足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ストックピッカーズ・マーケット(個別物色)

2015-12-31 07:13:40 | 投資戦略
2015年の相場はおわった。
日経平均は+9%上昇したが、NYダウはあと1日の立会いを残すが年間ではマイナスに終わりそうだ。
昨日もNY株の足を引っ張ったのは原油価格の不振である。先週は底入れの兆しもみえたが、底入れには繋がらなかった。
2015年を振り返ると難しい年であった。ユーロ圏の経済がギリシア問題に翻弄され、中国の株価の暴落、ウクライナ問題、原油相場の下落、パリのテロ事件と、地政学的なリスクが間断なく続出した。この種の懸念材料は新年にもくすぶる。

さすがの相場の神様ウォーレン・バフェットも年間ではマイナスになり運用の舵取りには苦闘した。
相場の神様でさえ苦心する環境だけに、不振な成果は当然のことである。
このような環境でかすかな光が見えてきたのは日本経済である。

日経平均はNY株とは対照的に今年は+9.0%でおわった。2013年から始まったアベノミクスも経済効果が出現しはじめ、景気の底入れ→回復のトレンドが確認された。2020年のオリンピックまでは日本経済の方向性は日増しに確実化してきたことは、リーマンショック以来、みられなかった現象である。
NY株も金融正常化という方向性が明確になり、これまでほど連銀の政策をめぐって神経質になる場面は少なくなるだろう。
足元の最大の懸念材料は原油相場の動向である。
新年の日本株はテーマ性の相場よりも、ストップピッカーズ相場(個別物色)になることが確実である。森をみるよりも一本一本のかすかに光を発する木を見っける態度に徹したい。
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新春への期待感強まる

2015-12-30 07:12:58 | 投資戦略
本日は大納会。
NY株は東京市場の最終を祝うお膳立てをこしらえた。
ハイテクのアマゾン・コム(AMZN),アルファベッド(GOOGL)がリードしてハイテク株の人気を盛り上げた。
アマゾン・コムは年末商戦での最大の勝者になり、かつての米国の小売のシンボルであったウォールマートの人気を一身に集めた。今月の年末商戦ではプライム会員数は2倍のペースで増加し、米国の小売業界の覇者に名実ともにのしあがった。それをバックアップしたのはクラウドとモバイル時代の到来で、早くから資金を投入してデータセンターの構築を進めクラウドでは業界のトップクラスの環境を構築した。

アルファベットはグーグルが組織替えを断行し、創業以来、成長を支えてきた広告を中心にしたメディアの中核部門をグーグルとして残し、これから成長の源泉になる自動運転、宇宙、医療などの新規事業分野を総合した持ち株会社アルファベット(元のグーグルも包含される)をつくった。上場株として残ったのはこの企業である。最近はフォードと提携を発表するなど、未来の成長に向けての新戦略を次々に打ち出し、アップル(AAPL)と並んで米国のシンボルになった。2016年にはアマゾンとグーグルがダウ採用銘柄いりするという期待感もある。時代の潮流の変化のスピード化を感じる。
2016年のウォール街での有望分野にはヘイテク、金融、ヘルスケアを上げる向きが日増しに増えてきた。

東京市場は本日が最終取引で半日の立会い。
「トリトンスクエア通信」で公開前に紹介してきたアークン(3927)が新興市場の台風の目になってきた。年末のウォール街でも2016年の世界の4つの地政学リスクとして中国、ロシア、中東、サイバーセキュリティが言われる。
この株は新春銘柄として注力を続けたい。新年号「トリトンスクエア通信」では再論の予定だ。
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日本株がリード

2015-12-29 08:54:16 | 投資戦略
東京市場は2015年もあと1日半の取引を残すだけになったが、ウォール街は休日なしで立会は年末まで3日間残す。
市場の関心事は今年が前年比でプラスに終わるかどうかにある。
昨年末のNYダウ平均は1万7823.07ドルであったが、昨日の引け値は1万7528.47。これまでの相場の経験則では12月最終日間の相場は79%が上昇した。この間の平均上昇率は+1.2%で、経験則通りの相場展開になれば年間ではわずかながらプラスで終わる。年末に発表される経済指標には目立ったものはなく、好調な中古住宅(11月)の販売高の指標が発表される予想。
東京市場の昨年末は1万7450.77円であった。昨日は1万8873.35円。プラスで終わり、日米の間のパフォーマンスに大きな差が出てきた。

ウォール街では、ことしの人気株で目立つ動きをしたフエィス・ブック(FB),アマゾン・コム(AMZN),ネット・フリックス(NFLX)、グーグル(GOOGL)の頭文字からFANGという言葉が生まれた。ハイテク株のリード役である。
フエィス・ブックは広告が印刷、TVからデジタル時代に移行し成長分野を築いた。株式公開した2012年の安値から5倍になり、インターネット広告の覇者になった。
アマゾン・コムは利益が出ていないが、クラウド時代の先端をいくビジネス・モデルを完成し、グーグルと揃ってNYダウ平均に採用されるという見方が有力。
ネット・フリックス、グーグルは日本にはないビジネス・モデルで米国でのハイテク業界の先端をいく。アマゾン・コムは12月第3週のプライムの会員の新規加入数が1日で300万人超と前年比で2倍になり絶好調であった。
2016年の人気業種にハイテクが上げられるが、この4社が新年もリード役になることは確実である。

有名なマーチン・フイルドスタイン教授(ハバード大)は2016年の4大地政学リスクとしてロシア、中国、中東、サイバー攻撃を上げた。引き続き今年の懸念材料が引き継がれ相場の頭を抑える。
新年の相場展開には世界的にみて楽観論は少ない。
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成長銘柄を見つけるヒント

2015-12-28 07:10:52 | 投資戦略
新年の世界株式への期待観が高まる。
いちばんの注目点はNY株の動向で、12月は不発に終わっただけにその反動高が出るだろう。連銀の政策転換で利上げ問題は相場に織り込まれた。12月下旬から上向きに転じてきたが、いまひとつ足取りはふらついた。
その人気は新春に持ち越されるだろう。年末になって原油相場がこれといった大きな材料が出ていないのに反騰した。米国での原油在庫の減少がきっかけだが、このような材料にも大きく反応したことに注目したい。相場は底を叩たいたのか?

12月からヘッジファンドの動きに胎動がみられる。ことしは全体が12月中旬まではマイナスで運用には苦闘した。しかし2015年にはポジションを大きく落とし、特に第4四半期には大きな動きがみられなかっただけに、新年に賭ける動きが高まってきた。連銀の政策転換で金融政策の方向性が明確になり、米国ではM&Aが増える兆しがみられる。
欧州、日本では緩和政策が続き、地域間での異なった方向性はヘッジファンドにとってはチャンスを提供する。
足元の東京市場ではテクニカル面での魅力が出てきた。
日経平均の25日移動平均との乖離率は-3.34%、騰落指数(25日移動平均)は76.58%といずれも買いゾーンにある。

先週、ウォール街ではバイオの人気株セルジーン(CELG)が1日で10%も急騰したことは本欄で書いた。
再度、この株について触れておきたい。今後の有望医薬品株を発掘のカギを提供してくれるからだ。
同社の主力製品レブラミド(多発性骨髄症の治療薬)の特許期限が裁判所の判定で2026年まで延長されたことが材料になった。この分野では世界初の決定的な治療薬である。
日本での患者数は1万5000人と少なく希少性医薬品だが、薬価が1ヵ月分で93万405円と高額である。3割負担の病気に投薬されると、健康保険を利用しても28万円弱のコストになる。この薬品の市場は世界に広がっており、セルジーンの売上全体の60%超になった。
現在のキャシュフローは膨大で、それが人間の生命を救う新薬の開発に投じられる。
高収益→高い研究開発費→画期的な新薬登場というサイクルが成長サイクルをつくる企業のお手本になった。このサイクルに乗れるかどうかが今後の医薬品株の成長のカギになってきた。技術革新のスピード化で停滞は許されない。市場はこのことに最大の関心を払う。
常識的な話だが、医薬品株の株価を判定するのに今一度、再考させられる点である。
東京市場でも日本のセルジーン探しが一段と強まるのが2016年である。この株への投資を再度おすすめしたい。
2016年の有望株を見つけるヒントにもなる。
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株価には超自然的な動きがある

2015-12-26 07:23:02 | 投資戦略
昨日は東京市場を除き世界の主要市場はクリスマス休場。

最近のIPO(新規公開)市場で気を吐いたのが18日に公開したアクーン(3927)だ。本欄でも紹介したようにサイバーセキュリティ関連である。
昨日の1日の売買代金は124億円と三菱商事に並んだ。IPO価格は1,360円で昨日は8,760円と短期間に6.4倍になった。初値は2日目の4.925円で初値買いでも1.7倍になった。
年末で市場全般では見送り気分の強い地合いのなかでの人気化。関連株には先輩のFFRI(3692)がある。2014年9月に公開し短期間に18倍になった先例をみて資金が集中する。ここ1年間で日米ともサイバーセキュリティ関連の人気が大きく上がった。米国に比べ、東京市場ではこの種のビジネスに特化した企業が少ないだけに、人気に大きなプレミアムが付く。FFRIのPER429倍に対してアークンは129倍。株価の倍増を追いかける。同社の顧客層はFFRIよりも一回り大きい企業で、米国の大手サイバーセキュリティ関連企業のインパーバ(IMPV)の製品を取り扱う。
株価はファンダメンタルでは説明はつき難いが、今後の成長性を買う。
この種の銘柄の人気相場を形成する投資家には株価判断には独特の感性が働いているのか。

かつてモルガンスタンレーの名物ストラティジストであったバートン・ビッグスはヘッジファンドに転向して成功したが、名文家としても有名。彼の名著「アブない金融錬金師たち/ヘッジホッグ」(日本経済新社刊)で、株式市場でときとして大きなチャンスをつかむ投資家のことを次のように書いている。
「昔、詩人のロバート・サービスが次のように書いている。「白夜の下で金を探す男たちには奇妙なことが起きる」。続けて、「北極に残る足跡には血も凍る秘密が刻まれている」(サム・マギーの火葬))。運用稼業を長く続けていると、そのうち、奇妙な、ほとんど超自然的と言っていい事件に出くわすことがある。株式市場は気まぐれな生き物で、ほとんど海や北極のような自然の力みたいなものだからだ。」
投資での成功はファンダメンタルだけでは説明がつかないことを自分の体験から表現している。
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