世界の株価は日本時間の今夜のバーナンキ議長の講演の内容に関心が集中し、投資家は見送り姿勢。
2年前の2010年のジャクソンホールでの講演会でQE2(第2次量的緩和)に言及し、低迷する株価の方向性を変えたが、今回もその期待感が強かった。しかし、最近の景気指標に堅調な数字が目立ち、特にエコノミストの間ではバーナンキ議長への期待感は時間が迫るにしたがって萎えてきた。明快な緩和策の発言は見送られ9月12~13日のFOMC待ちという見方が有力になってきた。足元の米国景気の指標には好転が目立ってきたからだ。
しかし問題は2つある。
ひとつはユーロ圏での金融不安がくすぶり、昨日はスペイン問題が浮上した。
いまひとつは大統領選が大詰めを迎え現職のオバマ大統領とロムニー候補の接戦が伝えられていることだ。特に今週の共和党の大会でのロムニー候補の演説に注目する向きが増えてきた。4年前のいまごろは、ウォーレン・バフェットもジョージ・ソロスもオバマ候補支持を鮮明にし、金融界は「変化」を期待したが、4年間の実績は期待外れに終わった。党大会の模様を伝えるメディアもロムニー候補の人気に同調する向きが増えてきたように感じる。
今回の選挙戦は経済問題に尽きるといわれる。
景気の浮揚の兆しを確実なものにするには、金融政策のひと押しを株価は期待する。株価の動きが景気に影響することに関心をもつバーナンキ議長だけに、講演の内容には市場は大きな期待を寄せる。