足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

著名なレオン・クーパーマンの見方

2008-07-31 14:14:50 | 株式

レオン・クーパーマンといえば、ヘッジヘッジファンドのオールド・ファンには懐かしい名前である。

1970年代にゴールドマン・サックスのストラティジストの地位を離れ「オメガ・ファンド」というヘッジファンドを立ち上げた。

当時はジョージ・ソロス、ジュリアン・ロバートソンと並んでヘッジファンド業界の超タレントであった。

1990年代~2000年代はじめには、そのヘッジファンドから多くの有能な運用者が巣立っていき、現在のヘッジファンド業界を作り上げるのに大きく寄与した。

ソロス、ロバートソン、クーパーマンは、部下たちが独立するにつけて資金面で援助してきた。自分の財産を、若い運用者たちに運用を委ねた。

クーパーマンは事実上、第一線から引いたとみていたが、いまなお現役で活躍している。

“連銀と政府が資金の供給を行い、しかも選挙時であり、株価の価値が、自分の経験からしても債券に比べてとてつもなく安い。こんなときはチャンスである。これまでから何回となく、同じようなサイクルを経過してきた。今回は過去とは異なるという投資家は少ない。1970年のペンセントラル破綻(鉄道会社)のときも、問題にだけ注目して、相場が底であるという議論はなかった」と語っている。

「今の株式市場は、子供をキャンディー・ショップに連れて行ったときのようなものだ」。

彼にしては、どれをみても欲しいものばかりである。

百戦錬磨の大物運用者の話である。あまりにも「投資したい株ばかり」として全力投球しているようだ。

(この記事は今週の米バロンズ誌の対談記事からアイディアを借りた)。

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「ゼロサム」のゲームの世界

2008-07-29 17:58:12 | 株式
今回の金融市場の波乱でヘッジファンドの世界でも勝者と敗者が鮮明になってきた。
本欄でこれまで書いたジョン・ポールソンのクレジット・オポチュニティ・ファンドの昨年の成果は6倍になったが、一方では大きな損失を出して、この世界から退場するところも多かった。
その現象をみていると、まさに「ゼロ・サム」のゲームである。サブプライム問題が表面化するまでは、高利回りの関連商品に、大きなレバレッジ(てこの効果)を利用して資金を投じた。この種のファンドは大半が解散に追い込まれた。ゲームの「ゼロ」の世界に属した運用者たちである。
しかし昨日、発表になったメリルリンチの損失処理によると、保有していたCDO(債務担保証券)を投資会社に売り渡した。
昨年8月のベアースターンズの問題が発覚したときは、メリルリンチがデリバティブの一部を、一時的に肩代わりし資金繰りをつけたのは記憶に新しい。それを今度は価値の下落したCDOを投資会社ローンスター・ファンドの関連会社に売却した。
初めに紹介したジョン・ポールソンだけでなく、金融市場の危機をチャンスとみて活躍する運用者の数もふえてきた。
今週の米バロンズ誌に6月のヘッジファンドのランキングが掲載された。この種のデータは、ほかの金融商品と異なりパフォーマンスの計算が遅れる。ランキングによると、グローバル・マクロのクラリアムLPの月間の成果は+16.0%であった。年初来(1~6月)では+58%である。初めに紹介したジョン・ポールソンのようなヘッジファンドが出てきた。
「ゼロ・サム」の世界の「サム」のスターである。
このファンドの評価は、専門家の間ではかねて高かった。


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金融危機は起こらない・・・グリーンスパン前議長

2008-07-28 18:02:26 | 株式

「いつの日か投資家は、市場が合理的から非合理的に変わるときが分かるようになるかもしれない。だが、わたしは疑問に思う。熱狂と不安の間で振り子のように揺れる性向は、人間が生まれながらにもっているものであり、永遠に変わらないように思えるのだ。何世代にもわたって経験しているのに、こうした性向は緩和したように思えない。経験から学ぶと思いたいし、ある意味では、学んでいる。たとえば、予測対象の期間にあらわれると懸念される不均衡や問題はなにかと問われるとき、わたくしは決まってこう答えるようになった。市場参加者が予想できるような金融危機はめったに起こらないものだと」(「波乱の時代」アラン・グリーンスパン著/日本経済新聞社刊)。

株式市場の方向性がなかなか固まらない。

ドル安の反転、原油価格のピークアウト感と、ここ1年の株式市場が懸念した悪材料が、このところ、好転の方向にあるのにである。

相場の根底にはサブプライム問題、住宅公社2社のような、住宅関連の爆弾が潜んでいて、いつ爆発するか分からないという懸念が市場から消えない。

しかしグリーンスパン前議長のいうように「金融危機はめったに起こらない」という。

この言葉に信を置くなら、相場は底値を模索しながら、底いれの着地点を探している。

ここ2~3日の東京市場での新興市場も着地点を確認したのか?

今月中旬の安値からみるとNYダウは+3.8%、日経平均+4.6%、マザーズ指数+10.1%である。この動きに注目している。

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ベアーマーケットはいつ終わるか?

2008-07-27 18:12:23 | 株式

クレディット・オポチュニティ・ファンドというヘッジファンドがある。

昨年1年間のパフォーマンスは6倍の上昇率であった。

ニューヨークに本拠を置くポールソン&カンパニーというヘッジファンドの運用会社の傘下のファンドだ。

ポールソンは、レオン・クーパーマンのオメガ・ファンドで資金運用を行ってきたが、独立した。

昨年は37億ドル(4000億円)の利益を上げ、1992年にポンド投機で2000億円の利益を記録したソロスの年間の利益を上回った。

昨年、世界の銀行が出した損失と手持ち証券の評価損の合計は4,670億ドル(50兆円)であったが、その裏でが、証券やデリバティブの下落で利益をあげるヘッジファンドが散見された。関連商品を空売りした。

NY株は今月初め、昨年10月の高値から20%下落し、ベアーマーケット入りした。「まさか」と思った住宅公社2社の危機が引き金になった。

ベアーマーケット入りした以上は、その引き金になった悪材料が消えなければならない。今月にはいってから、悪材料のうちエネルギーの高騰、ドル安には反転の兆しが出ている。

それがトレンドの転換であるのか、一時的な現象であるのかを、いま読むのは難しい。先週末も石油は下落、ドルは反転はした。

問題はジョン・ポールソンのような専門家が、現状をどう判断するかである。彼は今回の住宅不況で下落した金融商品に投資するヘッジファンドの新設に動き始めた。

ただ新しいファンドのスタートは今年末を目標にしているという。

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ビル・グロスの住宅不況の見方・・・東京市場にも影響

2008-07-25 16:20:14 | 株式

昨日のウォール街は今月16日のNYダウ平均+276ドル高を打ち消す下落で、-283ドル安で終わった。

先週来の住宅公社2社であるファニメィとフレディマックの救済で、金融市場は落ち着いたかにみえたが、6月の住宅市場の一段の悪化と週間の失業保険申請件数の事前予想を上回る増加が、相場に冷や水を浴びせた。

債券投資の最高の権威者であるビル・グロス(投資顧問会社ピムコの経営者)が、毎月、自らが書き下ろしているウェブサイトの8月号で「住宅不況の安定には1兆ドルが必要」と書いたのが、相場のセンチメントに影響を与えた。

これまで世界の金融機関は4681億ドル(54兆円)の損失と評価損を出した。そのために資本調達を3446億ドル(36兆円)行ったが、それでも問題の処理は終わっていないとみた。

ビル・グロスによると問題の処理はまだ道半ばである。これまでの処理は終わったとしても、これから発生する住宅市場での破綻は織り込まれていないという。

相場の反騰をリードしてきた金融株が軒並み売られ、S&P500の金融セクターは-6.7%も暴落した。

NY市場の人気が東京市場でもリード役であった金融株の足を引っ張った。

本日は、みずほフィナンシャル-8.5%、三井住友-5.83%、三菱UFJ-5.43%と、ウォール街の銀行株並みに下落した。

住宅公社が発行した債券の最大の民間の投資家であるビル・グロスの発言は重かった。

今回の世界の株価の反騰は、ベアマーケットのなかでの中間反騰であったが、その動向は金融株がにぎっていることを証明した。

中間反騰はまだ終わっていないとみる。

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