足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

任天堂の3DSの遅れの理由

2010-09-30 07:51:10 | 株式

昨日は任天堂が20113月期の業績を大幅に下方修正した。

経常利益の予想が3200億円から1450億円。外資系の証券会社には1500億円と予想する向きもあっただけに、数字は予想の下限になった。

同時に期待の3DSの発売時期が来年226日になった。12月の年末商戦時と見る向きが多かっただけに、期待外れであった。

会社は年内を目標にしていたが、来年に延びた理由として製品の完成度を高めるために最終製品の開発が遅れたことを認めた。そのために生産が間に合わなかった。

価格は25000円と事前の予想の上限に設定した。

岩田社長は「携帯型は据え置きより安いというのが常識になっていたが、その常識を変えた」ことを認めた。それほど3DSについては自信を持っている。

画像は据え置き型と同じレベルになったし、TVや映画の3Dが見られる。「3DS3Dのマスマーケットでの第1号になる」と狙いを語った。いずれ映画も見られるようになるだろう。

販売の遅れにはサードパーティ(外部の開発会社)の新製品の品ぞろえを待つ意味もあるのではないか。

海外では任天堂の株価が10%近く下落した。今回のニュースで株価がどこで落ち着くか?

底値を確認する動きになるだろう。

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ヘッジファンドの強気に反発・・・ウォール街

2010-09-29 08:14:54 | 株式

今週のウォール街は月曜日に下落したが、昨日は反発し先週末とほぼ同じ水準で引けた。昨日の景気指標はまちまち。住宅価格は予想以上の上昇、一方、消費者信頼感指数は予想を下回った。

今週、話題を巻き起こしているのは,先週末にいま最も人気のあるヘッジファンドの運用者デビッド・テッパーがCNBCに出演し超強気の見通しを披露したことだ。昨日の日経新聞の夕刊には次のように報道された。

冷徹で果敢な投資家スタイルで知られるテッパー氏。先週末に米CNBCテレビに出演し、こう断言した。「株式投資には買い時というものがある。今がまさにその時だ。われわれも急いで運用資金を債券から株式にシフトしている」

彼の強気の根拠はバーナンキ議長の量的緩和である。市場にマネーがあふれ出し、この場合は株式・債券・金などすべての資産が上昇する(同紙)。

昨年はヘッジファンドの運用報酬では40億ドルを稼いだ実績の持ち主。1992年の独立する前にはゴールドマン・サックスで8年間、債券トレーダー部門を率いた。

このテッパーの見方には、すぐに一斉に反論が出た。根拠は日本の量的緩和の先例で、日銀は20年間にわたる日本の低迷を打開できなかったというもの。弱気筋はバーナンキ議長の政策だけでは、現在の米国の問題は解決しないとみる。

しかしこのことについてはバーナンキ議長が十分に研究ずみのはず。単なる量的緩和だけでなく、資金が経済界にうまく循環する術を同時におこなうだろう。

それにしてもウォール街での情報の流れはたしたものだ。メディアには情報をスクリーニングする手段を投資家に提供するシステムが出来上がっている。

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アジア株投資のすそ野の広がり

2010-09-28 07:18:52 | 株式

昨日は日経平均が+1.37%と大幅高になったが、それに追随して上海+1.38%、インドネシア+2.07%、フィリピン+1.08%、タイ+1.11%とアジア株が軒並み上昇した。

ウォール街の人気がアジア株にも波及した。

ウォール街でもアジア株の見直し人気の再燃が目立つ。

けん引役は中国であるが、最近の特色はインドネシア、タイ、フィリピンなど、これまであまり話題にならなかった国に関心が向いてきた。スリランカなども投資対象としてメディアの相場欄には登場している。

インドネシアは人口の面では中国、インド、米国に次いでの大国である。これまであまり注目されることはなかったが、株価のパフォーマンスをみて欧米の資金が流入をはじめた。タイはアジアでも早くから質の高い労働力に注目して日本の自動車メーカーなどが生産基地にしてきたが、中国の人件費の高騰で再認識が始まった。

フィリピンの強みは英語圏であることだ。米国とのつながりは深い。

われわれもこれまでの中国、インドへの投資から、アジア全体を対象にしたエマージング投資に力点を置きたい。

ベストはアジア諸国全体を包含したヘッジファンドであるが、日本から投資するには専門的な知識が必要である。

差し当たりはアジア地域を対象にした投資信託に注目することである。

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任天堂の展開

2010-09-27 05:27:58 | 株式

任天堂(7974)の株価にようやく底入れ感が出て上昇トレンドに入ってきた。

918日にDS向けの新作ソフトの「ポケモン・ブラック」と「ポケモン・ホワイト」が出て株価の人気に弾みをつけた。新作ソフトの売り上げは、これまでのDSの新記録をつくっている。

最近は携帯電話などのゲームの人気化の押されぎみの任天堂であるが、ポケモンの新作で面目を一新した感じである。

追いかけて今週の29日には世界中のゲームフアンが注目する3DSが、同社が主催するカンファレンスで公開され、発売時期と価格が正式に公表される。

ゲーム業界に一種の革命をもたらせたDS,Wiiが人気のサイクルのピークを迎え業績が下降トレンドにはいり、株価は大きく下落してきた。

3DSの発売のスケジュールをめぐっては遅延説を出す証券会社のアナリストが出て株価は大きな波乱をしたが、今回の発表によって株価の方向性が決まるだろう。

日本では正式には公開されていない3DSであるが、今週のカンファレンスでは、具体的にどんなソフトが出るかも公表されるだろう。世界では同時発売の予定で、任天堂以外のサードパーティのソフトについても具体的なスケジュールが出る可能性がある。

今週は任天堂の株価の動きには注目したい。

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NY株は月間で1939年以来の記録

2010-09-25 09:57:40 | 株式

NY株が大幅高に終わり4週連続高になった。週間では+2.38%、9月はこれまでで+8.44%でことしの最高のパフォーマンスを記録した7月の+7%をも上回っている。1939年以来の記録である。

昨日は8月の耐久消費財の受注のコア指数が好調(輸送用機器などぶれの大きい数値を除く)で、景気のダブルディプ論を吹き飛ばした。投資家のセンチメントに変化が出ると、連銀のバーナンキ議長の采配の巧みさが相場の材料として浮上する。昨日は東京市場で白川日銀総裁の辞任説が出て日本株が一時は急騰したが、市場は日米の中央銀行のトップの力量にも大きな格差があることをかねて危惧してきたことが、表面化した感じである。

今週は市場参加者が予想した通りウォール街ではハイテク株が相場のけん引役になり、昨日は半導体関連指数SOXが大幅高になった。

米国を代表するハイテク関連のアップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)が史上最高値をつけた。両銘柄とも現在の成長には永続性がないという見方がしばしば出るが、その種の見方をはねのけ、新しい成長機会を開拓している。

さてNY株だけではなく、昨日はエマージング市場の上昇も目立ち、インドネシア株が史上最高値、韓国が20086月以来の高値に進んだ。

このような現象をみていると、日本株への閉塞感の底流にある本質的な問題に目が移る。

最近、ゴールドマン・サックスが出したエマージング市場の展望のデータには2010年→2030年の世界GDPに占める各国の比率の推移の数値がある。

米国24%→17

中国9%→23

日本8%→4

インド3%→6

この数字をみても外人投資家が日本株をどうみるかが読み取れる。

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