足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

投資の「魔法の公式」がベストセラーに・・・驚異的な成果

2006-06-11 15:39:38 | 株式

ヘッジファンド(「マハッタン」)を運用するジョエル・グリーンブラットの「小冊子・相場に勝つ」(The Little Book That Beat Market)が昨年11月に出版されてか人気を呼び、ベストセラーにのし上がった。著者はヘッジファンドの運用者で実践家、その運用成果は1980年代に設立されてから年率40%の成果を上げた。市場平均の+12%を大きく上回る。コロンビア大学のビジネス・スクールで教鞭もとる。

書物は本当に小型本で155ページ。アメリカ人なら2時間で読めるだろう。1988年~2004年の16年間について持論の「マジック・フォーミュラ」(魔法の公式)を駆使して具体的な成果を検証している。

年率+31%の成果で、その間の市場平均+12%を大きく上回っている。2.3年で倍になるのだから驚異的である。

その公式はいたって簡単で明快である。

①投下資本利益率(利益は純益+金利、投下資本は有形固定資産)

②益利回り(上記の利益÷(時価総額+純負債))

この両者の数字のランキングを作成し、ランキングの数字を合計し数値の低い銘柄から投資対象を選ぶ。

これだけの説明では理解しがたいかもしれない。要は企業の投資効率とPER(株価収益率の逆数)に注目する。ランキングをとるのは株価のパフォーマンスは割安株に投資するという基本原理からである。

書物を読みながらウォール街は「すごい」と改めて感心させられた。日本でもやがて翻訳が出るだろう。