ズーロッフ・マネジメント)は「VIX指数の20割れの買いは相場の先行きのヘッジには格好のチャンス」という。

持ち株のポジションを増やすととともに、VIX指数を買っておくとう戦略である。

今週は金曜日にウォール街の大手投資銀行のモルガンスタンレー、ゴールドマン・ザックス、リーマン・ブラザーズなどが4半期決算を発表する。これでサブプライムの損失が出尽くしになるとみる向きもある。

いずれにしても相場には転機を暗示する動きが見られるようになってきた。東京市場の先行きをみる上では元気づけられる。

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活躍する資源関連ファンド

2008-02-26 17:04:07 | 株式

ヘッジファンドの運用者によっては運用資産の半分しか投資していないケースが出てきた。

ヘッジファンド投資の専門家によると、世界の投資の環境が不透明で、投資戦略を明確に立てるのが困難と判断しているからだという。

一般には「ヘッジファンドはロング(買い)とショート(売り)の両方の戦略をとるので、不透明なときはショートを増やす」とみる向きもあるが、それは間違いだ。ソロスやジュリアン・ロバートソンが活躍した当時とは異なって、1998年のLTCM破綻以降に生まれたヘッジファンドは、両巨頭の失敗が頭に焼きついており、なによりも「生き残り」を投資哲学の第1に置く。

そんななかで目立つのは資源や市況関連のヘッジファンドである。商品フアンドと異なって、運用者はトレーダー出身というよりも、石油、非鉄、貴金属などの専門のアナリスト出身者や、大学で鉱物学を専攻した人たちが成功している。

特に昨今のように商品相場の間を、投機資金が雁行的に動くような相場展開のときは、「わが意を得たり」と好調なパフォーマンスを上げる。

われわれが2003年半ばから投資している資源関連ファンドがある。

「ことしは金融市場の危機と株安で幕が明けた。鉱工業生産に関連のある商品は株安に連動したが、金とソフト・コモディティ(農産物など)は強かった。金とソフト・コモディティのロングで利益を上げ、同時に株式先物のショートでも儲けた」と、ことし1月のレポートには書いている。

このファンドは月間で+7%の上昇であったが、伝統的なマクロ運用の平均よりも好調であった。

このような資金が活躍する場が、当面は続きそうである。

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相場の内容がよくなってきた

2008-02-25 20:01:04 | 株式

本日の相場の内容はよかった。

まず日経平均が一時 13969円の高値をつけ、引けも13914円と24日の直近の高値13859円を上回って終わった。

結局、本日は、122日に12573円という安値をつけたあとの高値を記録した。

物色の内容もよかった。金融株のなかでも損保株が軒並み高で、あいおい損保(8761+14.25%、三井住友海上(8752+10.15%、ミレアホールディングス(8766+8.92%とまるで新興市場の銘柄のような変動率になった。

週末にミレアホールディングスが20083月期の業績の減額修正を行った。サププライム問題の評価損を出したので、通常なら株価は売られるところであるが、寄り付きから買われた。

損保6社の業績予想は、ミレアの減額修正にもかかわらず、合計では増額修正された。これまでショート(カラ売り)をしていた向きが買い戻したのか、あるいは「予想外の好調」で前向きの買いが入ったのか?

損保株は外人投資家が好む銘柄で持ち株比率が3040%。この日の損保株の動きをみて、すでに投資している外人投資家にも元気が出てきて、人気を見直すきっかけになる。

また中国政策当局が国内の商業銀行に日本株投資を認めるというニュースがブルンバーグに流れた。先週、政府がウェブサイトを通じて流した。

それに国際石油開発(1605)を中国投資有限公司が投資を計画中という、ロンドンからのニュースが流れた。

これまで世界でもっとも割安であるといわれながら、なかなか外人投資家の買いが実現しなかった東京市場にも、世界の流動性が向かう兆しが出てきた。

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