足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

グリーンスパンへの賛辞とお別れ

2006-01-31 20:07:18 | 株式

「アラン・グリーンスパンがその建物から出て行く。18年半にわたって政策を担当し、すばらしい成長を実現したのは事実だ。しかし彼の舵取りが成長に寄与した度合いがどれだけであったか?

その在任中に世界は歴史上でも類を見ない最大のサプライサイド革命をを実現した。技術革新によるものではない。これまでの、わずか20年の間に世界が市場経済化し、共産主義は崩壊、新興市場の扉は開き、国際貿易の自由化が実現した。名指揮者が指揮をとったことは確実だが、音楽は作曲家と楽団によって奏でられる」(米バロンズ誌1月30日)。

この文章は今週の米バロンズ誌の証券・金融市場の記事の巻頭を飾った。

日本経済は1980年代には世界の立役者、そして1990年代は世界の日陰者であった。奇しくもグリーンスパン議長の活躍期と重なる。

米バロンズ誌がグリーンスパンのお別れに送った言葉に今週はまず、ひきつけられた。そして世界経済の大きな変革と投資の世界の環境変化をいまいちど噛みしめた。

さて今日は住友チタニウム(5726)、東邦チタニウム(5727)が再び中堅株の主役に躍り出た。ウォール街でもチタニウム・メタルズ(TIE)が1対2の株式分割を発表して新値に挑戦。ふしぎと日米の金属チタン株の相場は同時に動く。

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バルークの言葉に学ぶ

2006-01-30 19:56:24 | 株式

「底値で買おうと考えるな、また、天井で売ろうと考えるな、それはうそつきだけにできることだ」

20世紀の前半、ウォール街で活躍した偉大な相場師といわれるバーナード・バルークのことばである。ノーベル賞を受賞したポール・サミュルソン教授も名著「経済学」のなかでバルークの言葉を引用している。相場師であるが株式市場ではいまなお尊敬を集める希有の人である。

先週、サンケン電気(6707)が第3四半期の決算を発表した。売上げは445億円(前年同期比+27%)、経常利益24億円(同3.5倍)になった。2006年3月期の見通しを当初のまま据え置いたので、市場は期待はずれで売られた。また一部、外資系証券が格下げをしたので下げに拍車がかかった。

これからのハイテクの有望株として注目した。ライブドア・ショック時には全体の地合いに抵抗して強かったのに、ここえきて売られた。

第3四半期は、注目したCCFL(液晶向けバックライト)は2.8倍になった。今年は薄型テレビがエレクトロニクス製品のけん引役になる。完全に売り手市場の部品で、セットメーカーは各社とも必要分の確保に頭を悩ましている。2006年3月期の1株当たり利益は58円、2007年は75~80円。

株価の評価が一致していないのには、逆に魅力がある。当面の成長性を十分に織り込んでいないからである。

平均コストを下げるために買えば、それだけ投資価値が上がる。バルーク流にいえば底値を買えなくても、有望株としての判断に間違いがなければ、投資のタイミングとして妙味が出てきていることを考えてみよう。

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2006-01-29 20:38:53

2006-01-29 20:38:53 | 株式

今週のウォール街は「ビッグ・ウイーク」(重要な週)といわれる。

相場に影響を与える材料が出るからだ。まず31日(火曜日)に連銀FOMCが開かれる。2004年6月に金融政策が転換されて以来、13回の利上げが行われ4.25%になった。さらに+0.25%は既定の事実で、14回目の利上げで4.5%になる。問題は声明文の中味がどうなるかにある。ウォール街のコンセンサスはあと2回の利上げであるが、著名な債券投資の世界のウォーレン・バフェットといわれるビル・グロスは「4.75%が上限」と断定する。

2月3日(金曜日)には1月の雇用統計の発表である。市場の期待は金融政策との関連で数字の弱い方がプラスという人気。

今週のNY株には東京市場が関心をもつ。世界の相場を動かす度合いが高まっているからである。

先週、金曜日には住友チタニウム(5726)が第3四半期の業績を発表した。2006年3月期の売り上げを305億円から310億円、経常利益を74億円から77億円に増額した。4月には今一度、増額があるとみる。

このところウォール街でもチタニウム・メタルズ(TIE)、カーペンター・テクノロジィー(CRS)、オールゲニィー・テクノロジィーズ(ATI)など金属チタン関連が再び動き始めた。これまで株価が10~20倍になった後の人気化である。金属チタンの先行きに対する投資家の強気には注目される。これまでから金属チタン株は日米とも同じように動いている。

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いま一度「はじめ良ければ終わり良し」を考える

2006-01-28 21:45:21 | 株式

週末のウォール街のムードは「ブルが闊歩(かっぽする」と表現されるような強い相場であった。

ここへきて第4四半期の決算発表が株価に素直に織り込まれるようになってきた。今週の注目点はソニーとマイクロソフトの決算発表であった。久しぶりに両銘柄とも発表をきっかけにして大きく上昇した。共通するのは足元の業績が期待を裏切らなかっただけではなく、ことしはこれまでの先行き不透明感を払拭するという期待感をもたせた。ソニーは薄型テレビの好調、マイクロソフトはXbox360と秋にでる新ソフトのビスタの今後の展開への期待である。これからのハイテク株に対する期待感をももたらした。

ことしはNY株は年初5日間、上昇した。過去35回の5日間連騰すると、30回が年間を通じて高かった。

また1月のS&P500がプラスの年は、1950年以降では90%の確率でその年の株価が上昇した。

「はじめ良ければ終わりも良し」という経験則の確度は高い。科学的根拠のある話ではない。しかしソロスのいう相場の「相互作用性」理論によると、「景気が良いので株価が上昇する」という認識が、「先行きも株価が上昇する」という状況に移って新しい相場が形成される。

認識作用と参加作用の合成である。そのような好循環が始まろうとしている感じを強くする。

足元の来週の相場を読む上でも一つの判断材料を提供している。

昨日のウォール街を見ながらこのようなことを考えさせられた。来週の戦略を考えるのに前向きな思考をしたい。

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ソニー論

2006-01-27 18:41:42 | 株式

火の手はウォール街から上がった。26日のNY市場でのソニーの引け値は前日比+12.20%であったが、引け後の取引きでも買い人気は続き引け値のさらに+4.51%を付けた。

この日の東京市場も興奮した。ソニーはしばらく寄り付かず買い気配、そしてこの日の相場全体に火をつけた。かっての栄光の面影をしばらくなくしていたソニーだが、投資家の心のなかでは戦争で崩壊した日本から世界に飛躍し、日本人の底力を世界中に知らしめたハイテク企業に対する期待があったことを証明した。ライブドアのような虚業ではない。

世紀の投資家といわれるビル・ミラー(過去15年間にわたってS&P500を上回った)は、最近、こんなことを書いている。

「バリュー投資家として、われわれはバリューに後押しされて銘柄を選ぶ。投資で失敗するのは、企業のファンダメンタルと投資の成果を混同することだ。すばらしいといわれる会社でも、現在の価値がすでに株価に織り込まれていると、成果はひどい。現在のファンダメンタルに魅力がなくても悲観的な材料がすでに株価に織り込まれてしまったなら、すばらしい成果をもたらす」

ここでいうバリュー投資は、いわゆる通俗的なバリュー株の意味ではなく投資家にバリューをもたらすという意味だ。

ソニーに対する評価は、ここ3年間は悲観で満ちていた。しかし遅れたとはいえ合理化をすすめ、自らの成長の足がかりを求めて経営資源をいかに効率化させるかにまい進してきた。それに時代の流れが向こうからやってきた感じである。第3四半期の米国での薄型TVのシェアーはトップになった。

昨日の決算発表の模様をインターネットを通じて聞きながら「甦ってきている」という強い印象を受けた。ウォール街にも英語で流された。株価が反応したのは、同じような印象を受けた投資家が多かった証明だ。

しかしこの日の東京のアナリストや日経新聞は比較的に慎重であった。

ビル・ミラー流に言うならば「バリューに後押しされて選べる銘柄」である。

若いディトレダーたちも「自分たちの父親の年代が生んだベンチャーは本物だ」と感じとり、株式投資には「こんなやり方もあったのか」と会得してもらいたい。

当面の相場のリード役になる。

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