金曜日は東京、アジア、ヨーロッパの株が回復したので、昨日のニューヨーク市場には期待を持ったが、弱気のトレンドから抜け出すことができなかった。相場の頭を抑えているのは連銀の金融政策の行く手である。
グリーンスパン議長の時代は政策の方向性について、市場にメッセージを先に伝え、過去16回の利上げに対して“慎重なペースで”という言葉を続け金融市場に混乱を与えなかった。しかしバーナンキ議長は4月のCNBCの記者の誘導尋問についひっかかり、タカ派という印象を与え、市場が政策の判断をする上での混乱の原因をつくった。バーナンキ・ショックという言葉が生まれるような株価の暴落を招いた。
「わかりやすいメッセージは貴重だが、悪い発言なら沈黙のほうがまし」とバーナンキ議長への評価は手厳しい。その点はECB(ヨーロッパ中央銀行)の行動は立派で、今回の利上げにもかかわらずヨーロッパ株は上昇した。
今週、副議長にコーン理事を当てることにしたがバーナンキ議長の市場との対話路線の強化の一環である。
金曜日のNYダウは下値の支持線の11,000ドルを大きく下回った(金曜日の引けは10891ドル)。テキサス・インスツルメントが第2四半期の増額を発表したのに、証券会社の評価の引き下げで売られハイテク株が下がった。市場のセンチメントの弱さを現している。
せっかく底入れ感の出てきた世界の株価にとって、週明けのNY株の動向が大きな影響力をもつてきた。