足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY市場をリードし始めた東京市場

2007-06-30 18:52:46 | 株式

昨日のウォール街は、一時は100ドル以上も上げていたダウ平均が結局はマイナスに終わった。この様な現象がここ2日間も続いたが、最近の相場ではしばしば見られることである。

相変わらず市場参加者の先行きに対する確信は定まらない。昨日は石油価格の上昇が投資家の心理を冷やした。夏場のドライブシーズンに入ってガソリンの消費が増えるが、石油相場に影響を与えたのはガソリンと灯油の在庫減少であった。先行き石油は相場にとっては大きな関心事である。

石油の上昇は必ずしもマイナスではなく、ときとして買い材料にされる。石油などエネルギー関連株や資源株を押し上げる。問題はそのときどきのセンチメントである。

ウォール街の上半期の値上がりベストをみると①アルコア+31.0%②キャタビラー+29.0%③ハネウエル+24.6%④GM+24.2%⑤インテル+18.1%ーであった。素材、設備投資、ハイテクなどの代表銘柄に人気があった。

さて6月も終わったが1ヵ月のパフォーマンスはNYダウー1.6%、S&P500-1.8%、ナスダック0%と調整局面を脱することができなかった。

一方、東京市場は日経平均+1.4%、日経ジャスダック+2.7%、マザーズ+4.7%であった。

外人買いを中心に日本株がNY株よりも一足に夏相場いりしてるというのが、わfれわれの相場観である。

特に新興市場の上昇に注目したい。

当たり前のことであるが何に投資するかが、夏相場でのパフォーマンスのおきなカギになる。

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連銀のサブプライム問題に対する反応

2007-06-29 15:56:47 | 株式

昨日の連銀FOMCでは、今回のサブプライム・ローン問題についての言及があるかとみたが、声明文では全くふれられなかった。

過去8回にわたる5.25%での政策金利の据え置きになったが、住宅市場につては「不振であるが、景気への影響はゆるやか」という意味のことが触れられただけであった。連銀ウォッチャーの見方は「今回の声明文は前回に比べてタカ派寄り」という。

金利先物市場では「年末の利下げの可能性が出てきた」という見方を金利先物に織り込み始めた。

株式市場がこれまで気にしていたのはベアースターンズの2つのヘッジファンドの行き詰まり(資金援助で当面は切り抜けた)が、ほかにも波及し1998年のLTCM破綻のような事態になることであった。

今週のメリルリンチの「米国株投資戦略」は次のように書いている。

「Financial Times紙によると、現在、世界にはおよそ1万のヘッジファンドが存在する。その多くでは運用者が並外れたスキルを持つことが証明されていないことだ。ただ、ほとんどのヘッジファンドは歴史が浅すぎて典型的な運用成績が分からない」(同レポート6月25日)。

大手投資銀行でさえこの様な状況なら、外部のメディアには正確にヘッジファンドに対するサブプライム問題を把握するのは不可能だ。今回は不透明さが市場の不安を増幅させた。

本日、IPO(新規公開)のエヌ・ピー・シー(6255・東マ)はIPO価格3,200円に対して6,400円買い気配、アイル(3854.HC)は同25万5000円に対して57万9000円買い気配で終わり、初値の形成は次週に持ち越された。われわれの理論価格に接近してきたが、この2銘柄の人気をみていると新興市場への人気の蘇りの兆候を感じさせる。

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日本株が合理性を取り戻すカギ

2007-06-28 18:29:33 | 株式

欧米や韓国、台湾などでは株価の評価には必ずPEGレシオ(株価収益率÷増益率)が使われるのに、日本ではあまりいままで問題にはざれず、ごく一部のアナリストや運用者が利用するだけであった。

10年以上も前の話であるが、台湾の証券会社の調査部へ出向いてアナリストの注目株の話を聞いてるときに気がついたが、株価の評価にはPER以上にPEGレシオを重要視した。

先日も本欄でグーグルのPEGレシオは0.9倍、Eベイ1.0倍、IAC1.5倍、ヤフー1.7倍、アマゾン2.2倍で、株価が$500台であるグーグルのPEGレシオが一番、割安であることは書いた。

PERが高くても利益の成長率が高ければPERを成長率の割合に応じて修正するというのが、投資判断に当たってのPEGレシオの利用の仕方である。

IPO銘柄は個人投資家の天下である。そんな市場で外人が注目する銘柄はPEGレシオの低い株である。

いま株式市場で人気の高い任天堂(7974)については「こんな値がさには手は出せない」という声をよく聞く。PER27倍である。東洋経済の会社四季報の予想利益率+20%を適用して、PEGレシオを計算してみよう。

27÷20=1.35倍である。

私の予想利益は50%の増益なので、この数字を当てはめると 27÷50=0.54になる。

この見通しが正しいかどうかに賭けられるかが、戦略の決め手になる。

これから先 東京市場は2~3年の上昇相場に入るとみるので、PEGレシオの有効性は強まるだろう。日本株の株価形成が合理性を取り戻す大きなカギだとみている。

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サブプライム問題の行方

2007-06-27 19:00:45 | 株式

ニューヨーク株が世界の株式市場に大きなカゲを落とし始めた。

きつかけはサブプライム・ローン問題で、大手投資銀行ベアースターンズの組成した2つのヘッジファンドの借り入れに担保不足が出て、資金の出し手から追証を迫られ、当面はベアースターンズが融資をして切り抜けた。しかしあと一本のヘッジファンドにも同じような問題が発生しているというのが、ウォール街が気にしている点である。

この問題の発生で日頃、あまり聞きなれない言葉が盛んに使われる。CDOs(collateralized-debt obligations)という言葉で、債権を証券化した商品のことである。サブプライム・ローンを高利回りの商品にしたCDOsをヘッジファンドが組み入れたが、10倍のレバレッジ(テコの原理)を使って運用した。担保のCDOsの価値が下がり、追加の担保の差し入れを迫られた。

この問題の決着のひとつは水曜日から2日間にわたって開かれてるFOMC後の、声明文で連銀の見方が何らかの形で出る可能性が強く、ひとつの決着が出るだろう。

昨夜のウォール街ではベアースターンズの株価は反発した。第2のヘッジファンドには融資の必要はないと発表したからである。

NY株は過去2日間、一時は100ドル以上も上昇しながら、後場、売られるという展開になった。

相場そのものが調整を必要としていたとろへ、ヘッジファンド問題が出て市場には不安と安堵が交錯してる。

それが証拠に昨日はインターネット株が買われた。押し目を物色しようという動きも出てきてる証明である。

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ニッケル相場の反騰

2007-06-26 18:10:48 | 株式
本日は非鉄株の動きが目立った。住友金属鉱山(5713)、日本冶金工業(5480)、太平洋金属(5541)が相場をリードした。 昨日のロンドン市場(LME)ではニッケル、銅、鉛が大幅に上昇した。ここに上げた3銘柄の2007年3月期の大幅な利益増の原動力はニッケル相場の上昇にあった。相場は1年間で4倍にも上がった。しかし最近は高値から25%も短期間に下落していた。最大手の需要国である中国での在庫増がいわれていた。 ニッケル・メーカーの経営者は「先行き上がるのか下がるのか、誰にもわからない」と慎重な姿勢であったが、その割には2008年3月期の業績見通しには強気の数字を出していたのには気になっていた。 鉛も大幅高をした。1日で+6.7%急騰した。自動車のバッテリー用に主として使われるが中国での生産減が材料視されていた。現在、世界的に需給が窮迫してきている。 本日の非鉄株の人気をみていると夏相場の柱の一つになる可能性が強いと感じた。 ウォール街ではグーグル(GOOG)が$535の史上最高値をつけた。第2四半期の決算の好調がいわれ始めている。2004年8月にIPO(新規公開)してから11回の四半期決算を発表したが、事前の予想を下回ったのは1回だけで、7月の決算発表では予想を上回るという観測が強まってきた。目先、株価は$600の目標を上げるアナリストも出てきた。 同社のPEGレシオ(株価収益率÷利益成長率)は0.9倍。この種の成長株のPEGレシオは3倍以上というのが常識である。
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