足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

米連銀の利下げと東京市場

2008-01-31 15:47:59 | 株式

昨日の米連銀の利下げにもかかわらずNY株が反応せず、下落して終わったことに失望感を持った投資家も多かったはず。

しかも市場の期待通り0.5%の利下げで、株式市場を多分に意識した行動であった。

問題はどこにあったのか?

サブプライム問題の焦点が銀行や証券会社の損失から、モノラインといわれる融資の保証会社のほうに移ってきた。格付け会社がモノラインの格付けを引き下げるというウワサが悪材料になった。いくら連銀が資金供給をし、住宅融資にてこ入れしようとしても、肝心の金融機関が動かなければ話にはならず、住宅市場の正常化にはなかなかつながらない。ただこの業界の成長性には定評があり、ウォーレン・バフェットなども今回のサブプライム問題の発生以来、しばしばこの分野への進出に関心を表明した。

モノライン問題という新たな悪材料が目先のハードルになってきたが、われわれは連銀の積極的な姿勢のほうに注目したい。

連銀が9日間の短期間に2回も利下げに踏み切ったのは過去の歴史では2回目といわれる。しかも前回の22日の利下げ以来、0.75%0.5%と合計1.25%も下げたのは1990年の湾岸戦争以来のことである。

今回の利下げに対してのNY株の反応には、しばらく時間が経ってから目先の相場に影響することがあった。今回もこのコースか?

短期的に、「目先の相場は底入れした」という見方は変えていない。

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ヘッジファンドの資産が急増

2008-01-30 20:48:00 | 株式

ヘッジファンドが好調である。

昨年は業界平均のパフォーマンスは+10.24%(ヘッジファンド・リサーチ)であった。

運用者がベンチマークとして採用しているのがS&P500であるが、同指数は+5.49%であった。またリーマン・ブラザーズ債券綜合指数は+7.75%であったので、いずれの指数をも上回った。

昨年の前半は中国株安ショック、後半はサブプライム問題が世界の株価の波乱につながったが、ヘッジファンド運用者にとっては、相場の変動は格好の運用の場であった。

このようなヘッジファンドの動きをみて資金は流入を続ける。年間で1945億ドル(21兆円)の資金が流入した。今回、米政府が景気対策として用意した額が1500億ドルだから、それを上回る資金がヘッジファンドに流れた勘定だ。

「なぜ?」

当然、答えは「儲かる」からであり、業界に対しての信頼感が確固たるものになってきた。ごく一部のヘッジファンドがサブプライム問題の影響を受けたが、そのようなケースは問題にならないぐらい小さなものであった。業界が19000億ドル(200兆円)にもなったのだから。

特に好調であったのは、アジアなどの新興市場で運用するファンドであるが、サブプライム問題で関連商品をショート(カラ売り)して大成功した、大物ファンドもあった。

10年前のヘッジファンドLTCM問題の破綻で、評判の落ちた業界であったが、グローバル化と技術革新の進む金融市場は、10年前とは大きく変化した。

最近、東京で第3四半期の決算説明会に出ると、旧知の運用者たちに出くわすことが多くなってきた。なにを意味しているのか?

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米連銀の利下げ?

2008-01-29 18:47:02 | 株式

相場は反騰した。

背景には2930日の連銀FOMCにある。先週、米連銀は一挙に0.75%の利下げに踏み切り、放っておけば再び世界的な株安に落ち込む市場の救済に出た。現在のFFレートは3.5%になった。

ウォール街でのFOMCについての期待は0.5%の再利下げにある。シカゴ取引所での金利先物取引では0.5%利下げの確率が、昨日は86%とずい分と高い数値になった。先週金曜日の数値は70%であっただけに、バーナンキ議長の果敢な行動に賭ける投資家が日増しに増えてきてる。

日本の中央銀行と異なり、何よりも市場の声に耳を傾けるというのが、米国の中央銀行の行動である。今回の0.5%の下げというのは市場の催促でもあるが、仮に0.25%に止まれば現在の株式市場の地合いからは株価は売られる。

今週、金曜日(21日)には雇用統計が発表になる。その数字はすでに連銀のメンバーには伝わっているはず。

金利先物市場だけではない。本欄で時々、注目するシカゴ取引所のVIX(不安)指数も、昨日は27と、30を割れた。今年には一時は37まであった数値である。この数値をみても、市場は先行き株価の安定を予見している。

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今年の新テーマ株に注目

2008-01-28 16:59:02 | 株式

先の「トリトンスクエア通信」で、これからの新しいテーマとして「SaaS」(Software as a Service)を取り上げた。

昨年8月にウォール街で「第2のグーグル」という前評判が高かったVMウェア(VMW)が公開され、公開後も市場では注目を集めるとともに、2008年のIPO(新規公開)の人気テーマとして期待観が強い。ことしも、すでに数社が準備に入っている。

日本ではなじみの少ないテーマであるが、これから人気の柱の一つになるだろう。

昨年1120日にヘラクレスに公開されたシナジーマーケッテイング(3859HC)は新興市場では、いまのところ数少ない東京市場での「SaaS」関連である。

自社開発ソフト「Synergy!」は、企業の戦略的マーケッテイング活動を支援する。従来のパッケージ型のソフトではなく、ソフトの時間貸しをする。この種のビジネスモデルが扱うソフトはこれから利用分野をどんどん拡大する。ウォール街でのVWウェアはPC上ではウィンドウズだけではなく、さまざまなOSが同時に利用できるソフトを提供する。日本でもすでにシステムソフト構築関連に需要が広がっている。

シナジーマーケッティングは松下電器産業、小林製薬、関西電力、コスモ石油など大手企業を顧客にもつ。

200712月期の業績は売上13700万円→14700万円(前年10700万円)、経常利益16900万円→22800万円(11900万円)とそれぞれ増額した。

公開後の初決算の増額は株価の人気の先行きにはプラスだ。本日はストップ高。

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来週は相場の正念場

2008-01-26 18:51:36 | 株式

来週は世界の株式相場にとっては大きな転換点を迎える。

29~30日と2日間にわたって米連銀FOMCが開催され、そこで引き続き利下げが決められるかどうか?

今週は22日に緊急の会合を開いて連銀は0.75%の利下げを決め、一応、世界的な株安の歯止めの役目を果たした。しかし株価への反応は2日間で終わり、週末のNY株は大幅安で終わった。目下、発表中の第4四半期の企業業績は予想を下回る内容が多く、それに第1四半期の経営者の見通しも慎重だ。

昨年第4四半期の決算については、今年はじめの段階では-11.3%減益というのがアナリストのコンセンサスであったが、金曜日、現在では-20.5%と、大きく落ち込む予想になった。わずか3週間強の時間差で、景気の現状が大きく悪化している。景気悪化のスピードに加速度がかかってきた。

このあたりの事情をバーナンキ議長がどのように判断するか?

昨日のウォール街では利下げの確率はほぼ100%になり、0.5%というのが確率として0.5%。シカゴの金利先物市場の数値である。これまでバーナンキ議長の政策が「手遅れ」と市場は厳しい判断を下してきたが、仮に0.5%利下げという判断を下せば、やっと現状に追随してきたと判断するだろう。

2月はFOMCが開かれない。318日まではお休み。それだけに「先手を打つ」という政策のメッセージを市場に送るには、0.5%以上の下げを期待する向きもある。

来週の相場もNY市場が世界の方向を決めることになる。

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