足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

東京市場の元気のなさの理由

2007-01-31 18:19:22 | 株式

相場の動きが方向感を失っている。

理由のひとつはウォール街で目先にき慎重論が台頭しているからである。慎重論を唱える専門家が注目するひとつの理由はは国債とジャンク債との格差が極端に縮小していることである。

市場に参加する投資家が楽観的になっている証明で、これまでの経験則によると、現在のような小さい格差になると、必ず株価は調整局面に入っている。ここ2年間の相場の経験側では、2005年初めの-7.5%、同年夏と秋の-6%、2006年春の-8%と下げている。

昨年7月以来、このような大きな下げ局面を経験しないまま、上昇相場を続けてきただけに、国債とジャンク債との格差の縮小は気になるところである。

「株価は材料を先見するが、債券相場は株価に先行する」という格言がウォール街にある。

われわれが注目しているヘッジファンドの運用者フェリックス・ズーロッフは「目先、下げが浅ければ、後半には大きな下げがある」と慎重派の一人である。

このようなウォール街のセンチメントを東京市場も気にし始めたのか?

昨日、第3四半期の決算発表をしたミクシィ(2121・マ)が、本日、機関投資家・アナリスト向けの説明会を開いた。2007年3月期の見通しを修正せず、期待した株式分割もなかったので株価は大きく売られた。

今期の見通しについて笠原社長は「保守的かもしれない」と語った。第3四半期の売上げは前年比3.1倍、経常利益は2.5倍。業績の伸びは新興市場のネット株では米グーグル並みである。3ヵ月後には総額修正があるとみる。

われわれが気にしていた会員の増加の伸び悩みはなく、1月21日現在では800万人台に乗った。気にしていたというのはソフトバンクと組んだ米マイスペースの影響だ。

それに携帯電話でのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が大きくのびているのは、米国では見られない勢いであると思う。

広告の単価は1年前に比べて3.2倍、3ヵ月前に比べても+44%も上昇した。ネット広告業界の伸び悩みを打破する道を開く先駆者的な役目を果たしている。

2月5日から動画のSNSをはじめる。米国のユーチューブ(YouTube)の分野である。SNSの成長株の魅力を確認させる発表会であった。株価の反応は間違っている。

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慎重派も下げれば「買いたい」

2007-01-30 17:10:37 | 株式

米バロンズ誌の新春座談会は今週の月曜日の発行分で終わった。12人の世界最高水準の運用者が出席しての相場観と投資戦略の議論の場だけに、3週間も連続して掲載せうるという力の入れようは理解できる。

株式市場のグローバル化と運用の多様化の時代がますます進み、気が付いてみれば座談会での見方がそのまま「明日の戦略」に利用できるようになってきたのは喜ばしいとともに、忙しくなってきたと痛感する。

米国株もイギリス株も中国株も、部屋で居ながらPCを前にして、座談会から得たアイディアで、これぞと思う銘柄の注文を出すことが出来るようになった。それだけに読者の方も真剣勝負を賭ける。

12人のうち、相変わらず弱気は3人であったが、そのうちの2人も「現在の水準から10%も下がるようなら買い出動」と昨年とはトーンが変わってきた。

NYダウは昨年7月から連続8ヵ月目の上昇(30日と31日を残すが、この調子で今月も上がれば)になる。過去には9ヵ月上昇というのは記録していない。それに過去135日間、1日に2%以上の下げを経験していない。これも1958年以来である。黄金の1960年代のプレリュードであった時期だ。

さすがの強気筋も「多少は休んだほうがよい」という気持ちを強めている。そういった意味では東京市場も目先2月は踊り場になるかもしれない。

しかし先に書いた米バロンズ誌の座談会の出席者の慎重派も「下げれば買いたい」というのだから、今年の投資市場は好環境下にあるといえる。

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外人買いの動機

2007-01-29 18:59:57 | 株式

連銀が30~31日の2日間にわたってFOMCの会合を開く。

ウォール街の予想では98%の確率で現在の5.25%のFFレートは据え置く。5回にわたる「変化なし」の決定である。

金利先物取引から割りだした確率であるが、それでも期待をこめて2%の確率で利下げを予想する向きもある。「住宅市場の軟化が景気の先行きに悪影響を及ぼす」という見方である。

金利据え置きで大方の見方が一致しているのは、インフレ懸念である。原油価格が78ドルから50ドルすれすれまで下がり、エネルギー・コストの下落がインフレ沈静に好影響をもたらすという期待感もあるが、このまま石油が低位で安定するとうコンセンサスはできていない。

金利の据え置きで問題になるのは日米の金利差だ。日本のFFレート0.25%でで調達して、日本の債券先物を買う。3月に期限のくる銘柄だ。同時に米国のマネーマーケットで5.25%で運用する。債券王といわれる運用者のビル・グロスは、このような短期のキャリートレードを推奨している。一般には不可能な取引きであるが、ヘッジファンドや機関投資家には安全性の高い取引である。

ここに円安の原因の理由がある。日銀が大幅な利上げに進まず、連銀が利下げに動かなければ現在の円安基調には大きな変化はない。

最近の外人投資家の日本株買いの動機のひとつでもある。東京市場の堅調は続くだろう。 

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ハドソン(4822・HC)の決算をみる

2007-01-28 18:10:32 | 株式

週末にハドソン(4822・H)が第3四半期の決算を発表した。売上げは前年同期に比べて-1.1%であったが、経常利益は2.2倍と大きく伸びた。

ただ市場が期待してきた2007年3月期の業績は3ヵ月前の中間決算の発表時のの予想である154億円、経常利益16億円を変更しなかった。第3四半期までの経常利益は17億4500万円で、通期の予想16億円を上回ってしまった。それなのに修正しなかったのは、任天堂のDS、Wii向けのソフトの開発が急増しており、数字が出し難いせいなのか?

任天堂のWiiは発売いらい革命的な人気を呼んでいることは、本欄で何度も書いてきたことであるが、大きな特色のひとつはゲームの開発コストが普通の半分で済むということだ。1本のゲームを開発するのに10~20億円の資金が必要されるようになってきた時代であるが、Wiiはその半分で新作が開発できるという。これも大きな魅力である。WiiだけでなくDSについてもいえる。

ハドソンのDS、Wii向けの新作の発売はこれまで考えられなかったスピードである。DSは昨年3月から16本、WIIは11月の発売以来、5本である。

ハドソンの業績は4月には増額修正がみられるだろう。現在のPER19倍は、過去の赤字決算で課税が免れているが、2008年3月期の業績の伸びが、現在のPERを正当化するとみる。

Wiiの成功の好影響を受ける株のひとつである。

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海外メディアの任天堂観

2007-01-27 19:14:56 | 株式

任天堂の先週の決算発表が、米国のメデイアの間でもさまざまな関心を呼び起こすきっかけとなった。

週末の「ビジネスウィーク・オンライン」(BisinessWeek online)は「DSの成功の波に乗って、Wiiは冷え込んでいたゲームの世界を蘇らせ、ソニーの新PS3に打勝った」(1月27日)と勝利宣言を書いた。この種の雑誌が、発売、間もない(昨年19日に米国では日本に先駆けて発売)製品に早々と軍配を上げるのはめずらしい。

成功の大きな秘密は、Wiiに先行してDSで成功したことである。これまでゲームに関心のなかった人たちが、年齢を問わずゲームの世界にはいるきっかけの扉を開くきっかけをつくったことである。「脳を鍛える」「ニンテンドードッグズ」というこれまでの、派手でにぎやかなゲーム遊びの世界に、「しずかに楽しめる」という新しいコンセプトをつくることに成功した。

DSを操作するのは簡単だ。それが年齢層を超え、性別の垣根を取り払った。「脳を鍛える」がひきつけ、専門家に驚きを与えたのはベビー・ブーマたちの間での大きな人気である。

そしてDSはゲームソフトの開発者たちの関心も、大きくひkつけている。ソフト開発は簡単でコストもかからない。それにペンでタッチ(触る)して遊ぶことが、ソフト開発の幅を広げた。スクリーンがダブル(D)であることも、これまでの常識破りとなった。これまでのゲーム延長線上の改良型ではない。専門の調査機関がゲームの開発者たちを対象に行ったところ、「これからは、まずWiiのソフトの開発を手がける。次はDS]という回答が返ってきた。

ビジネスウィークの記事のごく一部の部分を拾い上げた。同じメディアでも日本とは異なる点から決算を分析している。

1980年代の初め、私は証券会社で外人投資家に日本株をセールスする仕事に携わっていた。欧米や香港、中東にゲーム&ウォッチを鞄につめて、運用者のところを訪問した。ホテルに戻ると、多くの投資家から「さきほど置いて返った商品をあと1台もらえないか」というメモが部屋に残されてたことを思い出す。

それから任天堂株は何十倍になったことか。

再びゲームの世界に革命をもたらそうととしている。

任天堂がソニー、マイクロソフトと競うゲーム市場は世界で3兆6000億円を超える。この市場のパイを広げるきっかけに挑戦をはじめた。株価の分析の常識も変える必要があるかも知れない。

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