足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

日経金融新聞のネット株への慎重論

2006-10-31 17:41:17 | 株式

本日の日経金融新聞の第1面のトップ記事は「成長持続力に疑問符・PERは高水準・広告依存懸念も」という見出しで新興市場の不振、特にインターネット関連株に対して悲観的な記事が掲載された。

この記事をみて想起したのは今年211日付の米バロンズ誌の「最近のグーグルの株価の下落はほんの始まり。競争相手がキャッチ・アップ、コスト負担は天井知らず、なぜ株価が50%下落するとみるか?」という見出しで、グーグルが水面下に沈んでいくイラストをいれ「沈没」という主見出しの記事を書いたことだ。

当時のグーグルは$360$であったが、株価目標を$188した。内容は日経金融新聞とは比較にならないぐらい深い分析で、記者の主張も論理的ではあった。

やはりグーグルのビジネスモデルが広告中心の収益であることに疑念を示したことは、日経金融新聞と同じであった。グーグルの株価はその後、多少は下がったものの、最近は$480をつけた。

本日の記事の内容に真実であるなら、ネット株は下がってもいいはずであるが、反応は鈍くドリコム(3783.マ)は1万円高、ヤリ玉にあげられたミクシィ(2121・マ)は下げたが一時は2万円高をつけた。市場のほうが先行きを正しくつかんでいるといのが印象である。記事すべてが間違っているわけではない。並べられた銘柄にはエセ「Web2.0」もあった。ウォール街では、昨日、メリルリンチが売り叩かれていた米ヤフーを「中立」から「買い」推奨し、株価は上昇し、大商いになった。

メディアの悲観記事が株価の底入れにつながるのは相場のセンチメントを図る指標でもある。

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NY株は小休止、上昇は終わっていない

2006-10-30 19:48:45 | 株式

今週のバロンズ誌の「The Trader」のタイトルは“上昇相場は一休み、使い切ってはいない”。上昇エネルギーは残っているという。

世界の株式相場にとって大きな意外性であったのは、季節的に見て年間でもっともよくない時期(9~10月)に上昇し、NYダウ平均が12000ドル乗せになったことである。

7月の底値から+10.4%となった。NY株の強さに目を奪われて、東京市場がかすんでしまったが、日経平均でみると7月底から+16%も上昇しており、ウォール街の人気を凌駕した。それにしては証券会社の中間決算の不振が示すように、市場参加者には欲求不満の残る相場展開であった。理由は大型優良株が相場をリードし、昨年の相場で活躍した金融、市況関連、エネルギー、鉄鋼株などが人気の圏外に置かれたからでもある。

特に新興市場のマザーズ指数をみると7月が底ではなく、NYダウの12000ドル乗せの期待感が盛り上がっているときに、今年の新安値の1073ポイント(1010日)を記録する異常な展開をした。

今週のバロンズ誌でも「S&P500のことし前半のパフォーマンス・ベスト50は、第3四半期は-15%になった。一方、前半のワースト50が第3四半期は+22%も上昇した(この間のS&P500+8.2%)」と分析している。

相場の主役の交代が最近は明確になってきている。東京市場でもこの現象がでる可能性が強いと私はみている。

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強気か超強気・・・ビル・ミラーの報告書

2006-10-29 17:34:23 | 株式

ウォーレン・バフェット、ピーター・リンチと並んで20世紀が生んだ偉大な投資家という評価のビル・ミラーが、顧客宛にレポートを送った。

バフェットと並んで、いまなお現役の第1線で活躍する。彼は投資銀行レッグ・メイソンの看板投信のバリュー・トラスト2兆円を運用している。

ピーター・リンチと同じように成長株論者であり、バフェットと異なりハイテクにもバイアスを置いて運用する。

ウォール街が関心を寄せるのは過去15年間、1年たりともS&P500を下回らなかった実績だ。

今年は現在+1.59%と、S&P500+10.3%を大きく下回っている。逆転なるか?

「私を強気論者と超強気論者の間に置いてもらっていい」と強調しており、その理由は企業業績、健全なバランスシート、インフレ圧力の低下、原油の軟化、金融政策の転換を上げている。

「感情は移り気だが、合理的な信念は不変であり、感情より信頼できる」と語っている。

今年もアマゾン,Eベイ、グーグル、ヤフー、シスコ・システムズなどのネット、ハイテクが足を引っ張ってきた。昨年も10月末は-3.1%とS&P500-1.2%を下回っていた。今年のパフォーマンスの負け方は大きい。しかし10月にはいって市場の風向きに変化が出てきたことは感じられる。

「今年も可能性はある。成否がどうであれ、彼は信じられないぐらい偉大な運用者だ」とニュース・レターのロイ・ワイツは声援を送る。

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出遅れているハイテク株

2006-10-28 18:36:10 | 株式

ことしの日米の株式相場をみてハイテク株の元気のなさに、そのフアンはいら立っていると思う。最近、メリルリンチの有名なエコノミストのデビッド・ローゼンバーグは最近のレポートで「目下のハイテクほど数字の面で米国経済に貢献しているセクターはない」と論じている。題して“主流はハイテクか?”

彼は経済の総生産を計算しハイテク産業が年率+27%成長しており、ほかのいかなる産業界よりも経済の成長には貢献しているとしている。それに売上げの51%は海外からあげている。

現在どこの国でも産業構造のハイテク化には大きな関心がある。特にこれまであまり注目されなかった国々のハイテクへの関心の高まりには意外性がある。リビアでは小学生の一人ずつに1PCを与えているし、スペインのバルセロナでは「新ハイテク革命」という命題のもとに第2のシリコンバレーの建設に国をあげ力をいれるプランに踏み出した。

グローバル・ベースで一番、移動しやすいのは技術のシフトである。インターネットなどの技術の伝播には国境はない。

メリルリンチのローゼンバーグは「いままでハイテク株は出遅れていた。上下への変動が大きいからであるが、現在、世界的におこっている潮流はいままでに例をみない力強いもの」と書いている。安倍政権があげている「イノベーション、オープン、チャレンジ」が、これから東京市場でもテーマとして顕在化してくるような気がする。

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ウォール街でのSNSの新評価

2006-10-27 21:47:07 | 株式

1995年のインターネットの黎明期によくいわれたことであるが、西部開拓時代の金鉱ブームのときに「一番、お金儲けをし生き残ったのはだれか?」ということ。金を掘るためにピッケルやショベルの生産業者ではなく、金を掘り当てた人たちといのが常識。

1次のネット革命を振り返るとバブル崩壊に生き残った3羽ガラスといえばヤフー、Eベイ、アマゾン・コムであったし、日本でもヤフー、楽天が成長した。

2次革命は「Web2.0」革命ともいわれ、今ようやく始まったばかりである。そのなかでの柱の一つがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)で、ネットの利用者が友人をつくり、仲間の集団を形成する。基本的には参加者が自分たちの世界を運営する場を提供し、マイスペース流の言語を使う。

ニュースコーポレション(NWS)がマイスペース(MySpace)を、グーグルがユーチュブ(YouTube)を傘下におさめたのは金脈がどこにあるかを正確につかんでいるのかかもしれない。

この革命はいま始まったばかりで、だれにもその規模がどれぐらい大きなものになるか、どんな規模に発展していくはつかめない。

ウォール街でもSNSというシステムをつくる専門企業で公開されている会社は一社もない。最近、デーブ(DAVE)とvソーシャル(vSocial)という会社が出現、ベンチャーキャピタルが出資をした。文字や画像を交換するプラットフォームを提供し、メインテナンスする。いずれIPO(新規公開)するだろう。

2次革命の初期段階ではこの種の株でさえ人気化する。東京市場ではどこが当てはまるのか?

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