新興市場は個人投資家のセンチメントの指標的な存在である。
なかでもマザーズ指数の動きがそれを端的に物語る。
マザーズ指数は2006年1月に2799.06でピークを打った。ライブドア事件の時である。そして昨年9月18日に620.42で第1番目の底入れになった。その間の下げ率は‐77.9%であった。
本欄では当時の下落率がITバブル反動時のナスダック指数の下落率‐78%に達したので「底入れ」とみた。別にこの数字には科学的な根拠はないが、このような下落率は相場のバブルのはじける場合のひとつの経験測でないか?
東京市場での資産バブル相場の下げは1989年~2003年が‐80.5%であった。後世の経済史家は、20世紀が生んだ典型的な相場のバブルのひとつとして、今後、さまざまな研究のテーマに取り上げていくだろう。
さてマザーズ指数は昨年9月の底に続いて、1月22日に608.17まで下げ‐78.3%となった。典型的な2番底いれである。東京市場だけではなく、ウォール街の投資家のセンチメントも極度に悪化した。先行き景気に問題があるにしても、明らかに下への行き過ぎである。
再び新興市場の銘柄には高値から3分1以上の下落を記録する銘柄が出てきた。
大底が入ったとみるが、問題はどの銘柄に投資するか?
ひとつのスクリーニングの方法として指数は新安値になったが、株価は9月安値より上にある銘柄に注目したい。株価は目先の業績の好調を物語っているとみるからである。