足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

失われた20年の教訓が生かされず・・・・為替対策

2010-08-31 07:48:33 | 株式

日銀の金融緩和策に対して海外市場の反応はToo little,Too late”(小規模で、手遅れ)という評価であった。

特に前日銀政策委員の中原伸之氏の「成長のために手を貸す責任はないと、頑なに言い続けるような中央銀行なら存在価値がない」という手厳しい発言を海外のメディアは伝えた。

円相場は海外で83.60円まで上昇した。明らかに国際金融市場からは日本の中央銀行の危機対策の能力の稚拙なことが見透かされた。次の一手は為替市場への直接介入しかないのか?

NY市場でも日本の政策には大きな関心があった。失われた20年の経験を踏まえての行動を期待する向きもあったが、反応は手厳しい。

いまの世界の投資家の関心事は週末に発表される米国の雇用統計(8月)に集中する。その内容しだいで米連銀はサブライズな行動を起こすことに期待する。

ウォール街では相変わらず大型のM&Aのニュースが続出している。株価の下落を背景にキャシュリッチな企業が動き始めた。ハイテクやヘルスケアの分野である。

また経営者にスキャンダルのあったHP(ヒューレット・パッカード)は1兆ドルの自社株買いを発表した。傷ついたイメージを早急に回復するための行動の一つだ。米国の市場にはこの種のメカニズムが備えられているのはうらやましい。

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ノーベル賞のクルーグマンの提言・・・相場に転機か

2010-08-30 05:59:12 | 株式

ノーベル賞学者のポール・クルーグマンが毎週末にNYタイムズに寄稿しているのは有名で、世界中の投資家が、その景気のコメントに注目する。先週は26日の木曜日に寄稿した。金曜日のジャクソンホールでの国際経済シンポジウムでのバーナンキ連銀議長の講演会に先駆けて牽制球を投げた。

その論評のタイトルは「現状は回復局面ではない」(This is not a Recovery)。米国の高失業率からのだっしゅつは、12%の成長では不可能で5%以上の成長が必要としている。

このままでは景気はダブルディプに陥る。それを避けるためには①国債の買い上げ期間を延長すると同時に社債も買い付けの対象にする②短金利の引き下げを表明し長期金利の低下を促す③中期的なインフレ目標を引き上げる―を提言した。

その翌日、シンポジウムでバーナンキ議長がクルーグマン教授の提言に応えるように①国債を買い上げる②金融緩和の継続の意向を明確に市場に伝える③準備預金の金利を引き下げ銀行が中央銀行への預金を民間に貸し付けるよう誘導をする―を表明した。

またエコノミストの提案に応えてインフレ目標を引き上げることの検討も付言した。

クルーグマン教授の提言に120%答えたといえる。

バーナンキ議長の柔軟性ある対応を市場は、好感した。

世界の株価は昨年3月の相場の転換点のときと同じような環境になってきた。

今週が転換点になる可能性が濃くなってきた。

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来週は日米の政策当局が動くか。

2010-08-28 09:27:11 | 株式

ウォール街では米国の第2四半期のGDPの改定値が+1.6%と速報値(+2.4%)に比べて大幅に低下し、インテルの業績の下方修正もあって、相場の行方が心配された。しかし米ジャクソン・ホールでの恒例の中央銀行の会合でのバーナンキ議長の講演に反応して、相場は大幅に反発した。

バーナンキ議長の発言は「景気は2011年の回復基調のためにエネルギーを持っているが、息切れするなら十分な対策を用意している」と思い切った発言であった。

このコメントに対して市場では比較的に冷めた見方もあり、「彼の拳銃は革ケースに入れたままである」という評価もあった。

811日のFOMC以来、バーナンキ議長が金融政策について語るのは初めてのことだ。心底には、このままでは景気にはリスクもあるという気持ちの表現でもある。

相場が反騰して1万ドル台に回復したのは「売られ過ぎている」という下値警戒感が、ショート(空売り)戦略の投資家にはある。

円相場が今回は率直に日本政府と日銀の動きに反応している。NY市場では85円台に反落した。

NY株と同じように、円には買い方の高値警戒感が出てきているようだ。この市場のセンチメントを政策当局が重視して行動を起こせるかどうか?+

来週の政策当局の現実感覚が試される。

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外人投資家も政情を気にする

2010-08-27 08:25:20 | 株式

昨日の海外の相場はアジア、ヨーロッパと上昇し期待をもたせたが、ウォール街でその人気を止めた。

NY株の始まりは週間の失業保険申請件数が落ち込み、それを好感して上昇したが、金曜日の発表の第2四半期のGDPの改定値の数字を気にして、マイナスに終わり76日以来の1万ドル割れになった。

好調であった7月相場のプラス分を帳消しにした。

海外のメディアは民主党の総裁選に小沢前幹事長が出馬を表明したことを取り上げている。注目しているのは過去3年間で6人にもの総理大臣が出現したことに、日本病が政治にまで影響を与えていることが、日本を評価する上での大きなマイナス点になっている。

思い出すのは19701980年代のイタリアの政情である。選挙が頻繁に行われ首相が交代した。経済も疲弊した。日本の状況も当時と似ている。

救いはアジア諸国の躍進で、産業界が活気を取り戻してきたことだ。特にこれまで中国がけん引していたアジア経済に、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガーポール、フィリピンの活力が加わってきたことである。46月は成長率が平均8.6%になった。

海外の資金もこれまでアジアといえば中国、台湾、韓国、インドに集中していたが、最近はこれらの国に注目を始めた。エマージング・ファンドの国別の配分に変化が出てきている。

われわれもタイ、インドネシアに力点を置き始めた。

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悪材料を跳ね返す

2010-08-26 09:25:10 | 株式

NY株が一時は102ドルまで下落したが、引けでは+19ドルで終わった。

新築住宅のデータが悪化したが、住宅株は逆に反発した。「すでに悪材料は織り込んだ」というのが市場の解釈だ。

相場の動きは時として、これまでの動きとは異なった反応を示す。

また一部の投資家は「現在のPER12.6倍は昨年3月の大底のときと同じだ。その後、株価は80%も反騰した」と、株式相場の合理性に注目する。

ウォーレン・バフェット、ジョン・ポールソンなど投資の世界での神話的な成功物語をつくった運用者が、最近、相場に買い出動しているのをメディアが盛んに取り上げるようになってきた。

東京市場の方は円相場をめぐって、政策当局の煮え切らない対応が続くが、投機家も先行きどう判断したらよいか、方向感をつかむのに苦労している。

目先ではなく、「1年後の株価はどうなるか」と時間軸を引き延ばして考えると、現在の水準より一段と安くなるとみる向きは少ないはずだ。

ヨーロッパ金融危機、景気の鈍化、円高を織り込んで下落してきた相場だけに、合理的な判断からは、現在の水準より高いとみるのが、賢明な投資家たちの判断である。

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