先週、ウォーレン・バフェッイトの経営するバークシア・ハザウェイが2010年の決算を発表した。利益が+43%と増加した。
大きく貢献したのは昨年買収した米国第2位の鉄道会社バーリントン・ノーザンのほか、株式を所有しているユニオン・パシフィック、ノーホークなども貢献した。金融危機前からバフェットは鉄道会社に投資を始めた。
米国の国土は日本の24倍もある。物資の輸送にはなくてはならない大動脈である。バフェットはこれまでの投資歴で何度か鉄道会社の売買で成功し、その内容は知り尽くしている。
いまやグループ企業は金融、エネルギー、消費、鉄道と米国の繁栄とともに成長する分野に地盤を築いた。
年次報告書は例年通り1964年~2010年の毎年の1株当り純資産の成長率と、S&P500のパフォー-マンスの成果で始まっている。この間、年平均+20.2%の複利で成長してきた。
金融危機をはさむ、ここ5年間でも+18.4%(2006年)、+11.0%(2007年)、-9.6%(2008年)、+19.8%(2009年)、+13.0%(2010年)と2008年のS&P500の-37%の暴落を切り抜けた。
ここ1年間の株価は+20%でS&P500を上回った。
バフェットは当年81歳、共同経営者のマンガーは86歳になったが、昨年トッド・コムを株式の運用部門に採用した。
バフェットに万が1のことがあっても、経営には問題がないような体制を着々と築いている。
昨年は中国を訪問したが、ことしは懸案の日本を訪問する予定である。水面下では買収案件が進んでいるような気がする。昨年末には3兆円の資金があり、バフェットがそれを眠らせることはない。時価総額の15%に当たる現金である。日本株投資がことしは話題になりそうである。
日本の投資家には1年間の投資成果は横ばい。円高が足を引っぱった。バークシア・ハザウェイB株(BRKB)に注目したい。
ヘッジファンドや機関投資家が安定運用の目的で保有している。