足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

米FOMCで金融緩和の可能性が高まる

2010-07-31 08:01:22 | 株式

7月相場も終わった。

世界の市場の動きをみると一時は気にされたダブルディプ論(景気回復の鈍化)を、企業業績の好調なニュースが跳ね返した。

月間ではNYダウは+7%、ヨーロッパ株(Stoxx Europe500+4.9%、MSCIエマージング+8%であったが、日経平均+1.6%。

東京市場のパフォーマンスが見劣りした。NYダウは今年の月間では最高の上昇率だ。

目下、発表中の日本の企業業績はリーマンショックの打撃を跳ね返し、急回復が目立つが個々の株価への反応は一時的である。

理由は一言でいえば円高で、市場は企業収益の回復を素直に消化できないところに問題がある。

先行きの相場を読むうえでの最大の材料は86日の米雇用統計であるが、雇用環境の先行きは依然と不透明。しかし810日の米連銀FOMCでバーナンキ議長が一段の金融緩和政策に踏み切る可能性が高まってきた。昨日は米野村証券も「金融緩和策がとられる」というレポートを発表した。

向こう10日間は引き続きNY株の動向が世界の株価に影響を与える。

昨日はナブテスコ(6268)が早々に20113月期の見通しを増額修正するサプライズ決算を出した。この株は新しい成長段階にはいってきた。

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スマートフォンとタブレットPC

2010-07-30 07:51:46 | 株式

決算発表が佳境にはいってきた。好決算の続出でどの銘柄を取り上げるかの選別に迷う。最近では、しばらく見みられなかった状況である。

円高にもかかわらずハイテク、自動車、機械、化学など予想を上回る企業が続出し、ここ2年間の合理化の成果が集中的に現れてきた。

これで円相場が90円以上で推移していたら、日本企業の回復力に外人投資家もビックリして日本株の再評価を始めたのにと贅沢な願望が出る。

昨日はエルピーダ、ルネサスの決算説明会が夕6時、715分と相次いで行われたが日本の代表的な半導体メーカーだけにアナリスト、機関投資家が大勢、参加した。会場も同じ建物のなかで開催するという配慮。日本企業のIR活動も大きく前進してきた。

エルピーダの業績の回復は急速で、韓国の半導体メーカーとの差を縮めることにエネルギーを集中している。坂本社長は「これからの主戦場はスマートフォンとタブレットPCだ」とハイテク業界の戦略商品のヒントを示唆した。

昨日は、この話に呼応するようにウォール街ではマイクロソフトのスティーブ・バルマー会長が「タブレットに進出する」と語ったことが話題になった。

またソフトバンクの第1四半期では営業利益がKDDIとの差を一段と拡大したが、次はNTTドコモの追撃が注目される。スマートフォンとタブレットPCの取扱が成長の原動力になってきた。

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国際分散投資の視点

2010-07-29 08:08:34 | 株式

NY株は4日間の連騰に休止符を打った。

それに引き換え上海、東京市場の上昇が目立った。

今月の株価のパフォーマンスをみると日経平均+3.9%に対してNYダウ+7.3%、ナスダック+7.3%である。

昨日は商品市場で銅、亜鉛の上昇が目立ったが中国株の大幅高が影響した。

スイスの投資銀行が運用する地域別のファンドの月初来のパフォーマンスをみると、世界の株式市場での収益率の格差が一目でわかる。

米グロース株投信+8.2%、エマージング投信+5.5%、米国株投信+5.1%、ヨーロッパ株投信+2.9%、中国株+2.0%、日本株投信+0.4%。

それぞれの成果は株価指数とは一致していなが、米グロース投信の成果は今月のナスダック指数の上昇率+7.3%を上回る。

これら投信のパフォーマンスをみていると株式での先行きの国別、業種別の資産配分の在り方のヒントをくみ取ることができる。

国際的な資産運用の経験にたけたスイスの投資銀行の目は、さすがと思わせる。われわれの資金配分の参考にしている。

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テクニカル指標も好転

2010-07-28 07:55:03 | 株式

世界の相場をリードするウォール街ではS&P500が待望の200日移動平均に接近した。

昨日の引け値と200日移動平均は次の通り。

引け値   200日移動平均

ダウ    1052510422

ナスダック 2288 2261

S&P500  11131114 

S&P500もおそらく今週中にゴールデンククロスが実現するだろう。NY株の好調の背景はミクロ面、つまり企業業績の好調である。発表の第3週目であるが事前の予想を上回る決算が多く、第3四半期の見通しも明るい。数字をみているとリーマンショックの影響が出始めた2008年第4四半期と全く逆の現象である。当時は底なしの沼のように利益が落ち込んだ。今回はそれとはまったく逆の動きである。企業の合理化が顕在しているうえに、これまで利益が回復しても増加しなかった売上のトレンドが反転し増加をはじめた。

景気指標にはまだら模様が続くが、経営者は先行きに自信を持ち始めたことは確かである。

昨日の本欄で書いたようにヘッジファンド(トラクシス・パートナーズ)のバートン・ビッグスが君子豹変して一転、強気になったことの理由が業績面でのサブライズである。

彼はここ1ヵ月間に強気弱気強気と3回の相場観を替えた。口だけではなく、ポートフォリオを考え方にしたがって替えるのだから簡単な話ではない。

短期、中期を視点にした投資には彼のような行動が、時代の波を乗り切る戦法なのかも知れない。彼は「私はグロース派、バリュー派のどちらでもない」と断言する。

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VIX(恐怖)指数が低下・・・バートン・ビッグスがまた変身

2010-07-27 07:55:16 | 株式

ヘッジファンドのバートン・ビッグス(トラクシス・パートナーズ)が一転して強気になった。

6月下旬に強気になり、7月初めには弱気転換と、そのめまぐるしい戦略の変化に彼のフアンは唖然としたが、昨日は再び先行きのリスクは消えた。ここ10日間の世界の景気指標は前向きなものが増えた。私の相場観は慎重から強気に転換し、先行きに確信をもったと強気宣言をした。

これまで35%に落としていた株式の比率を75%と倍以上にした。

普通なら、その行動に世間はそっぽを向くところであるが、再三の君子豹変にも、さすがにこれまで実績のある投資家だけに、「変わり身の早さ」にはむしろ注目が集まる。

彼の2009年の運用成果は+38%と市場平均の3倍であった。

彼の強気宣言は先週のバーナンキ連銀議長の異常な不確実性ということば、日曜日のガイトナー財務長官のダブルデイップにはならないという発言の流れに沿うものだ。

それにしてもヘッジファンドという変わり身の早さが身上のヘッジファンド運用者だけにバートン・ビッグスの運用のすばしこさには、教えられるところが多い。

最近のデータでは投信、年金、基金の7月の株式の買い越し額は昨年3月以来の最高になり、一方、個人投資家の弱気センチメントはここ1年では最高水準になった。

市場の流れはビッグスの変身を納得させる。

昨日のシカゴオプション取引所のVIX(恐怖)指数は22.735月初め以来の低水準になった。

プロの弱気筋の後退である。

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