今回の世界の株式市場の大波乱のなかで、ヘッジファンドの成果にも大きな格差が出てきた。
昨日もウォール街で一部のヘッジファンドの挫折が伝えられたが、相場全体には全く影響がなかった。
いまやヘッジファンドの総資産は2兆ドルに迫り、社数も1万社を超える時代に入ってきただけに、運用者の間での格差は大きくなり、一部のファンドの動きをとらえて全体像を議論することがナンセンスになってきた。
現在の相場の環境下では、選び方によってはヘッジファンドでの資金運用の効率はいい。しかし当たり前のことであるが、「どのファンドに投資するか」が最大の問題である。
そこでわれわれが取っている戦略はファンド・オブ・ファンズへの投資である。複数のファンドに分散して運用する商品だ。
ただこの商品の選択も難しい。現在のようにヘッジファンドに対しての関心が資産家の間で高まると、本当に投資したいファンドは新しい資金には門戸を閉ざし手いるからである。
この世界でも運用の適正サイズがあるようだ。ソロスもジュリアン・ロバートソンも運用資産が2~3兆円になったとこころで壁に突き当たり、それまでのやり方に限界のきたと悟り、引退を決意した。幸いこれらの両巨人の下で働いていた人たちが独立し、今日のヘッジファンド業界の繁栄の基礎づくりをした。
われわれが、いま投資しているファンド・オブ・ファンズには、ソロスやジュリアン・ロバートソンに薫陶を受けた運用者のものが多い。成果は市場平均を上回り年率で10~15%の実績をコンスタントに上げている。
特に昨今のような環境下では「どのファンドに投資するか」の「解」として、上記の運用者を中心に組みいれているファンド・オブ・ファンズが好調である。もちろんサププライム問題の圏外にある。