足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

世界の株価は陽転・・・東京市場が遅れる

2016-03-31 07:05:22 | 投資戦略
テクニカル分析のゴッドファーザーと称せられるラルフ・アーカンポーラがメディアに現れ「相場の調整は終わり、上昇トレンドにはいった」と明言した。
根拠はナスダック指数、中小型株ラッセル2000、新興国市場の底入れ、原油の反転などを指摘する。
彼は1980年~2000年の米国株のスーパーブル・サイクルを早くから予言して大相場に乗った実績がある。
私が1970年にウォール街の証券外務員検定試験の予備校で学んだとき、テクニカル分析の講師として教壇にたち3ヵ月間、その手法の教えを受けた。その後、米国のテクニカル分析の代表的な存在になった。ITブームが投資の世界でのテクニカル分析のあり方を変えたが、それでもいまなお信奉者は多い。
彼が注目するのは、これまでの米国の強気相場の背景になった要因の復活である。
そういえばかれが注視するナスダックの復調が目立つ。中小型株の上昇の背景には個人投資家の投機的資金の市場への回帰の兆しかもしれない。
昨日の相場を支えたのは米連銀イエレン議長の講演会でのハト派的な発言で、目先の再利上げ説が後退した。

昨日の日本株は下落し世界の株価の復調に逆行した。相場のリード役がみられなかったことだが、いよいよ新年度にはいる。
政府は景気鈍化をストップさせるために追加の景気対策を発動し、5月のサミットに向けてアベノミクスの活性化に向けて動き始めるだろう。
テクニカル面では東京市場も底入れから回復トレンドにはいる環境が整ってきた。3月決算でのポジティブ・サプライズ銘柄の出現に注目したい。
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イエレン議長講演に好感・・・・個別物色の人気回復

2016-03-30 06:30:12 | 投資戦略
米連銀イエレン議長の発言を好感しS&P500、NYダウ平均は本年の新高値。
「物価上昇の基調は定着したとは言えず、海外景気は不安(特に中国)な状況で政策は慎重な姿勢で臨む)と発言した。ハト派的な内容に市場は反応した。
これまで気になっていた運輸株指数が反発したほか、バイオ、ハイテク、金鉱株、中小型株が買われ、基調は上昇トレンドに戻った。ヨーロッパ株も堅調。

バフェットがこれまで力をいれて筆頭株主になったウェルズファーゴの持ち株比率を10%に増やした。今年の金融株は年初来、ほぼ横ばいだが同行の株価は下落した。現在のバフェットのポートフォリオのなかで最大の比率を占める銘柄で、これまでバークシア・ハザウェイの投資成果に大きく貢献してきた。綿密なバフェット流の分析で現在の株価が割安と判断し,自信を持って決断した投資はゆるがない。教えられる投資行動である。

今週、任天堂(7974)が先に日本で配信を開始したスマートフォン向けソフト「Miitomo」を米国でも木曜日からはじめる。これまで任天堂の業界での立ち遅れを取り戻す動きにはいった。
ソニー〔6758〕も先週、スマートフォン向けソフト分野への進出を決めたが、先行きこの両社の株価には注目したい。ウォール街でも注目が集まる。

昨日は3月末の配当・株式分割の権利落ちの日。注目株の小野薬品(4528)は小幅安であった。1対5の分割で最低の売買金額が下がり50万円以下で投資できるようになった。
そーせいG(4565)とともにバイオ株のリード役を続ける。ウォール街でもバイオ関連に人気の回復の動きがみられる。
日米とも個別物色の人気が続く。
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NY株の今後に注視。14年間で200倍になった株

2016-03-29 06:42:24 | 投資戦略
NY株はまちまちの動き。ダウ平均、S&P500は小幅高だがナスダック指数は安い。
これまで相場を牽引してきた金融、ハイテクが下落したが、製造業はプラス。
ヨーロッパ株はイースターで休日。アジアは東京市場が堅調だが、中国株は売られた。
ウォール街で気になるのはこれまでほぼ一本調子で上昇を続けたNY輸送株指数が最近は失速してきた。
火曜日のイエレン議長のニューヨークでの講演会の内容に関心が集中する。現在の株価の最大の関心事である米金融政策の動向についてどのような内容の発言があるか、世界の投資家が注視する。

いまひとつの懸念材料は2009年以来の相場を支えてきた自社株買いが3月は大きく失速したことだ。経営者が手元のキャシュフローを元手にして株価の底上げに関心を持ってきたが、3月は2月に比べて4分の1以下に減少した。1ヶ月の動向を見て、トレンドの変化と即断することをできないが、輸送株指数の動きと合わせて先行きを判断する懸念材料のひとつだ。
株価の調整でCNNMoneyのFear&Greed(恐怖&欲望)指数は一時の過熱水準78ポイントをピークに反転し、この日は64ポイントと沈静化した。この点は市場の過熱感の解消の動きとしては相場の下支え材料である。

昨日の東京市場での目立った動きはヘルスケア関連株が軒並み高になったこと。本欄で注目してきた小野薬品(4528)とそーせいG(4567)が急騰した。小野薬品は本日が1対5のの株式分割の権利落ち。これまで2万円台の株価で売買には240万円強の資金が必要であったが権利落ちで50万円前後の資金で売買できるようになった。
ウォール街にはバイオ関連で過去14年間に200倍になった株にイルミナ(ILMN)がある。株価の過去の動きをみてびっくりしたが、バイオ関連にはこのような夢の世界を実現する世紀のスター株が潜んでいる。

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"Bunny Market"の展開

2016-03-28 06:36:09 | 投資戦略
今週のウォール街は重要な2つの景気指標の発表に関心が集まる。
まず週明けの物価指標(2月)。コアインフレ率の予想は+0.2%で、予想通りなら米連銀の目標とする年率+2.0%という目標に達する。それを受けて2月1日(金)には3月の雇用統計の数字が出るが事前の予想は21万人と景気の巡航速度を達成する20万人台には達する予定。
このような景気指標から先行き連銀の次の利上げの時期の議論が再燃する。一時は米国を初め世界的に株価が不安定化し、しばらくは利上げ議論が封印されたが、本日の日経新聞ではFOMCのメンバーが第2回目の利上げに言及しはじめた。

先週の本欄で紹介した“Bunny Market”のことを有名なストトラティジストのジェームズ・ポールソン(ウェルズ・マネジメント)も、現在の相場を表現するのに使っている。
ウォール街では相場の性格を表現するのに使われてきたが、Bunnyは「びょんびょん跳ねる子ウサギ」のこと。現在の相場は上下への方向性が明確でないが、一定のゾーンを上下するリズムで動き、トレンドはゆるやかな上昇基調とみる。可愛い子ウサギになぞらえる。

リセッションの気配はなく、景気指標の過熱感もなく、長期の弱気相場いりの兆しは全くない。しばらくは下値不安のない相場展開が続くとみる。
そのような環境下では株価指標には大きな上昇はみられないが、個別銘柄と特定のセクターで人気株が輩出する。具体的な業種では製造業、素材、設備投資関連を上げ、大型株よりも中小型株が人気を集める。この見方は東京市場でも適用できそうである。

自動車株に注目。トヨタ自(7203)、マツダ(7261)、富士重工業(7270)がテクニカル指標からも妙味がある。

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日本の政策の動きに期待・・・週明けは権利取りを考える

2016-03-26 07:32:06 | 投資戦略
NY市場は“Good Friday”で休場。
昨年第4四半期のGDPの確定値は+1.4%と事前予想の+1.0%から増額された。国内消費、住宅などが堅調。
今週のNYダウ平均は週間では小幅安で終わった(先週末17.602ドル→今週末17,515ドル)。週初めの月曜日まで7日間の連騰をしただけに、今週の3日間は調整局面。
NY株は2月を底に上昇トレンドをたどってきたが、背景には連銀の利上げ見送り、原油の反転、中国株の落ち着きがあった。
来週は4月1日に米雇用統計の発表、イエレン連銀議長の講演会がある。

バロンズ誌のアジア関連のコラムに“Bunny Market Now?”という論説があった。
アジア市場は「可愛い子うさぎ」のようにピョンピョンと小踊りし始めたという。
① 中国の経済政策の明確化
② 商品相場が悲観のどん底にはった
③ 商品相場は回復の兆し
④ 米連銀のタカ派の利上げ説のトーンダウン
⑤ 中国、インド、インドネシアへの投資家の信任の回復
「子うさぎ」の表現はマトを得ている。
昨年来の世界の相場の大きな懸念材料であった中国株の下落がとまり、相場も経済も小康状態に入ったのは、今年の先行きの相場を読む上では明るい材料である。

問題は日本経済にある。
外人投資家の間でのアベノミクスに対しての評価が大きく低下し、人気がしぼんでしまったことだ。2013年当時のように米国のヘッジファンドがソニー(6758)やファナック(6954)に注力して「日本株の再発見」のムードづくりをした頃とは大きく対日観が変わった。早急に消費税の追加引き下げ見送りの決断し、外人投資家の悲観論を打ち消す政策の発動が必要である。
東京市場の相場の中にも“Bunny Market”(跳ねる株)が散見される。飛び跳ねる人気株だ。この動きを拡散するような政策が必要である。政治が動くときである。

来週、月曜日は3月末の配当、株式分割権利付き最終商い日。株主優遇策狙いの最終チャンスである。


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