足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

日米の株価の差が出てきた理由・・・フェイスブックの反撃が始まる

2012-09-29 08:24:26 | 株式

NY株が一時は大幅安になったが引けは-48ドルで終わり下値抵抗感をみた相場展開であった。

9月は月間でダウ平均は+2.6%で終わり日経平均の+0.34%に水を開けた。

ただ米国の最近の景気指標はまちまちの動きで、一部には景気の鈍化懸念が浮上している。

本日の日経新聞には日本の8月の鉱工業生産が前月比で-1.3%になり第3四半期の成長率がマイナスになる可能性があることを伝えた。

日本株がNY株との連動性を失ってきたのは6月初めからである。64日に日経平均は8295円で底入れしたが、9月末までの上昇率は+6.9%、この間のNYダウ平均は+11%と2倍近いスピードで上がった。年初来、日米とも同じペースで動いてきたのが、6月を契機に相場のエネルギーに開きが出てきた。日経新聞が指摘するように第3四半期に日本の景気がマイナスになれば、相場がいちはやく暗示していたといえる。円高、中国の景気の減速が日本経済に影響を与えた。

中央銀行が日米とも現状分析をして金融政策の緩和に踏み切ったが、相場は一足先に現状を読んでいたといえる。

昨日のウォール街の注目点はフエィスブックの株価の反騰である。+7%急騰した。

今週は米バロンズ誌がフエィスブックに弱気の記事を掲載し大きく下落して始まり、ハイテク株に反省人気が出ていた。昨日の反騰のきっかけは同社がEコマースに乗り出すことを発表したことだ。世界で95500万人のユニークユーザーを抱えるだけに、そのユーザー数が大きくものをいう段階にはいった。モバイルへの進出といともに、フエィスブックの反撃が始まった。

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「5月に売って秋に出動」・・・NY株の経験則

2012-09-28 08:09:41 | 株式

NY株は5日間の連続安のあと反発した。

ここ数日、スペイン、ギリシアでの暴動が懸念材料のひとつであったが、スペインでは増税よりも緊縮財政を選択される方向性が出て金融市場の不安が収まった。

また中国でも株価対策が期待され上海、香港株が大幅高になった。

NY株のけん引役は引き続きハイテク、エネルギーである。10月には第3四半期の決算発表が始まるがこの2業種に関しては業績には不安がない。

底流には技術革新の波が進行中で、米国経済を支える大きな大黒柱である。

6月末の米ヘッジファンドの組み入れ上位5銘柄はアップル(AAPL),グーグル(GOOG)、クワルコム(QCOM,マイクロソフト(MSFT,ニューズ・コーポレーション(NWSA)である。これらの銘柄に投資しているどうかでパフォーマンスの内容に差が出ている。ヘッジファンドだけでなく年金に機関投資家も同じである。

さてあと1日を残して本日9月相場は終わる。NYダウ平均はこれまで+3.0%、日経平均は+1.2%と投資成果に大きな差が出ている。NY株の動向に左右される日本株だが、米国のように市場のリード役が不在であるのがパフォーマンスの違いになって現れている。相場に柱がないだけに、人気銘柄を選択するのは個別銘柄のファンダメンタルと材料になり、人気銘柄の変転が激しい。

過去20年間の米国株の10月の経験データによると月間で+1.8%になった。年間では最高の上昇率である。ことしは「5月に売って、秋に再出動」という投資で成功する経験則が当たった。

この経験則がことしは生きる可能性が高い。

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ウォール街に背中されて米国株から学ぶ

2012-09-27 07:46:30 | 株式

NY株は5日間の連続安になった。ハイテク、エネルギー関連株が悪役であった。

昨日の大幅安からは下げ幅を縮めたが、連銀がQE3を発動した時の勢いはみられない。

この日はFOMCのなかでもハト派で有名なシカゴ連銀のエバンズ総裁が「ここで行動を起こさなければ景気は悪化し、1990年代の日本の2の舞になる」と今回の政策は短期的にも効果を上げる速効性があると強調した。

米国株安はアジア、ヨーロッパにも波及し米国株が世界を左右するという現実をあぶり出した。週初めに米バロンズ誌が妥当株価$15としたフエィスブックは$20台に乗せ落ち着いた。

今月にはいってからの上昇ピッチが速かっただけに調整は当然であるが、次の関門は10月上旬から始まる米企業業績の発表だ。久しぶりに前年比では利益がマイナスになりそうだが、すでに個々の株価は織り込んでいる。

昨日の株価をみても米国株の株安ショックは日本に大きく響いた。経済構造の違いと、アップル、グーグルに匹敵するような技術革新のスターが見なれないことも両国の株価のパフォーマンスの違いになって端的に現れている。

さきに本ブログでも書いたが小物であるがMスリー(2413)の13の権利落ち後が好調で史上最高値に顔合わせは時間の問題。

以前、Mスリーと同じ時期にシップヘルスケア(3360)を取り上げたが史上最高値を更新しはじめた。病院の合理化関連だが、米国型のビジネスモデル。この株も長期に保有できる株である。

米国株の上昇を横目にはみないで、日本の製造業が勢いづいているときに非製造業分野の新ビジネスを生み出す流れをつくってきた歴史から、われわれも投資のヒントを学ぶべきである。横目ではなく正面に見据える。

アメリカは「日銀の失敗に学ぶ」というが、皮肉な話ではある。

われわれの投資の視点の研究には1日の作業時間の3分の2を米国株に充当している。無意識のうちににそうなった。

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NY株は連銀のタカ派の言動に反応・・・基調には変化なし

2012-09-26 09:10:05 | 株式

NY株はフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁の講演での「QE3は雇用改善には効果はなく、むしろリスクの方が大きい」というコメントに大きく反応し下落した。

同総裁は議決権のないメンバーの一人で金融政策にはタカ派で有名。

内容には新鮮味はなかったが、最近のNY株は100ドル以上の下落がなく、順調に上昇し短期的には過熱感があっただけに、株価は些細な懸念材料にも反応しやすい地合いにあった。ただ相場の方向性には変化はない。これまで人気を集めてきたハイテクの2本柱のアップル、グーグルが大幅安になった。

このような相場のなかで注目されたのがヤフー(YHOO)である。往年のネットの人気株の座をグーグルに奪われてきたが、経営者がメイヤーに代わり、新しい経営戦略を近く打ち出すことが材料になっている。

主軸をPCからモバイルに移し新しい市場での地位の向上をはかる。具体的な戦略の発表はこれからだが、株価は大きく下落した水準にあるだけにヤフーのリバイバルに期待する向きが出てきた。

同じことが東京市場でのヤフー(4689)にもいえる。かつてはソフトバンクの苦境を救う役目を果たし、資金面で大きく貢献してきた。ブロードバンド時代の到来で米国のヤフーとは異なった路線を歩んだが、ここへきて先行きの成長戦略が見えてこない。

日本のヤフーも経営陣が刷新され、新戦略が出てきているが、大きな柱は見えてこない。しかし米国と同じようにグーグルやアップルに先を越されたウェブの技術革新のなかで地盤の回復を目指す動きが散発的だが見えるようになってきた。株価の動きをみていると感じられる。日米とも地盤の奪回への動きが経営陣の交代で見えはじめた。

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NY市場ではハイテク株が活況

2012-09-25 07:23:16 | 株式

昨日のウォール街はフエィスブック(FB,アップル(AAPL,グーグル(GOOG)の話題でにぎわった。

週末のバロンズ誌がカバーストーリーでフエィスブックの株価は$15が妥当としたことだ。先週は安値の$17.55から$23まで戻していただけに株価には衝撃を与え一時は10%以上の下落になり、取引を一時は中断するサーキットブレイカーが発動された。

バロンズ誌はことし5月の公開前からフエィスブックには弱気で公開価格の$38は高過ぎると主張してきた。

今回も現在のPER47倍は異常な株価で妥当株価は$15とした。根拠はインターネットの利用者がこれまでのPC中心からモバイルに移行してきたことを指摘している。現在の収入のうちモバイルからはわずか5%であることを強調する。これまでフエィスブックの強気派はモバイルからの収入が低いので、先行き大きな市場が開けると主張してきた。

しかしモバイルの画面はこれまでのコンテンツを自在にダウンロードするには小さ過ぎて、ユーザー離れが起こり始めている。

フエィスブックの株価は911日に経営者のザッカーバーグが公開以来はじめてカンファレンスに姿を現しPCからモバイルへの移行を強調し、底入れし反騰してきた。それだけに冷や水を浴びせられた。

フエィスブックとは対照的に、この日はグーグルが+15%と急騰し史上最高値の$749になった。

先週末、iPhone5を発売したアップルは小幅安であったが、新製品が2日間で500万台の販売に達したことを発表した。ウォール街の事前の予想では800万台とする見通しもあった。注文に対応するための商品の供給が間に合わなかったようだ。

このようにウォール街ではハイテク株をめぐって悲喜こもごもの様相で市場は活況である。

相変わらず円高に悩まされる東京市場とは好対照である。

この動きから見てとれることはハイテク株の世界には大きな地殻変動がみられるおとだ。日本にもその余波が及び、それに乗れる銘柄には出世株が出ることは確実である。

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