足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ソーシャルゲームの「ジンガ」がIPO・・・ゲームの世界の潮流を変える

2011-06-30 07:55:11 | 株式

NY株は3日間の連騰で先週後半の下落分を取り戻した。後半の下落は連銀FOMC後の失望売りでQE3の打ち切りにともなって景気の減速を売った。いま一つの悪材料はギリシア問題であるが、この方は政治の主導で当面は小康状態にはいってきた。

話題は世界最大のソーシャルゲームのジンガ(Zynga)のIPOである。今週中にもIPO(新規公開)の予定であるが、関心は公開価格だ。市場からの資金の吸収は15~20億ドル(1200億~1600億円)が予想されている。仮に20億ドルになればジンガの時価総額は200億ドルと1兆6000億円に評価されることになる。任天堂の21000億円に近づく。グリーは3900億円、DeNa5200億円である。

いまや携帯端末向けSNSのゲームは完全に家庭用ゲームの世界を脅かす存在になってきた。特にこれまでの任天堂DS,ソニーPSPは完全に守勢に立った。この調子でいくとジンガが任天堂の時価総額を追い抜いて世界トップのゲーム関連銘柄になる可能性が出てきた。

米国をはじめ日欧のゲームのパブリシャーのソーシャルゲームへの雪崩れ現象には歯止めがきかない。

消費者が判断する利便性とゲーム内容の独自性の魅力が地についていてきた。

ソフトバンクがジンガの株主である。

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生きている成長株投資

2011-06-29 07:54:05 | 株式

NY株は2日間の大幅高になり、先週後半の下落分をほぼ埋めた。

牽引役はエネルギー、ハイテク、ブルーチップである。これといった材料が出たわけではいが、ギリシア問題が落ち着きの方向に向かっているのが材料視されている。ドイツの金融機関が債務の返済期限の延長で話し合いを始めているようだ。

今週の米バロンズ誌には成長株投資で有名なボブ・ターナー(ターナー・インベストメンツ)との対談が掲載されている。しばらくウォール街では成長株の論が聞かれなかったが、ターナーは2005年に現在の運用会社を立ち上げた。186億ドル(15000億円)の資金を運用している。現在までの成果は年7.2%でMSCI World指数の+5.2%を上回る。5年で資産を2倍にするというスピードだ。ここ1年間は+22.2%と好調だ。

「銘柄選択の条件の第1番は業績が予想を上回るということ。PER30倍でも利益成長が+40%の株は投資できる」という。この場合のPER21倍に下がる。

注目株のARM Holdings(ARMH)が今年は+30.1%、過去1年は+117.7%、Acme Packet(APKT)はそれぞれ+17.7,+132.7%。

しばらく成長株投資が忘れかけられていたが、ファンダメンタル分析をベースに成長株を掘り出す手法は生きている。

20世紀が生んだ偉大な投資家ピーター・リンチの投資哲学は生きている。

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昨年7月の再来に期待したい

2011-06-28 08:05:35 | 株式

NYダウ平均は先週の3連続安のあと週初めは反発した。

特にこれといった材料が出たわけではなくセンチメントが弱気に傾き過ぎていただけに売り疲れ気分か?

特にハイテク、金融株が相場のけん引役になったのをみても市場の気分がわかる。

これまで不人気の筆頭格であったマイクロソフト(MSFT)が買われた。ここ1年間、割安とみてファンダメンタル重視の機関投資家(たとえばビル・ミラー)などが注目を続けてきたが期待に反して株価は不振。材料は米国政府が海外での利益の蓄積の持ち込みの税率(還流税35%)を軽減するというウワサが株価を押し上げた。大手ハイテク企業のバランスシート上の現預金勘定の70%以上は海外に積み立てている。税率を軽減し国内に還流して自社株買いにでも当てれば株価には大きなプラスになる。米国株には株価を押し上げるこのような財源があるわけだ。ドル高要因でもある。

今週で6月相場が終わり7月相場いりする。

昨年7月はNYダウが月間で+7%になり後半相場の反転の先駆けになった。ことしも市場のセンチメントは似通っている。

東京市場でも7月は第1四半期の決算の見直しの季節だ。20123月期は震災の影響が読み切れない状況で予算が組まれ保守的な見通しであったはずだ。しかしその後は経営者の見方は前向きになっている。日米ともミクロの材料に株価が反応する季節にはいる。

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QE2打ち切り後の株式相場

2011-06-27 08:04:19 | 株式

先週の東京市場はNY株の後半3日間の連続安にもかかわらず水曜日と金曜日が上昇し週間ではプラスで引けた。NY株が週間でマイナスになったのとは対照的であった。

先週の連銀FOMCでは2011年のGDPの成長率が2.7%~2.9%に下方修正されたが、日本の方は2011年度の後半の企業業績の急回復が伝えられた。世界のGDP9%弱を占める日本経済の回復が久しぶりに海外でも存在感を持ち始めた。

当面、注目されるのはドル相場の動きである。

6月末で米連銀はQE2を打ち切る。市場に放出した資金はそのまま滞留させるが、これまでのように新しい資金の増加はないし、米金利の低下は見込めない。

QE2の副産物として石油をはじめ商品相場を押し上げてきた資金はドルへの回帰を始めるとみる向きも出てきた。ゼロ金利の米ドルを借りて海外で運用してきたホットマネーの動きが逆流を始める可能性がある。

QE2の打ち切りドル金利の上昇エネルギー価格の下落という循環が出ると、東京市場にはプラスに働くはずで、先週の日本株の相対的な強さが説明できる。

バーナンキ議長は米景気の鈍化の影響にエネルギーの上昇、日本の震災を強調した。この2つのマイナス材料が先行き消える可能性が出てきた。相場の転機を探る動きが出始めるだろう。

相場の方向性にかかわらず中型株の割安銘柄には注力を続けたい。

具体的には旭ダイヤモンド(6140)、飯田産業(6880)に注目している。

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NY株は一転して弱気に・・・ハイテクが足を引っ張る

2011-06-25 09:21:49 | 株式

NY株が一転して弱気ムードに陥った。

ハイテク株が下落の牽引役になったが、オラクル(ORCL)の決算が材料だ。利益は事前の予想通りであったが最近、事業拡大のために買収してきたハード部門が足を引っ張った。

ソフト企業ではマイクロソフトと並んで米国を代表する2大企業だけに悪材料には敏感である。

また半導体のチップ・メーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)の業績が悪化し株価は-14%になった。この2銘柄の下落がハイテク株の下げの原因になった。

またムーディズがイアタリアの金融株を格下げしたが、弱気人気は銀行株に波及した。

ギリシア問題が解決へ一歩踏み出したことは、この日は全く無視された。

NY株は週間ではマイナスになり、過去8週間のうち7週間が下落するという典型的な弱気市場に逆戻りした。株価が下落するとベアー(弱気筋)が元気づく。

1週間前と同じような状況になったが、市場では6月末で切れる米連銀のQE2(2次量的緩和策)後の景気状況に関心が向かう。

今週の連銀のFOMCではバーナンキ議長が新しい政策を打ち出さなかった。先行きは政策をめぐる議論について一段と声が高くなるだろう。

ただ市場の内部要因では弱気指標が多くなり、相場水準は底値圏にあることは確かである。

東京市場は震災後の景気回復のスピードの速さが注目されるが、これからは指標面で顕在化してくるだろう。

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