足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

バーナンキ議長への信頼感が高まる・・・東京市場でも業績相場の展開に期待

2011-04-30 08:49:54 | 株式

4月相場も終わった。ウォール街では業績相場の色彩が一段と強まった。

4月はダウ平均+2.4%、S&P500+2.7%、ナスダック+3.3%と昨年12月以来の上昇率を記録した。5ヵ月間の連続高である。昨日は建設機械の最大手キャタビラーの決算発表があったが、利益が5倍に増えた。新興国での好調な需要が業績を押し上げた。NY市場でのけん引役のひとつになった。

ウォール街では4月初めには昨年と同じような調整局面を予想する向きも多かったが、そのような見方をはねのけ高値引けになったのは、バーナンキ議長の金融政策に対しての信頼感がある。株価高が消費を喚起し、世の中のムードを変え景気の回復に役立つという固い信念をもつだけに、ウォール街の信頼感が一段と高まる。グリーンスパン時代と異なって政策の透明度が高い。

昨日も金、銀の貴金属相場に資金が流入し、銀のETF(SLV)が大商いになった。1980に記録した市場最高値を抜くのも時間の問題になってきた。引続き強弱が対立し、ショートカバー(売り方の買い戻し)が相場高の弾みになっている。

今週の米バロンズ誌は全米152人のファンドマネジャーを対象に恒例の「Big Money Poll」の結果を掲載している。昨年秋にはNY株の先行きへの強気は27%であったが、今回は45%になった。

ほかの市場では新興国株のほかに日本に注目する向きが13%あり、「もっとも有望」としているのには注目される。逆張りの視点からである。特に円相場が対ドルで下落するのは時間の問題とみる。

連休明けには東京市場でも決算発表が本格化するが、個別物色の動きが一段と強まるだろう。

ナブテスコ(6268)が125円(前期9円・予想は18円)への増配を連休前に発表した。決算面でもサブライズがありそうだ。

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バーナンキ議長を買う・・・銀相場をみる

2011-04-29 10:08:13 | 株式

NY株は水曜日の連銀FOMC後のバーナンキ議長の初の記者会見を好感して続伸した。2008年以来の高値である。市場にフレンドリーな政策が続きくことを確信し、金融緩和の継続に安心感をもった。

東京市場も震災後の戻り高値を更新した。特に昨日の相場の内容は決算内容を好感し幅広く銘柄の物色人気が出てきた。

ウォール街で注目されたのは銀相場の高値である。1980年に記録した市場最高値$50を抜くのも時間の問題になってきた。今週の水曜日には一時はNY市場での銀先物は$49.84を記録していた。

1980年の高値はハント兄弟による相場操縦による仕手相場であったが、今回は投機資金のほか、他の商品相場のように実需買いが背景にある。当時とは相場環境が異なる。

1980年の銀投機はオイルショックの延長線上で起こった現象である。ハント兄弟の資金面での行き詰まりで仕手戦が終わったが、名門証券バーナム社の破たんという悲劇を生みだした。

ウォール街では銀ETFSLV)が連日、大商いで昨日は18000万株とS&P500ETFを抜いて出来高No1になった。空売りの買い戻しがはいった。1980年の2の舞になって暴落を予想するとみる向きが多い。

銀相場をみるのに金/銀比率(金÷銀)というのがある。歴史的な平均値でみると金に比較して銀は割安とみるのが買い方の根拠である。この比率の平均値を当てはめると銀は$90台という数字が出る。買い方の根拠の一つでもある。

東京市場でも銀ETF(1673)が売買されている。われわれは銀投資の手段として注目している。

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NY株が戻り新値・・・業績の好調を買う

2011-04-27 08:05:28 | 株式

NY株は3年ぶりの高値を更新した。

S&P5003分の1が決算発表をしたが75%が事前の予想を上回った。好決算には市場が率直に反応するという相場展開が続く。

昨日の東京市場では任天堂が売買代金のトップであった。月曜日に発表した決算で業績が予想を大きく下回った。DSWiiの売上の失速と、前期中に400万台の販売を見込んでいた3DS360万台しか売れず、ソフト販売も不振であった。

市場の期待を大きく裏切ったのは期待された3DSの人気であるが、既存の製品を含めて人気ソフトが出なかったことが大きく影響した。

決算後の説明会で岩田社長は「目先のことを考えるなら自社の人気ソフトの開発であるが、いまは経営資源を将来のために投入し、飛躍に全力を挙げている」と語ったのが印象的であった。

Wiiの第2世代を6月のE3ショーで公開するが一部にウワサされている操作機能をタブレットにするという観測には「切り換えはない。あくまでボタンでの操作が主流だ」と語った。

昨日の売買代金の急増は失望売りと空売りの混在であるが、目先の悪材料は織り込んだ。

行動ファイナンスでいう直感に頼る投資判断から、「関心」「論理」「比較」による投資判断では逆張り手法が有効な段階にはいった。

この株の評価には野村、大和の国内証券のアナリストが強気で、外資系には慎重論が多いのも注目点。しばらくは強弱が対立するが下値は終わったと見たい。

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今週の米FOMCに注目

2011-04-26 08:26:44 | 株式

NY株は小動きであった。

主要な決算発表の合間であるのと、水曜日の米連銀FOMC後のバーナンキ議長との初の記者会見に関心が集中してきた。これまでの慣例を破る行動である。

昨日、任天堂(7974)が決算発表を行ったが大幅な減収、減益であった。Wii,DSが落ち込んだほか、新製品の3DSの販売が360万台と予定の400万台には届かなかった。

しかし会社が6月の米E3Wiiの後続機を発表すると公表したことに注目が集まっている。今月に入ってから海外では新製品の発表が近いことがウワサにはなっていた。

ProjectCafe」というコード名ですでに社内では開発が進んでいるとみる向きが多かった。おそらく外部のゲーム開発業者に内容の伝達を始めたからだろう。

具体的な仕様は全く言及されなかったが、現在はソニー、マイクロソフトのライバルよりもアップルや携帯電話でのソーシャル・ゲームが最大のライバルになってきた。競争相手の成長の可能性は読み切れない。

これまで任天堂の岩田社長は「SNSのゲームは本来の家庭用ゲームとは異次元の世界」としてきたが、顧客の利用時間には有限でここへきて時間のパイの取り合いになってきたきたを認めた感じだ。

本日は任天堂の決算説明会が午前中に開催される。

市場の関心はどのような説明がなされるかに集まっている。

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相場の中味は\変わる・・・ビル・ミラーの見解   

2011-04-25 06:11:55 | 株式

「ジョン・ポールソンは史上稀に見る金融バブルにより利益を上げた。しかしこのようなバブルは必ずまたやってくるだろう。ベテラン投資家のジェレミー・グランサムによれば、1920年以来、世界中の様々な市場でバブルが28回発生しているという。過去10年だけを取り上げてみても、アジア通貨、インターネット株、不動産、さまざまな商品で歴史的なバブルを経験している。まるで市場の効率が、良くなるどころか悪くなっているかのようだ。投資家の競争がいよいよ激しさをましていること、世界中のあらゆる市場への資金の移動がますます容易になっていることなどが、その一因なおかもしれない」

この文章は「市場最大のボロ儲け」(The Greatest Trade Ever)という翻訳本から引用した一文である(グレゴリー・ザッカーマン著/山田美明訳・阪急コミュニケーション刊)。

世界最大のヘッジファンドに数年間でのし上がった運用者の足跡を追いかけた最近の名著である。

追いかけて世紀の生んだ運用者ビル・ミラーの年2回の「Commentary」を読んだ。現在の商品相場のバブルを2000年のピークを打ったITバブルになぞらえている。

最近、会社を訪ねてきたノーベル賞学者のダニエル・カーネマン教授の「行動経済学」の考えをベースに現在の相場の分析を行っており、これまでの商品相場っをITバブルになぞらえバブル現象と指摘している。

投資銘柄の切り替えを主張し具体的な銘柄を一つ取り上げた。さすがはプラグマテックなウォール街である。昨年7月の彼の推奨株は50%強も上がった。

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