足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ヘッジファンドへの投資の仕方

2008-02-23 21:12:35 | 株式

今回の世界の株式市場の大波乱のなかで、ヘッジファンドの成果にも大きな格差が出てきた。

昨日もウォール街で一部のヘッジファンドの挫折が伝えられたが、相場全体には全く影響がなかった。

いまやヘッジファンドの総資産は2兆ドルに迫り、社数も1万社を超える時代に入ってきただけに、運用者の間での格差は大きくなり、一部のファンドの動きをとらえて全体像を議論することがナンセンスになってきた。

現在の相場の環境下では、選び方によってはヘッジファンドでの資金運用の効率はいい。しかし当たり前のことであるが、「どのファンドに投資するか」が最大の問題である。

そこでわれわれが取っている戦略はファンド・オブ・ファンズへの投資である。複数のファンドに分散して運用する商品だ。

ただこの商品の選択も難しい。現在のようにヘッジファンドに対しての関心が資産家の間で高まると、本当に投資したいファンドは新しい資金には門戸を閉ざし手いるからである。

この世界でも運用の適正サイズがあるようだ。ソロスもジュリアン・ロバートソンも運用資産が2~3兆円になったとこころで壁に突き当たり、それまでのやり方に限界のきたと悟り、引退を決意した。幸いこれらの両巨人の下で働いていた人たちが独立し、今日のヘッジファンド業界の繁栄の基礎づくりをした。

われわれが、いま投資しているファンド・オブ・ファンズには、ソロスやジュリアン・ロバートソンに薫陶を受けた運用者のものが多い。成果は市場平均を上回り年率で1015%の実績をコンスタントに上げている。

特に昨今のような環境下では「どのファンドに投資するか」の「解」として、上記の運用者を中心に組みいれているファンド・オブ・ファンズが好調である。もちろんサププライム問題の圏外にある。

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NY市場の2つの指標をみる

2008-02-22 17:06:21 | 株式

ウォール街の動きをみて、注目される指標の2つをみてみよう。

まず3月18日の連銀FOMCでの利下げの可能性である。昨日のNY市場は下落した。その前日は連銀が1月の2回のFOMCの議事録を発表し、利下げへの期待感を暗示すると市場は受け止めたので株価は上昇した。

しかし、昨日はリセッション入りを示す景気指標が出て株価は下げた。反面、金利先物市場では3月18日に0.5%の利下げの可能性が94%の確率まで上がった。

同時にそれまで皆無であった0.75%の利下げの可能性を売買する先物が出た。

この動きをみてると、連銀がいかに株価の動向に関心をもっているかということを、市場には織り込まれてきている。

いまひとつ注目される指標はVIX指数である。オプション取引所で先行きの相場の変動率を売買するものだが、今月は25前後で安定してきている。最近はヘッジファンドやトレーダー、個人投資家もひんぱんに売買するうようになったが、VIX指数をみるかぎりS&P500の1330~1360ポイントはきわめて居心地のよい株価水準であるようだ。

VIX指数が20以下になればS&P500は上放れ1400ポイント近辺にいくだろう。その可能性が近いと読む見方も少数意見だが出てきた。

来週のNY株は、目先の転換点になるか?

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米連銀の議事録に反応

2008-02-21 16:50:33 | 株式

非鉄、石油・石炭、その他製造、鉄鋼、海運、卸売、機械、電気機器、保険、建設が業種別の値上がり・ベスト10である。

その他製造には任天堂、卸売は商社などが含まれている。

ベスト10をみていると想起するのは2005年や2007年前半の相場である。非鉄、石油、鉄鋼、海運は新興国関連であり、視点を変えるなら世界景気の循環株である。

昨日はウォール街では1月の連銀FOMCの議事録が発表になった。「当面は景気の上昇スピードは鈍化するが、2009年にはこれまでのスピードを取り戻す」という内容のコメントであった。そして「2010年には上昇スピードは加速する」と付け加えられた。このようなシナリオの上に立って先行きの政策運営が行われる。

相場に先見性があるとすれば、本日の東京市場は連銀の描いたシナリオを買ったという内容であった。

昨日のNY株はこの内容を好感して上昇した。

今週の米バロンズ誌には当面の上値の抵抗線はS&P5001365ポイントにあるという。これまではこの水準にくると、テクニカル分析をもとに売買をするトレーダーの売り注文が出た。昨日のS&P5001360ポイントであった。先行きこの水準を抜くかどうか?

今週の「トリトンスクエア通信」では松田産業(7456)に注目した。たまたま昨日、会社が「立会い外分売」を発表した。株数は40万株、分売の予定日は227()34日(火)である。価格は分売日の前日に決まる。1人当たり200株の申し込みを受け付けている。分売に申し込みたい。

東京市場では金相場の上昇が業績と連動する数少ない銘柄のひとつである。

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金相場はどこまで上がるか?

2008-02-20 16:50:44 | 株式

昨日は原油価格がとうとう$100大台に乗せて引けた。

13日にも$100台乗せがあったが、その後は調整にはいっていた。

特にきっかけはないがテキサスの精油所で火災が発生したことや、これから灯油は不需要期にはいるので、OPECが生産枠の縮小を決めるという材料が結び付けられた。

いずれも相場の高騰に対しての後講釈的な材料である。

金やプラチナなどの上昇をともなっているのをみても、サブプライム問題の帰結を買ったもので、インフレ時代の到来を予見するという見方に説得力がある。

昨年末いらい成長株投資の得意なヘッジファンドがハイテク株の一部を金投資に切替え、新興国の余剰資金がインフレ・ヘッジとして金を積み増しはじめたとみるのが正しいだろう。

「株式対ゴールド・タイミングもデル」というのがある。

NYダウ平均を買うのに金がいくらいるか?1982年には1オンスの金でNYダウ平均が買えた。

現在のダウ平均は12300ドルで、金を13.2オンス出さなければならない。つまりNYダウ平均の13分の1が金価格である。

1982年の石油ショック時には金1オンスでダウ平均が買えた。その後、インフ化された資金は株式に向かった。現在の金相場がさらに13倍も上昇して、1オンスでダウ平均が買えるようになるとは、誰も想像できないが、現在の管理通貨制度のもとではいつかは、昔きた道に戻るかもしれない。

今年はじめはNY株を買うのに14オンスが必要であった。ついこの間の話である。

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本日の相場・・・合理性がもどりつつある?

2008-02-19 18:06:10 | 株式

みずほフィナンンシャル、トヨタ自、三菱UFJ,ソニー、新日鉄、三井住友、三菱商、キャノン、任天堂、住友鉱。

ここに並べたのは本日の売買代金ビッグ10銘柄である。

いずれも日本を代表する大型株である。それぞれの売買代金はトップのみずほの1100億円から第10位の住友鉱の381億円まで、ほどほどの売買代金である。

ビッグ10が全て株価が上昇し、上昇率は1.77%6.11%で、ここに並べた銘柄を所有している機関投資家やヘッジファンドは大満足であった1日だ。

日本株投資を敬遠していた投資家は「うーん!」と考えさせられたはずである。

以前にも本欄で紹介したことがあるが、有名なバートン・ビッグス(かつてはモルガンスタンレーの国際投資の最高責任者、現在はヘッジファンド・トラクシスを運用)は「相場の底入れはだれにも分からない」と書いている。

また「投資で成功するのには経歴は関係ないし、私の考えでは、年も関係ない。昔の皮肉屋のジョージ・バーナード・ショウがいった通りだ。“ひとの賢さは経験に応じて決まるのではない。経験から学ぶ能力に応じて決まるのだ”」(「あぶない金融錬金術師たち・ヘッジホッグ」バートン・ビッグス著・望月衛訳、日本経済新聞刊)。

最近の株式相場をみていて、もちろんNY株の底堅さもあるが、割安の日本株に投資の合理性が、わずかながら示現し始めた感じを受ける。しばらく見られなかった現象である。

今週の米バロンズ誌にはウォーレン・バフェットがサブプライム問題の渦中にある銀行株ウエルズー・ファゴーを買い増し、食品株のクラフト(KFT)を取得して、大量報告書をSECに提出したとある。経験から学ぶ能力にかけてはヘッジファンドも足元にも及ばない投資家の行動をどう読むか?

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