2008年のウォール街の幕開けは大幅な下落で始まった。
下落率はNYダウ平均が-1.67%で、1983年の発会(-1.86%)以来のことである。
ISM指数の製造業の数値(12月)が2007年1月の水準まで下落したことと、12月11日の連銀FOMCの議事録の内容が発表され、景気の減速が継続している内容であったことから、リセッションの懸念が高まった。
1月29~30日の次回のFOMCでの利下げ(0.25%)の確率が先物市場では100%になり、0.5%下げの確率も60%台になった。
本来なら株価は上昇してもよいところだが、市場のセンチメントはきわめて悪い。
一方、象徴的なのが原油相場の$100台乗せ(引けは$99.62)と金相場の史上最高値の更新である。金は$861.20で引けた。
石油は2001年の安値から5倍になったし、金相場はここ1年間で+30%になった。
原油相場はナイジェリアでの紛争、パキスタンでの暗殺事件など地政学リスクがいわれている。金相場はドル相場の下落懸念が材料だ。
注目されるのは20世紀が生んだ偉大な投資家といわれるビル・ミラーが、昨年第4四半期にポートフォリオのトップ10の内容を一部替え、これまで頑なに避けてきたエネルギー関連株に投資をした。昨年12月の公開討論会で明らかにしたが、具体的な銘柄には言及しなかった。これまでエネルギー関連に投資しなかったのは、石油の需給ひっ迫は一時的な現象とみていたが、見方を「構造的」ということにチェンジした。
注目される動きである。