バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

肝細胞増殖に対するSwiss 3T3細胞の効果、及びその増殖促進因子の精製・同定

2007年09月09日 | 細胞と再生医療
研究者 佐藤 玄 船橋 亮 Kristensen D B 立野 知世
 所属: 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業

報告概要 成体ラットから採取した肝細胞の増殖に最適な培養条件を探した。その結果,増殖能が高い小型肝細胞をウシ胎児血清,表皮成長因子、ニコチンアミド,活性持続型ビタミンC,ジメチルスルホキシド含んだ培養液中でSwiss3T3細胞と共培養すると,小型肝細胞がコロニーを形成しながら増殖することが分かった(図1)。また,この共培養では小型肝細胞のみならず肝実質細胞においても増殖・コロニー形成が起こった。
肝実質細胞の培養において,3T3細胞の培養上清を上記培地に加えると,Swiss3T3細胞と共培養したときの培養初期と同程度の増殖効果が見られた。3T3細胞培養上清中より肝細胞増殖促進因子を精製し,アミノ酸配列分析したところ,発生の時期特異的に強く発現する増殖関連因子のプレオトロフィンが同定された(図2)。3T3細胞のつくるプレオトロフィンが,肝細胞と3T3細胞の共培養系での主要な肝細胞増殖促進因子であることを示唆した。 J-Store >> 研究報告コード R990003839

高い増殖能と分化能を示す正常ヒト肝細胞の長期培養方法

2007年09月09日 | 細胞と再生医療
研究者 日野 裕史 立野 知世 佐藤 玄
 所属: 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業

報告概要 成人ヒト肝組織から採取した小型肝細胞と肝非実質細胞を含む画分を,5%ウシ胎児血清,10%正常ヒト血清,50%Swiss3T3細胞の培養上清,表皮成長因子、ニコチンアミド,活性持続型ビタミンC,ジメチルスルホキシドを加えた培地で培養した。正常ヒト血清とSwiss3T3細胞の培養上清がヒト小型肝細胞の増殖の促進に効果的であることを見いだした。小型肝細胞は増殖相で5倍に増加し,およそ35日間ゆっくりと増殖し続けた(図1,図2)。コロニーの細胞は正常肝細胞の表現型,アルブミン,トランスフェリン,サイトケラチン8と18,α1-アンチトリプシンを発現していた。コロニーは3か月間維持することができた。
この研究では,非実質細胞画分に豊富に含まれる高い増殖能を示す小型肝細胞が、ラットと同様,ヒト肝臓にも存在することを明らかにした。
現在の培養条件をいっそう改良することにより,多くの正常ヒト肝細胞が得られ,ハイブリッド型人工肝臓や肝疾患の遺伝子治療に利用できる。 J-Store >> 研究報告コード R990003840

動物細胞のプロテオーム解析

2007年09月09日 | 細胞と再生医療
研究者 佐藤 玄 船橋 亮  鈴木 明文
所属: 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業

報告概要 細胞内で起こる蛋白質の変化を包括的に全体をパターンとして捉えるプロテオームという概念がある。この研究では,細胞内の蛋白質の変化を見るために,まず,そのreferenceとなるカタログ作りを目指し,培養パピラ(毛乳頭)細胞内蛋白質のシステマティッな同定を行った。その結果,パピラ細胞で126種の蛋白質の同定に成功した。細胞内蛋白質は大型のゲルを用いた高解像度二次元電気泳動により個々に分離された。等電点・分子量で分けられた二次元パターンとして画像処理用ワークステイションによりデータベース化された後,一つずつ切り出され,アミノ酸配列分析法により同定された。また,新たな蛋白質同定法として,質量分析装置を用いた迅速な蛋白質の同定であるペプチドマス・フィンガープリント法を,ラット肝細胞,ヒト皮膚線維芽細胞に対して適用した。その結果,ペプチドマス・フィンガープリント法により肝細胞内蛋白質を24種類,皮膚線維芽細胞内蛋白質16種類の同定に成功した(図1,図2,図3)。その過程で明らかになったペプチドマス・フィンガープリント法の問題点を基に,新たなペプチドマス・フィンガープリント法のための蛋白質のデータベースを開発した。 J-Store >> 研究報告コード R990003841

アダマンタン誘導体の微生物による製造法

2007年09月09日 | ファインケミカル 中間体
出願番号 : 特許出願平7-17619 出願日 : 1995年2月6日
公開番号 : 特許公開平8-205883 公開日 : 1996年8月13日
出願人 : 旭化成工業株式会社 発明者 : 川手 信彦 外1名

発明の名称 : アダマンタン誘導体の微生物による製造法

【構成】 ボーベリア属に属するボーベリア・バシアナIFO8554(FERM P-14740)微生物またはその処理物を(1S)-3-〔2-(2-アダマンチル)エチル〕-1,8,8-トリメチル-3-アザビシクロ〔3.2.1〕オクタンに作用せしめてなるトランス-(1S)-3-〔2-(5-ヒドロキシ-2-アダマンチル)エチル〕-1,8,8-トリメチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタンの製造法。
【効果】 ボーベリア属に属するボーベリア・バシアナIFO8554またはその処理物を用いることにより立体選択的に水酸化してトランス-(1S)-3-〔2-(5-ヒドロキシ-2-アダマンチル)エチル〕-1,8,8-トリメチル-3-アザビシクロ〔3.2.1〕オクタンを収率良く製造し得た。

グリセンチンまたはグリセンチン類縁物質の抽出法

2007年09月09日 | BioTech生物工学 遺伝子工学
出願番号 : 特許出願平7-307236 出願日 : 1995年11月27日
公開番号 : 特許公開平8-205887 公開日 : 1996年8月13日
出願人 : 日清製粉株式会社 発明者 : 今井 伸二郎

発明の名称 : グリセンチンまたはグリセンチン類縁物質の抽出法

【目的】 グリセンチンまたはグリセンチン類縁物質を微生物より簡便に抽出する方法の提供。
【構成】 形質転換された微生物が産生するグリセンチンまたはグリセンチン類縁物質を該微生物より酸性水溶液により抽出することを特徴とする。

新規抗生物質クレミマイシンとその製造法及び用途

2007年09月09日 | 医療 医薬 健康

出願番号 : 特許出願平7-41438 出願日 : 1995年2月7日
公開番号 : 特許公開平8-208644 公開日 : 1996年8月13日
出願人 : 財団法人微生物化学研究会 発明者 : 竹内 富雄 外6名

【目的】 多剤耐性菌(メチシリン耐性菌等)に優れた抗菌活性及び抗腫瘍活性を示す新しい分子骨格を有する抗生物質を提供する。
【構成】 次式(I)で示される化合物、あるいは次式(I)


で示される化合物である新規抗生物質クレミマイシンがストレプトミセス属に属するMJ635-86F5菌株の培養により得られた。クレミマイシンはメチシリン耐性菌を含めてグラム陽性菌に対する抗菌活性と抗腫瘍活性とを有する抗生物質である。


新規抗生物質PF1158A物質、PF1158B物質およびPF1158C物質

2007年09月09日 | 創薬 生化学 薬理学
出願番号 : 特許出願平7-14991 出願日 : 1995年2月1日
公開番号 : 特許公開平8-208677 公開日 : 1996年8月13日
出願人 : 明治製菓株式会社 発明者 : 発 正浩 外6名

発明の名称 : 新規抗生物質PF1158A物質、PF1158B物質およびPF1158C物質、それらの製造法および抗腫瘍剤

【目的】糸状菌の培養法により抗腫瘍活性を有する新規抗生物質PF1158A物質、PF1158B物質およびPF1158C物質を提供する。
【構成】糸状菌ゲオスミチア アルギラセアを通常の微生物が利用しうる栄養物を含有する培地で培養し、得られた培養物中から溶剤抽出法、シリカゲル・カラムクロマト法等を用いて、抗腫瘍活性を有する目的物を単離した。新規抗生物質の分子式は、それぞれPF1158A物質はC45H36O15、PF1158B物質はC45H38O15およびPF1158C物質はC45H38O15である。

ファルネシル・蛋白質転移酵素阻害物質、バリノクチンとそのエステルおよびその製造法

2007年09月09日 | ファインケミカル 中間体

出願番号 : 特許出願平6-337423 出願日 : 1994年12月28日
公開番号 : 特許公開平8-183794 公開日 : 1996年7月16日
出願人 : 財団法人微生物化学研究会 発明者 : 竹内 富雄 外3名

発明の名称 : ファルネシル・蛋白質転移酵素阻害物質、バリノクチンとそのエステルおよびその製造法

【目的】 従来既知の制癌性化合物と異なる作用機作をもち、ファルネシル・蛋白質転移酵素を阻害してヒトの癌細胞の増殖を抑制するのに有効である新規な化合物を提供する。
【構成】 下記の一般式(I)で表されるバリノクチンAおよびB、ならびに下記の一般式(II)で表されるバリノクチンAおよびBのアルキルエステル、あるいはこれらの酸付加塩が新規化合物として得られた。これら化合物はRas蛋白質のファルネシル化を行うファルネシル・蛋白質転換酵素の活性を阻害する酵素阻害物質である。特に、バリノクチンAおよびBのアルキルエステルは各種の癌細胞の増殖を試験管内で阻害する活性を有して、制癌剤として有用である。一般式(I):


(式中、RはバリノクチンAでは水素原子を示し、またバリノクチンBではメチル基を示す)で表される化合物であるバリノクチンAまたはバリノクチンB。一般式(II):


(式中、RはバリノクチンAでは水素原子を示し、またバリノクチンBではメチル基を示し、さらにR1はアルキル基を示す)で表される化合物であるバリノクチンAまたはバリノクチンBのアルキルエステル。


2-ケト-L-グロン酸の製造方法

2007年09月09日 | BioTech生物工学 遺伝子工学
国際出願番号 : PCT/JP95/00285 国際出願日 : 1995年2月24日
国際公開番号 : WO95/23220 国際公開日 : 1995年8月31日
出願人 : 藤沢薬品工業株式会社 発明者 : 丹羽 峰雄 外4名

発明の名称 : 2-ケト-L-グロン酸の製造方法

L-ソルボースデヒドロゲナーゼをコードするDNAおよびL-ソルボソンデヒドロゲナーゼをコードするDNAの双方を含む発現ベクター、D-ソルビトールからL-ソルボースを高収率で生産し、2-ケト-L-グロン酸(以下、2KLGAという)分解活性がないかもしくは低く、または前記性質に加えてさらにL-イドン酸の生産活性がないかもしくは低い微生物を該発現ベクターで形質転換することにより調製されるD-ソルビトールから2KLGAを高生産する能力を有する形質転換体、および該形質転換体をD-ソルビトールを含有する培地で培養することによる2KLGAの製造方法。本発明によれば、L-アスコルビン酸の製造に有用な2KLGAを一回の培養によって簡単にかつ大量に効率よく製造することができる。

性行為感染症予防のための硫酸化多糖類の使用

2007年09月09日 | 創薬 生化学 薬理学
出願番号 : 特許出願平6-516216 出願日 : 1994年1月6日
公表番号 : 特許公表平8-506570 公表日 : 1996年7月16日
出願人 : ザ ポピュレーション カウンシル 発明者 : フィリップス ディヴィッド エム 外4名

発明の名称 : 性行為感染症予防のための硫酸化多糖類の使用

HIVの細胞-細胞感染、並びにこのようなAIDSの性行為感染は、膣粘膜、子宮顆部及び陰茎へ、硫酸化多糖類を直接塗布することによって阻害される。硫酸化多糖類は、カラゲニン及びデキストラン硫酸を含み、これらは、クリーム、座薬、ゲル又は泡の組成物に製剤することができ、かつこのような組成物は、本発明の態様に含まれる。