Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「オリバー!」キャロル・リードというかジャック・ワイルド追悼

2009-08-14 00:18:21 | cinema
この映画をよく観た。
ビデオでだけれど。

『小さな恋のメロディ』でもコンビを組んでいるマーク・レスターとジャック・ワイルド。絵に描いたようなコンビ。
両作ともジャックは名前のとおりワイルドな感じで、したたかで現実的な知恵を持っている。マークは無垢で純真でそれゆえ生きる知恵を持たない。
対照的な二人が出会い、互いに自分にないものを相手から学び、成長する。
これは東洋風にいうと文武両道、ある意味パーフェクトな人間像というものについての映画的考察だったのではないか?
この考察が60年代の終わり~70年代の始まりに、このふたりによって2度表象されたのは決して偶然ではないのだろう。

で、ですね、
どちらの映画でも大人を食ういきおいでその演技力を見せつけたのはジャック・ワイルドのほう。
チビなくせにかっこよかったジャック。
16歳で『オリバー!』19歳で『~メロディ』に出たあとは、2005年までちょこちょことTVや映画に出演している。
そう。彼はワタシが知らない間に、2006年に没していたんです;;
口腔がんだそうです。54歳で。
ああ、ジャック。。

というわけで、追悼です。
追悼にはやはり『オリバー!』を観るのが一番かもしれない。
ディケンズ『オリヴァーツイスト』の物語をミュージカルにしたものです。
あの暗い話を、明るいマーチで派手にやってしまうところがスゴいと思います。
監督はキャロル・リード。オリバーはもちろんマーク・レスターで、ジャックはフェイギンたちの仲間、スリ名人の少年ドジャーを演じています。
人でごった返すロンドンの街でさまようオリバーをそっけなくでもやさしく呼び止めるドジャーのかっこよさには泣けますね。
悪漢ビルにはオリバー・リード。キャロル・リードの映画『オリバー!』にオリバー・リードが出ているので、頭がごっちゃになります。。。


ということで、この暗く明るいミュージカルはイギリス映画です。というところもいいですね。ジャックもイギリスで生まれイギリスで亡くなった俳優さんです。イギリス映画。ゴダールはイギリス映画などなかった、とうそぶいていますが、ジャックが出た映画や、マイケル・パウエルの映画などを思い起こすと、そこには歴然とイギリス映画が存在するような気がします。(まあ、パウエルの相棒プレスバーガーはハンガリー人なんですけどね)


ジャック逝去のことはラムの大通りのえいさんに教えてもらいました。

それから、ジャックの死のときまでマークとは友人でいたということです。


R.I.P.


【追記】
冷静になって考えてみると、『オリバー!』はもともとブロードウェイミュージカルだったのですから、イギリス映画として映画化されることで、なんというか、本籍獲得といった感じでしょうか?(笑)




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『小さな恋のメロディ』はいまは絶版のようですね?
残念。




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コメント (2)
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