足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ギリシャ不安の影響度

2015-06-30 07:25:45 | 投資戦略
ギリシャ不安が世界の株価を揺さぶった。
日本-2.88%、米国-1.95%、中国-3.3%、ドイツ-3.56%、フランス-3.74%、英国-1.97%。
中国、ヨーロッパ株への影響が大きく、米英へは軽微、日本はその中間だ。
世界の株価にショックを与えた国際的な事件と株式相場についてMarketWatchがデータが過去の事例をまとめている。
2013年5月22日 米連銀の緩和縮小策       33日間 -5.8%
2011年8月5日  米国債の格下げ         90日間 -8.3%
2011年3月11日 日本の震災           3日間 -3.6%
20110年5月6日 ウォール街フレシュクラシュ   1日間 -4.7%
2008年9月15日 リーマン・ショック       121日 -46.0%
2004年3月10日 マドリッド爆破事件       10日間 -4.1%
2001年9月11日 NYテロ事件          5日間 -11.6%
1998年9月23日 LTCM破綻          11日間 -10%
1990年8月2日 イラクのクウェート侵攻     49日間 -16.9%
1987年10月19日 NY株クラシュ         33日間 -20.8%

今回のギリシャ問題は地域が限定されており世界に大きな金融不安をもたらせるものではない。
現在はユーロ中央銀行が量的緩和を継続しユーロ圏の経済安定が軌道に乗っているだけに、大きな衝撃を世界の株価に与えないだろう。
特に米国の金融機関や機関投資家のギリシャへの投資は少なく、国家が破綻しても影響度はすくない。
日本経済も回復軌道に乗り出したときだけに、経済への影響度は少ない。
相場の水準が短期的に過熱状況でなかっただけに、下値は限定的である。
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ギリシア、米雇用統計に関心

2015-06-29 05:51:54 | 投資戦略
今週の海外の焦点は2つ。ギリシアの国民投票と木曜日の米雇用統計の発表である。
月曜日は混乱を避けるためにギリシアの銀行は休業だが小額資金の引き出しのATMは営業される。国民の過半数はユーロ圏からの離脱は望まない方向で1週間後には債務の延長の話し合いが再開される予定だ。
それよりもウォール街の大きな関心事は米雇用統計(6月)だ。米景気は回復基調にあり、数字によっては9月の政策転換が濃厚になる。この材料をめぐっての議論が盛んなるが、利上げの予想が高まる可能性がある。
いまひとつの材料は2週間後から始まる第2四半期の決算発表である。足元の企業収益はまちまちで業績の方向性は踊り場にある。相場はボックス圏でのもみ合いの可能性が高い。

東京市場も海外相場に左右される人気には変わりがない。ただ週末に暴落した上海株は利下げで落ち着くだろう。今回の中国株の波乱はこれまでのように世界の株価に与える影響度は大きくはない。
東京市場での株価水準は居心地のよい水準で大きな波乱は考えられない。特にテクニカル指標に過熱感がなく、個別物色が継続するだろう。引き続き訪日外人によるインバウンド関連銘柄に注目したい。消費関連の物色範囲の拡大につながりはじめた。

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2人の賢者が警告を発した

2015-06-27 07:51:59 | 投資戦略
問題のギリシア問題の決着が遅れNY株は一服、期限の迫った交渉に関心が集中する。

投資の世界での成功者のカール・アイカーンとジム・ロジャーズが足元の投資環境に警鐘を鳴らす。
アイカーンは代表的なアクティビスト運用のヘッジファンド。世界最大の時価総額アップルに株主還元を迫り成功した実績を持つ、いまやヘッジファンド業界の盟主だ。ツィツターとTV出演で“相場は過熱した”と警告した。このまま放置すれは2007年~2008年のリーマンショックの2の舞になるという。自分も株式投資には大量のポジションを抱えているだけに、相場の過熱はどこかで調整して欲しいという願望が強い。相場の波乱を切り抜けてきた自信がその相場観にはある。警告を発する以上はロングポジションはヘッジしているはずである。
いまひとり同じように警告を出したのはジム・ロジャーズだ。ソロスの相棒として世界最大のヘッジファンドを築き上げた成功者。現在はアジア時代の到来を早くから予見して拠点をシンガポールに移し令嬢を中国で教育した。
彼は早くから米連銀の量的緩和に批判的で、その帰結が現在の米国での債券市場のバブルをもたらせたと指摘する。
米国の年金資産はゼロ金利下で実質的に目減りし、高齢者の生活を圧迫する。早急に連銀のゼロ金利政策の撤退を求める。いま注目しているのは中国、日本、ロシアで自分の運用資産の力点を置く分野だ。
2人の賢者の警告は株価の高水準とセロ金利のもたらせた債券相場のバブルが動機である。
この種の警告は連銀が金融政策の転換を断行するまでは株式相場には懸念材料として株価の頭を抑えるだろう。

警鐘には謙譲に耳を傾けなければならなないが、救いは日米とも株価水準の位置が割高でないことだ。PERは日本が16倍、米国が17倍と居心地のよい水準にある。
先行きの投資戦略では個別銘柄の選択で株価の波乱に備えたい。
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ストックピッカー・マーケット(個別物色)が強まる

2015-06-26 06:13:41 | 投資戦略
NY株は続落。週初めにギリシア問題が好転したかにみえたが、依然としてユーロ圏との話し合いが続く。市場参加者の目はギリシアよりも7月初めの米雇用統計の方に関心が移る。足元の景気指標には好調な数字が多く、雇用の改善を示唆する。失業率の低下が続けば9月の政策転換が一段と有力になる。

ウォール街で気にされているのはダウ運輸㈱指数の動きである。経験則からは相場全体の先行指標的な存在で、相場の上昇トレンドを確認する。
運輸株指数は昨年12月にピークをつけ現在まで11.%強の下落になった。先行きの相場には警戒信号を発している。この動きをみて「一本調子の相場上昇の時期は終わった」とみる向きも増えてきた。強気筋のなかにも「当面はテーマで戦略を立てるよりも、個々の銘柄で勝負をするとき」と見る向きも多い。

このような見方は東京市場にも当たるかもしれない。メディアが日本株の活況を取り上げる。売買代金もふくらみ、リーマンショックの後遺症も消えた。外人投資家の資金も日本への還流が続く。ただ東京市場でさわぐほど外人投資家の日本への関心は高くなく、むしろ中国株の行方を気にする。活況が続く上海株のバブルが崩壊しないかどうか?このような問題意識はヘッジファンドの間で根強い。最近、米国のヘッジファンドを訪問したイギリスの投資銀行のレポートでは、中国への警戒感が強いことに注目する。ヘッジファンドは個別物色の姿勢を強めているというのがレポートの結論である。

このことは目先の東京市場をみる上でも参考になる。「相場観を語るよりも個々の銘柄を論じるとき」になった。
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有力ヘッジファンドが警戒信号・・・任天堂のソフトにヒット

2015-06-25 06:08:35 | 投資戦略
NY株は昨日とは変わり一転して弱気ムードが支配した。
焦点のひとつはギリシア問題で、ユーロ圏の首脳との会談でギリシア側の緊縮政策が当面お解決の糸口になるとみられたが、完全な合意にはいたっておらず、再び月末の返済が暗礁に乗り上げた。話し合いは継続されている。
ギリシア問題が浮上するとウォール街で頭をもたげるのが連銀の金融政策の転換である。9月説が有力になってきた。本来は相場にある程度、織り込まれたはずだが、株価の先行きの方向性を読む最大の鍵のひとつであることに間違いはない。

ヘッジファンドの雄であるカール・アイカーンが相場に警戒信号を発した。
「現在のジャンク債市場は過熱だ。いつ暴落してもおかしくない」とTVに出演し語った。
連銀の超金融緩和で資金が高利回り債に大量に流れている。その結果、国債とジャンク債の金利差が縮小している。
アイカーンだけでなく債券投資の世界の第一人者ジェフリー・グンドラフ(ダブルライン・キャピタル)も5月初めから警鐘を鳴らしてきた。両人はリーマンショック時のように株、債券の下落を見込む。ヘッジファンドの世界での成功者だけに無視はできない。
案外、こんなところに相場の落とし穴があるのかも知れない。
リーマンショック時は住宅抵当証券が暴落の引き金であった。

昨日、紹介した任天堂の新作ゲーム「スプラトゥーン」の世界販売が100万本を超えた。5月29日に発売されたWiiU向けのソフトで「いか」を主人公にした対戦ゲーム。若手開発メンバーがアイディア70の主人公から選んだキャラクターで、久しぶりのヒット作品である。これまでのWiiUの最大ヒットソフトは「マリオカート」の511万本で、その数からして1ヵ月足らずで100万本超になったのは、久しぶりの朗報である。
株価はその人気を知っていた。


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